【カオ転三次】現地民とのぐだぐだ小話   作:ややや

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奥様との終末準備

魚無伽耶は自身を美人と認識している。

それは素朴極まる夫が美を主とするシキガミ(玉藻族)と評価する単純な美貌もそうだが、土地・武器販売・オカルト商品を扱う経済力や政治力、夫からの愛の言葉など、他者が美しいと褒めちぎるからこそ自覚を持てるのだ。

ダークサマナーや悪魔(クソッタレども)に色々な意味でガバガバにされたのは屈辱だったが、愛する夫との出会いと思えば溜飲は下がる。武術を修めた彼の夜戦は比較出来ない程素晴らしいのである。(妹からは引かれた。一度味わわせてやろうか。)

幸せ一杯の生活ではあるが、最近は人と会うことが限定的になった。

半終末である。

 

 

ガイア連合十勝支部拠点構築スレ 102地区目

208:名無しの工兵

製鉄所完成しました!

 

209:名無しの工兵

おめ

 

212:名無しの工兵

 

213:名無しの工兵

人工異界でも箱物ははやいな

 

216:名無しの工兵

極論作るだけだしな

だからさっさと農業異界にヘルプしてくるんだ、役目でしょ

 

218:名無しの工兵

ちょっとくらい休ませて…いただけませぬか

 

220:名無しの工兵

そこで畜産に差し向けないだけ優しいだろ

 

222:名無しの工兵

あそこの羊突進を避けると露骨に舐めてくるからな…

 

225:名無しの工兵

レベル高い外人も魔型だとへーこらしてるしな

いやもうウチも含めて国体もクソもない状況だけども

 

227:名無しの工兵

シク教、国や羊にどうこう思う、無い

それとして痛いのはいや

 

229:名無しの工兵

>>227 ですよねー

 

231:名無しの工兵

>痛いのはいや

あの羊どもレベル持ちには容赦なく頭突きしてくるからな…

親愛だってのはわかるけどジャンプしてまでしないでください首が折れます

 

234:名無しの工兵

狩り組だけど農業異界そんなヘルプいる?

安定してるって聞いたけど

 

235:名無しの工兵

>>234

バスマスティ米とムチャール米の収穫量が反転した

お陰で農家でノウハウ人口がリセットされた

 

238:名無しの工兵

終末だとカースト制も反乱するの…?

 

239:名無しの工兵

反乱はしてない

順位が変わっただけだ(涙)

 

242:名無しの工兵

最新のカーストは「ガイア幹部>ペンギン≧犬>レベル持ち≧羊>一般人」だからな…

 

243:名無しの工兵

あの鳥類見てるとキリストとかブッダとか実在したんだなって分かるわ

人間だったらダークサマナーの首領やってたと思うけど

 

246:名無しの工兵

・ミダス王もびっくりの鉱物生成スキル

・ネット越しに小荷物をテレポート

・Dレベルオーバー

犯罪者適性が高すぎる

 

249:名無しの工兵

???「敵が多い?その数だけ殴れば良いじゃないか」

 

250:名無しの工兵

蛮族の発想は辞めろ

 

251:名無しの工兵

トップなのに発言が農家のおっさんなんよ

 

254:名無しの工兵

盗まれるからって20kgの財布を渡されるはギャグ漫画のそれ

 

255:名無しの工兵

武術家連中は指導権代わりに嬉々として狙ってくるらしいな

へっぽこサマナーの目からは暴虐の化身に見えるけど

 

256:名無しの工兵

雑魚狩りしか見てないな?

週末の昼明けに広場でやってるから行ってこい

 

259:名無しの工兵

>>259 今週はカラリパヤットの期待の星が挑戦するぞ

 

260:名無しの工兵

姐さんが見れる速度まで落としてくれるから見応え充分!

もはやボクシング世界戦も楽しめない故、毎週楽しみにしてる

 

262:名無しの工兵

血の気が多い…

 

264:名無しの工兵

終末に向けてみんな気が立ってるんだろ

死にたく無いよなぁ…不安だ

 

 

 

「それではこの条件で合意と見做してよろしくて?」

「ああ、これから宜しく頼む、ボス。」

筋骨隆々の如何にもなダークサマナー(スジモノ)達が、各々の契約書に名を記載していく。その表情は安堵に塗れているが、目の前の取りまとめ役には困惑が含まれていた。

「不都合な点でも?」

部下達(バカども)見ればわかるだ…でしょう。ありませんよ。」

堅気に戻る機会を逃す気は無い、と()ボスは笑った。

「オレ達みたいな悪魔(おかしなモノ)で食い詰めている半グレ以下の輩を取り込んでくださったのは感謝してます。不安なのは終末とやらの後にオレ達が使い潰される(どうなる)かでして…」

「はっきり犯罪者ですしね貴方達。」

「ムショに入ってメシア共に()()された奴を知ってると…ね?」

契約は完了している。彼自身苦笑いで腹心達に目配せしてることから、世間話がてら方針を共有したいとのことだろう。

「貴方達は正義の味方になって貰います。」

「…知事が裏金使ってまでガイア地区の開発を進めてたのは知ってました。そこまで切羽詰まっていたんですか。」

「終末の到来に伴い悪魔(人類の敵)メシア教(その信奉者)の公表は免れません。私達は残虐なるメシア教の弾圧に耐えた国家の隠されし守護者として正しさを示す必要があります。」

今やガイア連合は国より上の存在となった。

終末が正しく、準備も正しく、守護も正しい…()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

罪も功績も、何もかも全て、私達が受け入れるのだ。

決して後から言い訳する救世主(バケモノ)ではないのだ。

「…了解した。…そしてありがとう。オレ達を救ってくれて。」

この顔を見ない連中に、救いなぞ渡すものか。

 

 

「いやぁ、交渉ありがとうね。」

「貴方本当に置物になる必要あります?」

最初から最後までボディーガードその1で通すとは思わなかった。

「僕が発言しちゃ最後通告と変わらないよ。」

ひょい、とお姫様抱っこされ、巨体に見合わない静かな跳躍で空を跳んだ。

軽やかに空を駆ける姿は映画の如くであり、結構気に入っている。

妹に言わせれば“力士像が運び屋と誘拐やってる”とのことだが、そんなに似合わないのだろうか。

「ガイア連合は」

つらつらと無駄な思考を繰り返してると、ふと彼が呟いた。

「…本来なら逆になるはずだった。君が僕を見初めてくれて…ると嬉しいけど、うん。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()婿()()()()()()()()()()()()()()()()。バカな話だろう?」

彼がガイア連合の昔話をする時、いつも苦笑いをする。

理由は、今も聞いていない。

「…ガイア連合のトップ。貴方が私を置いて…いえ、()()()ガイア連合が全力で対処しなければならない巨大異界の管理人。文字通りの日本の頂点。かのライドウの如し存在。」

「だけども唯の人さ。メシアの様な破綻した存在が無きゃあの子はもっと我儘に過ごせた。」

彼は普段からは想像もつかない、見た目通りの渋面で溜息を吐いた。

「貴方でもメシア教はお嫌いですのね。私、仕事柄人の100倍は他人と接触しましたが人生で貴方ほど救世主(メシアン)らしい人柄はいませんでしたよ?」

「ははは、光栄だぁ。穏健派のトップ(幸子ちゃん)と比較して僕を選んでくれるのは夫冥利に過ぎるね。だけどもあそこまで気持ち悪い存在に成り果てるのはゴメンだ。」

「気持ち悪い…あの子が?」

救世(メシア)のために造り出して、救世主(メシア)のためにその身を捧げて、救世主(メシアン)のために組織を率いる。自我も何も無い唯のマネカタ…そこに救いは存在しないだろう?」

「それは…」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()。最初から破綻しているんだ。メシア教は。そして必ず破綻するが故に道満くんが無理をする羽目になった。嫌いだよ。」

ガイア連合はメシア教を嫌っている。

話すことも多くなり単純に敵対しているからでは無いことは理解していた。

性格(ふきょう)倫理観の欠如(きゅうせいしゅ)襲撃(じょうか)からではない、根本的な嫌悪感。

「君がいない時に彼女に嘆願され(いのられ)たよ、メシア教を受け入れてくれって。条件を付けたら帰ったよ。」

「あのクソアマ…検討したと?」

「帰ったよ。」

ひらり、と渡された契約書には確かにメシアの布教および教徒の定住を許さない旨の項目とサインが記載されていた。

()()()()()()()()()()()()()とお願いしたら断られちゃった。」

どのように、とは言えなかった。

目が、洗脳、改造、複製する(メシア教の布教を行う)とありありと語っていた。

()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…初めて貴方の色んな姿を見れたと思います。」

「おいおい、僕が賢いこと言ってるのが珍しいといってるのかい?そうだよ!君にプロポーズした時くらいだよ100%なのは!」

「あれは20%も稼働してませんでしたよ?普段の倍は頑張ってくれてましたが。」

「嘘だろ君普段そんな頭使ってるのかい?」

「貴方がサボり過ぎなんです。次の交渉に参加してみます?」

「値段を付けるのは嫌いだ。僕は誕生日プレゼントがバッタもんだと知らされたマッグロウの呆れ顔が忘れられない。」

「あれは同商品購入してクレーンゲームで雑に扱っていたのに気付きもしなかったからでは…?」

彼の前世が碌でも無いことは想像がついた。

救われた時も、戦う時も殺人が選択肢に入る人だと分かってアプローチした。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

染まったものだ。

ただただ、馬鹿みたいに笑った。




十勝支部
本編で支部が出たら僻地に移動する哀れな支部。
国内外問わず犯罪に前向きな連中が集まる刑務所に近い形の支部で、治安はあまり高くないが日本に逃げられるだけの知見はあるため魚無を率いているガイア連合には服従している。治安の悪さを理由にメシアンに犯罪をする輩が後を絶たない。主にレベル持ち羊と米産業が役割。
魚無金剛
前世は嘘喰いの戦闘章ボスみたいな生き方をしていた。頭は良くないし騙されるが笑い合える今世を楽しんでいる。
魚無伽耶
昔と比べて結婚して統制が緩くなったと言われるが、別にそんなことはない。割と嘘まみれのガイア連合は気に入っている。
その妹
邪悪が邪神に惚れてる…メシア教かな?
ガイアから肖像権云々いわれて困惑している。
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