ゆるい、ばいおはざーど   作:氷の泥

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13 アルティメット・リサ・トレヴァー

 ヘリポートの中央真上、さほど高くはない位置にヘリコプターが滞空していた。乗り口からは縄梯子が下ろされており、プレイヤーの脱出を歓迎しているようにも見える。

 ……けれど、その梯子の隣には「彼女」がいた。ずた袋を覆面として顔を隠し、木製の四角い手枷を嵌めた女……女? おそらくは女だろうゾンビが、俺たちをそこへ近づけさせまいと立ちはだかっていた。

 俺には分かる。……いや、たぶん、おそらくは分かっているはずだ。彼女の名はリサ・トレヴァー……だと思う。初代バイオハザードのリメイク版にのみ現れる彼女は、特殊なイベントを用いなければ倒すことのできないほどの(つまり銃火器をいくらぶちこんでも効果の見込めないような)完全な不死を実現しているゾンビだ。

 リサ・トレヴァーの背景設定はこうだ。アンブレラ社で秘密裏にゾンビの研究をしていた研究者のうちの一人が仲間に裏切られ、様々なウィルスの実験台にされた事件があった。しかも裏切りを実行した者たちは、その研究者の娘までをも誘拐監禁し、無慈悲にも実験動物として扱ったのである。その哀れな娘の成れの果てというのが、大好きだった家族と自我を失い、死ぬことすら叶わなくなった悲劇の少女、不死身のリサ・トレヴァーなのだ。

 リサは、共に攫われて監禁されているはずの母親を探し求めて研究所付近を彷徨う。事故により母親どころか研究所諸共全てが壊滅していてもそのことに気づけず、目につくものを全て殺しながら永遠に彷徨っているのだ。……というのが、俺の知る原作設定のはずだった。

 何が言いたいのかというと、つまりリサは不死身のゾンビだけれども、見た目としては普通の女性であったはずだということ。俺が原作で見たリサ・トレヴァーは普通の人間と変わらない標準的な体格をしていたように思う。

 なのに、……なのに、今俺の目の前にいるそれはいったい何だ? 原作のリサは自我を失った末に、人の顔の皮を剥いで覆面にしていた。それがグロすぎるので今作ではただのずた袋に変更されたというならそれは分かる。原作のリサにも監禁されていた時の名残で手枷がついていた。そこに変更はない、それも分かる。だからおそらく、俺の目の前にいるのリサ・トレヴァーその人だ。

 ……しかしならばなぜその女は、身長が2メートルを超え、タイラントを遥かに凌ぐほど巨大な、ゴツゴツとした岩のような筋肉を全身に携えているのだろう……? 男だとか女だとか、人間だとかゾンビだとか、もはやそういう次元ではない。縄梯子の横に陣取って仁王立ちしているそれは、もはや筋肉の化身か何かのようにしか見えない。科学というよりオカルトの領域だ。

 彼女の首は木の幹のように太い。けれどその「首」という部位は、彼女の体の中ではまだ比較的目立たない箇所だった。

 俺は思わず、次回作であるバイオハザード2のラスボス「ウィリアム・バーキン」を連想する。体格だけで言えば、リサ・トレヴァーよりもそちらだと思った方がよほどそれらしかった。

「ここまでの道のりご苦労諸君!! よくここまでたどり着いた!!」

 死ぬほど通りのいい声が、音響装置を通したかのような腹の底に響く感覚を伴って聞こえてくる。しかし間違いなく、それは確かに女性の声だった。

「私の名前はリサ・トレヴァー! このゲームのラスボスだ。君たちはこのヘリに乗りに来たのだろう? 私はそれを全力で妨害する! 君たちも全力でたちむかってきたまえ!!」

「えっ……どうする拓海? なんか邪悪な煉獄さんみたいな人が出てきたよ」

「どうするって言われても……。どっちかといえば鬼だろあれは……」

 誰が見ても分かる通り、あんなヘリくらいなら素手で破壊できそうな筋肉ダルマを相手に俺たち一般人が勝てるわけがない。しかもあれはただのマッチョではなく不死のマッチョだ。なんならマシンガンを持っていたって歯が立たないだろう。どうすると言われても困る。

「彼女はリサ・トレヴァー。その自我を取り戻した姿です」

「えっ」

 唐突にTさんが解説を始める。ただ粛々と己の役目を果たそうとする彼から醸し出される厳かなオーラには、このゲームが本当に最終局面にさしかかっていることの実感が伴っていた。

 が、その話の内容自体は冗談としか思えないものだった。

「自我を取り戻し、両親の死を悟った彼女がこの世に絶望したのも今は昔。どんなに絶望しても生きることをやめることはできない……。どうしようもなく不死である彼女は、ある時天国の両親のことを思い奮い立ちました。今の自分をパパとママが見ていたらきっと悲しむ。死んで二人に会いに行くことが出来ないなら、せめて二人が見ていて安心できるくらい楽しく生きなくちゃ! そう決意した彼女は、生きていく上での目的……趣味を探し始めました。そしてその末にたどり着いたものが、筋トレだったのです」

「は?」

「筋肉の成長とは、傷ついた筋肉が再生する時にこそ起こるもの。つまり不死であり、傷ついた肉体が爆速で再生する彼女と筋トレの相性は、宇宙で一番抜群だったのです。……その結果があれです」

「いやいやいやいや」

 あれです、で済まされては困る。世界観を保つために見た目は変えないという製作者の信念はどこにいったのか。あれはもうほぼオリキャラじゃないか。

 と、本日最大の困惑を覚える俺に対して、さらに追い打ちをかける出来事が起こる。目の前が唐突に発光し始めたのだ。その光は、俺が一度見たことのある光だった。

「こ、これは……!」

 役目が来た時に再び現れると聞いたきり、今まで一度も目にする機会がなかった必須アイテム……。ショットランペットガンが、光の中からこのタイミングで参上した。

「さぁ御二方のどちらでも構いません。どうぞその銃を手に取ってください。そして引き金をお引きください」

「え、じゃあ、拓海あげる」

「お、おう」

 その銃を握ることが何を意味するのかすら分からずに譲られ、受け取る。まさか初めてヨーンに会った時と同じようにマグロを召喚して、それをリサへの賄賂にすることでこの物語はエンディングを迎えるのだろうか?

 だとしたらこのゲームは駄作だ。けれど元の世界へ無事に帰ることが出来るならそれでもいいか……と楽観的に考えて、俺は引き金を引いた。プァーと深みに欠けた音が鳴る。それに合わせて、やはりもう一度目の前が光に包まれ始めた。「召喚」だ。

 ……今回光の中から現れたそいつは、全身が濃い緑色に染まっていた。

「よう、また会ったな。……やはりベージュに戻っちまってるか」

「ハンター……!?」

 召喚されたのは緑色の狂人、即死攻撃持ちのゾンビ「ハンター」だった。まさか知り合いが召喚されるとは思っていなかったのでそれなりに驚かされる。

 ハンターは、自身の前に筋肉の化け物が立ちはだかっていることに気がついた。ずた袋の向こうの目と視線の火花が交わされた時、緑色への執着を語るだけだった彼が、初めて好戦的な表情を見せる。

「よう〜、なんだリサ、また会ったな」

「ふん、ハンターか。また性懲りもなく色の話をしているのか?」

「あの時とは違うさ。次はお前も緑色にしてやる」

 どうやら二人には面識があるようだ。そしてリサは一度ハンターを負かしているらしい。つまりリサは、俺たちの目では捉えられなかったあのジャンプ攻撃に対処した経験があるのだ。ただ筋肉があるだけではなくちゃんと強いらしい。

 ……じゃあ勝てないんじゃないの? そうは思いつつも、俺たちにできることは、戦意と共に駆け出すハンターに打倒リサの希望を託して見送る他にない。頼むぞハンター、君に決めた!

「お前の血は何色だーッ!」

 駆け出した勢いのままハンターが跳躍する。ヘリにも届きそうなほど高いジャンプだ。彼の振りかざした緑色の爪が太陽の光をキラリと緑色に反射した。

「馬鹿の一つ覚えが!」

 直後、リサ・トレヴァーの昇竜拳がハンターの腹に炸裂する。まったく予備動作のない拳だった。気がついた時にはリサが空中にいて、当たり前のように手枷は真っ二つに割られており、荒削りな鉄球のような拳がハンターの腹にめり込んでいたのだ……。

 ……いや違う、起こったことはそうではない!

「リサはなんで飛んだの……?」

 智絵里が首を傾げる。俺もハッとした。

 ハンターは、跳躍などしていなかった。彼は今地上にいる。彼はリサの落下を、その無防備にならざるを得ない着地を待っている。

 俺やリサは、ハンターが跳躍するという「幻覚」を見たのだ。ハンターの巧みな「フェイント」がそれを見せたのだ。

「先入観が命取りだ! 空中では動けまい!」

 そう、ハンターが跳躍からの即死攻撃を得意としていることを知っている者にだけその幻覚は見えたのだ。……つまり智絵里にはあの時、ハンターの攻撃を初めてくらった時、早すぎてもはや何も見えていなかったのだろう。だから彼女だけは幻覚を見なかった。

 リサが重力に引かれて空中から落ちてくる。その着地地点に寸分違わない角度、タイミングで、ハンターの首狩り攻撃が振りかざされた!

「フン!」

 気合いの入った声を上げたのはリサだった。

 着地の寸前、彼女はその場で思い切り足を振り上げる。その鉄骨を束ねたような強靭すぎる足から放たれる蹴りは、ちょうど着地の隙を狙って攻撃を当てに来ていたハンターへ見事に命中してしまった。

 ゴムで弾いたパチンコ弾のような、ほとんど視認不能な勢いで、ハンターの体は地面と平行に吹き飛んだ。バトル漫画のように彼の体は壁にめり込む。

 土煙の中で、彼は赤い血を吐いた。……そしてそれきり動かなくなってしまう。

「私の血が何色かと聞いたな? お前と同じ色だよハンター。詰めが甘かったな」

 ギロリと、ずた袋の向こうの目がこちらを向く。智絵里が「ひっ」と小さな悲鳴を上げた。

 ……恐怖回避バージョン? これが……?

「さぁ次だ」

「拓海様、次の召喚を!」

「あ、あぁ!」

 言われるがまま引き金を引く。プァー! 間抜けながら力強い音が鳴る。目の前が発光し、次にその中から現れたのは……。

「者どもいくぞー!」

「うおおおー!」

「バウバウッ!!」

 次に召喚されたのは、大勢の人型ゾンビとケルベロスだった。ゾンビは五人、ケルベロスは三匹いる。戦局は一気に8対1に傾いた。

 が、リサは怠そうに、余裕綽々といった様子でため息を吐く。……直後彼女の姿が消えた。

「がっ……」

 瞬きするほどの間もなく、ゾンビの一体がアッパーカットをくらっていた。被弾した彼の首は赤ベコのように揺れる。当然、そうなった者が意識を繋ぎ止めていられる道理はない。「ゾンビ」は「死体」に戻ってしまう。

 同じことが立て続けに起こった。分身でもしているのではないかという速度で、次々とゾンビたちが一撃KOされていく。ケルベロスのうちの一体が初めて彼女に噛み付こうと飛びかかる頃には、すでに五人のゾンビ全員が地に伏していた。

「犬は面倒なんだ。殴ったり蹴ったりすると印象が悪いから」

 小言を言いながら、リサがケルベロスたちの首根っこを抱え込んであっという間に捕獲していく。本人たちすら声を上げる間もなく、気づいた頃には三匹全てのケルベロスがリサに絞め技を受ける形で抱きかかえられていた。

「だからこうする!」

 犬を抱えたリサがその場で高速回転する。ヘリのプロペラのように速く、どちらの方向に回転しているのかもはや見分けられなくなるほどに、地面に火がつきそうなほど苛烈な速度で回転した。ジャイアントスイングの要領で投げ飛ばすためだろうか? いや、違う。

 彼女の高速回転が止まった時、彼女が抱えていた三匹の犬は、三つの巨大なバターに変わっていた。

「これなら問題ないだろう」

「いやいやいやいや」

 どこからツッコめばいいのか分からない。そもそもツッコんでいる場合なのだろうか。バターを投げ捨てたリサに睨まれて、俺は三度(みたび)引き金を引く。光の中から召喚されたのは……。

「あっ」

 声を上げたのはTさんだった。ひょっとすると召喚の順序はランダムなのかもしれない。彼もこのタイミングでそれが召喚されることは予測できていなかったんじゃないか。

 光の中から現れたのは、体格なら今作のリサにも負けない大蛇ヨーンだった。しかも今度の彼は無数のアダーを従えている。低い位置から、シャーと威嚇する音がいくつも聞こえてきた。

「ヨーンがんばれー!」

 思わずその声の出どころに目が向く。その声を上げたのはなんと智絵里だった。一瞬だけ、おそらくこの場の全員の視線が智絵里に釘付けになった。

 その一瞬の沈黙から、最も早く抜け出したのはヨーンだった。

「おう任せろッ!!」

 雪崩のような速度で彼が大きな口を開きリサに噛み付こうと迫る。けれどその顎が閉じられることはなかった。リサの両腕がそれぞれ上顎と下顎を掴み、大蛇との力比べを始めたのである。

 しかしどうやらそうなることはヨーンの作戦の内だったようだ。両手が塞がったリサに向かって無数のアダーが牙を立てる。初めて彼女に攻撃が命中した瞬間だった。

「ぐっ……」

 リサがよろめく。仮に人でないならトロルだろうという体格のリサだ、いくら数があるとはいえ小さな蛇に噛まれた傷と痛みくらいでは怯みもしないだろう。……けれどアダーには毒がある。複数匹で一度に噛み付けばきっと象だって昏倒させられるだろう毒がある。なにより、傷と違って毒ならば、不死といえどもそう簡単に無かったことにはできないはずだ。

 毒に弱りよろめいたリサは、ヨーンとの力比べに一瞬だけ負けた。そしてその一瞬の隙が見逃されることはなかった。大口を開けたヨーンが、彼女の屈強な肉体に頭から丸ごとかぶりつく。そしてたったの二口で丸呑みにしてしまった。

 ヨーンの体がツチノコのように膨らむ。彼は勝鬨(かちどき)のかわりに一つゲップをした。

「……か、勝った?」

「御二方、今です。御二方の最後の目的を果たすのです」

「はっ、そうか」

 危うく忘れるところだった。俺たちの目的……「クリア条件」はリサ・トレヴァーを倒すことじゃない。ヘリに乗ることだ。

 智絵里の手を引いてヘリから垂れる縄梯子へと急ぐ。これまでの経験的に、梯子を掴みさえすればあとは時が飛んでヘリに乗り込めるはずだ。それでこのゲームは終わる。

「ぐぉえぇっ」

 どこかから、内臓からねじり出されたような気味の悪い音が聞こえた気がした。……いやそれは確かに聞こえたのだ、ヨーンの口から。

「克服したぞぉ……」

 その大きな口を無理やりこじ開けて、大蛇の腹の中からリサが這い出てくる。粘液にまみれた彼女の肉体は、ことさらに恐ろしく見えるものだった。

 まさかもう毒を克服したのか。驚きのままに彼女の姿を見ていると、ヨーンが白目を剥いていることにも気がつく。腹の中で彼女が暴れ回りでもしたのか。

「危ない!」

 Tさんが叫ぶ。ヘリに近付こうとしたことで俺たちは、リサが手を伸ばせばとどく距離にまで来てしまっていたのだ。

「うおおおっ!?」

 咄嗟に引き金を引いた。プァーと場違いに間の抜けた音が鳴る。リサと俺たちを隔てる僅かな空間に光が満ち、そこから次のゾンビが現れる。

 俺たちの身代わりとなって首を引っ掴まれたのは、キメラだった。突如現れた「壁」にリサは怪訝そうな顔をする。

 そのリサの首に、鎌のようなカギ爪が添えられた。

「生意気な!」

 首を掴んだまま、リサはキメラを鈍器代わりに振り回す。俺たちはそれに当たって吹き飛ばされた。相当な勢いで尻餅をついてもなぜか痛みはない。けれどヘリとの距離は離れてしまった。

 俺たちが立ち上がるよりも先に、キメラはそのままメンコみたいに軽々しく、コンクリートの固い床に頭から叩きつけられてしまう。その際、彼のカギ爪は確かにリサの首を切り裂いた。それは普通なら致命傷になり得るほど深い一撃だった。……けれどもリサは不死である。傷はすぐに塞がってしまう。怯む素振りもない。

 頭から血を流しながら、キメラは震える体で懸命に立ち上がろうとする。けれどそれが叶うことはもう二度となかった。目を見開いたまま、キメラの意識は手放される……。

「キメラぁー!」

 慟哭の声を上げたのは智絵里だった。しかしその声にはこう続く。

「まだ、バナナあげてないのに……」

「ち、智絵里……」

 俺は、迷った。いろいろと整理が追いつかず、ゴチャゴチャになったままの頭で、ものすごく迷った。……このまま彼女にキメラの真実を伝えなくてもいいのだろうか? 俺たちを守ってくれた彼への振る舞いとして、俺はそれでいいのだろうか……?

 リサ・トレヴァーは今、倒れ伏したヨーンの体を掴み上げ、持ち上げようとしているところだった。

「智絵里、キメラはオランウータンのゾンビじゃないんだ」

「え?」

「あいつはハエと人間のハーフなんだ。お前を怖がらせたくなくて、皆で嘘をついたんだ」

「……そうだったの」

 動かなくなったキメラを智絵里が見つめる。彼は、死んでしまったのだろうか……? 状況がすでに笑い事ではなくなってきていることを、その悲惨な殺害方法が物語っているように思う。

 一方でリサは、持ち上げたヨーンの巨体をまるでタオルのように軽々と振り回し始めた。

「ごめんねキメラ……」

 智絵里が呟く。もっと早く真実を伝えるべきだったのかもしれないと、俺は悔やんだ。なぜって、本人が意識を失ってしまった後では、もう誰の言葉も届けることは出来ないから。

 リサの振り回すヨーンの体が風を巻き上げ、竜巻を起こす。体の軽いアダーたちは、その全員が竜巻によって上空へ舞い上げられた。

 空に飛ばされたアダーたちが落ちてくる。リサはヨーンの体をバット代わりに、トスバッティングの要領でアダーたちを殲滅した。

 飛び散るアダーの何匹かは俺たちの方にも飛んできたけれど、俺はおろか蛇嫌いの智絵里までもが、目の前の出来事にリアクションする余裕さえ失っていた……。

 この数秒の間に、いろいろなことが起こりすぎている。

「悪魔だ……」

 思わず漏れ出た自分の声が震えていることに気付かされる。ここへたどり着くまでの道中にあった愉快な雰囲気は、惜しむ間もなく目の前の悪魔に消し飛ばされてしまった。

 これまでに知り合ったゾンビたちの死体が、ヘリポートの中に次々と増えていく。彼らは元々死体じゃないか……と笑う気力はもうない。もう、そういう段階ではない。

「拓海様! 引き金を引くのです!」

 Tさんの声が聞こえて、俺は反射的に銃を構えた。

 

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