『たす……けて……』
「助ける……だからその手を離すなよ……」
とある隔離施設……翔真は銀髪の少女の手を握り締める。話は数時間前に遡る。束から非人道組織に囚われている少女達を救って欲しいとの願いを受けた翔真は久々に破壊工作員として動いていた。
翔真が侵入した施設はISを上手く扱えるパイロット…生体CPUを生産する為の施設だった。たかがISの為に命を犠牲にされた少女達の死体があちらこちらに転がる……そんな惨状に翔真は拳を握り締める。
「束の夢を……少女達の命を……なんだと思って…!!」
壁に拳をねじ込む……怒りをぶつけながらも翔真を冷静さを取り戻す。そして施設のあちらこちらに爆弾を仕掛けていく。
「消し去ってやるぜ。何もかもな」
「―――動かないで…ください…」
「っ!?」
今にも倒れそうな銀髪の少女が片手に銃を持っていた……翔真はゆっくりとその少女に近付くと静かに抱き締める。
「今助けてやる。辛かっただろ?」
「なにを…言って……」
「俺はこの施設を破壊する為にやって来た……君を開放してやれる」
「やめて…ください……この場所を失ったら私は!行き場がないんです!」
銀髪の少女は翔真から離れると銃を再び構えた……翔真は抵抗する事なく話を続ける。
「居場所がない?なら俺と来いよ……居場所なら俺がなってやるよ!君名前は?」
「……クロエ……クロニクル……」
「クロエ。君はこのままこんな場所にいても人殺しの手伝いをするだけだぞ。俺はそれを阻止する為にここに来た……それでも居場所が気になるなら俺が作ってやるさ!」
「貴方は……一体……」
クロエは問う……そして翔真はそのままウイングゼロを纏い、白き翼を羽ばたかせてクロエを抱える。
「綾崎翔真……普通の人間だよ」
「たす…けて……私を……」
「必ず助ける……だからその手を離すなよ!!」
そう言うと同時に施設を爆破――――逃げ出す研究員達は爆発の炎に呑まれて消し炭になる。翔真はクロエを抱えて炎の中を突破して大空へ羽ばたき、羽を散らす。
[シーくん!任務は成功したんだね!]
「まあな。それより束……ちょっとした報告がある」
[何かな!]
「……娘が出来たぜ」
[え………ええェェェェェェェェ!?]
ウインドウ越しに驚愕する束をよそに翔真はクロエと共に帰還する。薬による副作用で苦しむクロエを見て、束は真剣にクロエを救う為に治療を施し、ナノマシンなどを応用してなんとかクロエは助かる。
「許せない……束さんは…ISをそんな為に作ったんじゃない!!そのせいで……クロエちゃんが……」
「束。ISを悪いように扱う人間は幾らだっている。でも俺決めたよ」
「シーくん……」
「ISを悪用する奴等は潰す。それが今俺がやるべき事だ」
「……束さんも協力する……シーくん……あれを使う時が来たよ」
翔真は束に連れられ格納庫へやって来た……そこには全身灰色の全身装甲型のISがいた。
「ISの自由を守る為の剣……」
「言わば、束さんとシーくんの愛の結晶だよ」
ストライクフリーダム……翔真と束が共に造り上げたインフィニット・スーツ2号機である。
大雑把な解説
インフィニット・スーツ
ドクターJが男と女両方乗れるように開発したインフィニット・ストラトスの名称。ウイングガンダムゼロがインフィニット・スーツの初号機であり、1機のみで戦力を覆す程の性能を持つ。動力源はISコアに小型核融合炉であり半永久的に稼働する事が出来る。