GATE━Alchemist━   作:華風鱗月

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第7話、炭素 お待たせいたしました。


炭素

 本日2回目の戦闘は地獄絵図からの始まりだった。普段の焔の錬金術の爆発なんて滅茶苦茶小さかったから、威力が上がっても手足が裂傷で留める程度の威力にした筈なんだけどなぁ?

 ドラゴン相手の時は目だけ爆破すれば良いと思って威力を滅茶苦茶落としてやってたから気が付かなかったけど…威力調整ミスった…と言うか想定を遥かに上回りやがったよ。

 

「普通に重傷者どころか死人が出るレベルって…最終決戦の時のマスタング大佐の威力…あれもしかして威力落としてるのか…?」

 

 漫画の最終決戦の時にマスタング大佐が焔を出してたけど、あの時は既に賢者の石での制限無かった時だった。制限されていた俺が小さな爆発程度に対し、マスタング大佐は既にその時からダイナマイト十数個分の威力を簡単に出してたし…あれ周りが建物に囲まれてたからあの程度にしてたのかよ…こっわ。

 

 マスタング大佐のヤバさが判明しちゃったけどこれ練習して威力調整の感覚を身に付けるまでは至近距離で使えないな…自爆しちゃうよ…。

 

 取り敢えず戦闘に意識を戻さないと…て言ってもなんかもう皆満身創痍だし運良く爆破に巻き込まれずに居た連中も怖気づいているし、このまま殲滅して追い返すか?

 

「いや駄目だな…こいつら追い返しても他の歩兵が来るだけか」

 

 そもそも奴等、恐らくだが侵略目的でやってきた筈。にも関わらず敵地に足を付いた瞬間に襲撃受け、禄に民間人の殺害も出来てないせいで武力の証明すら出来ていない、そんな状態で逃げ帰って「敵一人に何も出来ずに帰ってきました」なんて言える訳が無い。

 

 だからきっと奴等が次取る行動は…

 

『えぇい怯むなぁ!それでも帝国屈指の騎兵隊か!あのような攻撃、至近距離では使えまい、兎に角近付いてしまえ!突撃ぃ!!』

 

「無理やり突破だよなぁ!」

 

 えぇい嫌な予感はしたが予想通り動きやがってコノヤロー!まだギリギリ息のある兵士見捨てでまで突撃を始めやがって!しかも生きてる兵士を避けて来るならまだしも踏み潰してでも進み始めた。端から助けるつもりが無いってか!?

 

「敵ながらあんな上官の元に配属されて哀れだ…なっと!」

 

 踏みつぶされる兵士達へ哀れみながらもしゃがんでいた姿勢から立ち上がって直ぐに全速力で後退しながら錬金術で壁を張る…んだけども

 

『無駄だ!周りの壁はいざ知れず、その壁は中身が無いのは等に知っているぞ!』

 

 馬を止めることなく壁にぶつかって無理やり壁を破壊している、どうやら中身スカスカのハリボテって門前の戦闘でバレてたな。

 

 だが無理やりぶつかって突破したせいで馬は衝撃で怯み速度を落とした。おかげでほんの数メートル程度だが距離を稼ぐ事が出来た。

 

 その間に懐から2つの物を取り出す、と言っても両方共2対一体の物なのだが。片方は腕よりも若干大きい腕輪、そしてもう片方は攻撃、と言うよりは装着した際に指の第二〜第三関節を覆って守る用になっているナックルダスター、つまりメリケンサックの2つ。2つとも錬成陣が描かれ、銀色に鈍く光るのが特徴だ。

 

 敵との距離が近く悠長に装着している暇が無い為、腕輪を上に投げて落ちてくる腕輪に腕を通す。その後ナックルダスター装着すれば…

 

「装備完了!」

 

 後退していた体を反転、奴等に向き直って立ち止まる。そんな俺に直ぐに気が付く奴等だがやはり止まるつもりも無いらしい。だが好都合だ、このままカウンター決めてやるよ。

 

「鉄血の力!見せてやるよぉ!!」

 

 鉄血の錬金術師兼アメストリス軍准将のバスク・グラン准将の得意な錬金術『鉄血』、異名と同じ名のそれはまさに戦争の為の錬金術だ。

 

 靴裏の錬金術を発動して胸元辺りまでの高さの壁を生成する。今回の壁は即座に作り出せるハリボテでは無く、中身がしっかりと詰まった物だ。

 

 そしてその壁に鉄血の錬成陣が描かれたナックルダスター同士を胸の前でぶつけ合い、その後壁を思いっきり殴る。すると壁からでかい錬成反応と共に材質が鉄へと変化、そして大量の刀剣や鎖が奴等へと襲い掛かるように飛び出していく。

 

 刀剣は兵士や馬のp防具を容易く貫いて深々と突き刺さり、鎖は様々な方向に飛んで行き壁や車に突き刺さる事で即席の障壁となり馬の進行を食い止めて渋滞を引き起こす。

 

「さらにもう一丁!」

 

 再度錬金術を発動する予備動作をして拳を壁に殴り付ける。すると次は壁から4門の大砲が現れ次の瞬間発砲、人の頭部並の大きさの砲弾が飛んで行き身動きが取れない奴等をミンチへと変えていった。

 

「ぎゅうぎゅうに一纏めになってくれて助かったよ。中身に火薬を入れていない砲弾とはいえ破壊力は折り紙付きだからな」

 

 炸裂はしない様にとわざと火薬を中に入れていないがそれでもこんな建物に囲まれた町中で使おうものなら建物への被害がでかいからな。戦争や紛争がよく起こって建物が壊れる事がざらにあるアメストリスと違って常に平和な日本でそんな事は出来ない。

 

 

 

 

 いやまぁすでにかなりの数の人間を殺害したり、なんなら爆弾とか使った後に言える事じゃ無いんだけどさ。

 

「ま、まぁあんな高い建物が倒壊するよかマシだよな!」

 

 今回の事件が一段落ついたら色々と請求されそうだが…うん、まぁ今は気にしないようにしよう。

 そんな事を考えていると先程、騎馬兵の奴等がやって来た時よりも数段上の地響きが鳴り出した。

 

「まさか…」

 

 ミンチになった騎馬兵達となんとか今回の大砲にも巻き込まれなかった最後尾にいた騎馬兵達の後ろから大量の歩兵や魔物が向かって来ているのが見えた。

 

「流石に到着するのが早くないか!?」

 

 確かに歩兵だって騎馬兵達へ続く為に走って来るのは予想したし、なんなら障害物に作った壁を撤去すれば更に進行スピードは上がるだろうがそれでも俺が門前から撤退してからまだ40分も経ってないはずだぞ!?

 

「やべぇ…奴等の進行スピードの計算ミスった…イタミから連絡来てまだ5分も経ってないはずなのに…」

 

 正確な時間が解らない(戦闘時に呑気に携帯取り出して時間なんて見てる暇なんて無いし)けど、予想じゃ残り15分〜20分程度で歩兵到着からの時間稼ぎ予定だったってのにさ!

 

「仕方ねぇ…やるしかないよな!オラ来いやぁ!自称『模倣』の錬金術師様が相手だコラァ!」

 

 もうやけくそだ!どうせ後約25分足留めすれば逃げれるんだ!全力で抵抗してやる!

 

「覚悟しろよお前ら!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァハァ…どんっだけいんだよお前ら!?」

 

 啖呵を切ってからしばらく経つが奴等全然数が減らねぇ!?いや元々万単位の軍勢だと予想はしてたけどこんなここに密集する意味が…

 

「あ、俺のせいか」

 

 そうじゃん!撤退する時に交差点とか横に逸れる道全部に分厚い壁作って奴等が散らばらない様にしたじゃん!つまり俺のせいかよ!

 

 ってそんな事はどうでもいい!くっそ、こんな暑い真夏になんで襲ってくるんだよ、おかげでこちとら冬用の軍服とコートのせいで真夏の太陽に熱されてクソ暑いんだよ!せめてコートぐらい脱げりゃ良かったけど錬金術用の装備の殆どをコートにつけてるせいで脱げねぇ!

 

「あーもう思考が纏まらん!?」

 

 えぇいこの熱のせいで上手く思考が回らない!クソあいつ等涼しそうな軽装しやがってこちとら冬用だぞ!?もうちょい手加減しろや!数に物言わせて攻撃してきやがって!

 

 体をすっぽりと隠せる大きな盾を持った兵士が最前線で守りを固めつつ後方から弓を構えた弓兵達の大量の矢が飛んでくる。それを地面から大きめ壁を作って防御、だがその空きを狙って迫って来た兵士達を壁を殴り付けて鉄血の錬金術で作り出した刀剣で迎撃する。

 

 しまった…!狙いを禄につけてなかったせいで何人か接近を許してしまった!

 

『死ねぇ!』

「何言ってるか分かんねぇよ!」

 

 1人目の兵士が剣を斜めに切りかかってくるのをしゃがんで避けつつ拳同士を打ち付けた後に兵士の腹を殴り鉄血の錬金術を発動、体を守る筈の鎧が刀剣に変化し兵士を攻撃する。

 

 1人目の兵士が倒れようとしている最中に二人の兵士と魔物が左右から接近してくるのを視界の端に捉える。先に接敵するのは…兵士の方!

 

「あらよっと!!」

 

 兵士が手に持った剣を振りかぶるよりも先に回転しながらジャンプし兜に覆われた頭部、の下にある頸動脈部分目掛けて鉄板入りのブーツで回転蹴りを浴びせる。兵士は「カヒュ…!」と空気を口から漏らしながら気絶した。

 

 

 3人目…人判定じゃない気がするけどまぁいい、魔物が二人の兵士より若干遅れて接敵する。魔物の見た目は豚鼻に防具なんて心臓部分を守る小さな金属板のみの超軽装をしたオーク?だ。

 

 オークは手に持っている大きな斧を振り上げて真っ直ぐ振り下ろす、がそれを体を半身にして避けて無防備になった体に左手で触れて即座に凍結、瞬殺する。

 

「ハァ…ハァ…やばいな…真面目に体力の限界が近い…それに集中も途切れ始めてる」

 

 先程からちょくちょく敵を数人程度だが接近を許してしまっているせいで接近戦を余儀なくされる事も起こり始めている。このままじゃいずれ完全に突破されてしまう。

 

「早く30分なってくれ!!」

 

 そう願った次の瞬間

 

「Pirrrrrrrrrrrrrr!」

 

 胸ポケットから電子的な音が鳴り響き音の発生源に目を向ける。この音には聞き覚えがあった。イタミの携帯の着信音、つまり防衛線の構築ができたという合図だ!

 

「よし!これで後は撤退するだけ…ってしまった!敵から目を…」

 

 一瞬とはいえ対峙している敵から目を逸らすと言う失態をしてしまった!急いで奴等に目を向けると弓を構えた一人の兵士と目があってしまう。

 

「あ…やべっ」

 

 

 

 

 

 

 

 次の瞬間、真夏の太陽が照りつける銀座にて血飛沫が飛び散った。

今後の展開において、GATE世界の日本にハガレンの漫画がある世界線と無い世界線、両方を考えて居るのですがどちらを書くか決めかねているのでアンケート致します。

  • GATE世界にハガレン漫画がある展開
  • GATE世界にハガレン漫画が無い展開
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