五条先生と遭遇した翌日、伊知地と名乗る呪術高専の関係者が家にやって来た(なぜもう先生呼びかだと?ハーゲン箱買いしてくれたからだよまじ神様イケメン死ね思ってごめんなさい)。
冴えない…ブラック企業かなんかに揉まれて疲労困憊そうなサラリーマンという第一印象のせいか、両親は詐欺師かそれに類する人という認識から可哀想な人に変わっていた(ドンマイ)。
そんな彼は俺と両親に、高専についての先に呪術や呪いについて語った。
一に曰く、恨みや後悔、恥辱など、人間の身体から流れた負の感情が具現し意思をもった異形の存在。
呪いであるため(一部を除き)コミュニケーションは不可能で、総じて人間を容赦なく殺しに来る。
二に曰く、日本国内での怪死者・行方不明者は年平均1万人を超えており、その殆どが呪霊による被害とされている。
三に曰く、学校や病院のような大勢の思い出に残る場所は負の感情の受け皿となり、呪霊が発生しやすい。
そして、
「呪力のない一般人には見ること・触れることも出来ない。そのため呪霊を視認し呪術を使う才能を持つ呪術師が呪霊を祓うために飛び回っている……こういうことですか?」
「ええ、概ねそれで大丈夫だとおもいます。そして、その呪術師を育てるための機関が、私が所属している高専になっています」
ここまでの説明を受け、尚且つ俺にその才能があると言われた両親、さぞ詐欺でも受けているのではと思っているだろうと思ったが、親父が「やはりか…」と俺たち全員にギリギリ聞こえるくらいの声を絞り出したかのように出してしきりに頷いており、母親に至っては「よかったじゃない、あんたにゃ一片たりとも才能のさの字もないとばかり思ってたんだから」とストレートに息子を傷つける発言を笑顔でする始末(ぜってぇ親父は知ったかぶりだろ)。
まあ、お陰で俺の呪術高専行きは上手く言った(俺の尊厳を引き換えに)。
余談だが、学費は無料で寮完備、それとお給料くれるらしいやったね(泣)。
「で、では此方にサインをお願いします(ここまで円滑なのは久しぶりですね)。
寮の手配が出来次第、入寮となるので宜しくお願いします。
渉くんは八月からの入学(転校)なので五条さんが呪術に関することについて教わってもらいますね」
はい五条先生と2人きりとか人生勝ち組(イケメン死ねと思ってた人?ダレソレボクワカンナイ)!!
数日が経ち、入学予定の高校への入学辞退やら荷物の準備をしていると、入寮の準備が出来たと連絡があった。迎えが来るとの事で待っているとインターホンが鳴り、玄関を開けると五条先生がいた。
「やっほー。僕がわざわざお迎えに来たよ。
んじゃー荷物は伊地知に任せて乗って乗って。
僕はちょっと君の両親に挨拶してくるから。」
そう言うと荷物をさっと奪われ、恐らく運転をしてる伊地知さんに投げ渡したと思ったら勝手に家に入っていった。(社会人としてそれどうなんだろ)
「はは…五条さんはマイペースですので」
「すんませんマイペースってオブラートに包みきれてないですよ」
あれ絶対我を通すタイプだ。しんどっ(掌クルックル)。
そうして車内で伊知地さん(苦労人なのが伝わったので好物そうな羊羹買ったりして労ろうと思う)と話してると、両親を伴って五条先生が現れた。高専に行ったらしばらく顔出しできないらしいから申し訳ないなという気持ちがあったが、母親の五条先生を見る目つきを見て失せた……親父可哀そうって言う気持ちが現れるとは、数瞬前の俺は信じられなかっただろう(ガチ)
「さっ時間は有限だしさっさと行こっか。伊知地出して!」
そう言うとすぐ様五条先生は助手席に乗る…いやダッシュボードに足乗せるって何様なんだろう。あと足長いとやっぱそういうの似合うんだへーよしぶち殺す(情緒不安定)
そう殺意を滾らせてると不意に五条先生が俺に顔を向ける…ナンデモナイデス(ヘタレ)
「取り敢えず今後の予定だけど、基本的にウチに入る生徒って代々呪術師の家の子供とかだったりするから最低限の呪力コントロールと自分の術式の把握は出来てるんだよね。一般枠でうちに来るのは珍しいわけじゃないけどやっぱ少ないから、怖気つくかもだけど仲良くね」
「了解です」
「渉くんは呪力コントロールはおぼろげでも出来ているから、そこら辺について僕と一緒に理解を深めるところからやろっか。ちなみになんだけど今質問あるかい?」
態度が悪いし社会性持ってなさそうだけど、そこはちゃんと先生なんだなって思った。
「呪力と術式ってなんですか」
「呪力はゲームでいうMPでいいよ。ただし、感情の揺れに影響が及ぶ感じかな。
術式は固有能力だね、遺伝で受け継がれるのもあるけどそういう認識でいいかも。
呪力を持つ人間は体に術式が刻まれていて術式に呪力流すと術式が発動するんだよ」
「呪力単体で出来る事って何ですか。」
「色々あるよ、力の塊みたいな物だからね。
体を強くしたりとか、投げつけたりとか。
でも効率悪いからおすすめしない。」
「了解です」
まぁここまで聞いといてだけどあんま俺自身の…術式?理解してないんだよな。
「あ、そうそう。
着いたら先ず学長と面談だから。
因みに面談に落ちると入学取り消しね⭐︎」
まって軽いノリでとんでも情報来たんですが(恐怖)
ここまでいって取り消しとか親にどんな顔見せればいいんだろう(戦慄)
「…まさかそれ言ってなかったんですか、五条さん」
「ごっめーんわすれてたー!」
……伊知地さんが苦労人な理由が改めて分かったわ。
「まー大丈夫大丈夫!君なら大丈夫だって!ほらほら落ち着いて、呪力漏れてるぞ⭐︎」
「へーこれが呪力なんすねぇ一回この感触確かめるために殴ってもよろしくて?」
「渉くん、気持ちは胃に穴が開くほど分かりますが落ち着いてくださいぃ……っ!!」
五条先生への殺意を高めながら到着を待つ(元よりあったかもイケメンだしね)
てか運転席の伊地知さんが震えているけどどうでもいいな!悪いの先生だし!!
「ん、着いたね。んじゃあここからは僕一人で君を案内するから、さーさー降りた降りた!」
イライラパラメーターが二周まわりながらも深呼吸して気持ちを鎮めていると、目的地に着いたらしい。
学校…というよりも大きなお寺?への印象は、山々の中に無理矢理詰め込んだ感じ。あと空気美味しい東京のくせに(偏見)。
「こっからは歩いて向かうから。」
五条先生に付いていき、内部を進む。
砂利の敷地を進み石畳みを歩くと、神社らしき所に辿り着いた。(呪術とか言ってるしやっぱ宗教とか大事にしてるのかな)その神社の手前に座っているのは図体にデカいグラサンヤンキー、急に神聖さ消えたな。
「あそこにいるのが学長だね。がくちょー!!転入生連れてきましたー!」
そう声を上げながら手を振って近づく五条先生、そしてその声に顔を上げるグラサンヤンキー、
もとい学長。すみませんその手の持ってるのは人形さんすか、キモカワっすね(ほっこり)。
「…遅い、五分の遅刻だ悟」
「だって」
「五条先生、学長はあなたの名前を呼びましたよ?(あと声渋いな)」
「…さて、君が龍史渉か… 俺はここ、都立呪術高専の学長夜蛾正道という。
さて、さっそくだが質問をさせて貰おう。君は何しに呪術高専に来た?」
グラサン越しにこちらを見る夜娥学長。もう面接は始まってるらしい。
てっきり室内でやるもんだと思ってたわ(普通はそうだと思います)。
「そっすね……この力がなんなのか、知りたいからです」
「…本当だろうが上辺だけだな」
なんでバレてんの?あれか?グラサン効果か?(顔に出てるだけ)
「……俺ってめんどくさがりなんですよ」
この際言おうと思う。
「続けてみろ」
「んっと、ぶっちゃけ面倒ごとに関わりたくないし、ぐーたらな生活したいし、なんならヒモになりたいって考えてるんですよね。でも、そういうのが出来るのって、一部の限られた金持ちの縁者か、将来を見据えてない、後で人の倍以上苦労する人なんですよね。俺は今じゃなくて、将来楽に自堕落に生きれるように今頑張りたいんです。まぁ今から堕落できるならしますがね」
「…努力したくないから努力すると言ってるようなものか。
それでよく命落とすようなとこに入る決意をしたな… だが他人や正義を理由にしない点は気に入った。
それに充分イかれていそうだ」
ーーーーー合格だ ようこそ呪術高専へーーーーー
え、こんなんでいいの?
「合格おめでとう!じゃー次は寮に案内するからついておいで。荷物は伊地知に届けさせるから」
そう言うと颯爽と歩き始める五条先生、てかあの人足長いんじゃなくて長すぎるから小走りしないと追いつけねぇ(悔)。
「面接ってアレだけって大丈夫なんですか?というか、あの回答で合格って思ってたより緩いというか」
「呪術師って万年人手不足ってのもあるけど、僕の推薦だから落ちることはないんだよね」
「おいなんて言った」
落ちるかもって言ってて緊張したあの時の俺の背汗返しやがれ。
そう思ってると、五条先生が俺に顔を向けた。
「一応言うけど、君が呪詛師…呪術を違法に使う犯罪者なんだけど、それになっても僕がいるから、せいぜい道を間違えないように」
この時の五条先生は、いつもの陽気というか、能天気そうな雰囲気に一瞬陰りを含めていた。
「随分、先生は自信があるみたいですね。」
「あるよ?
だって僕最強だから」
……最強、ねぇ。
「なんなら、寮に案内する前に君の術式の把握も兼ねて少し遊んであげるよ。
大丈夫、手加減するから!」
懐疑的な顔をしていたからなのか、面白そうな顔をして言っている五条先生(パッパラパーな背景音がよく似合う)。
別に俺は最強とかそういう称号に興味はないし、年金頼らずの優遊満喫した生活がしたいだけだ。
…けど、さっきの面接といい色々とイラっと来てる訳なんで、ここらでこの人の面に一発ぶちこめれば、
さぞスッキリするだろうね。
「是非、宜しくお願いします。」