攻略本を読んだことがあるのだと、俺は思い出した。
俺がまだ幼稚園児だった頃、父がプレイする初代バイオハザードを隣で見ていたら内容があまりにも怖すぎて、頭から布団をかぶり大号泣したことがある。……なのになぜか当時の自分の愛読書は、家に転がっていた初代バイオハザードの攻略本だった。
その攻略本は、黒い表紙のダークな雰囲気に始まり、ゾンビたちを描いた緻密なイラストや、効果的に取り入れられたゲーム画面のスクショによって、平凡な攻略本には収まらない「ホラーの世界観」が常に演出されていた。……が、不思議なことに、当時の自分にとってそれは怖い物ではなかった。むしろそこに載っているゾンビのイラストの一枚一枚が、お気に入りの宝物になっていたことを覚えている。
しかしそれというのも、当時は脳みそがあまりにも幼すぎて「そこに描かれている物が何なのか」を正確に理解出来ていなかったからこそ、それを「怖くない物」だと認識していたように思う。中学生になった頃、懐かしさと共にもう一度その攻略本を開いてみて驚いたものだ。……ページが擦り切れるほど読んだのに、俺の記憶の中では、ケルベロスの頭蓋骨は露出していなかったし、ハンターの爪の先に人間の目玉はぶら下がっていなかったのだ。だけどそれは確かに、初めからそのように描かれていたのである。
中学時代の俺は、その攻略本を思い出のアルバムのように読み進めた。実際にプレイしたことはまだ一度もなかったのに、ゲームの大体の流れはすでに頭の中に入っていた。その中でも特にゾンビに関連したことはよく覚えている。スルーした方がいいゾンビたち、サブキャラクターに視点を替えて根を枯らしに行くプラント42戦、部屋の中をぐるぐる走り回りながら戦うタイラント戦、復活したタイラントへとどめを刺すロケットランチャー……という具合に、大抵のことは知っていた。
けれど読み進めていくうちに俺は、ゲーム本編の攻略情報の先に、絵のグロテスクさと同じような「幼少期の自分ではまだ正しく理解できていなかった情報」が載っていることに気がついた。その情報とは、クリア後に解放される「バトルゲーム」の攻略だ。
バトルゲームとは、決められた配置・順番で出てくるゾンビを、限られた武器を駆使していかに早く倒せるかを競うタイムアタックモードのことだ。そのおまけモードはセガサターン版にしか搭載されていないらしく、プレステ版やリメイク版では遊べないとのことだった。楽しそうなモードなのになぜ? と当時そのページを読みながら不思議に思ったものだけど、その数年後、リメイク版にてついに初代バイオハザード本編をこの手でプレイした俺は、エンディングを見ることによって、聞いていた通りそこにバトルゲームが存在しないことを確かめたのだった。
……そのセガサターン版限定のバトルゲームにしか登場しない所謂「隠しボス」が、初代バイオハザードには存在している。金色に輝くそれは、タイラントの強化型である「ゴールドタイラント」は、バトルゲームの中にしか現れないのだ。セガサターン版の中にしか現れないのだ。
「ゴールドタイラントだ……」
仲間たちの身から生まれた光の粒子を全て吸収して再び立ち上がったタイラントは、その全身が神々しく黄金に輝いている。その輝き……彼の体から放たれる光のオーラは、熱気さえ伴うような激しいエネルギーに満ち溢れていた。
黄金の輝きを得た以外に、彼の見た目に変化はない。依然として体格はリサの方が勝っている。だけどなぜだろう? 今はそのゴールドタイラントこそが、この世で最も最強に近い存在に見える。
彼は俺たちに背を向けたまま、反響する低音で重々しく言葉を紡いだ。
「智絵里、拓海、よく聞け」
「は、はい」
「そこで君たちを阻むリサ・トレヴァー……。私は彼女に全力で立ち向かう。だが一時彼女に膝をつかせることが出来ても、彼女は必ず、すぐに、この私の力をも克服し凌駕してくるだろう。……だからチャンスは一瞬だ。いいか見逃すなよ」
「……もちろんです」
これが本当に本当のラストチャンスだと、俺は本能で理解していた。だから次で勝負を決める。あの縄梯子を掴んで見せる。俺や智絵里が三歩進む間に、仮に超人たちの戦いが死線を三度超えるのだとしても、それでも絶対に掴んでやる。
タイラントは振り返らない。だけど気持ちは通じ合っている気がした。彼は確かにその輝きの中で、フッと微笑んで見せたのだ。
……俺はふと、彼の長爪に異変が起こっていることに気がついた。折れたはずの爪が再生している。……再生しているだけなら、強力なゾンビゆえの治癒力なのだろうと分かるけれど、しかしその爪には「実体」がないように見えた。
輝きつつも半透明に透ける「光の爪」が、彼の折れた爪の断面から生え揃っている。あれは……あれはなんだ……? そんな物は原作にだってなかった。ゴールドタイラントの爪はタイラントの爪と同じ、血に汚れる黒い刃だったはずだ。
……母の声が、何の意味もなく頭の中によみがえる。あの頃……まだ幼稚園児だった頃の俺は、攻略本に載っているタイラントのイラストを母に見せて、こう聞いたのだ。「ママ、このゾンビはどうしてこんなに爪が長いの?」。
母はこう答えた。……ゾンビだから、爪切りはしないんじゃない?
「行くぞ!!」
轟く稲妻が、地面と平行にリサへ向かって突き抜ける。花の香りが舞って広がる。……稲妻のように見えたのは、光り輝くタイラントの「軌跡」だった。
その姿が次にこの目で確認できた時、彼はすでに光の爪でリサ・トレヴァーの胸を刺し貫き、壁に磔にしていた。
「ぐはっ……! がっ……!?」
さすがのリサにも今の動きは見えなかったらしい。気づい時には磔にされていて慌てた彼女がらしくもなく、タイラントの腕を掴んで抵抗しようとする。しかし人並み外れた怪力で握られても、その腕は頑として動かず、リサの体を解放しない。
「智絵里!」
俺は智絵里の手を握り駆け出す。一歩踏み出したからにはもう止まらない。この先何が起こってももう引き返すことはない。絶対に絶対に、今、ここで、あのヘリに乗り込むのだ。
「うおおおおおおお!!」
叫んだのは、俺もリサも同じだった。
腕の力では敵わないと見たリサが、また胸筋に渾身の力をこめる。光の爪といえども、それには耐えられずあっさりと折れてしまった。磔から解放されたリサの足が地面に付く直前、タイラントは彼女の首を絞めて壁に叩きつけようとする。……が、リサの動きの方が速かった。彼女はすでに、タイラントの顔面にその拳をめり込ませていたのだ。
一歩あとずさり怯むタイラント。だが彼はそこで踏ん張った。右の拳を振りかぶり、リサへの反撃を試みる。
……その時にはすでに、リサの蹴りがタイラントの腹を突き刺していた。内臓が押し潰される音がここまで聞こてくるかのようだった。
智絵里が俺の手をギュッと握りしめてくる。
「止まっちゃダメだ! 走れ!」
俺たちは一直線にヘリを目指す。あと十歩もあれば届くその距離がひどく遠く感じる。自分たちの歩みが、この戦場においてはあまりにも遅い。
膝をつくタイラントの頭に、リサの全体重を乗せたかかと落としが炸裂した。それをもろにくらったタイラントの頭は固い地面に叩きつけられ、そこに深く深くヒビが入る。……あぁきっと彼は二度と意識を取り戻さないのだろう。その身にまとった輝きも、今になりを潜めてしまうのだろう……。
そうやって、最後の仲間との別れを覚悟した時……。……黄金の輝きは、むしろその激しさを増した。しかもその激しい光はタイラントの体から放たれたわけじゃない。リサの体から光が漏れだしたのだ。光の爪に貫かれた左胸から、まるで輝く血を吹き出すかのように。
「む? なんだこれは? これ……は……? ……がっ!? あっ……ぐああっ……!?」
親指と小指を除く特に長い爪によって刺し貫かれ、リサの胸に開いた三本の穴。そこから吹き出し続ける煌々とした光のライン。……俺は大変なことに気がついた。
リサの胸に開いた穴が、いつまで経っても塞がらない。不死身のはずの彼女が再生していない……!
「その光は、散っていた仲間たちの想いの光だ」
タイラントがその身を起こす。彼は死んでなどいなかった。依然変わらず、その身に神々しい輝きを纏っている。
「私の光の爪は、貫いたものを内側から破壊し続ける。倒すべき相手を倒すまで、仲間たちがそこで暴れ回ってくれる」
「ぐっ……毒のようなものか……。だがなぁ私は不死なんだ……、こんな物すぐに克服してやるさ! なぜなら私は不死だから、不死は……! 死ねないんだから克服する……! なんだって全てをそうして見せる……!!」
「あぁそうだろうとも。……だけどリサ、お前なら分かるだろう」
立ち上がったタイラントの左手、二度も折られた爪の断面から…………また光の爪が伸び始める。それは一秒とかからずに生え揃った。
「この光は……想いの力は無限なんだ。「克服」が「無限」に出来るか!? リサ・トレヴァー!!」
タイラントがリサの右胸に爪を突き刺す。それは自ら折れた。折れて彼女の体の中に吸収された。再び光の爪は生え揃う。タイラントはそれでリサの腹を突き刺す。爪は自ら折れて吸収される。すぐに次の爪が生え変わる。
刺された箇所に三つずつ開く穴の全てから、不死身の力を上回る速度で彼女を傷つける光が溢れ出す。タイラントは何度も何度も何度も何度もその光の爪を突き立てた。無限の光がリサ・トレヴァーを刺し貫く。腕へ足へ首へ頭へ、すでに刺した箇所へだって何度でも、穴と穴の隙間を埋め尽くすかのように全身へ刺して刺して刺しまくる。彼女の全身から余すところなく、想いの光が溢れ出すまで。
「ぐあああああああああああ!!!!」
初めてリサが膝をつく。
俺たちは、ついに縄梯子に手を伸ばすことができた。
「ありがとうタイラント! みんな!」
梯子を掴んだと思った瞬間、俺はすでに操縦席に座っていた。後ろを振り返ると後部座席に智絵里が座っていて、シートベルトまで装着済みとなっている。
『プレイヤー搭乗確認。自動操縦開始』
操縦レバーの付近から、そんな機械音声が聞こえてきた。縄梯子は収納され、乗り口は施錠される。
エレベーターが上昇する時のようにほとんどGもかからず、ものすごく静かに、ヘリは地面との距離を離して雲の高さに近づいていった。リサの断末魔が遠ざかり、あっという間に窓の画角からヘリポートの景色は外れる。そのかわりに眼下に広がって見えたのは、この洋館を取り囲む雄大な森林の緑だった。風に揺れる木々の海が、ずっと地平線まで伸びている。
ちょうどその地平線に沿って、まるで仕切りが立てられているかのように、遥か宇宙まで続くような青い光の幕がかかっていた。……ゲーマーの勘がその光の幕の意味を理解する。あれが、この「ゲームの世界」の果てなのだ。つまりその光の幕こそが、この世界の出口……俺たちにとってのゴールなのだ。
ヘリはわずかに前傾姿勢を取り、少しずつ確実にその幕との距離を詰めていく。……静かで穏やかで変化に乏しい……まるでエンディングテーマでも流れてきそうな、数秒前までの激戦が嘘だったかのような時間が流れた。
あぁそういえば原作のエンディングは、ホラーな世界観から一転した明るく力強いメロディで「夢で終わらせない♪」というサビが流れるのだったな……と俺は思い出す。「一転して」という点は、この未来のゲームにおいては明暗が逆だった。あんなにゆるいノリでやってきた恐怖回避バージョンの世界が、まさか最後にこんな山場を用意しているとは。
「終わった……ってことだよね……?」
智絵里が不安そうにそう呟く。実際にはエンディングが流れ出すようなことはなかったので、このぬるっと始まった穏やかな時間には、たしかにある種の不気味さが伴っている。
「あぁそういうことだろ。あの光の幕にたどり着いたら、俺たちは現実の部屋で目を覚ますんだ。……テーブルの上の食い散らかしたつまみと酒を片付けないとな」
「あはは、そういえばそうだった。……………………ゲームのディスクはどうする?」
「あぁ……」
それについてはまだ、考えていなかった。返事はほとんど反射で紡ぎ出される。
「……まぁ、処分するしかないだろ。千年後の技術なんて残しておいたら何を起こすか分からないし」
「……だよね」
「うん」
「なんかちょっと寂しいね」
「……だな」
まさかもう一度このゲームを起動して全てをやり直すなんてことはあり得ないし、Tさんも他のゾンビも皆タイラントと一体化してしまったけれど、……ディスクを破壊することを考えると確かに胸が締め付けられる。その中に、あの平和で人のいいゾンビたちが居るのかと思うと……。
……今も俺の家の居間では、テレビに繋がれたセガサターンがキュルキュルとディスクの回転音を鳴らしているのだろうか。意識だけをゲームの中にやってしまった二人をよそに、埃被っていたレトロゲーム機が黙々と動いているのだろうか。
きっともう今度こそ、これがその思い出の品の最後の勇姿になるのだろう。得体のしれないゲームソフトを拾うまで、それはずっと物置で眠っていたのだから。同じことは二度と起こらない。
……だけど物置でずっと眠っていてくれるなら、まさにそれが一番良いことなんじゃないか?
「いややっぱり、セガサターンと一緒にそのまま物置に封印するか」
「え?」
「あのセガサターンは、さすがにもう使わないだろ。うちにはSwitchもPS5もあって、新作ソフトはどんどん出るんだから。……それでよくないか?」
「……うんっ、そうしよう……!」
Tさんは本作の発売日をたしか3220年と言っていた。だからこの千年後のゲームは、俺たちが年寄りになってもまだ千年後のゲームのままだ。……けれど「問題を保留する」という消極的な選択が、これほど気持ちを穏やかにするケースというのも他にないだろう。
まるで俺たちの会話に区切りがつくのを待っていたかのように、自動操縦システムから案内音声が入る。『間もなく終着点。ゲーム終了まで残り三分』。
ヘリの中には、いよいよ小さめの音量で原作と同じエンディングソングが流れ始めた。初めてそれを聴く智絵里は唐突な明るい曲調に若干困惑している。「初見の反応」はまだこんなところにも残されていたわけだ。
「あ、そうだ拓海、ついでに聞きたいんだけど」
「なに?」
「プラント42って、ポイント42って場所で発見されたことが名前の由来なんでしょ? でもアンブレラの人たちがゾンビを作ったのに、「発見された」ってなんか他人行儀な言い回しだけど、あれはどういうことなの……?」
「え? あぁそれは、プラント42っていうのは狙って作られた物じゃなくて、うっかり生まれた突然変異種だからな。それがたまたまポイント42で見つかったってことだけど……、智絵里、そんなことよく知ってるな」
「あ、うん。宿舎の地下にクイズの本があってね、そこに……きゃあああああああああ!?!?」
鉄板が破裂したような破壊音と共に、智絵里の悲鳴によってこの場の穏やかな空気は粉々に斬り裂かれる。
突如としてヘリは激しい揺れに襲われた。それもケツが浮くような尋常じゃない縦揺れだ。旅の余韻を演出していた音楽は止まり、音声案内がけたたましい警告音と共に伝えてくる。
『緊急事態、機体制御不能。緊急事態、機体制御不能』
ヘリは明らかにまずい角度で地面に向かって傾いていた。理解の追いつかないままの頭で俺は後ろを振り返る。
「何が起こっ…………えっ…………」
……そこには、目を眩ませるほどの黄金の輝きがあった。モグラが地面から顔を出すみたいに、ヘリの底を貫いてある男の上半身が突き出している。
ゴールドタイラントが、そこで妙に爽やかな苦笑いを浮かべていた。
「いやぁ済まない、やはりリサには勝てなかったよ。原作では私がラスボスを勤め、ヘリから投げ込まれたロケットランチャーによって主人公に撃破されるというのが流れだったが……、今回はむしろ、私がロケットのかわりとしてヘリに投げ込まれてしまったようだな! はっはっはっ」
「な、おまっ、言ってる場合かっ……!? おおお落ちる! 墜落する……!!」
言っている最中にもすでに、体験したことのないようなGが体にかかっていた。一度体勢を崩しすぎたヘリが元に戻る術はない。この小さな箱は、頭の上のプロペラ一つで飛んでいるだけなのだから。
いざ墜落する、死ぬ、という時になってみると、走馬灯という物はこれっぽっちも浮かんでこないものだった。死にたくない……という気持ちさえ湧いてこない。情緒が湧くほどの隙が、どこにもなかった。
あぁ、終わった……。急速に近づいてくる地上の木の緑を見ながら、俺はただそう思うことしか出来なかった。
目が覚めると、部屋のテレビは真っ暗闇を映していた。外部機器との接続が切れている時の暗闇だ。それを電源が切れているものだと勘違いして、しばらく無駄に放置してしまった経験は誰にでもあるだろう。
テーブルの上は食い散らかしたつまみ類の入っていた皿と、乱立する酒の空き缶に埋めつくされている。……キャンプ場のテントで朝を迎えた時みたいに、片付けに対する面倒さと眠気が入り混じったもやもや感が頭の中に広がっていくのを感じた。
俺は、幸せそうな顔でよだれを垂らしながらだらしない寝相で未だ寝息を立てている智絵里を横目に、テレビの前のセガサターンを確認しに行く。その本体はすでに電源が切れていた。
「…………」
震える手で、ディスクトレイの蓋を開く。
そこには何も入っていなかった。
「…………はぁ」
智絵里が持ってきたはずの得体のしれないバイオハザードのディスクは、跡形もなく消え去っていた。俺たちが寝ている間に泥棒が入って、あのディスクだけを盗んで行ったのだろうか? そんなわけはあるまい。
きっとあれはもう未来に帰ったのだ。その方がよほどあり得る話のような気がした。……いや、それよりももっとあり得ることがある。
全ては夢だったのではないか? 酔っぱらいの記憶は錯綜しやすい。眠る直前の記憶、あのディスクにまつわることは、全部が全部夢だったのではないだろうか? ……だって普通に考えて、千年後のゲームが道端に落ちているだなんて、そんな話はおかしいじゃないか。ゲームの世界に入るなんて話はもっとおかしい。
テレビの電源を切り、テーブルの上を片付けることにする。まずは空の酒缶を一度に全部かかえて、中身を濯ぐべくシンクへ向かった。蛇口を捻って出た水を缶に注いで、振って、出して。また次の缶に注いで、振って、出して……。
単純作業に、思わず寝起きのあくびが出る。大きな大きなあくびに開いたその口を、俺は反射的に右手で覆った。
その途端、思わず吐き気を催した。
「魚
Tさんの解説を必死で遮った思い出が脳裏によみがえる。
試しに嗅いでみると、左手からは花の香りがした。
ー 完 ー