ホロライブ・オルタナティブver.IF 外伝 ~オリジン~   作:天野空

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それはGMと第六世代組が世界を救う戦いに巻き込まれる少し前。


「その話本当なのかい?」
五世代ハウスの中、ぼたんがラミィに聞く。
「うん、間違いない」
「どうすんのよ」
ねねが不安そうに椅子に座っている。
「もちろん、調査するしかないんじゃない?」
ポルカはそう言って飲み物を飲む。
(そうだね。
闇雲に先輩や運営に知らせても、証拠がなければ騒ぎが大きくなるだけだし)
空中に浮かぶアロエは、4人を見下ろしながら言った。
「それじゃ、今からラミィ達は調査団だね」
なぜか嬉しそうなラミィ。
「はぁ、長くなりそう」
ぼたんがそう言って伸びをする。
「その癖、なんか楽しそうな顔してるよ、ししろん」
そう言って笑うねね。
「そりゃそうでしょ、5人で何かするのって久しぶりだし」
ポルカはそう言って笑う。
(じゃ、秘密裏に世界を救いますか?)
『お~』
アロエの言葉に第五世代組は声をあげる。
ラミィの感じた気配。
コメント集の気配が本当かどうか。
第五世代組の秘密の調査が始まった。


第1話 雪花ラミィの心配事/白騎士の誕生

「やはり、無理だったか…」

GMと第六世代組の最終戦を遥か頭上から見下ろす、1人の人物がポツリと呟く。

その人物は後ろに振り向き手を横に振った。

目の前の空間が口を開くように開いた。

その人物はゆっくりとその空間へと入っていった。

先程と同じように真っ白い空間。

その人物はその空間と同じような真っ白い衣装を身に付けていた。

ゆっくりと歩いていく白装束の人物。

しかし、ぴたりと立ち止まる。

「まさかこの場所にこれるプレイヤーがいるとは」

白装束の人物は振り返る。

そこにはその人物と同じような真っ白い鎧を着た騎士が立っていた。

「やっと見つけた」

その騎士は剣を構える。

その横に体の透けた白装束の人物と同じ人物が現れた。

「まさか、本体がプレイヤーと来るとは」

「頼まれたからな。

あんたを止めてくれと」

(もう、やめなさい)

透明の人物も白装束の人物に話しかける。

「そう言うわけだから止めさせてもらうぞ、オメガα!」

白騎士は勢いよくオメガαに向かって走り出した。

 

 

どうしてこうなったんだろうな?

俺はただのプレイヤーだったんだけど。

俺の名はトライン。

もちろん、本名じゃなくゲーム内の名前だ。

俺はこのゲーム【ホロライブワールド】を初めて3ヶ月になる。

最近、ホロライブ好きの姉がこのゲームのGM試験に合格したとか嬉しそうに教えてくれたが、俺がこのゲームをしてるのは知らないだろうな。

「さてと」

俺はいつも通りギアを被る。

VRMMORPGゲームが進化しているとはいえ、このヘッドギアはもう少し小さくならないものかな?

ふと、机の端にあるアクリルスタンドを見る。

誰にも言った事ないが、俺の最推しの笑った写真がある。

「もう、実装されてるって聞いたんだけどなぁ」

そんな事を考えながら【ホロライブワールド】にダイブする。

「いつか会いたいな、こよりちゃんに…」

 

 

「さて、何を受けるかな?」

最近この【ファンタジー】の第三の町に来た俺は、ギルドに向かい、クエストボードを見る。

『漁の護衛』『いなくなった犬探し』『鍛冶屋の素材探索』その他…

たくさんあるがホロメン関連のクエはないか。

ま、そう簡単には見つからないか。

ん?

俺はそんなクエストの中1枚だけクエストボードからはみ出して、ぶらぶらしているクエストを見つけた。

なんだ?

俺はクエストボードからクエストを取る。

『聖剣の継承者』

そうクエストには書かれていた。

へぇ、なんかカッコいいじゃん

俺はクエストの発注者を見るが、???となっていた。

なんだ?

こんなクエスト初めてだけど?

まさか、ホロメン関係?

俺は初めて受けられるかもしれない、ホロメンのクエストに密かに興奮しながら、クエストカウンターにクエストを持っていった。

 

「本当になんなんだ?」

俺はギルドを出て町を歩いていた。

手にはあの時のクエスト。

ギルドの受付がこのクエストを見て、見覚えがないと答えた。

しかし、せっかくなので受けてみては?とクエストを渡してきたのだ。

「どうするんだよ、これ」

俺は一応、クエストを受ける為にそのクエストに書かれている場所に向かう。

場所は【大霊園】

たくさんの墓がある場所だ。

 

 

「確かここって【大霊園】の主がいるって言ってたよな」

俺は【大霊園】に着くと指定の場所を探していた。

噂だが【大霊園】の奥にはドーム型の場所があって、そこには可愛らしい少女が主として住んでいると聞いた。

ネットではそれはるしあちゃんだとか、見たことあるとか書かれていたが、本当のところは分からない。

「ま、運がいいやつはあった事があるんだろうけど…

お、ここか」

俺は指定された墓の前に着いた。

他の墓より少し離れた場所にあるそこは、周りの森に隣接するようにあり、よく探さないと見落としそうだ。

その墓は他の墓より明らかに苔が付いていて古ぼけていた。

「名前が読めないな」

俺は墓の表面に何が書かれているのかを確認する為、表面を手で擦る。

墓の表面に付いた苔が落ち、書かれていた名前が見えた。

「これってオメガ?」

墓にはΩのマークが書かれている。

(その通りです。

契約者よ)

「え?

う、うわぁ」

いきなり背後で声をかけられ俺は振り返り尻餅をつく。

目の前に白い洋服を来た半透明の幽霊が浮かんでいる。

「ゴ、ゴーストか!」

俺はすぐさま剣を抜き構える。

これでもレベルは40になった。

剣士一筋、技もいくつか覚えている。

ゴースト系に効く技だって。

そんな俺に(ふふ、戦う気はありませんよ)とそのゴーストは笑顔で言ってきた。

 

「で?

あんたなんだよ?

イベントキャラか?」

(ま、そんなところでしょうか?)

俺の問いにゴーストは苦笑しながら答える。

見た感じホロメンでもなさそうだけど…

「で、あんたが聖剣ってやつをくれるのか?」

俺の問いにゴーストはじっと俺を見る。

「な、なんだよ」

幽霊が黙って見つめてくるとなんか気味悪いな。

(はい、あなたにお願いします)

そう言ってゴーストが微笑む。

「ふぅん、なんか試練とかないのか?」

こういった伝説の武器を所有するには大抵大掛かりなイベントをクリアしないといけないのが、お約束っぽいが。

(そうですね。

剣を渡すのに試練はありませんが、剣を受け取った後に試練はあります。

では、聞きます。

あなたは剣を受け取り試練を受けますか?

この試練は終わるまで止める事は出来ません。

ただ、ずっとゲームに入っているという事でもありません。

あなたのペースで私と共に試練を乗り越えてください)

ゴーストはじっと俺を見ながらそう言った。

正直、俺はめんどくさい事になりそうだと思った。

しかし、なぜかそれ以上に楽しい事が起きそうな予感もした。

だから、俺は答える。

「ああ、その試練受けてやる」

俺の答えにゴーストは嬉しそうに微笑んだ。

(では、改めて自己紹介をしましょうか。

私の名前はオメガα。

貴方は西条かなたさんでいいですか?)

「え?」

いきなり俺のフルネームを呼ばれて驚いた。

「い、いや、俺はトラインだから」

(あ、そうでしたね。

すいません、トラインさん)

そう言って笑うオメガα。

「勘弁してくれよ。

ルール違反だぞ」

俺はそう言ってオメガαに言った。

しかし、なんで普通のNPCが突然リアルの名前を言ってくるんだ?

(すいません、これからは気を付けます。

では、トラインさんに渡す剣ですが)

オメガαはΩと書かれた墓に向かって手を伸ばす。

すると墓石は塵になり、中に1本の剣が刺さっていた。

(抜いてください)

オメガαに言われて俺は剣に近づく。

綺麗な真っ白い剣だった。

柄を握ると確かな感触。

VRMMORPGの醍醐味、この実物と同じ感触はやっぱりいいな。

ゆっくりと持つ手を上げると剣が抜けていく。

これで抜けなかったら笑い話だよな。

シャンと音が鳴り、俺は真っ白な剣を抜いた。

ドクンと心臓が鳴る音が聞こえたような気がした。

(やはり、抜けましたね)

オメガαは嬉しそうな少し悲しそうな顔をする。

なんでそんな複雑な表情をするんだ?

「抜けたけど、どうしたら…」

俺がそう聞こうとすると、いきなり剣から光の帯が俺の体を包み込む。

「な、なんだ!」

そして、帯が形を成して俺の体を包んだ。

「どうなったんだ?」

俺の言葉にオメガαはどこから出したのか大きな姿見を出して俺を写した。

「これって」

俺は自分の姿を確認する。

全身真っ白い鎧に包まれていた。

顔もフルフェイスの兜で分からない。

マントも真っ白だ。

(その剣の副産物だと思ってください)

俺は引き抜いた剣をステータス画面で確認した。

【白の聖剣オリジンソード】

能力:全てのデバフ無効、状態異常無効、全てのステータスにバフ、全敵に対して特効攻撃。

はぁ?

なんだこのチートアイテム。

全能力がカンスト999に対してオール800?

さすがに毎日変わる運のステータスは普通だけど。

(どうですか?

着心地は?)

オメガαが聞いてくる。

「いや、着心地というかすごくしっくりとくるよ。

まるで動きやすい服を着てるみたいだ」

そう、見た目はごつい鎧なのに、腕や足を動かしても何も引っ掛かりがない。

(それは良かった)

オメガαは優しく微笑みながら俺を見ている。

(その防具一式は、オリジンソードを装備すると自動で現在の装備と変更して装備されます。

もちろん、元々の装備はアイテムボックスに移動するので、オリジンソードを装備解除すると自動で元に戻りますよ)

「なるほど」

俺は言われた通りオリジンソードを装備解除すると、元の装備に戻った。

さて、聞かないといけないな。

俺は近くの岩に座り、オメガαを見た。

「それで、試練ってのを聞かせてくれるか?」

俺はオメガαにそう聞く。

オメガαは少しうつむいた後、静かに語り始めた。

すべての始まりは、このゲーム【ホロライブワール】の開発が終盤になりある人物がテストプレイを行う時から始まった。

そして、次に超AIと呼ばれる存在が【偽会】となり、このゲームを壊そうとした事。

それはゲームが決めた世界の答えと言われるプレイヤーがどうにか防いだ事。

そして、今度は始めに現れたコメント集と呼ばれるものが復活して、意思を持ちこのゲームを壊そうとしている事。

はぁ?ってなる。

超AI?

自然発生したAIってなんだよ。

いや、ゲームって開発者が作って提供してるもので、運営会社がアップデートとか行ってやっていくものじゃないのか?

ゲーム自体が意思を持つってなんだよ?

それにコメントってSNSとかでよく見るやつだよな?

あれが意思を持って世界を壊す?

ゲームのNPCを乗っ取る?

何言ってんだ?

そんな俺の顔を見てオメガαは苦笑した。

(確かに普通の人はその反応ですよね)

「いや、だって言ってる事可笑しいだろ」

俺は感想そのままを口にする。

(ええ、確かに。

しかし、貴方がいるこの世界。

実際に五感もあり、痛みもフィードバックします。

ま、死ぬほどの痛みの場合はシャットアウトされますが、少しの傷なら痛いと感じるでしょう)

ま、確かに。

ゲームはじめの設定でその辺も触れるが、基本言ってる通りだ。

(さて、リアルでも痛みを全く感じないようにする事が出きるのはご存じですか?)

「あ、ああ、そう言う症状や薬はあるな」

(この世界でご飯を食べれば満足感やお腹が膨れますよね?)

「まぁな」

(ま、排泄とかの問題はありますが。

では、この世界とリアルはどこが違います?)

「は?

そりゃ、ギアを着けてゲーム開始するんだから、この世界はゲームだろ?」

(それはもしかしたら、リアルとこの世界を行き来するゲートなのかも知れませんよ?)

「はぁ?

なら、この世界はゲームじゃなく、異世界って事か?」

俺は突拍子もないオメガαの言葉に驚くき、立ち上がる。

(いえ、この世界は紛れもなくゲームですが)

「なんなんだよ」

オメガαの言葉にちょっと期待した俺はまた岩に座る。

(しかし、そう感じてしまうくらいにこの電脳世界はリアルに作られている。

なら、その電脳世界に自然に知能を持ったものが生まれる可能性もあります)

「それが超AIやコメント集ってやつだといいたいのか?」

(はい)

はぁ、確かにそうかもしれないと思うこともある。

このゲームは確かにリアルではないかと思う程、精巧な作りだ。

オメガαが言う事ももしかしたら、ある事なのかもしれない。

(さて、こういった話はここまでにしましょうか。

信じる信じないは個人の事なので)

そう言って笑うオメガα。

(ここからが本題です。

トライン。

貴方にしてもらい事は1つ。

この世界【ホロライブワールド】を破壊しようとしているコメント集をこの世界に引き込んだ黒幕を捕まえてほしいのです)

「コメント集ってやつはいいのか?」

(はい、そちらはもう抑止力が動こうとしています)

「なら、そいつはどこにいる?」

(分かりません。

ただ、コメント集を追っていれば必ず出会えるはずです)

オメガαの言葉は俺にはピンとこなかった。

ゲームのイベントにしては何か変だし、本当にゲームに意志があり、こんな話ができているのかも信じがたい。

しかし。

「分かったよ。

試練を受けるって言ったからな。

手伝うよ」

(ありがとうございます。

そう言ってもらえると思ってました)

オメガαは微笑む。

(あと、試練の副産物としてホロメンに会えるかも知れませんよ) 

その言葉にある人物の姿が頭に浮かぶ。

(はい、博衣こよりさんもこの世界に実装されてますからね。

それに彼女達も今回の件にかなり関わってくるでしょうから。

会える可能性あります)

「おい、考えてる事まで分かるのかよ」

俺は少し照れながらオメガαに言う。

(もちろん、さっき貴方は言ったでしょう?

この世界はゲームなのですから、考えた事もデータとしてこちらにきてます)

そう言って笑うオメガαに俺は、はぁとため息をする。

ま、いいか。

ゲームやらリアルやらは置いておいて、これから楽しくなりそうだ。

(そうそう、1つだけこの事は誰にも話さないでください。

その相手が例え大切な家族でも、大好きなホロメンであっても最後まで正体を隠してください)

突然真剣な顔のオメガαに俺はゆっくりと頷いた。

(ありがとうございます。

それでは、私はしばらく消えますね。

ご用があればいつでも呼んでください。

私は貴方と共にいますので)

「お、おい」

そう言ってオメガαは消える。

墓場で1人取り残される俺。

これからどうすりゃいいんだよ。

(あ、それなら【ゲーマーズ】の第3の町に向かってください。

そこでイベントがありますので)

消えたままオメガαの声がする。

ま、確かに見えなくても近くにいるって言うのは本当らしいな。

「分かったよ」

俺は独り言のように呟いて、【大霊園】を後にする。

これから起こるチート無双を少なからずその時は予想して。




さて、始まりました。
ホロライブ・オルタナティブver.IF 最後のお話となります。
裏で動いていた最後のキャラクターとの戦い。
そして、白騎士の物語。
裏で動いていた第五世代組の物語。
前書き、後書きにて第五世代組のお話。
本編で、白騎士のお話を書いていきますので、こういった後書きはこれで最後になります。
それでは、読者の皆様。
お時間に余裕がありましたら、少しの時間お付き合いくださいませ。
また、感想などもお待ちしておりますので、送っていただければ励みになります。
では、【ホロライブワールド】最後の物語。
おたのしみくださいませ。
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