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…再生準備完了しました、……これより再生される映像は1978年7月24日に行われたロシア連邦軍とイギリス情報部により行われた⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・サイロ奪還作戦のヘッドカム映像です。大変ショックな光景が広がりますが視聴しますか?よろしければ右手を握りしめてください……認証を確認、再生開始
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《カメラが揺れる》
《どうやらヘリコプターの内部の様だ、視点は窓の外を映している。他にも4機のヘリコプターが飛んでいる》
『降下5分前!最終チェック!』
《視点がぐわりと動き装着者の手元に、手に持つライフルのマガジンを抜きヘルメットにトントンと叩き付けて再度装填し、薬室内部も確認、安全装置を掛け分隊長らしき人物に頷く》
《他の隊員達も身体に取り付けられた装具の具合を確かめたり、深呼吸している者もいる》
《全員のチェックが終わったタイミングで2人の男が立ち上がり全員の顔を見る、よく見ると他の隊員とは違う装具を取り付けているところからイギリス情報部の人間であると予想した》
『今回の作戦は非常に重要だ、ブリーフィングでも話した通り我々が今向かっているサイロには核弾頭が複数保管されている、幸い装填はされていないが核には違いない。それを(しもべ)は確保した様だ、だが奴等に核なんて物を持ち出させる訳にはいかない』
『諸君の中にも奴等の起こしたテロにより親兄弟、友人を亡くした者も居るだろう、私も妹夫婦を失った…』
『これ以上奴等の暴挙を許すわけにはいかない、我々がここで!奴等の勢いを大きく削げば(しもべ)の勢力は減少の一途を辿るだろう』
《機内の若い兵士の1人が懐から写真を取り出して見つめている》
《隣にいた兵士が写真を眺めている兵士の肩を叩く》
『さぁイタズラ小僧にガツンと痛い目に合わせに行くぞ』
『『『応ッ!!!』』』
『降下2分前!』
《と機内放送が聞こえて来たと同時に響き渡る警告音》
『ミサイルアラート!ブレイク!ブレイク!!」
《機体は大きく右に傾きながら高度を落としている様だった》
《地面ギリギリまで高度を落として匍匐飛行に切り替えたようだ》
『…ハッ…ハッ……ッ回避成功!敵集団は既にサイロ周辺に対空陣地を構築している模様!』
《パイロットの悲鳴の様な声が響き渡る》
《機内の兵士達も表情は固くなっているが全員が手に持つ銃をしっかりと握りしめながら静かに待っている》
《そんな中先程の2人組の男の片割れが耳に手を当て何かを話している》
『…機長!今から20秒間現在地でホバリング出来るか?』
『当たり前だ!何年パイロットやってると思ってる!…だがこんなところでホバリングしてどうなる?』
『あと12秒程で対空陣地は消える、我々の上空には天使が憑いてるからな』
『精々その天使が外さない事を祈るよ…』
《突然映像に爆発音が響き渡る》
『ガルーダ1へ、命中を確認した…あぁ、よろしく頼む…機長!』
『分かった!』
《ヘリは念の為か匍匐飛行のまま目的地の方へ飛び続ける》
『当初の予定通りに司令部の屋上に降ろすぞ!』
『無理はするな、墜落しては元も子もないからな』
《ヘリの周辺に突然爆発が起こり始める》
『高射砲を確認した…どこからこんな骨董品を…』
『問題ない…ガルーダ1へ対地支援要請、目標は敵対空陣地』
『アイ・コピー』
《今度は支援機の無線も聞こえた、距離が離れているせいか音質は悪いが頼もしい声だ》
『ボムズ・アウェイ…ナウ!』
《その声が聞こえたから10秒程経った時、機体の周りを包んでいた爆発がパタリと止んだ》
『ガルーダ1へ、いい腕だ。その調子で頼む』
《先程からガルーダ1へ指示を出している男は手元の端末を触りながらもう1人の男と何事かを話している》
『機長!聞こえるか?』
『なんだ?』
『作戦に一部変更だ、機内の何人かを借りる。全員は降ろさない』
『何故だ?』
『本部からの追加情報だ、すでに奴等は1発の弾頭をトラックに載せて基地を離脱しているらしい』
『なにっ!?』
《機内の兵士達にも動揺が広がる》
『俺と…君と君…それから君も来てくれ』
《機内にいる兵士達から3名を選んだ、その内の1人はカメラの装着者だった》
『たった4人で大丈夫なのか?』
『この作戦に参加する全員のプロフィールは暗記している、今選抜した兵士達なら大丈夫だ』
『頼むぜ、祖国がテロリストに核を盗まれた国になるのを阻止してくれ』
『任せてくれ』
《男はもう1人の男の肩に手を置き、任せたと言って手を離した》
《もう1人は「見事基地を奪還して見せましょう」とニヤリと笑い二本指で敬礼した》
『そろそろ司令部の屋上だ…ッち!ライフルによる射撃を受けている!』
《機体に銃弾が当たる音がするが機内では降りる予定の兵士達がシートベルトを外し立ち上がっている》
『少しばかり荒っぽいランディングになる!』
《と言い切った瞬間機体に衝撃が走った、と同時に機体のドアを開放して兵士達が飛び出していく》
『機長!次だ!』
『分かってる…が…クソッ!被弾した!』
『なに!?』
《すぐに機内に残っていた兵士の1人が医療具を持ちコックピットの方へ駆け寄る》
『…防弾チョッキを着ていて良かったですね、大丈夫!プレートで止まってます!』
『当たった事には変わりねえ!…痛え!』
『これならモルヒネを打てば痛みも…』
『バカ!パイロットに薬物なんて打つんじゃねぇ!ぼぅっとして墜落でもしたらどうすんだ!このまま飛ぶ!』
『しかし』
『お前も早く席に戻れ!念の為にその医療具は置いていけ!…ちくしょうコ・パイが参加できてたらな』
《機体は司令部屋上から飛び上がる、カメラが地上の様子を映し出す》
《他のヘリから降り立った兵士達が旧型の機械化歩兵装甲や戦車と死闘を繰り広げているのが遠目に分かる》
《飛び立ってから8分程経った時に機内に居た情報部の男が立ち上がり叫んだ》
『よし!目標まであと2分の距離まで近づいた!我々はヘリに乗ったままトラックを止める、サイドドアに全員集まれ…そう、そんな感じだ』
《機内にいた全員が機体右側のドアに集まり外に銃を向ける》
『機長よりお客様方!車列が見えたぞ!トラック2台に護衛車両が1台!』
『護衛から潰す、絶対にトラックを横転させるな!君達の腕を信じるぞ!』
《カメラの装着者は何回か浅い呼吸を繰り返してから深い、深い呼吸に切り替えた》
『撃てッ!』
《号令と共に機内の全員が発砲する》
《護衛車両とはなんなのか、一切の反撃をする事も無くヨロヨロとした運転に切り替わり停車し、後列のトラック2台が止まった》
『でかした!機長!ホバリングだ!ロープで降りる!』
《機体は停止した車列より15m程離れたところにホバリングした》
《カメラ装着者はロープに掴まり地面に降り立った》
『…よし、機長!周辺警戒を頼む』
《全員が降り立ちゆっくりと横隊で車列に進む》
《既に護衛車両と思われる車両内は血だらけになっており搭乗者は事切れていた》
『油断するなよ…俺と君は1台目のトラックへ、残りは2台目に行ってくれ』
《男ともう1人の兵士は手前のトラックへ、カメラ装着者ともう1人は降り立った位置から最も遠い位置のトラックを調べる事になった様だ》
《荷台より先に運転席を調べるがドアが開いており中には誰も居なかった》
《続いて荷台を調べようと拳銃に持ち替えたもう1人が荷台のドアに触れた時、中から巨大な剣が飛び出して来て目の前の兵士を貫いた》
《貫かれながらも右手に持つ拳銃を剣を持つナニかに向けて発砲していた兵士だったが剣を振るわれ地面に叩きつけられてからはビクリとも動かなくなった》
《カメラ装着者もすぐさま手に持つライフルを構えようとしたが周囲に潜んでいたトラックの運転手や荷台に乗り込んでいたテロリストだろうか?複数のテロリストに囲まれた上頭部を殴られ地面に倒れた》
《そのままカメラ装着者は引き摺られていき道路に座らされた様だ。隣にはもう1台を調べていた2人も座らされている》
《周囲には銃を持ったテロリストが8名程と巨大な剣を持った機械化歩兵装甲が鎮座している》
《周囲のテロリストの1人が前に出て来てカメラ装着者に話しかけて来た》
『君達も我々の仲間にならないか?』
《カメラ装着者は答えない》
『神はこの広い宇宙でBETAと言う天使を我らに遣わした、彼等と同化し神の元に共に行こうではないか?』
《カメラ装着者は答えない》
『君達は騙されている、BETAは我々を殺しているのではない!我々を救済してくれている!』
『彼等が来てから生活が豊かになったと思わないか?』
『人類同士のいがみ合いも減った!彼等が来てからだ!』
『さまざまな物も便利になった!彼等が来てからだ!』
『彼等は我々に恩恵をもたらしてくれている!彼等がする事には意味があるんだ!』
『なのに政府の奴等は彼等の事を人類に敵対的な地球外起源種などと呼称し敵対している…愚かだ』
《カメラ装着者は何かを呟いている》
『…ん?何を言ってる?聞かせてくれ』
《目の前に立っているテロリストがカメラ装着者の近くに寄ってくる》
《カメラ装着者は何か…何かの番号を呟いている、今度は周りにも聞こえる音量で》
《すると隣に座らされていた兵士と男も何らかの番号を言い出した》
『…ふん、軍入隊時の認識番号か…我々の仲間になる気はないと?』
《カメラ装着者は目の前の男に血で染まった唾を吹きかける》
『そう…か、残念だよ…やってくれ』
《テロリストの男がそう言うと機械化歩兵装甲が前に出て来て剣を振り上げた》
《カメラ装着者達はそれを見上げながらも自分の認識番号を言い続ける》
《すると機械化歩兵装甲の胴体部に大きな穴が1つ2つと増えていくと同時に周りに立っていたテロリスト達の頭が弾けていった》
《先程カメラ装着者に話しかけていた男は脚に被弾した様で這いながら逃げようとしている》
《生き残った数少ないテロリスト達は手当たり次第に発砲するが射殺されていく》
《しばらくすると銃声は止んだ》
《するといつの間に居たのか周囲にはブーニーハットを被り顔には迷彩を施した集団が立っていた》
『我々はフランス特殊作戦軍所属の第13竜騎兵落下傘連隊、第9中隊だ、極秘裏にこの辺りのしもべの隠れ家を探っていたところ司令部から君達への支援要請が届いてな…なんとか間に合った様で何よりだ』
《既に周辺は第9中隊の隊員達により確保されており、逃げようとしていたテロリストの男がジップタイで拘束され引き摺られている》
『あの男は情報源として逮捕する、君達の身柄は我々が責任を持って本国に帰すから安心してくれ』
《カメラ装着者は唖然とした様子だったが、しばらくすると泣き始めた》
《周りでは情報部の男と第9中隊の隊長が何かを話している》
《男から核弾頭の存在を知らされた第9中隊の隊長は直ぐに隊員にトラックの中を捜索させ、弾頭ケースに収められていた核弾頭を確保した》
《と、同時に基地奪還の知らせが無線機に飛び込んだ》
《カメラ装着者が腕を振り上げ喜びを表現しようとした瞬間、腕がカメラに直撃し暗転、以後映らなくなった》
2023/04/24
ふと考えたら全く短編の長さじゃないやん!?ってなったから『外伝』に切り替えますね