ソビエト連邦領内...アルチョム市
1972年10月27日...19時27分
戦闘開始から12時間.....
この地に存在していた町は全て瓦礫になり、数多の兵器が破壊され放置されている。しかし、上空を攻撃機が飛び爆弾を落とし、その攻撃機を触手が貫く。その貫いた触手に曳光弾が迫り引き千切る、千切れた所から更に触手が再生し曳光弾の元に迫る。この様な光景がずっと続いていた。
無線では戦闘部隊が交互に支援しつつ反応炉のある首の付け根に対して有効打を叩き込もうと努力していた。
そして後方の整備拠点では多種多様な戦闘車両や機体を整備する為に整備兵達が馴染みのある機体や今まで触ったことのない車両を整備している。規格の違いや単位の違いで混乱は見られるものの平均して一つの機体・車両に対して40人程の整備兵が取り付き作業をしているのと今もなおメーカーから直接届く部品のお陰でなんとか保っている。
急遽設置された作戦司令部も混乱の極みであった。指揮系統は現地のソ連軍指揮官を元に集まってきた部隊を纏めることでなんとか軍隊としての体制を保っているが言語の違いや部隊の数があまりに多く、通信帯が重なってしまい無線が聞こえない等の問題に直面していた。
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臨時司令部
ソビエト側指揮官席
(謎の存在が授けてくれた作戦通りにはならないか…ッ!)
「報告します!あと30分でイギリス陸軍特殊空挺部隊が空域に到着します!イギリス側指揮官から作戦が届いております!」
「わかった、目を通しておく」
【まず、急遽作られた作戦故命名などはされていない事を書いておく。本作戦行動は英陸軍SAS連隊22・24連隊(以後グラナディアーズ)を合計36機空挺させ行う作戦である。流れはこうだ。空域に到着した輸送部隊が上空よりグレナディアーズを投下する。本部隊には"特殊装備"が装着されておりそれを用いてアルファ個体のコアを破壊する、周辺の部隊には降下中の支援をお願いしたい。】
「…これでは作戦概要とは言えんな…」
(しかしまぁ。ここまでの大所帯なんだ、これぐらい大雑把な方が伝わる…か)
「通信士!連絡の取れる部隊全てにこのデータを送信しておけ」
作戦概要書内に入っていたデータチップを通信士に渡し椅子に腰掛ける
「果たしてどうなるか…」
目を瞑りしばし目を休ませようとした…が
「司令!アルファ個体よりレーザー照射前兆を確認!」
「またか!?」
「照射され」
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ドイツ陸軍第6戦車大隊 第1小隊長車
キューポラから身を乗り出し双眼鏡を覗いていた男はすぐに目を腕で庇い車内に戻る、と同時に激しい爆音と閃光が空を走った。
しばらくすると閃光は止み、何かが溶ける音と何処かの誰かが発砲する音が聞こえ始めた。
「あー、全車無事か?」
『2号車問題無し…3〜6号車も問題無さそうです』
「そうか、司令部に繋げて状況を聞こう」
車内の無線機を操作し司令部に繋げようとする…が繋がらない
「通信障害か?…まぁ皆状況把握する為に通信帯を圧迫するか」
遠方に見えるアルファ個体は激しくその身体を溶かしながらも周辺のMBSに対して攻撃の手を緩めない。戦場は奴の身体が溶けた臭いで充満しており思わず顔を顰める。
再度双眼鏡で奴を眺めていると通信手が車内から呼ぶ声が聞こえた。すぐに車内に戻ると困り顔で通信手がコチラを見ていた
「ボス、本部と繋がりません」
「それは他の部隊が連絡してるからだろ?」
「いえ、他の部隊と連絡を取ってみたら何処の部隊もそうみたいで…司令部との連絡が一切取れないそうです」
(…そんな事はあり得ない筈…いや、待てよ?)
「まさか」
キューポラから身を乗り出し『奴』を見る
「…やられた」
「ボス?」
「あの野郎、指揮系統を"破壊"しやがった!」
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1972年10月27日 19時36分頃にアルファ個体が放ったレーザーは設けられていた臨時司令部と後方の補給基地や野戦病院等を纏めて蒸発させた。アルファ個体も、もはや照射膜を維持する事が出来ない程の損傷を負ったが、この攻撃により統合軍は指揮系統が麻痺し各部隊間の連携が取れなくなった…その筈だった。
何処の部隊が発言したのかは明らかになっていないが、全ての周波数で誰かがこう言っている事が確認されている
「お見事!確かにコロニーのトップを殺せば下は破壊されるだろうな!動物とか虫とかならそうなるだろう!」
「しかし我々は軍隊だ、軍隊にその手は通じない。特に現代の軍隊にはな、大佐が死ねば中佐が指揮し中佐が死ねば少佐が指揮する…指揮系統とはそう言うものだ」
「現時刻をもって司令部は壊滅したものと判断した!指揮はこの私、■■■■■大尉が執る!異議のあるものはこの戦いが終わってから存分に聞く!各部隊は司令部から最後の土産の命令通りにブリティッシュ共を援護してやるぞ!」
この無線の後、戦域に存在していた『全て』の部隊がアルファ個体に向けて進撃を開始した、後方に撤退中だった部隊も含めてである。
撤退中の部隊が戻った理由は諸説あるが、最も多い理由は後方の野戦病院や補給基地などが無くなった為、下がる意味が無くなった為では無いかと思われる。
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イギリス陸軍特殊空挺部隊
SAS22連隊 連隊長
『3分後に投下予定地点だ』
パイロットから連絡が来る、自分の機体のチェックを行いながら、僚機の様子も確認していく
「了解、全機降下前チェックリストを3度行え、特に"特殊装備"のチェックを入念にな」
『了解』
全員から威勢のいい声が返ってきた、士気は上々か。外部カメラを通して機体に取り付けられた"特殊装備"を確認する
「なんだか落ち着かんな…」
『何がです?』
同じ機体に収まっている2番機が聞いてくる、2番機も"特殊装備"を眺める様な動作をしているので同じ気分なのだろう
「腕が全部で"6"本ある事がだよ」
『腕だけじゃないですけどね』
『降下1分前、ハッチ解放』
機体の空気抵抗が増え全体が激しく震える
「ふー…ッ」
機体のロックが外れる瞬間に備える
『降下30秒前』
「…」
操縦桿をしっかり握る
『降下20秒前』
「…」
目を動かして計器に異常がないか確認する
『降下、クソッ!』
突然機体が傾く
『あの野郎!触手を高度5000mまで伸ばして来やがった!右エンジン1発を失った!…ああくそ!左エンジンもだ!…ロック解除!真っ直ぐ飛んでいられる内に行け!』
「降下!」
機外に飛び出す、と同時に複数の触手が輸送機を貫きバラバラにする。
「2番機!」
『ええ!無事です!後続も襲われているようですが、何機かは降下してます!』
降下中もコチラの機体目掛けて触手が襲いかかってくる、ブースターを稼働させ回避機動を取りながら降下していく
「ぬぅぅぅぅぅ…ッ!」
ブースターを稼働させ回避機動を行なっているせいで機体と身体に掛かるGは今までに無いものになっているが、歯を食いしばり耐える。
『…ッ降下できた機体を確認!貴方と私、後は5.8.9.6番機のみです!』
「30機は落とされたか…ッ!」
『不明です!確認出来たのが我々6機のみってだけです!』
モニターにはコチラに触手を伸ばしてくるアルファの姿が確認出来る、アルファに存在する全ての触手が上空に居る我々に向けられていると錯覚してしまうほどの数だ
(回避は…無理かッ!)
覚悟を決め、せめて触手の一本や二本を道連れにしようと武装を構えた時、コチラに向かっていた触手の力が抜けた
「なんだ!?」
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『弾種榴弾!触手の根元に叩き込め!』
『小銃でもロケットでも何でもいい!持ってる武器で奴の触手を一本でも多く破壊しろ!』
『ブリティッシュ野郎共の道を切り拓け!』
「いいぞ!全火力を持って奴の触手を破壊しろ!」
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(ッ!)
「残存する全機!減速したら奴のコアまで潜り込んで“武装”を全弾叩き込めッ!」
『了解ィッ!』
触手がコチラに伸びてくるが、その全てが地上に居る戦車やMBS、歩兵の攻撃に破壊されコチラに辿り着く事は無い。
「今!逆噴射!」
今まで無理をさせた機体故に分解しないかと心配だったが、無事に地面に降着した、当初の予定ではアルファの背中に降りる予定だったが、少々ズレたか
「問題無し!全機続け!」
周囲の援護の元、コチラに伸びてくる触手を回避しコアの表面まで辿り着いた、コア表面は硬質な装甲で覆われており、簡単には貫く事ができなかった。しかし、『硬いものを貫く武装』いや、『工具』なら存在した。元々は宇宙開発時や硬い岩盤を壊す様に開発された武装の名は『パイルバンカー』それに改良を加えたのである。
腕一つを発射機に見立てて、火薬の量を増量し楔を打込む、その際腕は破損するが壊れた腕はパージし『次』の腕に交換する。しかも打込む楔にも炸薬が込められており、内部より奴の装甲を粉砕する。
そんな物が今、アルファのコアに6機36基、向けられている
「全機叩き込めッ!」
轟音と共に打ち出される楔、敵装甲表面に突き刺さり炸裂
『表面破壊!次弾装填!』
両腕がパージされ背中側から新たな腕が運ばれてくる、この間にも触手が迫ってくるが、アルファの身体に取り付いた他のMBSがその身を挺して防いでくれている。
「第2斉射!」
轟音と共に打ち出される楔、今度はより深く突き刺さり炸裂
『…まだコアには届いていない!次弾装填!最後の弾倉です!』
両腕がパージされ最後の腕が装着される、
「最終斉射!」
轟音と共に楔が打ち出され、深く突き刺さり炸裂…
『…到達ならず!なれどコアが完全に露出!』
「誰でもいい!高火力の武装でこの穴に撃ち込め!」
『分かってる。そこを早くどけ、イギリス人』
「ッ退避!」
飛び退いた瞬間、こじ開けた穴に砲弾が1発、2発、3発と撃ち込まれていき中で炸裂していく。
撃ち込まれる度にアルファは動きを鈍くしていき、40発程撃ち込まれたあと活動を停止した。
念の為に工兵部隊が全身に炸薬を取り付けて爆破した後、戦車隊がコアのあった辺りに残弾全てを撃ち込んだ。
…それでも奴は動かない。
これでもう、奴は動かない。
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56:イギリス
やっ…た?
57:ソ連
これは…
58:中国
勝ち申した
59:アメリカ
60:日本
つ、疲れたね…
61:ドイツ
はぁ
62:インド
あんまり実感ないですね…
63:カナダ
本当に死んだ?
64:ソ連
動きは見られない
65:イギリス
再生もしてない
66:フランス
エネルギーも探知できない
67:カナダ
正真正銘…終わり?
68:アメリカ
終わったァァァァァァァァ!!!
69:日本
祭りだぁ!!
70:中国
ようやく死にやがった!
71:ドイツ
ちかれたぁ…
72:イギリス
二度と戦いたくない…
73:ソ連
各地の復興しないとな
74:日本
それな(焼け野原の九州を見ながら)
75:アメリカ
コイツの死体どうする?
76:ドイツ
ここまで苦労させられたんだ、研究しまくる
77:フランス
さんせー
78:イギリス
今BETAの事考えたくなーい
79:イタリア
こんな時に言うのもアレなんですけど
80:アメリカ
お、どうした
81:中国
どんな良いこと聞かせてくれるんだい?
82:イタリア
月面にBETAまた来たよ
83:ソ連
:(;゙゚'ω゚'):
BETA君「コイツらうっとおしい!…せや!1番偉そうな奴殺したら止まるやろ!俺らもトップ死んだら困るし!同じやろ!」
BETA君「何処や〜…見つけた!1番敵が集まってて、電波が集中している場所!そーれビーム照射!」
BETA君「はぁはぁ…照射膜が再生出来なくなったけど…はぁ…これでコイツらも終わりだろう…」
人類「そんなもんで止まる訳無いやろぉぉぉ!!このボケェぇぇぇ!!」
BETA君「」
ちょっと更新止まるよ(3〜4日ぐらい)