参加者全員不死のデスゲーム   作:こすとこ

3 / 3
答え

 紙に書かれた問──それを解いて得られた答えは2つだった。当たりが2つのはずがない。

 つまり、そうするとハズレは2つということ。

 

 つくづく意地が悪い、と十間は心の中でため息を吐く。

 

(要するに誰が死ぬか選べ、ということなのだろう……初対面でそれをやらせれば地獄が出来るぞ)

 

 再びため息。目を上げると目に入るのは、この謎のゲームに捕られた三人だった。

 「やりますね先輩」と感心した顔の疾風。よく分からないがまあいいやと言う表情の美堀。そして、俯いた姿勢で停止する巡。

 

 それを一瞥し、覚悟を決める。

 

(僕が死ぬのは構わん。どうせ生き返るからな。

 だが、不死であることをバレる危険を避けて、結果無関係なコイツらを見殺しにするのは違うだろう……なにより、組織の方式でもあるしな)

 

 十間はそのまま紙を懐にしまおうとする。いざというときのため、もし気が付く人間がいた場合の危険を減らすためだ。

 巡はそれを認め、改めて目を見開いた。驚愕のあまり固まった状態で停止する。

 

(……なんで、そんな簡単に命を捨てられる? 他の人のため? 助けるため? 正義感? 道徳?

 そんな()()()()()()()()()()、自分の命を捨てる? 意味が分からない。これがまだ親友とか恋人とか、それなら……分かる。分かりたくないけど、分かる……)

 

 巡の心に過るのは、言葉に出来ない感情だった。止めたい。だが、止めるには話さなければならないことが多すぎた。

 

(止めるために話すべき情報……『不死』のこと、私の正体……私のやれること……ダメ。こんなこと言ったらリーダーが怒る。

 そうなれば私自身が危ないし、信じて貰えるほどの信頼もない……なら──!)

 

 そして、巡は博打に出た。何も言わず、ゆっくりと十間に歩み寄る。

 

「えっ? 巡ちゃんどうしたの?」

 

 後ろから響く声を努めて無視し、巡は十間と対面した。

 

「……確か、白恵だったか? 何か思うところがあれば言ってくれれば対応するが……」

 

 流石に、どう言う問題だったのか、紙を見せろくらいは言われると思っていた十間は、戸惑うことなく反応する。

 巡はそれを聞き、睨みつけるように十間を見つめる。突然の敵意にも似た感情に十間が困惑したように眉を潜めた。

 そして、数瞬の逡巡の後、呟いた。

 

「……私一番がいい」

 

「……は?」

 

 十間は思わず漏れた言葉すら無視し、問い返す。

 

「すまん、白恵。もう一回言ってくれ」

 

 出来れば己の耳がおかしくなっていてくれ──そう願う十間の願いは、残念ながら却下されたようだった。

 そして再び、巡の口から至極真面目に、大変馬鹿らしい言葉が放たれた。

 

 

「──私が一番が良い。私は一番以外認めない。なぜなら私は一番だから」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。