参加者全員不死のデスゲーム 作:こすとこ
『──えー、えー! こほん! では!! 君達にはこの5つの扉から自分が入るものを選んで貰う!』
わーわーと煩かった4人が段々と静かになってきた辺りで、主催者は勢い良く声を張った。スピーカーに視線が集中する。
そしてその機を逃さんとばかりに、ズズズ──と4人の後ろに扉が滲み出る。慌てて後ろを見た4人は、流石に余りに現実離れした光景に目を見開いた。
1から5の数字が記された扉が、いつの間にか存在していたのだ。
「……は?」
「うそ……」
「……マジか」
流石の4人も停止した。それを満足げに眺めると、そして、主催者は流れるように続ける。
『その扉は5つ。君達は4人。そして、いわゆる
やっと正確に事態を認識したのか4人は静かに黙りこくった。その心に浮かぶのは同一の疑い。
((まさか……この突拍子のないゲーム……
そして、4人の心にそんな疑いを残したこともつゆ知らず、主催者は愉しそうに語り出す。
『うむうむ。もちろんなんのヒントもなし、というわけではない。そこに──』
そして、主催者の声が指し示した部分の地面から紙が一枚滲み出る。パサリと乾いた音をたてて、それは静かに鎮座していた。
『──
ブチリと映像が切れる。そしてシン、と静まり返った部屋で最初に声を上げたのは少女──
「……取り敢えず、自己紹介、から……」
一瞬固まると、やがて残りの三人は伺うように目を合わせ、頷いた。
◆◇
「えっ?! 十間さん先輩なの──んすか? 俺今年入学したんすよ」
「ああ。地元で近い高校がそこでな。しかし、そうか。林道は野球部なのか……」
「あー、実はと言うか、最初は高校デビューしてやろうって気持ちで入ったんですけど、いや練習マジでキツくて……止めましたね」
案外打ち解けていた。同じ高校出身同士、ウマの合うところがあったのだろう。
そして、女子組だが──。
「──きゃー!! 巡ちゃん可愛い! えー、中学三年生だっけ? 1年前だけどこんな可愛かったかな、私」
「……ん、戸籍上は」
「……戸籍、上? あー、うんうん! そういうお年頃かぁ……」
巡は死んだ目でギャル姿の女──美堀に抱きしめられていた。
年齢に似つかわしくない程に小柄な彼女は最初は抵抗していたが、いつの間にか無駄と悟ったのかほっぺをむにむにされながら、陸に上がった魚さながらに脱力していた。
「結局この紙、なんなんだろうな?」
「うーん、俺がみても分かんないっすね。先輩分かりますか?」
「かわいいー!!」
「……むぎゅ」
そして、数分男女に分かれ話し合っていると、やがて巡が動き出す。さっさと逃げ出したいのもあったのだろう。流れるように美堀の膝から滑り落ちた。
「時間も経ったし、方針をたてたい。女、止めて」
「えー! まだほっぺ触ってたーい!」
「……断る。進行に支障が出る」
ぶーぶーと不満を垂らす美堀を後ろ目にする。
(……私は死なないから兎も角、何故この女やあの2人はここまで楽観的……? バカの集まり? はぁ、だけどこんなしょうもないことで人死にが出たら、多分リーダーに怒られる……仕方ない……)
そしてため息をついた。そのまま美堀を置いて巡は2人の方へ向かった。
「……で、なにか分かった?」
男2人がいつの間にか覗き込んでいたのは、一枚の紙。巡も追うように覗き込んだそこには──数字と記号が書かれていた。
(……これ……え、うん。間違って、ない……どうしよう……)
そして巡は一瞬で数字の意味と答えを理解した。
「──ああ、恐らくこれは俺にしか解けない問題だな。俺が最年長だとすると、確実にそうだ。
そして、答えは簡単だ。1番が俺、2番が林道、4番が白恵、5番そこのギャルだ。つまり、ハズレは3番だ」
停止した。巡は本当の意味で停止した。なぜなら、そう。
その紙に刻まれた数学の問題。それを解いて得られる答えは
そしてなにより1番に驚いたのは──目の前のこの男が、なんの迷いや躊躇いなく、自分自身を犠牲にしようとしているというその事実だった。
結構飛ばして進めます。