インフィニット・ストラトス……各国では量産型や専用機の生産が進む中で一際存在が目立つ機体があった。白い翼に全身装甲のIS、どのISにも搭載されていないビーム兵器を持っているそれは、紛争がある地域に介入しては戦いを終わらせる程の脅威的な力を見せつける天使はやがて“死を告げる天使“と呼ばれた。
そしてその天使は例え敵の数が多かろうとも、圧倒的な力を見せ付けて戦力を無力化してゆく。そして今――――束を抱きしめる天使は迫り来る打鉄を次々無力化してゆき、連結したビーム砲を撃つ。
「ターゲット、打鉄」
『舐めるなァァァ!!』
「俺や束に立ち塞がるなら……取り除く」
膨大なビームが吐き出され、4機の打鉄の装甲は溶けて爆破する――――やがてビームサーベルで攻撃を捌くと、両肩のマシンキャノンで打鉄の装甲を射ち破る。
『そ、そんな!…たかが1機のISに…打鉄が5機もやられただと!?』
「消えろ」
『ひぃ!?』
ビームサーベルを振り上げて飛行能力を奪うと、天使はその戦闘区域を離れる。満月の光りが海面を照らす中で、束は恐る恐る尋ねた。
「もしかして…シーくんなの?」
天使に尋ねる束……天使はそれに答えずとある海岸へと着地する。束を降ろして、天使は光りの粒子に包まれて消えて、一人の青年がそこにはいた。
「よっ……迎えに来た……待たせたな束」
「嘘っ……シーくん……シーくんっ!!」
「おわ!?……束……この数年で、オッパイも大きくなってるな?」
「バカっ!!こんな時に何言ってるのさ!?変態!…でもいるんだね…本当に……」
間違えるはずもない…今自分の目の前にいる青年は自分が恋焦れ、自身の夢を否定しなかった人物。束は翔真を力いっぱいに抱きしめる。
「でもどうして!?どうしてシーくんがISを!?ISは女の子にしか動かせないんだよ!?」
「うーん……俺のウイングゼロはそのISとは少し違うのさ」
「ウイングゼロって……シーくんが動かしてたISの名前?」
「ああ」
二人はそれから夜の浜辺を歩く。束は服を真っ白なワンピースへと変えて翔真と手を繋ぎながら歩く。
「こうやって一緒に歩くの本当に久しぶりだね」
「だな」
「よくちーちゃんと言い合いしてたんだよ?覚えてる?」
「ああ。よく二人の喧嘩を仲裁したもんだ」
昔の思い出話に花を咲かせる二人はやがて砂浜に座り海を眺める。
「シーくん……これからはずっと一緒にいてくれるの?でも束さんといたらきっと…」
「約束したろ?大好きな女ぐらい守る……世界を敵に回しても、お前だけを守る……」
「嬉しい……シーくん……」
「束、お前を一人にさせない……だから」
砂浜の影は一つになり、そこから二人は求め合う……数年間の寂しさを埋めるように抱きしめ合った。