夢と異常が混ざりあう ~SCPfoundation×ホロライブ短編集~ 作:架空柿
空が晴れ渡る。あんなに攻めてきていた兵士らも、もう出てこない。
「……終わったのか?」
正直、ラプラスには実感が無かった。あっさりと終わってしまった最終決戦も、殆ど任せきりだった雑魚処理も、全て含めて。
「ま、良いんじゃない?」
「終わりってのは良いもんだよ」
「……そりゃそうだが」
未だに残っている疑問、しかし、そんな疑問を打破するかのように、巨大な穴から丸くはない何かが出てきた。ラプラスがそれを拾うと、何故だか幾日にも渡る、ある男の記憶が呼び起こされた。
「……成る程、あっちはあっちで戦ってたんだな……」
ラプラスはその物体を再び地面へと置き、近くにいる沙花叉とブライトに指示を渡す。
「……じゃ、こっちも後片付けすんぞ」
ラプラスが先を歩き始めると、それに付き従うように、二人も後を歩いてゆく。
あれから一ヶ月ほど後、損傷を受けていた町は徐々に回復しつつあった。しかし未だに道路はまともに走れず、店も再開していないところもある。
ラプラスらholoXやブライト、そして多くの者が復旧作業を行っていた。
「……なあ、ラプラス」
修復作業を手伝っていたブライトは口を開く。
「何だ?」
それをラプラスは作業の手を止めず、視線も変えずに答える。その四肢には再び封印具が付けられていた。
「何というか、迷惑をかけた」
「良いってことよ」
「我々がちゃんと管理していればあんなことには……」
「あぁ、オブジェクトの話? てっきりあの攻撃かと思ったわ」
「まあそれもそうなんだが……」
ブライトは視線を外す。そして、その外した先には作業を行っている金髪の少女が。件の239だ。
「あぁ、あいつらか。まあ、あいつらはあいつらで結構面白いやつが多かったし、結果オーライだ」
「……なら良かったが」
再び無言の作業が始まる。しかし、案外その静寂というものは続かず、一つの声が二人の間に入り込んできた。声の主は、穴から這い出てくる兵を捌いた二人の内の一人、クロヱだ。
「ラプラ~ス、ちょっと来れる?」
「悪い、ちょっと行ってくるわ」
「おう、気を付けてな」
ラプラスは手に持っていたハンマーやら釘やらをその場に置き、クロヱの元へと走る。そうして、クロヱの元へと辿り着くと、彼女は手に持っていた物をラプラスに見せた。
「これ、こんこよから」
見たところ、普通のこよりの作る薬である。こより製とのことで、ラプラスは無警戒にそれを飲むと、唐突に眠気が襲い、あっさりと眠ってしまった。
「こんこよが『頑張りすぎだからたまには休め』てさ」
眠りの最中にいるラプラスに、その言葉はあまり届くことはなかった。
ひょんかことから始まった異常のある日常。大変なことや辛いことがありつつも、それを乗り越え、立ち向かい、時には楽しむ姿は、これからも続くことだろう。
ご愛読、ありがとうございました。いやぁ、長かったですね。書いてて物凄く楽しかった作品です。日常に潜む非日常、なんとも心踊る内容でした。それでは、また別作品でお会いしましょう
登場SCP
AdminBright作
SCP-963 - 不死の首飾り
2008
http://www.scp-wiki.net/scp-963
CC BY-SA 3.0
Dantensen(現在はアカウント削除)作
SCP-239 - ちいさな魔女
http://www.scp-wiki.net/scp-239
2008
CC BY-SA 3.0
追記: 書きたいネタができたら番外編として書くかもしれませんのでよろしくお願いします