ソードアート・オンライン 本能の牙-instincts-   作:新世界のおっさん

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第三章開始します。

今回は章開始話ですが、あまり主人公の出番がありません。


第三章 ファントムバレット
ニューライフスタート


閉鎖されたALOが再開されてから翌週。

SAO生還者の未成年が政府の配慮により、西東京市の高等専修学校に通わせてもらえる。

その人数は500余名にもなり、教育やカウンセリング、リハビリなどでサポートしてもらえる。

 

「はぁ~キツいなぁ勉強!もうやってられないっつの!」

 

「そ、そう言わないで夏樹ちゃん……そのうちテストだってすぐ来るんだし頑張ろうよ……」

 

その学校内にある、図書館クラスのデカさの図書室にて二人の生徒が勉学に励んでいた。

 

一人目の名前は<西原夏樹(にしはらなつき)>、18才。

金髪に長めのサイドテールを赤いリボンで留めているが、毛先が丸まりやすいのを気にしている。

目はキッとつり上がり、瞳の色は黒。

体格は良くも悪くも平均的、性格はかなり面倒臭がりで勉強が嫌いだが、VRMMOだけは面倒臭がらずやる人物。

 

二人目の名前は<多木美恵(たきみえ)>、17才。

銀髪でショートヘアだが右目が隠れる位右前髪が長く、一本アホ毛とも言われる癖毛がある。

目は丸みを帯び柔和な印象、瞳の色も銀。

体格は同年代では小柄で、性格はおしとやかだがその分押しに弱く、SAOにも周りに流された結果巻き込まれた人物。

 

この二人はSAOで知り合ってからは大体一緒にいた腐れ縁で、この学校においても同じクラスである。

 

「つーか、学校に入れて勉強させる配慮とか……政府マジ余計な事しすぎ~メンドイ」

 

「だめだよ、夏樹ちゃんそんなこと言ったら」

 

「美恵は勉強出来るから良いよね……あ~早く家帰ってログインしたい~」

 

そう言ってダルそうに突っ伏す夏樹。

駄々をこねる彼女に困り苦笑する美恵。

すると何者かが夏樹に近づき、本で頭を叩く。

 

「いったぁ!何すんのよ!?」

 

「図書室内での大声での私語は慎んでもらえると嬉しいんだけど?西原夏樹」

 

「! 東条冬!」

 

叩いた人物の正体は、SAO内で最高の瞬間火力と言われた屈指のプレイヤーであり、現図書委員の東条冬であった。

夏樹と冬は学校で初めて面識を持ったらしいのだが、互いに嫌いなタイプらしく良く対立している。

 

「相変わらずその上から目線の態度、気にくわない!」

 

「私も貴女の身の程知らずな所とか、嫌い」

 

「ふ、二人とも落ち着こうよっ、ねっ?ねっ?」

 

当然夏樹の腐れ縁である美恵は、いつも巻き込まれる。

一触即発な雰囲気に美恵は助けを祈る、すると。

 

「……東条、なにやってんだ?」

 

「あっ、稲生君!」

 

「……えっ、まじ?」

 

「ほ、本物だっ、生で初めてみた……」

 

SAO生還者でも最も英雄視される男<稲生直貴>。

SAOにて黒幕<茅場晶彦>を、ALOにても黒幕<須郷信之>を倒している彼を学校内で知らない者はいなく、他のVRMMOプレイヤーにも知られているほどだ。

しかし、その本来の姿を知らない者も多い。

この二人もその一部であった。

 

「注意するのは良いが、それで周りが迷惑被ったら本末転倒だろ……それと本借りたいから受付行ってくれないか?」

 

「ご、ごめん……これから気を付ける……今すぐ受付いくね」

 

冬は急いで受付へ向かった。

それを確認してから直貴は話しかける。

 

「さて、西原夏樹さんだったか……勉強するもしないも自由だがルールは守らなくちゃな?それはVRMMOでも図書室でも同じことだろ?」

 

「! は、はい……その……すいませんでした」

 

夏樹はSAOの頃から、直貴をかなり尊敬しており、年上な事もあって素直に謝った。

 

「うん、次から気を付けてな……そっちの君は多木美恵さんだね?すまないな、俺の知り合いが迷惑かけて」

 

「い、いえっ滅相もないです……寧ろ助けて頂きありがとうございます……」

 

礼をする美恵に微笑み、敬礼する直貴。

 

「じゃあ、頑張りたまえ二人とも……勉強は大事だからさ」

 

そう言い残して、彼は受付へ向かった。

 

「はぁ~緊張したぁ……本物の英雄はオーラも違うなぁ、だよね夏樹ちゃん」

 

息を吐き、力を抜いてから夏樹に話しかける美恵。

しかし、夏樹は気がついた時には机に向かい勉強をしていた。

 

「何ボーッとしてんの美恵、さっさと終わらせるよ……宿題」

 

「あはは……夏樹ちゃんは現金だなぁ……」

 

あまりの態度の変化に美恵は再び苦笑しつつも、机に向かう。

 

「そう言えば今日もやるの?」

 

「それはもちろん、やっと波に乗ってきたとこじゃん」

 

美恵の質問に顔を上げず答える夏樹。

 

「だよね、BoB(バレットオブバレッツ)も近いんだしね……GGO(ガンゲイル・オンライン)……」

 

GGOと言う言葉に夏樹はニッと笑い指で銃の形を作る。

 

「そうよ、今のうちに稼いでガンガン強くならなきゃ」

 

「だね、なら早く終わらせちゃお」

 

二人は再度勉強を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって文京区湯島町のアパートの一室。

その部屋の主<朝田詩乃>はアミュスフィアを被り、叫ぶ。

 

「リンクスタート!!」

 

目の前が光に包まれ世界が変わる。

視界が良好になると、周りには無骨な男達が辺りを闊歩する荒れ果てた世界が広がっていた。

 

「……これが新川君が紹介してくれたGGOか……確かに見るからに物騒な世界ね……」

 

周りのプレイヤーらしき人物達は皆<銃>を身体に身に付けていた……それにより分かったことは。

 

「! VRなら銃を見ても大丈夫なんだ……これなら私も克服出来るかもしれない……!」

 

詩乃、アバター名<シノン>はこのGGOに希望を見いだす。

喜び駆け出すシノン、彼女の目には迷いが無い。

 

「絶対克服する、そして彼に守られるだけじゃないってしらしめてギャフンと言わせてやるんだから!」

 

以前守ると言った彼……直貴は、あれから何度もシノンの部屋に足を運び、食事を作ったり、掃除を手伝ったり、たまに(主に詩乃から)抱きしめたりとかなり世話を焼いてくれていた。

そのお陰でシノンは今かなり精神が安定しているが、彼女からすれば甘えてばかりもいられなかったので、最近話しかけてきた<新川恭二>から教えてもらった<GGO>を試すことにしたのだ。

 

現在の彼女の目標はトラウマを克服すること。

彼女はそれに向けて今前進を始めた。




と言うわけで新キャラも加えつつスタートしました。

導入話は毎度短くなってしまいます、癖なのか……単純にスロースターターなのか(笑)

この章においては予定通りシノンがメインヒロインです。
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