未知の怪物、トレーナーとなる   作:気分屋トモヤマ

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ブルーロックネタ入ります。注意!あとルドルフが今回結構可哀そうです。ルドルフ推しの人許して…


EGOISM

ルドルフSIDE

 

「くっ…!」

 

「どうした?ペースが乱れているぞ。まだスタミナは持つだろ」

 

おかしい…!どんなウマ娘でも、例えあのエクリプス(最強のウマ娘)だったとしても、1000mも走れば多少は息が上がるというのに…目の前の男は息どころか汗もかいていない…

 

「君は…何なんだ…!」

 

「私は新人トレーナーだ。今更聞くようなことではない。そんなことよりも残り800mだぞ。お前の領域(テリトリー)だろ?」

 

どうやら質問に答える気はないようだ…更には私の走り方までわかっている。ならば…全身全霊、死力を尽くす!

 

「…唯一抜きんでて並ぶ者無し」

 

「??」

 

「私は…負けない!」

 

絶対に負けられない…!ウマ娘としても…

 

 

 

 

 

 

 

皇帝としても!!

 

三人称SIDE

 

「ほう…」

 

残り600を切ったところで、ルドルフは加速し始めた。彼女の得意な差しである。しかし阿武野も何もしないわけではない。

 

「いいぞ!もっと力を出せ!絞りつくせ!限界を超えろ!」

 

そう叫んだ途端、阿武野もルドルフのように、いや全く同じように加速し始めた。

 

「っ!!」

 

残り500、400、300とゴールまでの距離は縮まっていき、二人は速さも、動きも、ゴールまでの距離も全く同じだった。このままでは二人は全くの同着となる…はずだった。

 

「阿武野さん!?何やってるんですか!?」

 

「!?」

 

「たづな…!」

 

「!くっ!!」

 

一瞬の出来事、おそらくは捜しにきたのだろう。ターフの外にはたづなが立っていた。二人は驚き、阿武野は少し気が抜けた。そしてルドルフはその隙を見逃さなかった。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「あ、しまった…」

 

…最後の決着は、ギリギリで、しかしとてもあっさりと勝負は着いてしまった。結果はルドルフが1着。2着の阿武野とはハナ差であった。

 

「はあっ…はあっ…」

 

「む…最後の最後で油断してしまったか…」

 

「阿武野さん!何やらグラウンドで見たことがある姿がいると思ってみれば…!なんでルドルフさんと走ってるんですか!?」

 

「それにはちょっと事情が…」

 

「事情って…」

 

それまでの経緯を説明するとたづなは呆れたように踵を返した。

 

「もういいです。事情はよ~くわかりました。これからはそういうことをするなら先に許可を取ってください。では」

 

「ん?もういいのか?」

 

「ええ、まだ仕事が残っているので。では」

 

そうしてたづなはさっさと行ってしまった。

 

「行ったか…おい、生きてるか」

 

「はあ…まあ、なんとかね…」

 

「やはりスタミナが足りないな…」

 

「おーい!大丈夫か!」

 

ルドルフが息を整えていると、良二トレーナーが走ってきた。

 

「二人共…あれはもはや併走じゃなくてレースだったぞ。ほれタオルとドリンク」

 

「すまないね…少しヒートアップしてしまったようだ」

 

「(にしても…こいつ2000m走ったのに汗一つかいてない…生き物か?こいつ)」

 

「さて…一緒に走ってみた感想を忌憚なく言わせてもらおう」

 

「はっきり言おう。

 

 

 

 

 

 

お前、弱いな

 

「…」

 

「あぁ!?」

 

阿武野のその発言は、ルドルフは苦悶の表情を、良二トレーナーは地雷を完全に踏み抜いたようだ。

 

「当たり前だ。そもそもとしてスタミナが全然だ。どれだけ速くても、力強くてもそれを保てるスタミナがなければ話にならない」

 

「だからって弱いってはっきり言うもんじゃねぇよなぁ!?」

 

「更に走ってわかった。こいつは乗せられやすい」

 

「…どういうことだい?」

 

「今回私はお前の走りを再現した。ほぼ完ぺきに」

 

「「!!」」

 

あたりまえのことを言うように淡々と話す阿武野に二人は少し恐怖した。普通ウマ娘の走り方というのは多少似るところはあってもまったく同じの走りは二つとして存在しない。皆体の成長具合や適性が違うからである。しかし目の前のこの男はやり遂げた。否、やり遂げてしまったのである。

 

「すればどうだ?見事にこいつは掛かった。焦ってスタミナを使い過ぎだ。まあ、根性で上手くカバーしたのは認めるがな」

 

「…ぐうの音も出ない正論だね」

 

「ルドルフ!」

 

「これで終わりじゃないぞ。むしろこっちが一番重要だ」

 

「こいつに今一番足りない物…それは

 

 

 

成功(ゴール)の再現性だ

 

「再現性…?」

 

「詳しく説明してもらってもいいかな?」

 

「レースで勝つには自分が勝てる条件、つまり方程式が必要になる。例えばお前は毎回同じ走りができるか?」

 

「それは…無理だな」

 

「ああ、無理だ。しかし勝てる条件が揃えばまったく同じ走りはしなくていい。自分が勝った時どんな走り方をしていた?何を思っていた?自分はどこに位置していた?それを熟知して再現しろ」

 

「そんなの…出来たら苦労はしねぇよ」

 

「ああ、更にはその理論を通すには運も絡んでくるわけだが…どうするんだね?」

 

レース、いや勝負事に関しては必ず運要素というものが関わってくる。テニスならばネットに弾かれたボールがどちらに落ちるか。レースならば枠番や天気など特に顕著だ。しかし阿武野は冷徹に言った。

 

「運なんて再現性の欠片もない。…だが運というものは努力をしている者全てに平等に降り注ぐ。それは覚えておけ」

 

「わかった。全てのウマ娘たちの幸福のため、覚えておこう」

 

 

 

 

 

 

 

は?何を抜かしている。全てのウマ娘の幸福のため?ふざけるのも大概にしろよ貴様

 

「!!」

 

今度はルドルフが阿武野の地雷を踏み抜いたようだった。先程の演説のような声色から一変して、ドスの効いた相手を威圧する声になった。

 

「いいか?戦いの中ではいつも勝者は一人だ。その勝者の下には負けた敗者たちの屍が積みあがっている。勝者がいるならば敗者はその何倍もいるんだ。そんな戦いがあっても全員が幸福?戦いを無礼るなよ」

 

「この話を聞いてもまだそんなただのEGOISMを通そうとするのなら…FUCK OFF(すぐ帰れ)

 

「「……」」

 

この男は目の前の一人の少女の大切な夢であろうとバッサリと切り捨てる冷徹な男である。




個人的に一番好きなブルーロックのキャラが絵心です。冷徹だけどひたすら合理的に理論を述べていくあの姿がめっちゃ好きです。言葉遣いはあれだけど…まあそこも魅力!
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