【三次創作】カオ転学園退魔生徒会 作:理事長
「原則として優先されるのはブラックカード側の意志です」
ブラックカードを怒らせればマズイ、それが今の日本オカルト業界の常識だった。
『…………』
「失礼。確かに日本に来たばかりのお二人に日本語での手紙は少し難易度が高かったかもしれません。
ですがブラックカード側もそのことは承知していますし、ガイア連合側の事務員が文面の添削を行うことも可能です。不安があれば相談してください。ブラックカードが関わることですからこっちも本気で対応します」
と、二人にフォローを入れてから困ったように頬を掻く。
「そもそも退魔生徒会が仲介役を務めているのもブラックカードと直接コンタクトした人達の間でトラブルが続出したことがキッカケなんですよね。
有能な異能者とのツテは欲しい。一方で始終付き纏われるようなトラブルはゴメンだとも思っている。意味は分かります?」
圧倒的格上からのやや”圧”を込めた問いかけに
「……距離感を弁えろ、と?」
「ごくごく常識的な話です。普通に考えて家を特定された挙句に直接乗り込んで救いの手や遺伝子提供を求められても困りますよね? 比喩ではなく多発した事例です」
アルトの言葉にそれぞれ苦笑いや冷や汗を浮かべるメンバー達。アルトの言うことは尤だが、彼らも多かれ少なかれ苦境や苦汁を舐めてきた経験があり、必要ならば彼らも同じことをやるからだ。
「なので黒札と繋がると言っても最初から顔を合わせることはまずありません。むしろそうした動きは非常に警戒されていると理解してください」
「実際にそうした距離感を間違えてブラックカードから支援を切られたケースも少なくありません。その場合退魔生徒会の責務を果たすことは困難となるため、最初は慎重に対応することをお勧めします」
アルトの言葉に実例を交え、リリィ・ペンドラゴンが忠告を重ねた。
「とはいえ慎重が過ぎるのも文章が固すぎて好まれません。メンバーの皆さんは現状で黒札から一定の評価は得ています。焦らず少しずつ関係を深めていくのが良いでしょう」
パトロンが就いたことがブラックカードからの評価の証明だと言われれば二人も悪い気はしない。
なるほどと頷きながら次いでアリババが手を上げた。
「あー……黒札から縁切りされないためアドバイスとかないかな? うちって人を山ほど抱えている割に貧乏だから正直この支援は本当にありがたいんだ。何時かはこっちから恩を返したいし、そのためにも縁を切られたくない」
中東の小国、バルバッド王国元第三王子にして魔王アモンから加護を受ける異能者。
今はバルバット王国からの難民を率いるリーダー格に当たるアリババがダメ元で、と言った風に恐る恐る質問する。
馬鹿正直とすら言えそうな言葉に場の空気へ若干呆れが混ざりこむが、アルトは嬉しそうに笑い、ヒルダとリリィは評価とも警戒とも言い難い視線を向けた。
「ブラックカードと言っても色んな人がいるのでケースバイケースとしか言えませんが、”良い人”は支援されやすいですよ。だから難しく考えずにアリババさんはそのままでいればいいと思います」
「えっ、と……。褒められてるのかな、俺?」
「ええ、好印象です」
実はアリババに就いた
国を追われた民を率いる流浪の王子、しかも気さくな性格ながら実は妾腹のスラム育ちの叩き上げ。貴種流離譚の主人公が務まりそうなアリババに人気が集まるのも頷けた。
「他に質問はありますか?」
「はいっ!」
水を向けたアルトに食い気味で手を上げるのは藤丸立夏(♀の姿)。
序列七位の生徒会最弱なれど随一の黒札パトロンを誇る愛されキャラ(笑)である。
「私*1宛の支援がガイア連合ドスケベ霊装ばっかりなのはなんででしょうか!?」
その手元を見れば他のメンバーと比べても多いプリント枚数。そこに記されているのは破廉恥極まりないガイア連合ドスケベ霊装の数々。
ガン切れかつ食い気味な立夏にアルトがサムズアップして
「援助の内容は各黒札の裁量なので僕から言えることは何も。
それと立夏、おめでとう。今年の
「う、嬉しくない……」
力を失って円卓に突っ伏す立夏をアルトがケラケラと笑う。
砕けた物言いが示す通り出会ってから一年に満たないものの腐れ縁か悪友とでも言うべき関係の二人だった。
「フフフ、これは年度末にアップした
「アルトぉっ、貴様ぁ……!?」
ちなみに
黒札からの援助を集めるにはエロで釣るのが一番手っ取り早いからと言葉巧みに(雑に)言いくるめた努力の結晶だ。
「プッ……あの写真集、公開したら黒札にバカ受けだったよ。プププッ……」
「いっそ殺して……いややっぱり私が君を殺す。一緒に死のう、さあ」
見かけは♀だが心は♂。最初はプルプルと気恥ずかしさに震えながら、途中からヤケっぱちに、最後はノリノリでポーズを撮影した写真をまとめた写真集はテンションの落差も相まって悪ノリ大好きな一部の黒札たちに大好評だった。その結果が山のように積まれた支援物資(なお過半数がドスケベ霊装)である。
(……これが噂の”超人”か? ただの学生のような……この分じゃガイア連合もどこまで頼りにして――うっ)
(いいなー。俺らも
(会長と仲良さそぉー。この二人、夜戦(意味深)してる仲なのカナ――ってうわ)
ある意味仲睦まじげな二人の様子をジィッ……と見つめる者達がいる。
『――――っ』
一言も発さず、重苦しい情念を込めて見つめる魔女と騎士姫に騒ぐ二人は気付かない。
なおシキガミ移植した立夏の本来の性別が♂であることを知るのはこの場ではアルトのみで、ある意味全ての原因だった。
(((あっ……)))
その空気から色々と
「コホンッ……。会長?」
「話が進まないわ。そこまでにしておきなさい、アルト」
やがて冷静さを取り戻したのか二人のハイライトオフな瞳に光が戻り、騒ぐアルト達を窘める。
「アハハ、ふざけてすいません二人とも」
「ごめんなさい……」
窘められた二人も素直なので仲良くテヘへと息を合わせて頭を下げる。息の合った二人にまたハイライトオフが発生したが、ともあれ話は進む。
「えー、では気を取り直して話を続けます。
ここまでが退魔生徒会に所属する
退魔生徒会とは切っても切り離せないキーワードに自然とメンバーの意識が次の話題に移った。
☆キャラ紹介☆
【イメージ】
【名前】
アリババ・サル―ジャ
【レベル】
14
【ステータスタイプ】
力・魔重点
【耐性】
火炎耐性、破魔無効
【総評】
魔王アモンの加護を享ける物理・火炎魔法主体の剣士。
シンプルにまとまった能力でそこそこ強い。あくまでそこそこ。ただし総合的な将来性は現生徒会メンバーでも上位に入る。
苦労した分世慣れているようで、その実根っこが善性のお人よし。本人に自覚はないがカリスマ性あり。ただし女には何故かモテない。
生まれと育ち、生き様が完璧な貴種流離譚の主人公であり、人格評価はAランク。現地民と気楽に繋がりたいが、悪党やクズに投資したくない黒札から安牌枠としてかなりの支援が集まった。