ソードアート・オンライン 本能の牙-instincts-   作:新世界のおっさん

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第二章開☆幕!


第二章 フェアリーダンス
ミッションスタート


東京都渋谷区ハチ公前にて一人の青年が立っていた。

数多のMMORPGをプレイし、今年の2月にデスゲームSAOをクリアに導いた人物。

名を<稲生直貴>と言った。

 

「……たく、やっとリハビリまともに終わったばかりだっつ~のに……こんな寒空で待たすなよな……」

 

秋が深まり少し肌寒いくらいの状況で、直貴は手を擦りあわせていた。こうなっているのもとある人物と待ち合わせているからだ。

 

「やあ、遅れてすまないね」

 

「やっと来ましたか……寒いんで早く移動しましょう」

 

「ああもちろん、今日は私が奢ろう」

 

その人物は総務省の職員である(らしい)<菊岡誠二郎>という名前の男だ。イノセンス達プレイヤーが戻ってきて最初に関わった政府関係者である。

 

 

 

 

 

「何を頼むんだい?」

 

「オム焼きそば、大盛りで」

 

「おお、男の子だねぇ!では僕はカルボナーラスパゲティに」

 

二人は注文してから本題を始める。

 

「それで……今日は何関係のお話を聞きたいんですか?結構色々話はしたと思ったんですが」

 

「いや、今回はお願いがあって君に会いに来たんだ」

 

「? お願い?」

 

この菊岡誠二郎という人物はかなり幅が利くのか、プレイヤー達を病院へ搬送し点滴などの迅速な采配を行ったのも彼であり、本来破棄される予定であったナーブギアを回収して直貴に返したりと地味に凄い事をしている。

その為、色々恩義がある分直貴も其れを彼に返している。

所謂ギブアンドテイクな関係だ。

 

「ああ……君は知ってると思うが、SAOから戻ってきていないプレイヤー達が存在している」

 

あのデスゲームは確かに<茅場晶彦>の手によって全プレイヤーがログアウトされたはずなのだが、いまだに意識が戻ってない謎のプレイヤー達がいるらしいのだ。

 

「知ってますよ、まあ話を聞いただけですし……知り合いは皆戻ってきてるんで一先ず安心していたんですが……まだ戻っていないんですね」

 

菊岡は直貴の言葉に頷く。

 

「それでね、直貴くん……僕ら総務省としては何が原因か見当はつけたんだが……」

 

「それは、一体?」

 

「……SAOを作った<アーガス>が解体されたあと、SAOサーバーの維持管理を行っているのがあの電子機器メーカーの大企業<レクト>らしいんだ」

 

菊岡の話を聞いた直貴は話に辺りをつける。

 

「つまり、<レクト>が管理しているSAOサーバーについて調べるためにあんたらが怪しいと感じてるゲームに入ってこいと?」

 

「……まさにその通りだが、まるで最初から知っていたように話すね君は……時々恐ろしく感じるよ」

直貴は青い瞳でにやりと笑い問う。

 

「それで?そのゲームは?」

 

「……<アルヴヘイム・オンライン>通称<ALO>だ」

 

「ALO……」

 

「<レクト>の運営するVRMMOで、SAOと違い……プレイヤーは妖精として種族、領土、魔法などの概念があり色々と複雑だか面白いゲームだよ」

 

「やべえ、普通にやりたいそれ」

 

根っからのMMO好きの直貴からすると、そう言う設定は大好物だった。

 

「遊ぶのは別に構わないが、出来れば調査を優先してほしいんだが……」

 

「いや、やりますよ勿論!」

 

「なら良かった……何か進展があったりしたらメールで逐一報告してくれるとありがたい」

 

「了解です!」

 

「ご注文のお品で~す」

 

「いただきます」

 

「いただきます」

 

二人は料理が来たため、話は切り上げゆっくり食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、配線とか問題ないな……久し振りだな……VRMMO……」

 

ナーブギアを見つめ直貴は懐かしく感じる。

一年は身体の一部だったため感動もひとしおである。

頭に装着し、横になり起動する。

 

「一段落ついたら、皆誘おうかなALO……リンクスタート!」

 

光が走り画面が次々出てきては消える。

ある程度設定を終わらせALOが起動する。

 

<初期設定を決めてください>

 

「名前は前のとして、種族だな……」

 

ALOには個性的な種族達がいて、それぞれ能力に特化している。

 

風妖精 シルフ 飛行速度と聴力に特化 風属性魔法を使う

 

火妖精 サラマンダー 攻撃と武器の扱いに特化 火属性魔法を使う

 

水妖精 ウンディーネ 回復と水中活動に特化 水属性魔法を使う

 

土妖精 ノーム 耐久力と採掘に特化 土属性魔法を使う

 

影妖精 スプリガン 幻惑とトレジャーハントに特化 幻影魔法を使う

 

猫妖精 ケットシー 敏捷、視力とテイミングに特化

 

工匠妖精 レプラコーン 物の生産に特化

 

闇妖精 インプ 暗視と暗中飛行に特化

 

音楽妖精 プーカ 歌唱と楽器演奏に特化

 

という九種族から構成されており、世界の中心にある世界樹に最初に辿り着いた種族が光妖精 アルンとなり無限に飛行出来るらしい。

 

「む~悩むな……」

 

大した情報を貰っていないため、どれも良く見える直貴は迷った。……その結果選んだのは。

 

「プーカだな……いかにも玄人向けなとこが好きだ」

 

音楽妖精 プーカに決めた。

その瞬間視界が光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「……着いたな」

 

着いた場所は広い平原にテントやコテージのある、遊牧民族の集落の様な場所だ。ここがプーカの首都<ケルピル>だった。

 

「モンゴルの大地を彷彿とさせるな……さてと……?」

何となく違和感を感じたため頭を触ると左右から妙にゴツゴツした物が<生えていた>。

 

「角だこれ!すげえ!」

 

プーカは羊をモチーフにしてあるのかあのぐるぐる巻きの角が生えており、髪の毛は白に統一される。

 

「マジか~ファンタジーですな……と思わず興奮してしまった」

 

今はチュートリアル的な何かをさっさと終わらせなくてはと首都へと駆け出した。

 

 

 

 

空の飛び方、この世界のルールなどを教えて貰ってきたイノセンスは早速空を飛ぶ。

コツがいるらしいのだが、身体の使い方が元から上手い人はそう時間は掛からないらしい。

 

「お~気持ちいいな~!SAOじゃ落ちながら戦ったくらいしか経験なかったから最高!」

 

イノセンスは心の底から堪能したあと、イベントリを開く。

 

「やっぱり大半がバグってるな……世の中厳しいねぇ」

 

中にはSAO時代のアイテムがあるのだが殆どが文字化けなどで良くわからない事になっていた……三つを除いて。

 

「あ、ユニーク装備はバグってない!」

 

<ナイトメアローブ>はそのままの名前と姿。

<金鵄>は<神刀キンシ>になり、短刀から太刀に変わっていた。

二つを装備して最後の一つを確認する。

イノセンスはそれがなにかわかっていたが。

実体化すると水色の宝石が出てきて、その姿が光り変化する。

そこに現れたのは小さな妖精の姿をした<結>であった。

 

「パパ……?」

 

「久し振り……結……」

 

「! パパァ!!」

 

結は小さな体でイノセンスの胸元に抱きつく。

イノセンスは優しく手で包む。

 

「ずっと、会いたかったです」

 

「俺もだ……」

 

「……髪の毛白くなりましたね」

 

「……そっちは小さくなったな」

 

二人はそう言って笑った。

 

 

 

 

 

 

 

「調査ですか、パパも大変ですね」

 

「むしろ結に会えたし、得したよ」

 

「パパ……」

 

結は久し振りの父との再会にとても嬉しそうだ。

 

「まあ、リアルの事もあるけど頻繁にインするからな……これからもよろしくな結」

 

「はい、パパ!」

 

結はその場でクルリと回り了承する。

 

「よし、準備は整った!ミッションスタートだ!」

 

イノセンスは此れからの事に胸膨らませていた。




導入終了!
次回から本格的に調査(という名の遊び)が始まります。
よろしければ、感想や要望などお待ちしております。
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