夢と異常が混ざりあう ~SCPfoundation×ホロライブ短編集~ 作:架空柿
とある町にある和風な建物。今から一年程前にできた寿司屋である。しかし、客足は散漫だ。
「暇だなぁ……」
大将星街は寿司盛台に乗せられたコレクションを眺めて呟く。
そんな中、客の来店を告げる鈴の音が鳴る。
「らっしゃい……」
客は和服の、五十代位の男性で、何処と無く寿司屋を思わせる雰囲気を纏っていた。
「すまねぇ、この辺に『回転寿司 勝』っつう店、知らねえか?」
「『勝』? 聞き覚えないっすね」
「そうか…………ところで、あんた寿司屋ですかい?」
「はい? まぁ、そうですが……」
すると、その客は懐から割り箸とタマゴ寿司……否、「タマゴグリンカムビ」を取り出したその瞬間、すいせいの脳は全てを理解し、コレクションを取り出し、ネタを選び出す。一番最初、すいせいは「寿司らみこ」を取ろうとしたが、その隣に置いてあった「寿司ろぼたん」を手に取った。理由は明快、単純に強い。
「ほう、これまた珍しいものを……さぁ、始めようか」
客は何処からか台を取り出し、置いていた。すいせいはそこら辺にあった割り箸を綺麗に割ると、寿司ろぼたんをそれで掴んだ。そして、湯呑みを持つ。
「準備は良いか?」
「おうよ!」
「「3、2、1、へいらっしゃい!」」
湯呑みで箸頭で叩く音を合図に試合は始まった。
最初は双方牽制しあいつつ、相手の出方を伺うかのように正反対の位置で回転していた。しかし、その距離は着々と縮まってきており、そしてついに接触した。反動によって一時寿司ろぼたんは場外に行きそうになったが、偶々持っていたハンドガンの反動で、完璧な計算によって場内へと戻った。
「あんたの寿司、やるじゃねえか」
「おめーこそ」
試合は中盤に移ろうとしていた。双方中央に向かってはぶつかるを繰り返す。そしてその時であった。タマゴグリンカムビが身に付けていた海苔が切れ、寿司ろぼたんに絡み付く。それによって寿司ろぼたんは減速してしまう。
「すげぇ……そんなことでんだ」
「……寿司の可能性を信じろ」
いつの間にか師弟のような絆を結ぶ二人のことはさて知らず、寿司ろぼたんが仕掛ける。偶然ポケットに入っていたスナイパーライフルを取り出したかと思えば、スコープを覗きだしたのだ。そして、寿司ろぼたんはタマゴグリンカムビを見事に撃ち抜き、粉砕した。勝負は決した。
「回転する中での正確な狙撃……無茶苦茶だ」
「……諦めるなってお前言ってただろう?」
「……それもそうだな」
その客は台を片付け、散らばったシャリを回収した。
「突然悪かった。また何処かで!」
「おう! 寿司屋、見つかると良いな!」
二人は少年のように別れの挨拶を交わした。
何か……ここ最近で一番頑張った気がする
登場SCP
bamboon作
SCP-1134-JP - 爆転ニギリ スシブレード
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1134-jp
CC BY-SA 3.0