「さて…見苦しいところを見せたな」
「ああ、まったくだ」
「じゃあ気を取り直して案内の再開を…」
「いや流石にさっきのやり取りでどう見てもまた面倒ごとになるのは火を見るよりも明らかだろう。だからしばらくはトレーニングの観察でもいいか?」
「いいけど…なんかごめんな?」
「ああ…」
この時、阿武野は実はトレーニングしているルドルフからとんでもない圧を向けられており、面倒ごとになるためというのは実は自分だった。
「スピードと力強さは良し、根性もあるようだが…スタミナが今一つだな」
「!?」
「(こいつ一回走り見ただけで今の課題を見抜きやがった…観察眼が優れてるみたいだな)お、おう。よく気づいたな」
「(今日パッと本を読んで言っただけだが…案外なんとかなるものだな)一回見ただけだ。確証はなかった」
そうしているとトレーニングが終わったのか、ルドルフが戻ってきた。
「ふう…終わったよ。さて、次はどうする?」
「そうだな…今日はスタミナトレーニングの予定だったんだが…新人も居るしなぁ…2000mの併走トレーニングでもするか?」
「併走か、私は構わないが…一緒に走る相手がいなければ出来ないよ?」
「それもそうだよなぁ…むしろルドルフと併走出来るやつなんてそんなポンポンいるわけないよなぁ…」
「私が走ろうか?その方が何かと楽だろう」
「「え?」」
ルドルフ達が相手に悩んでいると阿武野が立候補して二人は困惑した。
「君は一体何を言ってるんだ??私はウマ娘だぞ?」
「ああ、知ってる」
「いくらお前が遺伝子がウマ娘に寄ってるとはいえ現役の競走バと走れるわけないだろ?」
「私も別にプランがないわけじゃない。追いつく自信はあるさ」
「いや自信とかあってもだな…」
「…いや、やってみようじゃないか。トレーナー君」
「ルドルフ!?」
そういって阿武野のほうを見たルドルフは、先程の穏やかな表情でも、起こった時の表情でもなく、目の前の生き物を倒さんとばかりの、狩人の顔をしていた。
「そいつも承諾したんだ。いいだろう?」
「うーん…でもなあ…こいつがルドルフに追いつけると思えないんだよなあ…」
「まあまあ、それじゃ、本当にやるんだね?」
「ああ、始めよう」
そうして二人はグラウンドの仮設ゲートの中に入り、ルドルフはウォームアップをしていた。
「しかし本当にいいのかい?ウマ娘に人間が勝てるわけがないのに…」
「ああ、人間"は"勝てるわけないな」
「??」
「そろそろ始めるぞ」
「「ああ(OKだ)」」
「じゃあよーい…始め!」
そう良二トレーナーが言うと、ゲートが開き二人はすごい速さで駆けていった。
「!!本当に追いついてくるとはね!」
「だから言っただろう。『自信はある』と」
「(本当に追いついてくるとは…!しかしなんだ…?この違和感は…?)」
およそ500m地点、ルドルフは変な違和感に襲われていた。
良二視点
「あいつ本当に追いついてやがる…」
確かに遺伝でウマ娘並みの身体能力を持つ人間はいるが…現役競走バ、ましてやあのルドルフに追いつけるとは思ってもみなかった。
「残り1500m…未だに差はついていない…ん?」
二人の走りを見ていると、俺は変な既視感を覚えた。
「あの走り…覚えがあるぞ…」
「まさか…いや、そんなわけは…でも…」
よりその走りを見るたび違和感は疑惑へ、疑惑は確信へと変わっていった。それも担当のことをいつも見ている良二トレーナーであるからこそ気づいたことだった。
「あいつの走り方…
悲報 作者199連目にシービー降臨で怒りのあまり机を台パンで破壊しました。もちろん覚醒はさせました。許すまじCygames…