夢と異常が混ざりあう ~SCPfoundation×ホロライブ短編集~ 作:架空柿
しきりに降っている雨音は何処か寂しい。さっきまでは晴れていたのに突然の豪雨にコンビニで立ち往生する少女がいる。
?「もー……最悪!」
金髪緋眼の音楽少女、『音乃瀬奏』である。白い服を着ているため雨中を走り帰ることは出来ない。しょうがなくビニール傘を購入した。
奏「無駄出費出しちゃった」
奏は傘を開き、外へと出る。その時、何処からか音が、音楽が聞こえてきた。
奏「……ショパンの練習曲作品10第3番ホ長調? 何処から……傘から?」
奏は傘を耳に近づけた。彼女の推測通り、傘から聞こえてきた。そのまま彼女は続きを鼻唄で一緒に歌う。
しばらく歌い続けて、曲が終わった。
奏「上手いね! 『shiny smily story』とかもいける?」
雨音が当たる音が夢を歌う曲へと変化する。奏もそれに合わせて歌う。そのまましばらく歩き続けると、とある交差点に到着する。歌う奏の視界の端の電柱に花束が添えられているのが写った。
奏「……」
その一瞬、奏は交差点で発生した事故を思い出し、歌を止める。ピアノコンクールに向かっていた少女がトラックにはねられたという事故だ。
奏「あ、青だ」
信号が変わり、奏は歩き出す。音楽も止まらずに演奏と歌が続く。そこに、大きなクラクションも鳴り始めた。
奏「え……」
近づくトラック。そこに、一つの声が響いた。
???「足止めする薬!」
ぶつかる5秒程前、トラックは小規模爆発によって進行方向が急変化し、近くの電柱へとぶつかった。
???「大丈夫!?」
奏「あ……いや、運転手が……」
???「あぁ、心臓発作で亡くなってて、アクセルが踏まれたままで止まらなかったんだ」
奏「そう……なんですか……ところで、あなた……博衣こよりさんですか?」
こより「よく分かったね。SSSも知ってるみたいだし」
奏「はい。あなたも曲も好きです! 『乙女よ求めよQ.E.D.』とか」
こより「ありがとう!」
奏が話している最中、傘の演奏が終わった。
奏「あ、なにかリクエストありますか?」
こより「あぁ……特に無いかな。後、その子にこの薬、塗ってあげて」
こよりは奏に「異常性が失われない薬」と書かれた軟膏を渡した。
奏「あ、ありがとうございます! では、早速良いですか?」
こより「良いよ」
奏は軟膏の蓋を開け、中のクリームを傘の内側に塗った。
こより「じゃあ、ボクはここら辺で~」
こよりは後ろを振り向き、歩き出す。それを見て、奏がフォルティッシモで喋る。
奏「あの! 私もホロライブに入っていいですか!?」
こよりは背中を見せながら、奏にも分かるぐらいの笑みを浮かべた。
こより「オーディション、頑張ってね!」