未知の怪物、トレーナーとなる   作:気分屋トモヤマ

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ようやく…!ようやく日常パートへの道が作れる…!あと一応グロ注意?です。


生物の定義

「あ…あぁ…!」

 

見たことはある姿をしているが別の姿、更には職員の中でも一際噂になっている二体の姿をしたソレ(・・)を見る顔には恐怖が浮かんでいた。

 

「っソレを見るなぁ(・・・・・・・)!テルトォ!」

 

「え…」

 

ブゥン!!

 

その瞬間、ソレの横の丸鋸が動いたかと思うと、空中に一つの物体が見えた。それは…

 

ギャアァァァァァァ!?!?

 

斬られて飛んだニンゲンの腕だった(・・・・・・・・・)

 

「腕がァ!?腕がァァァァ!?」

 

彼は腕を一本失い、無の欲望には返り血が付いていた。

 

「落ち着け!ロビン!テルトを回収しろ!私とアンが援護する!」

 

「了解!」

 

「魔法少女ちゃん!力を貸して!『アルカナスレイブ』!」

 

「次弾装填完了!FIRE!」

 

ドォォォォォォン!!

 

前方からビームと銃弾が飛んできたが、無の欲望は回避をせず、砂煙で見えなくなった。

 

「ちっ…ロビン!テルトの状況は!」

 

「腕一本まるごと斬られているので出血が…止血はしましたが意識がありません!」

 

「ここじゃまともな設備もないし…応援を呼びましょう」

 

「ああ、ロビンはテルトを担いで今すぐここから退避しろ!こちら安全チームチーフドリス!詳しい説明は省くが応援を…」

 

ザシュッ!!

 

ドリスが無線機で応援を呼ぼうとした途端、下から赤い木のような何かが生えて無線機を貫いた。

 

「クソッ!これも見ていない判定(・・・・・・・)なのか!」

 

「ム、少シ外シタカ。当タッタト思ッタノダガナ」

 

「これは…考える限り最悪の組み合わせだな…!」

 

そこには、無傷の無の欲望がこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで二つ、説明しておくことがある。シャーデンフロイデ、HEクラスアブノーマリティであるソレは一言で言えば眼のある箱。鉄の箱に大きな鍵穴がついており、そこからは一つの眼がコチラを覗いている。だが決して見てはいけない存在。

地中の天国、WAWクラスアブノーマリティであるソレは一言でいえば眼のついた赤い木。細い枝がいくつにも分かれて中心には大きな眼が付いており、見ているだけでも嫌悪感がする。だが決して見逃してはいけない存在。

 

ではここで考えてみよう。見てはいけない存在と見なければいけない存在。それらが合わさってしまったらどうなるのか。早速だが結論を言おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄である

 

 

 

 

 

 

 

「アン!アルカナスレイブは禁止だ!奴が見えなくなる!シャーデンフロイデよりも地中の天国の能力のほうが厄介だ!」

 

「わかりましたけど…!あれダメージ入ったんですか…!?」

 

「何故かはわからないが…入っていないようだな」

 

「えぇ…!?アレ免疫属性とか持ってましたっけ…!?」

 

二人は無の欲望の攻撃に耐えながら必死に思考していた。視線を外せば天国が、視線を合わせればシャーデンフロイデが、必ずどちらかの攻撃は必ず飛んでくるという理不尽な手をどうにかして回避できないかと考えていた。

 

「(マトモニ喋レナクナッタナ…マア今ハドウデモイイ。ソレヨリモ中々攻メキレナイ…魔弾ト憎シミノ武器デココマデ耐エルトハ…少シ趣向ヲ変エル必要ガアリソウダ)」

 

「危なっ!さっきより攻撃早くなってない!?」

 

「モウ普通ノ攻撃デハ当タラナイカ…デハ搦メ手トイコウ」

 

「なんだ…?奴の体が歪んで…」

 

「っ!ドリスさん!」ドンッ

 

「アン!?」

 

グチャッ…

 

アンがドリスの体を突き飛ばすと、いきなりアンの体が引き裂かれ、四肢が宙に浮いた。

 

「アンッ!貴様ぁぁぁ!!」

 

「ナンダ?今更ヒト一人死ンダ所デ何モ変ワラナイダロウ」

 

「絶対に貴様は殺す!!」ダァン!

 

「言動ニ余裕ガ見ラレナイガ…モシカシテ貴様トアイツハ恋人ダッタノカ?ダトシタラ残念ダッタナ」

 

「黙れぇ!まともな生き物ではない貴様に何がわかる!」

 

「フム、マトモナ生キ物…カ」

 

勿論だが、無の欲望()は物理法則を無視した本来存在するはずがない生物。既存の生き物とは訳が違う。ならばまともな生き物とは何なのか。生物の定義に(無の欲望)は当てはまるのだろうか。そんな思考が無の欲望の意識内を駆け巡った。

 

「死ね!」ドォン!

 

「全ク…考エ事クライサセロ。『次元屈折変異体』」

 

ドリスが放った弾丸は無の欲望の前で不自然に止まり、そのまま地面に落ちた。まるでそこにナニカいるように。

 

「クソッ!クソックソックソッ!どうして!どうして貴様を殺せない!?」

 

「自分デ考エルンダナ。『魔弾の射手』」ドォン!

 

「がぁぁぁぁ!!」

 

その刹那、無の欲望の腕がドリスが使っているような長銃に変わったかと思うと、魔法陣が現れドリスの脚を銃弾が撃ち抜いていた。

 

「最後ダ。恨ミ言ハアルカ?」

 

「いつか…私の仲間たちが貴様を殺す…!それまで人間ごっこでもしているんだな…!」

 

「ソウカ。死ネ」

 

ブゥゥゥゥン…

 

ドリスはシャーデンフロイデの丸鋸に斬り裂かれ絶命した。斬り裂かれたあとには無残な死体と血だまりが広がっていた。ドリスが死んだことを確認した無の欲望は魔弾の射手の腕を残して阿武野の姿に戻った。

 

「さて…あとは逃げた二人か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ…!ハッ…!」

 

ロビンはテルトを担いで走っていた。腕が片方無いため人前には出られない。ので彼は路地裏を走っていた。

 

「早く…!早く行かないと!」

 

そうして彼はとある会社の前に着いた。しかし玄関には入らずに脇にあるエレベーターにタッチして入ると地下へと下って行った。少しするとドアが開き、白衣を着た一人の男が見えた。

 

「ああお帰り…ってどうしたの!?その怪我!」

 

「管理人!ただいま帰還しました!そして緊急事態です!」

 

「落ち着いて!取り敢えずまずテルトに回復弾を…!」

 

管理人と呼ばれた男が懐から何かを取り出そうとした瞬間、ロビンとテルトの後ろに魔法陣が浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対に…

 

 

 

逃 が さ な い

 

ドンッッッッッ!!

 

一発の銃声。管理人は驚いて目を閉じる。顔に何か生暖かい感触がする。液体だ。これらのことから連想されるのは───

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「管理人どうされまし──!?」

 

「あ…!ア…!アンジェラ…!」

 

水色の髪をしているアンジェラと呼ばれた女性は部屋に入ると普段開けない目を開かせた。何故なら目の前には怯えている血の付いた管理人と頭のない死体が二つ転がっているのだから。

 

「私は…私はぁ!」

 

「っ落ち着いてください。冷静に、大丈夫です。…緊急連絡です。至急本部入り口にWHITE属性の武器を持つ職員を派遣してください…ん?」

 

彼女は落ち着いて職員を呼ぶ。そして足元に血のついた一枚の紙を見つけ、拾う。そこにはただ一言。

 

『関わるな』

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう…よし」

 

阿武野は腕を戻すと死体を一瞥する。

 

「…」

 

何も言わずに蝶を出し蝶たちは死体に群がって吸い、貪り、食い荒らす。血肉の一滴も残さずに。

 

「さてと…罰鳥、起きろ」

 

「…殺す。必ず殺す」

 

地面に倒れていた罰鳥が飛びあがる。撃たれたというのにその体には弾痕などは何処にも見当たらなかった。

 

「もう殺したぞ」

 

「えー…一人くらい残しといてくれよ」

 

「最初に撃ち抜かれて行動不能になってたやつが文句言うな」

 

「あれは奇襲されたからだわ!」

 

「負けは負けだ。認めろ敗北者」

 

「クソが!」

 

二人の声色は普通のものだった。まるで日常茶飯事の出来事を話す姿は彼らが化物であることを表しているようでもあった。

 

「それじゃさっさと帰「すいませーん」!!」

 

「あの~あなた…なんでここにいるんですか?私有地内ですよ?」

 

声を掛けられ後ろを振り向くと、スーツを着た一人の男性が立っていた。

 

「…私は最近新しく入ったトレーナーだ。今はパトロールで巡回していた」

 

「おかしいですねぇ…今は新トレーナーの就任時期ではないですしバッジもしてないですよね?」

 

「(バッジだと?まさかたづな、渡し忘れたのか?)」

 

同時刻、たづなSIDE

 

「…あ、阿武野さんにバッジ渡し忘れましたね。まあ明日渡せばいいですね!」

 

戻って阿武野SIDE

 

「それに…さっき誰と話してたんですか?」

 

「(流石にこいつが話せることは言えないな…)この鳥に話しかけていたんだ。ほとんど独り言だから気にするな」

 

「そうですか…じゃあ最後に一つ。

 

 

 

 

なんで貴方から血の匂いがするんですか?

 

「!!」

 

男はそう言うと懐からナイフを取り出した。

 

「どんな理由があろうと…あなた方が不審者であることに変わりはありません。というわけで死んでください」

 

「ちっ…!(まさかとは思ったがやはりこちら(トレセン)側の人間だったか!だとしたら殺すのはまずい!)」

 

男が切りかかるのを阿武野は寸で回避する。回避されたのを見るや否や即男は蹴りで阿武野を蹴り飛ばす。その威力は中々に重く、6メートルほど転がる。

 

勢いが落ち着きすぐに起き上がると男はびっくりしたような表情を浮かべる。

 

「あれ?普通のヒトなら今ので骨の4、5本は折れてるはずなんですけどね?なんで普通の顔してるんですか?」

 

「フン、今はそんなことどうでもいい。それより攻撃をやめろ。私はそっち(トレセン)側の者だ」

 

「そんなの信じる人いると思います?血の匂いさせてるトレーナーなんて1~2人ぐらいしか知りませんよ」

 

「逆にいるのか…それよりどうしたら信じるんだ?」

 

「信じるわけないでしょう?」

 

そう言いながら走り出す男を阿武野は後ろに下がりながら考える。

 

「(どうする?アブノーマリティの姿は見せるわけにはいかない。かといって殺すわけにもいかない。じゃあどうやって対処を…)」

 

思案していると一つの会話が思い出される。

 

『…暇!』

 

『いきなりそんなことを言われてもな…特に面白いものは持ってないぞ』

 

『じゃあ何持ってんだよ?』

 

『ふむ…トレーナーについての本と…

 

 

 

 

あとは爆薬ぐらいだな』

 

「(爆薬!そうだ今私には爆薬があるじゃないか!)」

 

阿武野は一つの作戦を編み出し、実行に移す。

 

「罰鳥!こっちに来い!」

 

「!!」

 

「何をする気ですか?」

 

呼びかけに応じ罰鳥は彼の方に向かい、男も走り出す。

 

「貴様は殺さん!だからこれでサヨナラだ!」

 

体内から『Dynamite』と書かれた爆薬を取り出すと上へ投げ、男はそちらに目を向け足を止める、

 

「(ダイナマイト!?とするとこの位置はまずい!)くっ!」

 

男は追うのをやめ、反対側へ走り出す。

 

「さらばだ。行くぞ罰鳥」

 

「お前ふざけんなよ!?とにかく逃げルルォ!!」

 

そして───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォンッ!!!

 

あたりは爆音と光に包まれ、大きな爆発が起きた。

 

「ケホッケホッ…危な…避けれたけど逃げられたか…」

 

「おーい!大丈夫ですか!?」

 

男が服に着いた砂を払っているとたづなが慌てた様子で走ってきた。

 

「すいません。不審者がいたので対処していたら爆弾で逃げられました」

 

「怪我がないならよかったです……ちなみに不審者の姿は覚えてますか?」

 

「ええ、黒いスーツを着た白髪の男で血の匂いがしてて…」

 

「…ん?」

 

「罰鳥と言う名の白い鳥を連れていました」

 

「…」

 

「挙句の果てにはバッジも付けていないのにトレーナーだなんて抜かすんですから…」

 

「…すいません。その人もしかして赤い目に一人称が私じゃなかったですか?」

 

「?ええ、そうですけど…まさか…」

 

「…その人新しいトレーナーです…」

 

「…

 

 

 

 

 

マジかぁ……」

 

二人は頭を抱えながら空を見上げた。

 

そこには雲が晴れ綺麗な満月が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園内の倉庫の裏

 

「危なかったな…」

 

そう呟く阿武野の体の半分は無く、断面ではドロドロとした液体のような何かが蠢いていた。

 

「お前マジで危ないんだよ!死ぬところだったわ!」

 

「だが結果的に逃げれたじゃないか」

 

「少しでも遅れたらこっち死んでたんだが!?」

 

「落ち着け。そしてつつくな」

 

「はあ…疲れた。どっかで休もうぜ」

 

「ならば学園に帰るか」

 

「はぁ!?殺されるぞ!?」

 

「安心しろ。こっそりとだ」

 

「そっか…じゃあ行くか!」

 

「おい、速いぞ」

 

「さっさと走れよ!お前今ヒトだろ?」

 

「…そうか、今の私はヒトか」

 

そうしていつの間にか直っている体で罰鳥を追いかける彼の顔は少し、笑っていた。




ハア…遅くなっちゃたなァ…部活がとっても忙しくってェ…書こうと思ってもネタが思いつかなくってェ…(コログ構文)…まあでもこれで日常パートに繋げられるからヨシ!
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