今後話の続きは少し長い間を開けて投稿するかもしれませんが出来る限りエタらないようにしていきます。
それでは第二話 ヘリウム お楽しみください
周囲のざわつきに気付き振り返った俺の視界に現れたのは先ほどまでは存在しなかった恐らく高さ5〜6m程はあるだろう巨大な門が突然現れていた。
「なぁにあれぇ…?」
突如として現れその存在感を存分に晒している門に開いた口が塞がらず、呆然と立ち止まってしまったが直ぐに思考を切り替える。魔法なんて物が存在しない筈の現代社会で現れるなんて異常事態にも程がある。
先ず何故門が突然現れたのか?ぱっと今思い付くのは俺自身がこっちの世界に来てしまった影響であの門が現れたという説だ。
だが恐らくこの説は違うだろう。真理の扉を通って日本に来るまではまだ理解出来るがその影響で門が現れるなんて…
「あー…そういえば旧アニメの方だと門って登場するんだっけ…?」
ハガレンの旧アニメ版。2003年に放送されたアニメであり、原作の漫画がまだ完結していなかった為に独自の路線に変更、オリキャラや独自の設定があるアニメでありそれには確か真理の扉ではなく真理の門として門があったはずだ。
もしあれが真理の門であるならば今の俺とあの門に僅かながらも関係性がある為先程の説の可能性がほんのちょっぴり浮上してくる。
「くっそこんなことになるなら旧アニメも観ておけば良かった…取り敢えず近づくか」
俺は旧アニメ版は原作と設定や展開が違い過ぎて観るのを敬遠していたのだが今後悔している。といっても先ずそもそもハガレン世界に転生して、その後日本に戻ったと思ったら旧アニメの真理の門(仮)が現れるなんて誰も予想できないから仕方ない気もする。
そんなふうに心のなかで一人納得するために言い訳をしながら門を調べる為に、突然現れた門を見ようと集まった野次馬の人混みを進んで門へと近付いていく。
門へと近づきながら気が付いたのだが、俺が先程までいた場所と門は少し距離があった為遠近法で小さく見えたが門はもう少し高いようだ。恐らく10m程はあると思う。
そんな事を考えながら門へと近付いていると閉じていた門がゴゴゴ…!という音をたてながら少しずつ開き始めた。
俺は門が開き始めた為、門の向こう側を見ようと一度足を止めて門へと注目する。
少しずつ開いていた門が完全に開ききろうかという時に門の中から3〜4mはある物語の中にしか存在しないはずの空飛ぶトカゲ、つまりドラゴンが現れ門の近くに居た人の上半身を食いちぎりながら飛んでいった。
一瞬の静寂が流れた次の瞬間、何が起こったのか理解した人々は蜂の巣を叩いたように悲鳴を上げながら逃げようとする。
しかし門から現れた脅威は空を飛んでいるドラゴンだけじゃなかった。完全に開いた門の向こう側から鎧を着込み、槍や剣を手にした兵士や緑の肌に豚のような鼻をした怪物など、こちらも物語で出てくるような魔物が現れ次々と逃げようとする人々を殺戮し始めた。
「なっ!?」
ほんの一瞬で数十人の命が奪われる光景に俺は驚き体が一瞬硬直するが軍人として戦場も経験したお陰か直ぐに意識を切り替えて軍服のコートの内ポケットに手を伸ばし1対の手袋を取り出す。
取り出した手袋を装着している間も兵士達は逃げ惑い抵抗もできない人達に対して剣を振り上げ斬りつけようとするのが視界に入る。
「させるかぁ!!」
右足を強く地面に叩きつけ靴の裏に書いてある錬成陣を発動させる。俺の足から錬金術を発動させた時特有の錬成反応の電気が流れ複数の兵士の足元のコンクリートが盛り上がり剣を振り下ろそうとした兵士達の腹を棘上になったコンクリートが貫く。
「え?…えっ…!?」
「ぼーっとするな!早く逃げろ!」
「え…あっはいぃ!!」
殺されかけた恐怖からかはたまた目の前で突然人が死んだからかその場に座り込み動こうとしない奴に状況が状況なだけに俺も焦っている為、声を荒げながら逃げるように指示する。
俺の声に気がついたのかすぐ様立ち上がって逃げ出す人達を視界の端に入れながら目の前の敵を睨み付ける。
どうやらあちら側は突然地面が盛り上がったと思ったら仲間が殺されたせいで警戒してくれている様で動こうとしていない。
「突然門が現れたと思ったら中からは罪の無い人達を殺すクソ野郎共が出てくるとは…お前ら覚悟はできてるんだよな?」
日本に戻ってきてしまっただけでも頭が爆発しそうなぐらい訳が判らんのに更に追い打ち掛けるように人殺し集団が現れたせいで今の俺は少し頭に来てしまっている。
がそれでも冷静を欠かないようにしながら敵の戦力を分析するのを始める。敵は大勢であり、ほとんどの奴等が同じ鎧を着ている事からどこかの軍隊なのは間違いない。
武器は剣や槍、あとは飛び道具として弓がある。他にも明らかに人間ではない怪物達も様々な種類の奴等がいる。
怪物共は膂力がどれぐらい有るのかも解らないし、もしかしたら特殊な力を持っているかも知れない為要警戒しなければならない。
そして他にも馬に跨がっている騎乗兵と呼ばれる奴等もいる。
(あの騎乗兵は厄介だな…)
馬の脚なら逃げ出した人達に直ぐに追いつけるだろう。だがそれ以上に厄介なのが空を飛ぶドラゴン共だ。
空を飛ばれてしまうと流石の俺も打てる手が減るし馬以上に機動力がある為完全に抑える事は出来ない。
その為あのドラゴンは襲ってこない限り無視する事にする。出来ることなら奴らを最優先で殺すべきだが流石に目の前の軍勢の相手をしながら上空の奴らにまで気にする余裕はない。
一先ずある程度敵の戦力を分析した後はこれから俺がすべき事は
「恐らく既に警察なんかに通報が入ってるはずだ。どんなに平和ボケした日本でも警察や軍隊を出動させている筈だろうから、彼らが来るまでの間足止めと時間稼ぎをするか…」
じわじわと相手の戦力を削りながら後退、援軍が来るまでの時間稼ぎを選ぶ事にした。
そうと決まれば直ぐに行動を開始する。向こう側も抵抗する敵が俺しか居ないと気がついたのか他の兵士とは鎧の装飾が違う上官らしき奴が馬の上から周りに怒号を上げ、兵士達は俺向かって走り出した。
俺はもう一度靴の錬成陣を発動させ、前方に対して大小様々な大きさの壁をランダムに創り出す。
突然地面から現れた壁に兵士達は一瞬走るスピードを緩めるが先程の棘じゃないと気が付くとすぐ様壁を避けながら俺へと迫ろうとやってくる。
そして乱立する壁から一番最初に抜け出した兵士が目の前に現れる。その兵士の顔は反吐が出るようなニヤケ頭をしながら手に持った剣で俺を斬りつけようと駆けてくる。
どんどん兵士と俺の距離が近付いていくが俺が迎え撃とうと身構えたりしていないせいか更にその兵士の顔のニヤケ具合が濃くなっていく。
そしてついに俺と兵士の距離が5mほどまで近づいた瞬間、俺は前に倒れる様に姿勢を崩しながらダッシュで兵士へと近づく。
兵士は真正面から突っ込んでくる俺に対して剣を振り上げ斬り殺そうとするが靴の錬金術を発動し剣を持っている右腕目掛けてコンクリートの細い柱を創り出し右腕の骨を粉々に砕く。
「ガァアァ!?!?」
兵士は自身の腕が粉々に砕かれたせいで苦悶の表情をしながら悲鳴を上げながら剣を取り落とし空きを晒す。
その空きを狙い兵士に向かって左手で首を掴み締め付けながら体を浮かせ、そのまま左手に装着した手袋に描いていた錬成陣を発動し兵士の顔の血液の一部を蒸発させ顔中の血管を首を締めることで血液が逃げるのを防ぎ、空気でパンパンにして血管を爆発させ即死させる。
顔から血液が蒸発して出来た煙と顔の全ての穴から血を垂らしながら死んで宙吊りになっている兵士の体を他の兵士に見せつける様に投げつける。
他錬金術で作り出した壁の群から抜け出してきていた他の兵士は投げ捨てられた仲間の無残な死体を見て顔を青ざめながら後ずさる。
「流石氷結の錬金術師、アイザックさんの錬金術。対人戦では強いな」
そしてまるで悪魔を見ている様な目で俺を見ている兵士達を他所に俺はそう独りごちる。そして続けて
「さて…次はどこのどいつが相手だ?」
そう言い放つ俺はまるで悪役になった様な気分で奴らの前に立ち塞がった。
今後の展開において、GATE世界の日本にハガレンの漫画がある世界線と無い世界線、両方を考えて居るのですがどちらを書くか決めかねているのでアンケート致します。
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GATE世界にハガレン漫画がある展開
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GATE世界にハガレン漫画が無い展開