ソードアート・オンライン 本能の牙-instincts-   作:新世界のおっさん

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世界樹攻略戦。

何となく熱い展開。


英雄集結~All Star Battle~

詩乃とのまったりした時間も終わり、帰る時にまた来て欲しいと言われ、勿論直貴は了解した。

家に帰ってから、軽く食事をとったのちログインする。

 

「さてと、サクヤさんに会いに行きますか……と?」

 

「んぅ……すぅ……」

 

「むにゃ……おにぃ……ん……」

 

イノセンスは早々に彼女の元へ合流しようと考えていたが、どうやら先に来ていたリーファとユウキはイノセンスのベッドで仲良くお眠り中のようだ。

 

「……そこまで焦らんで良いかな?」

 

時間的にはまだ少しあるので二人は休ませる事にし、自分は<神刀キンシ>の手入れをする。

単純な耐久値回復なら、アイテムを使えば出来るためやっておく。

 

「お前にはいつも世話になりっぱなしだからな……」

 

SAOでも幾度となくキンシに助けてもらい、このALOにおいても無二の相棒なのだから……愛着も湧く。

 

「いつもありがとう……キンシ」

 

キンシが光を放ち応えてくれる。

イノセンスはそれを見て微笑む。

 

「ん……あれ?イノセンス?」

 

「あ、すまない起こしちまったか」

 

キンシの放った光に反応したのか、リーファが起きてしまったために謝罪するイノセンス。

 

「いやいや、謝る必要は無いわよ……それよりさ、ありがとね……改めて」

「……ああ、もしかしてキリトとの事か?どういたしまして、良かったな……仲直り出来たんだろ?」

 

「うん、お陰で色々スッキリしちゃった!」

 

直貴の言葉に満面の笑顔で答える。

 

「良い顔になったな、前よりずっと良い女だ」

 

「ふんっ!……当たり前じゃん、これからもっと自分を磨いて、もっと良い女になるつもり……お兄ちゃんがフッたのを後悔するくらいね!」

 

リーファは自信満々に胸を張る。

そして、イノセンスの横に座り手を握る。

 

「だからさ、見ていて……これからも私が道に迷った時は……側にいて、導いて欲しい……私はあんたが助けが必要な時、全力で報いてみせるから!」

 

リーファの眼は真剣で、直貴をしっかり見つめている。

だから、イノセンスはこう答える。

 

「当たり前だろ、<俺のお姫様>」

 

「ーーーーふふっ、ありがと……<私の王子様>♪」

 

見ているだけで早まる胸の高まり。

互いに特別な呼び方……見つめ合う二人……と、ここで。

 

「……むーっ!ダメだよ!」

 

「うひゃぁっ!!」

 

「おっ?」

 

既に起きていたユウキが妨害にはいり、結は残念がる。

 

「ありゃ、もう少しでしたのに……ってユウキさん!」

 

「え? あ、ああああぁぁぁ!!!」

 

驚いたリーファは飛び上がり、そのままの勢いでイノセンスを押し倒し、さらに頬にキスしていた。

 

「んっ……あっ、ご、ごめんっ!」

 

「おっおう、大丈夫だ、寧ろ役得だったからな」

 

顔を真っ赤にして離れるリーファと気恥ずかしさに苦笑するイノセンス。

ユウキはそれをみてワナワナ震える。

 

「ズルいよ!リーファさん!それならボクだって!お兄ちゃーん!!」

 

「ぐわぁっ!正気を取り戻せ!わが妹!!」

 

「ちょっ、ユウキちゃん落ち着いて!さっきのは事故!」

 

「あはは……やっぱりパパは落ち着ける日がありませんね♪」

 

いつもの様なドタバタな状況を結は楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

央都<アルン>、ALOにおいて世界最大規模の中立都市であり……件の世界樹の根元に広がっている。

各種族がここに集まり、交易、クエストなどの為に集まってくるのだが、世界樹攻略のグランドクエストをクリアしたものはいない。

 

現在そこにシルフ・ケットシー同盟軍が集結していた。

 

「いよいよだな、アリシャ」

 

「んだね~、行けるかにゃ~?このメンツでぇ……まぁ、どっちにしろ突っ込むけどね♪」

 

「まあ、そうだな」

 

笑うアリシャに答えるサクヤは、視線をイノセンスに向ける。

 

「……君が言った事が本当ならば、確実に成功させなくてはな」

 

「ええ、協力本当に感謝します……サクヤさん、アリシャさん」

 

そう言って頭を下げるイノセンスに二人はこう返す。

 

「人の人生が弄ばれているかもしれない、何より君の頼みなら私たちは全て受け入れるよ」

 

「恩を返すってのもあるし、私たち英雄くんの事大好きだしぃ♪当たり前っしょ!」

 

「ふふっ、分かりました……なら行きましょうか……あの上に」

 

二人の答えに笑い前に出たイノセンスに突如声がかかる。

 

「そのクエスト、少しまてい!!」

 

その声に驚き振り向くと、そこにはプーカ、インプ、そしてサラマンダーの軍が勢揃いしていた。

 

「俺達も混ぜろ、よもや無関係などは言わさん」

 

「……ユージーン」

 

先頭に立っているのは以前打ち倒した将軍<ユージーン>だった。

 

「良かったのですか、ユージーン将軍?」

 

「領主様からは許可は得ていませんが?」

 

彼の左右に立つカゲムネ、ジータスクからそう聞かれるが。

 

「兄者は関係ない、強敵(とも)の為にこの剣を振りたいのだ……これはあくまで俺自身の意思だ」

 

「ふむ、ならば我らも」

 

「依存はありませんな」

 

「お前ら……」

 

いま、皆の心は一つだった。

 

「行くぞ、イノセンス……再戦前に死ぬんじゃないぞ?」

 

「もちろんだ……行くぜ!!<お前ら>!!」

 

「ええ!やってやるわよ!!」

 

「分かったよお兄ちゃん!ずっと着いていくよ!!」

 

イノセンス、ユウキ、リーファは並び扉を開け、クエストが開始される。

一斉に中に雪崩れ込む軍勢。

 

「これが、世界樹の中……なんだ?あの横の穴は……?」

 

サクヤが疑問に思っていると、中からゾロゾロと甲冑の姿をしたモンスターが現れる。

 

「なるほど、あれを蹴散らしながら突き進む訳だな」

 

「なら突っ込む!!付いてこられる奴だけ付いてこい!!」

 

『オーーーー!!!』

 

イノセンスを先頭に突っ込む精鋭たち。

プーカ達は斉唱をして強化し、各メイジ達が魔法で援護してくれる。

切り刻みながら進んでいくが、斬った先から敵がどんどんやってくる。

 

「くそっ!流石にセキュリティが厚いんだな!」

 

「いけ!イノセンス!ここは我々が引き受ける!!」

 

ユージーンが魔剣グラムを振るい、イノセンスの周りの敵を吹き飛ばす。

 

「すまない!行くぞ!二人とも!!」

 

「分かった!!」

 

「了解!!」

 

サラマンダー達が足止めするなか、三人はより先に進む。

しかし、一筋縄にはいかない、まだまだ現れる壁。

 

「またか!ほんとにしつこいなぁ!」

 

「……お兄ちゃん、ボクたちが左右抑えるからお兄ちゃんは中央から二刀流で突き進んで!」

 

「ってユウキ……お前なれるのか?」

 

いつの間にかユウキは本能の牙を発動していた。

ユウキは頷く。

 

「特訓の成果だよ!今日やっとコツが分かったんだ!」

 

「だから、来たときに疲れて寝てたのか」

 

イノセンスは納得しながら、二刀流(裏)にきり換え一気に制圧していく。

ユウキは高速思考をいかし、敵を難なく蹴散らす。

リーファは魔法で吹き飛ばしていく。

それでもまだ頂上まで遠く、敵の数は増える一方だ。

 

「これは本格的に来させる気ないわ……でもだからこそ確実に奥に真実がある!」

 

「だけど、やっぱりこのままじゃ……!」

 

「……まずいな」

 

敵は三人を囲み、一気に襲ってくる。

万事休すかと思われた……その時、黒い影が敵を凪ぎ払った。

その姿を見て、イノセンスは驚愕する。

 

「!! その武器!その格好!まさかお前!」

 

「言ったろ?スグ、こいつが本気で驚く所……見せてやるってさ!!」

 

「お、お兄ちゃん!!」

 

影はスプリガンとなった<キリト>だった。

 

「スグから話を聞いてさ!黙ってられるかっての!」

 

「キリト……!」

 

「言っとくが、来てるのは<俺だけじゃないぜ>!」

 

彼がそう言うと、風に乗り刃が飛んできて周囲の敵を殲滅する。

三人が驚いて飛んできた方向をみると。

 

「彼には指一本触れさせない」

 

シルフのトト。

 

「当然ですよね♪」

 

ケットシーのシリカ。

 

「マスターメイサー嘗めないでよね!」

 

レプラコーンのリズベット。

 

「俺の刀の錆になれ!……ってか!?」

 

サラマンダーのクライン。

 

「ダチのピンチは見過ごさないタイプなんでな」

 

ノームのエギル。

 

「回復はしたよ!もう大丈夫!」

 

「久し振りに、頑張るよ!」

 

そしてウンディーネのアスナとサチ、SAOフレンド達が揃い踏みしていた。

 

「皆……」

 

「水くせぇじゃねぇか!イノよぉ!さっさと行ってこいよ!」

 

「正義のジェダイとして、悪に鉄槌下してきな!」

 

「もしもの時には俺らが付いてるからな!イノ!」

 

「貴方には何度も助けられたもの、恩は返さなくっちゃ!」

 

「私の力は貴方の為にあるの、だからもっと頼ってよ?」

 

「その刀は私の心、いつもあんたと共にあるわ!」

 

「イノさん、行ってください!前のように勝ってきてください!」

 

「待ってるから……ずっと待ってるからね!」

 

かつての仲間であり、今の友からの激励にイノセンスは奮起する。

 

「ああ!行ってくる!<勝利へ誘え!キンシ!!>」

 

イノセンスの言葉によりキンシが召喚される。

三人はキンシにのり頂上まで突っ込んでいく。

 

「「「いけえぇぇぇぇぇ!!!」」」

 

その時、イノセンスとユウキ、二人の本能の牙が共鳴し爆発的なパワーが生まれた。

 

「こ、これはあの時の!」

 

結はかつてイノセンス初めて対面したときの力を思い出した。

強い意思が、本能が、彼らを頂上のその先へと導いた。

頂上にあった壁を貫き、中への侵入に成功した。

その中にあったのは……。

 

「これは、研究室っぽいな」

 

「100%この世界にはあり得ないものよね」

 

「ビンゴだね、二人とも」

 

自然に溢れた世界には似つかわしくない無機質そのものな場所だった。

三人が奥まで探索すると、機械が集まっている部屋でコンソールらしき物を発見した。

 

「パパ、これは私に任せてください」

 

結が飛び出し、コンソールにアクセスしてシステムの一部に攻撃をしかけ出す。

 

「他の場所の探索を御願いします、この中にこそ黒幕の明確な証拠が掴めるかもしれません」

 

「ああ、分かった!頼んだぜ結……俺の自慢の娘よ!」

 

「合点承知です!」

 

この場は結に任せ、三人はさらに奥へと進む。

今度は脳みそのグラフィックが並んだ、不気味な部屋へとついた。

 

「な、なにこれ!?」

 

「……こうやって実験を行ってきたのか……ヘドが出るぜ」

「……!この名前……お姉ちゃんだ……!」

 

ユウキがランの本名紺野藍子を見つけた、これでこの研究室は完全に黒になった。

その瞬間突如警報が鳴り響く。

 

「何!?何が起こって……きゃあ!!」

 

「リーファさ……うわぁっ!!」

 

「! 二人とも!」

 

周りの空間が歪み真っ暗な空間に変化すると、ユウキとリーファの二人が拘束具で強制的に張り付けにされる。

 

「……やってくれるじゃないか……英雄君……君のせいで、危うく計画が潰れるところだったよ」

「誰だ?」

 

「! お前は!」

 

突如現れた人物にユウキはその正体に気づく。

 

「須郷!須郷伸之!!」

 

そこには<妖精王オベイロン>こと<須郷伸之>が怒りに顔を歪ませていた。




次回、決戦。

イノセンスは果たして<妖精王オベイロン>に勝てるのか!?
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