扶桑「さぁ、提督……遠慮なさらず…」(ヌギヌギ
提督「え」
扶桑「その……私、こういうの初めてなので……優しくしていただけると……」
提督「……」
山城「は……恥ずかしいですから……するなら早くしてくださいっ」
提督「…………」
提督(ど、どうしてこうなった……!)
――
――――
◇数日前
大淀「本部から入電」
大淀「提督、大本営から招集が掛かりました」
大淀「本部にて大規模な作戦会議が行われる模様です」
提督「え、またか?」
提督「嫌なんだよな、上官怖いし」
大淀「でも出席なさらないと……」
提督「あぁ、色々とマズイ」
提督「まず、支援物資が届かなくなる」
大淀「今後の配給の日程や航路の打ち合わせもありますからね……」
提督「そして何より組織から孤立する……」
大淀「横の繋がりは大切ですからね……」
提督「仕方がない、重い腰を上げるとするかね」
提督「さて……となると早速、護送部隊の結成をしなきゃだな」
提督「私一人で海へ出たら、深海棲艦の餌食になりかねん」
大淀「ですね」
提督「……で、他に何か聞いているか?」
提督「わざわざ招集を掛けるってことはまさか…」
大淀「それが……」
ダッダッダッダッダッ!
山城「提督っ!!」(バタンッ!
提督「うぉ…!」
山城「どうして私を置いて姉さまだけ出撃させたんですか!?」
山城「私がお姉さまをお守りしないといけないのに!」
提督「や、山城……まぁ落ち着け」
山城「落ち着いてられませんっ!!」
山城「いいですか? そもそも私たちは姉妹なんですから同じ艦隊に編成した方が……!」
提督(まずい……また暴走し始めた…)
提督(まぁ、こうなることは編成したときから分かっていたが……)
提督(とにかく、女性が怒っている時は何も言い訳せず、まず男から謝るべし!)
提督(足柄からの受け売りだがな!)
提督「す、すまない山城!」
提督「確かに姉妹のお前たちを艦隊に入れたほうが連携が取れるよな…!」
提督「ほ、ほら! 間宮の食券二人分あげるからさ!」
提督(よし、これで山城の機嫌も元に……)
山城「提督……」
山城「そうやって適当に平謝りしておけばいいって思ってるんでしょ…」
提督「……っ!」(ギクッ
山城「艦隊のお荷物は黙って留守番してろって言いたいんでしょ!?」
提督「そ、それは被害妄想だって!」
山城「いいえ、そんなことありません!」
山城「だいたい、提督は私たちの上官のくせに腰が低すぎます!」
提督「うぅ……」
山城「私、聞きましたよ?」
山城「どこぞの一航戦がカレーにボーキサイトを混入してても怒らない!」
山城「全艦キラ付け遠征して大成功しなかったのにも関わらず怒らない!」
山城「そんなだから、駆逐艦の子供たちにも舐められるんですっ!」
提督(返す言葉もない……!)
提督(というか、カレーにボーキサイトってどういうことだ!? 初耳だぞ!)
提督「すまん……」
山城「あっ……そ、そんなに落ち込まなくても…!」
山城(す、少し、言い過ぎたかしら……)
山城「…………」
山城「私、昼食に行ってきますから…!」
山城「では、失礼します!」バタンッ!
提督「……」ポツーン
大淀「提督、私たちも休憩にします?」
提督「お、おう……」
◇---
ガヤガヤ……
山城(…………)
山城(ったく……提督ったら本当に頼りにならないんだから…!)
山城(……でも、さっきのは少し責め過ぎたかも……)
山城(……)
山城(いやいや! あれくらい普通よ!)
山城(それに、あんなことで提督が落ち込むわけがないしっ)
山城(はぁ……なんだか胸がムカムカする……)
ガヤガヤ…キャッキャ
山城(それにしても、周りの連中は静かに食事できないのかしら…!)
山城(姉さまは入渠中だからお話できないし……)
山城「はぁ……」
山城(不幸だわ……)
「ねぇ見て、山城さん今日も一人なのかな…?」
「あれ、扶桑さんは?」
「またドッグ入りですって…」
「まあ低速艦は被弾が多いからね~」
「戦列にも入れにくいしね…」
山城「……ッ!」(ガタッ
山城「なんだと!!こぬぉおおおおおおお!?」
「「「う、うわぁぁぁあ!」」」
「「「ちょ、山城!!暴れないで!!」」」
――
――――
ガラガラガラ…………パタン
扶桑(……あら?)
扶桑(こんな時間に入渠だなんて…誰かしら?)
山城「姉さま、隣失礼しますね」(チャプ…
扶桑「あら、山城♪」
山城「…………」(ムスッ
扶桑「……?」
扶桑(山城……今日は出撃無いはずだけど……)
扶桑(どうして怪我してるのかしら……)
扶桑「…………」
扶桑(理由を聞くのは野暮ね)
山城「…………」(ツーン
扶桑(……あらあら)
◇---
扶桑「ふぅ……いいお湯だったわね、山城♪」
扶桑「さ、着替えたら提督の執務室へ行かないと…」
山城「……」ブツブツ
山城「何が不幸艦よ……」ブツブツ
扶桑「……山城?」
山城「不幸だわ……」ブツブツ
扶桑「山城っ!」
山城「……ッ! お、お姉さま、ど、どうされました?」アセアセ
扶桑「……」
扶桑「山城、下着で髪を結んでるわよ?」
山城「あっあれ、いつの間に…!? やだ、私ったら……ふふふ…」
扶桑「……」
扶桑(思った以上に深刻みたい…)
扶桑(このままでは任務にも支障が出かねないかもしれないわね)
◇---
山城「演習……?」
大淀「はい、山城さんには明日の演習に参加していただきます」
山城「またどうして急に……」
大淀「提督の意向で、今度の護送作戦に出撃していただくことになりました」
山城(護送……? 一体何を……)
山城「了解よ……で、姉さまは?」
大淀「はい?」
山城「だから、その作戦に扶桑姉さまは同行するの?」
大淀「いえ、扶桑さんは休暇の予定です」
山城「ったく、なんで姉さまと一緒の艦隊にしてくれないのよ……提督っ!」
大淀「今晩、艦隊の顔合わせがあるので出席お願いしますね」
山城「はいはい……」
大淀「それと、山城さん!」
山城「なによ」(ムスッ
大淀「くれぐれもトラブルは起こさないでくださいね」
山城「はぁ…? トラブルなんて起こしたこと……」
大淀「駆逐艦のみなさんが、”山城さん怖い~”……って言ってましたよ?」
山城「……」
山城「不幸だわ……」スタスタ…
大淀「あっ、山城さんに作戦の内容を伝えるの忘れてました……」
大淀(山城さん、なんだか不機嫌そうだから呼び止め辛い…)
大淀「そうだ、扶桑さんに伝言お願いしましょう」
◇---
ガチャッ
山城「……」
山城「はぁ……なんて憂鬱なのかしら……」
山城「今日の演習、一発も当てられなかった……」
山城「姉さまがいてくれれば、少しはやる気が出るんだけど」
山城「…………」
山城「は……っ!姉さまはどこへ……!?」
山城「……って、さっき提督の執務室の前で別れたんだったわね」
山城「はぁ…………」
山城「そういえば……」
山城「提督と会う機会が最近減ってきてない?」
山城「この頃、私に出撃が掛かってなくて、ゆっくり顔を合わせてないかも…」
山城「最初の頃は毎日話してた気がするのに……」
山城「そういえば、あの頃は戦艦も私たち姉妹だけだったかしら」
山城「初めての大規模作戦に参加した時は、執務室で寝泊まりしてたのよね」
山城「なんだか少し懐かしいわ……」
山城「……」
山城「……って、どうして提督とのことなんか考えてんのよ!?」
山城「私には姉さまがいれば十分…っ」
山城「でも……提督」
山城「どうして出撃させてくれないのかしら…」
"駆逐艦のみなさんが怖がっていましたよ!"
山城「思い当たる節があるとすれば…………」
山城「性格?」
山城「提督にも強く当たっちゃうことあるし……」
山城「な、そ、それは当然よ!」
山城「そもそも、姉さまと一緒の艦隊に編成しない提督が悪いのよ!」
山城「…………」
山城「……はぁ」
"時代遅れの欠陥戦艦なんだから、当然でしょ…?"
山城「くっ……!」(ギュウウ
"私たち、今度の出撃はポンコツ姉妹と同じ部隊なんだって"
"嘘でしょ!? ほんっと最悪っ…!"
山城「ぁぁぁああああ!!!!」
山城「うるさいうるさいッ……!!!」
扶桑「…………」
扶桑(あぁ……どうしましょう……)
扶桑(今度の護送作戦のこと伝えるために、山城の寝室に来てみたけど……)
扶桑「…………」
扶桑(今は……そっとしておいたほうが良さそうね……)
扶桑(大丈夫よ、山城。私たちにもできることはある)
扶桑(……そう)
扶桑(私たちが提督をお守りするのよ……)
◇---
ガヤガヤ…
「今日は二人揃ってるみたいね」
「しっ! 声が大きいって…!」
扶桑「山城…? さっきから箸が進んでいないようだけれど…」
山城「あ、いえ、さっき間食してしまって…」
山城「姉さまは気にせず先に食べてください」
扶桑「…………」
扶桑「えい……っ」(モミモミ……♡
山城「ふゃあっ……♡」
山城「……って、ね、ね、ね、姉さまッ!」///
扶桑「あら、山城ったら……顔が真っ赤よ?」
山城「ちょ、ちょっと…からかわないでくださいっ!」
扶桑「うふふ…えいえい♡」(モミモミ
山城「姉さまったら……だ、大胆っ!♡」
「ちょ、ちょっと何か始まった……///」
「あの姉妹、真っ昼間からなに発情してんのよ!?///」
「……//////」ドキドキドキ
扶桑「あらあら……山城ったら可愛い♡ うふふ…♪」(ムニムニ…♡
山城「公衆の面前なのに……姉さま、そんなっダメですっ!♡」
山城(嘘です……もっと激しく~っ♡)
扶桑「はい、おしまい♪」
山城「あっ」
山城「ブツブツブツ…(姉さまのイジワル…)」
扶桑「うっふふ…♪」
扶桑「山城……元気、出たかしら?」
扶桑「なんだか最近、落ち込んでるように見えたから……ね?」
山城「姉さま……」
山城「……」
扶桑「ねぇ山城? 何か悩んでることとかない?」
山城「悩んでる……こと?」
扶桑「ええ、よかったら私に話して?」
扶桑「ほら、人に話したら気が楽になるって言うでしょ?」
山城「……」
山城「わかり……ました」
扶桑「……♪」ニコッ
山城「……悩み……というか、その……」
山城「……他のやつらに……ぼっちだとか、欠陥だとか……バカにされて……」
山城「それに……姉さまのことも、蔑まれた気がして……」
山城「その……うぅ……」
扶桑「……」
扶桑「山城……こっち来て」(ギュッ
山城「ね、姉さまっ…♡」
扶桑「ありがとう、山城」
山城「……姉さま?」
扶桑「山城、貴方の気持ち、教えてくれて、私嬉しいわ♪」
扶桑「私たちはたった二人だけの姉妹」
扶桑「辛いことも楽しいことも、共に分かち合うの」
山城「姉さま……っ」
扶桑「だからね、山城…」
扶桑「もし、落ち込んでしまったら辛くなったら、私に言いなさい」
扶桑「もう、一人で我慢しなくていいからね」
山城「あぁ……」パアァ
山城「はい……っ姉さま……!」
「きょ、今日のあの二人、凄かったね……///」
「う、うん……///」
◇---
提督「山城すまんな、急に呼び出してしまって」
山城「…いいから、早く要件を言って頂戴」
山城「こっちはお姉さまとの大切な時間を削ってるんですからねっ」
提督「すまんすまん」
山城「……」ムスッ
提督「実はな、明後日の護衛任務なんだが」
提督「扶桑にも艦隊に入ってもらうことになった」
山城「提督……!」(パアァ…
山城「ようやく分かってくれたんですね、提督♪」(ダキッ
提督「うぉっ」
山城「扶桑姉さまと私のコンビなら、どんな敵からでも守ります!」
山城「だって、姉さまを守れるのは私しかいませんもの…!」
提督「任務の趣旨変わってないか…!?」
山城「では、提督」
山城「明後日の護衛任務、楽しみにしてます♪」
ガチャッ、バタン……
提督「楽しみ……か……」
◇---
大淀「山城さん、お疲れ様です」
山城「あ、あぁ大淀……」
山城「その……、今日も遅くまで……お、お疲れ様……」
山城(なんか姉さま以外にこういうこと言うの恥ずかしいわ……)
大淀(デレてる山城さん可愛い……)
山城「…で、何よ。何か用があって声かけたんでしょ?」
大淀「あっそうでした。」コホン
大淀「明後日の護送任務についてです」
大淀「提督を大本営まで護衛する艦隊編成についてなのですが……」
山城「は…………?」
大淀「……?」
山城「大淀、どういうこと?」
山城「提督が大本営へって……」
山城「ちょっと、ちゃんと説明しなさいよ!」(グイッ
大淀「い、今説明しますから……」
大淀「って、山城……さん? もしかして……」
大淀「扶桑さんから聞いていなかったのですか?」
山城「大淀……あんた、その冗談笑えないわよ」
大淀「いえ、冗談なんかじゃありません!」
山城「うそ……」
大淀「……」
大淀「提督は明後日から大本営に招集命令が掛かりました」
山城「どうして招集!? 提督、何かしたの!?」
大淀「いえ……そういうわけではありませんが……」
大淀「来季からの物資の補給航路など、機密の会議を行うため……」
大淀「それと……」
山城「それと……?」
大淀「敵泊地最前線での作戦指揮を任命されるとのことです……」
山城「…………」
大淀「扶桑さんに言伝を頼んでおいたはずですが…」
山城「………………」
山城「それってつまり……」
山城「提督一人だけで、危険な最前線へ行かなきゃいけない……」
山城「提督の命が危険に晒されるということよね!?」
大淀「はい…………」
山城「……っ!」ダッ!
大淀「あっ、扶桑さん!」
山城(何も知らなかった私は……)
"護衛任務、楽しみにしてます♪"
山城(提督の前で、軽はずみなことを言ってしまった……)
山城(提督は戦場に行かなければならなくて不安だというのに……)
山城「どうして、なんで、どうして…!」タッタッタッタッ
山城「何? 何、この気持は!?」
山城「ハッ! 提督がいなくなって清々するはずでしょ……!」
山城「何を私は動揺して……」
山城「……っ!」
山城「姉さま……」
扶桑「山城…?」
扶桑「どうしたの? そんなに急いで…」
山城「……」
山城「失礼します……ッ!」ダッ
扶桑「あっ山城!」
扶桑「…………」
姉さま……
提督が辞めること、知っていたんですよね……
どうして、私に教えてくれなかったのですか……
あの時、誓い合いましたよね?
苦しいことも楽しいことも共に分かち合おうって…!
どうして嘘つくんですか……
どうして私にだけ……
なんで……どうして……!?
姉さま……ッ!
山城「提督も提督よ……!」タッタッタッタッ
山城「私に黙って去ろうだなんて……!」
山城「…………」
山城「あぁ…………」
山城「私ったらなんて愚かなのかしら」
山城「今更自分の気持に気付くなんて…」
山城「私ったら、何を期待していたのかしら…」
山城「提督……いつも酷いこと言って、ごめんなさい……」
山城「今思えば、先に謝ってくれていたのは、いつも貴方だったわね…」
山城「私は強情で頑固だから……」
山城「フフっ」
山城「フフフ……」
山城「あのね山城……」
山城「今更反省したって遅いの…」
山城「提督はあんたのこと、何とも思っていないのよ……っ」
山城「提督は私にとってたった一人の上官で……」
山城「私は大勢の部下の中の一人」
山城「私はただの兵器」
山城「それ以上でもそれ以下でもない……」
山城「フフフフフ……アハハハ……」
――
――――
雪風「……」
雪風「……!」
雪風(あっ、山城さんだ)
雪風「お疲れ様です!」ケイレイ!
山城「…………」
山城「……………………」ブツブツ…
山城「………………………………」ブツブツ…ブツブツ…
山城「姉さま姉さま姉さま姉さま…」
山城「どうしてどうしてどうしてどうして…」
山城「ていとく…ていとく……」
山城「提督…離さない、絶対離さない離さない離さない…」
山城「………………」ブツブツ…
雪風「あわわ…………」ビクビク
――
――――
雪風「……ということがありました!」
扶桑「なるほど……」
扶桑(やっぱり一人で抱え込んでしまっているのね…)
扶桑「雪風ちゃん、助かったわ、ありがとう♪」
雪風「どういたしまして!」(ケイレイッ
扶桑「……」
扶桑「もうこれしかないわね…」
◇---
扶桑「山城……ねぇ山城、聞いてる?」
山城「……ごめんなさい姉さま、今は一人にして欲しいです」
扶桑「あのね、山城に話したいことがあって……」
山城「話したいこと……今更ですか?」
扶桑「山城…?」
山城「姉さま、どういて私に黙っていたんですか!?」
山城「提督が鎮守府を去ってしまうこと!」
扶桑「そうね……」
扶桑「……ごめんなさい、山城」
扶桑「隠そうと思ってたわけじゃないけど、きちんと話すべきだったわ…」
山城「…………」
山城(姉さまも何か訳があって言わなかったに違いない…)
山城(おそらく、私のことを想って"あえて"伝えなかった…)
扶桑「ダメな姉でごめんなさい、山城……」
山城「姉さま……」
山城「いいえ姉さま、悪いのは私の方です」
山城「いつまでも子供みたいに、周りのみんなに迷惑ばかりかけて……」
山城「きっと提督が私に任務の内容を言ってくれなかったのも、」
山城「私が提督の好意に気付かず甘えてばかりいたから……」
扶桑「山城……」
山城「私、提督には危ない目にあって欲しくないと思っています」
山城「提督が私のことをどう思っていようとも……」
山城「提督が私のことをただの"兵器"だと思っていたとしても……」
山城「私は提督をお守りしたい……」
山城「普段、私たちが見ていないところで、」
山城「提督が見守ってくれているお返しをしたいんです」
山城「ですから姉さま、」
山城「提督を引き止める方法を教えてください…!」
扶桑「ふふ……山城♪」
扶桑「やっぱり貴方は私の妹だわ♪」
山城「姉さま…」
扶桑「だって、それを話したくて、山城を呼んだのよ?」
山城「姉さま! 教えてください!」
扶桑「それはね……」
扶桑「それはね山城、」
扶桑「提督と性交渉するのよ」
山城「え」
扶桑「早速、今晩お誘いしましょう♪」
山城「お、お、おおおおおお、お姉さま…!!!??」
山城「早まってはいけません!!」
山城「だ、だ、だ、ダメです! お姉さま!」
扶桑「あら、どうして?」
山城「そ、そんな不純なコト…! ましてや提督とだなんて……!」
山城(そ、それに心の準備が…!!)
扶桑「提督を引き止めるためなのよ?」
山城「ほ、本当にそれで……提督を引き止められるんですか…!?」
扶桑「提督を肉欲に溺れさせて、鎮守府から離れられないようにします」
山城(姉さま、やっぱり大胆です!)
扶桑「あなたも、提督にいなくなって欲しくないはずよ?」
山城「……それは……そうですが……」
扶桑「次の作戦に参加すれば、提督は前線に身を置かれることになる」
扶桑「もしそうなれば、提督の命が危ない」
山城「はい……それは、その通りです」
扶桑「私ね、頑張ってる提督のお姿は大好きよ。でもね、」
扶桑「あまり無理はしてほしくないと想っているの」
山城「それは……私もそうです」
扶桑「普段は少し頼りないように見える提督だけど…」
扶桑「それは私たちを不安にさせないために、本音を隠しているからなの」
扶桑「提督とお近づきになれれば、本音が聞けると思わない?」
山城「それは……」
山城「確かにそうかもしれませんが……」
扶桑「山城」(ギュッ
山城「ね、姉さま!?///」
山城「と、突然抱きつかれると……ビックリします!///」
扶桑「次で最後かもしれないのよ?」
山城「え……」
山城「姉さま、どういうことですか…?」
扶桑「…………」
扶桑「今度の海域の敵は強大よ、山城」
扶桑「貴方、まだ提督に伝えていないこと、あるんじゃないかしら?」
山城「…………っ!!」
扶桑「うふふ……やっぱり私たちは姉妹ね♪」
◇---
コンコン
提督「ん、入っていいぞ」
扶桑山城「「提督、失礼します」」(ガチャ
提督「おぉ、扶桑に山城じゃないか! 二人一緒なのは久しぶりだな」
山城「提督、私たちからお願いがあります」
提督「あ、あぁいいぞ? 何でも言ってみろ」
山城「私たちを」
扶桑「抱いてください」
提督「……ッ!?」(ブフォッ!
提督「き……急にどうしたんだ!?」
扶桑「提督、早速寝室へ行きましょう」(ギュウウウウウウウ
提督(な、なんて力だ…!!)
提督(扶桑ってそんなに力強かったのか!?)
山城「言っておきますが、拒否権はありませんから!!」
提督(な、なんて強引な……!)
提督「ま、待ってくれ!」
提督「流石にこれは逆レ○プみたいになってるって!」
扶桑「言われてみれば……」
山城「確かに……///」
カクカクシカジカ……
提督「……なるほど」
提督「確かに次の作戦は危険だし、私もそれなりに覚悟している」
山城「提督…!」
提督「私はこれでも男だからな」
提督「頼りないように見えるかもしれんが、軍人としての使命もある」
扶桑「……」
提督「逃げ出すわけにはいかんのだよ」
提督「たとえどれだけ大切な存在があったとしても…だ」
山城「提督……それなら、ここを辞めて私たちと一緒に暮らしましょう…!」
扶桑「提督と余生を過ごすには十分な貯蓄と退職金はあります」
山城「私たちを都合よく使っていただいても構いません……!」
提督「辞める……か」
提督「でも他のみんなもいるし、御上もすんなりと辞めさせてくれないだろうな……」
扶桑「なら、明後日の護送任務で、私たちが提督を拉致します」
提督「また物騒な……」
提督「だが他のみんなはどうする?」
提督「お前たちの練度を侮るわけじゃないが、」
提督「うちの艦はかなりの手練だぞ? 私が育てたからな」
山城「私が撹乱します。もちろん、他の子たちを傷つけたりはしません」
提督「……そうか、そこまで本気か」
扶桑山城「「はい……」」
提督「分かった……」
山城「提督…!」
提督「なら、預けるのは金や身体ではなく、」
提督「お前たちの命を私に預けてくれないか?」
扶桑「提督……?」
提督「実はな、今度の大規模作戦の編成に迷っていてな」
提督「お前たちの覚悟を聞いて決めたよ」
提督「今度の作戦、お前たちも参加してくれないか?」
山城「提督…!」
提督「嫌か?」
山城「いえ……提督のお力になれるのなら本望です、しかし…!」
提督「あ、さっきの高跳びする話は無しだ」
山城「そんな……」
提督「まず、私を拉致したらお前たちに罪が掛けられることになる」
提督「お前たちが不幸になるような真似は絶対したくない」
提督「あとお前たちを都合よく使うなんて論外だ」
扶桑「……」
提督「次の作戦は今までで一番危険だ」
提督「正直、私の墓場がそこになるかもしれん」
山城「そんなことさせません…!」
提督「だからこそだ、」
提督「もしそうなった時は、お前たちに看取ってもらいたい」
扶桑「提督……っ」
山城「そんなこと……私には……」
提督「扶桑、山城」
提督「お前たちはこの鎮守府に私が着任して以来、初めての戦艦だ」
提督「今思うと、色々苦労を掛けたな……」
山城(提督も覚えていてくれたんだ……)
山城「いいえ…! 私はそんな風には思っていません!」
扶桑「私は……私たち姉妹は、提督に貢献できて光栄に思っています……!」
提督「そうか……」
提督「なら、今度の護送任務と大規模作戦の参加、頼めるか?」
扶桑「はい…!」
山城「もちろんです!」
提督「そうか……」
提督「ありがとう、扶桑、山城」
提督(必ず私が、お前たちを守るからな)
◇---
山城「二人とも、遅い!」
「あぁっ! またボクたちをバカにする気!?」
「よ、よしなって…!」アセアセ
山城「な、なによ…! まだ根に持ってたの…!?」グヌヌ…
扶桑「山城、やめなさい」
山城「あっ姉さままで……!」
山城「……」
山城「不幸だわ……」ムスッ
扶桑「……♪」(ギュッ
山城「……姉さま……」
扶桑「山城、私たちが提督を……」
扶桑「……いいえ、」
扶桑「私たちが、みんなを守るのよ」
扶桑「ね、山城♪」
山城「姉さま……」
山城「……そうですね!」
山城(提督……貴方のことは必ずお守りいたします)
山城(たとえこの命に変えても…!)
「「扶桑、山城、抜錨します!!!」」
……提督
今度の任務が終わったら、貴方に伝えたいことがあります
提督、私たちは貴方の側にいられて、とても幸せです
ありがとうございました。
西村艦隊組は一旦ここまで。
次回は未定