夢と異常が混ざりあう ~SCPfoundation×ホロライブ短編集~ 作:架空柿
ミオはその大きな尻尾を振りながら、箱を両手に抱えて家の廊下を歩いていた。動く尻尾を二匹の猫が追いかけているが、ミオは二匹を無視して、その箱をテーブルの上に置いた。箱にはでかでかと「割れ物注意」の張り紙がされてある。
「まさかフブキから『世界一の宝石売ってたからあげるね! なんか広い場所で開けてって言われた!』て言われるなんて思わなかったなぁ」
独り言を呟くミオは、近くにあったハサミで箱の封を切り、開いた。中には緩衝材、所謂プチプチが大量に入っており、それを全て退かすとそこには一つの大きめの貝殻があった。
「……これ詐欺にあってない? フブキ大丈夫かな……」
その時であった。突然貝殻から巨大なカニのハサミが現れ、家を破壊せんとしだした。驚いたミオは思わず貝殻を落としてしまった。それと同時に貝殻から足が現れ、胴体も少しずつ出てきて、最終的に巨大なカニが一匹家を破壊しながら出現した。
「私を詐欺と呼ぶとは良い度胸をしているな」
「ちょっと! うちの家壊れちゃったんだけど。どうしてくれるの?」
「知らん。貴様が」
「いやうちがとかじゃなくて、あなたが壊したんですよね? 確かに私はあなたを詐欺と思いましたがここまですることないんじゃないですか? これ過剰防衛になるますけどどう責任取るんですか?」
声色低く、淡々と放たれるその言葉の数々に巨大カニは狼狽え、貝殻へと戻っていった。微かに貝殻が震えているような気を、ミオは感じた。
「ええと……それ本当に言ってます?」
「うん。本当にこの貝殻から巨大なカニが現れて家をぶっ壊した」
混乱しているこよりは更に頭を絡ませ、困惑する。そんなこよりは気にされることなくしら建とかな建メンバーによって、ゲームではないことへの不満が出ながら修復が行われている。
「ううむ…………でも今回これだけの被害が出たのでその貝殻に何の処置をしないのは怖いですし……」
そう言うと、こよりは何処からか未知の液体が入った試験管を取り出した。
「これをかければその巨大カニともおさらばできます」
その言葉を耳に入れ、ミオは手に持っている貝殻を優しく見つめる。
「いや、大丈夫だよ」
「そうです…………へ?」
「だってこの子、自分の価値を大切にしてるみたいなの。詐欺って言葉に反応したし。私がこの子をフブキから貰った世界で一番の宝物だと思えばさこの子も暴れないと思うんだ」
ミオは優しくその突起の多い貝殻を撫でた。貝殻は少し赤く染まったような気がした。
畜神表現ってムズい
登場SCP
ZeroWinchester作
SCP-120-JP - 世界で一番の宝石
http://scp-jp.wikidot.com/scp-120-jp
2014
CC BY-SA 3.0