オーバーロード-七極星- 作:シンメトリー飛行船
たいっっっっっっっへんおまたせしましたァァァァ!!!!!(スライディング土下座)
まさか1ヶ月も空いてしまうとは.......。だから書き溜めて置く必要があったんですね(戒め)
一応新年にやることやらテストやらの忙しいイベントが一通り終わったんでもう投稿暫くは途切れないはず.......。
みんなも執筆する時は書き溜めておこうね!
※1/3 そこそこの量改稿しました。
帝都 アーウィンタール 周辺の街
そこから少し離れた平原、カッツェ平野に近いものの、どちらかと言えば帝都や周辺の街の近くに位置する場所。
そこには、
「うわああああ!!???く、く、くるなぁぁぁぁ!!!!」
「落ち着け!冷静になるんだ!!ええい、応援はまだか!!!」
「こ、こちら街門警備兵詰所!本部よ!応答されたし!至急帝都への応援の連絡を求む!!!」
兵達が阿鼻叫喚な様子でその惨劇の最中を忙しなく駆け回っている。時には断末魔が上がり、時には肉片が飛んでくる。
その中で、ある兵士は街の中心部にある本部へと貴重な通信用マジックアイテムを使ってこの危機的状況を伝えようとしていた。
平原と街の間に挟まれているこの街門では、普段は魔物の襲撃などなく平和であった。無論、帝国の兵達は練度が高いために非常時にも対応出来る用意はあったが、ここまでの異常事態など皇帝も想定してなどいないだろう。
そびえ立つは
それが、たかが人間種の街ひとつを潰すために、門を無理やり突破してでも前進しようとしている。
兵達がなんとか押し留めようとするも、前に出て道を妨げようとした瞬間に、見るも無惨な人だった物へ変貌していく。さながら、ミンチのような肉塊である。
「くっ、ダメだ止まらない、止まらないぞぉぉぉぉお!!!」
「は、早く逃げろぉ!!!なにか来るぞぉ!!!」
魂喰らいは即死のオーラを展開し、多少離れていた者達も魂が抜けたようにその場に倒れ伏す。先程よりも多少力が増したような感覚を得た魂喰らいは、そのまま間もなく門に突っ込む。このままでは街中に侵入されてしまうだろう。
兵達が怯え、もう打つ手無しだと思われた時。
しかし、希望は未だ潰えてはいなかった。
「はあああああ!!!!!」
門の上から、凛とした声を張り上げながら落下してくる一人の女性が見える。白いフード付きのケープを羽織り、片手に持った白銀の細剣がキラリとその刀身を輝かせる。
「〈ライジングブレード〉!!!」
ピシャリと、まるで雷でも降ったかのような音が響いた後、彼女がその手に持つ細剣が稲妻を纏い始め、そして.............一閃。
バリバリバリバリ ザシュッッ!!!!
弧を描く様に魂喰らい目掛けて撃たれたその攻撃は、今までビクともしなかったアンデッドを、1歩引かせる。
女性は着地と同時に、すぐさま体を反転させ、安全な距離まで退避する。ギリギリのところで、反撃に即死のオーラが飛んでくるが、それを躱す。
その様子に衝撃を受けた兵達は、お互いに倒れた体を何とか起こし合いながらも、アンデッドと睨み合いながら、戦線を停滞させているその女性に声を掛ける。
「あ、貴方はいったい.......」
「良かった。何とか動けるようですね。
私は、オリハルコン級の冒険者チーム“白き栄光”のシレルニアです。あのアンデッドは危険です!言わなくても分かるとは思いますが。今のうちに、早く撤退を!なるべく街の人を避難させて下さい!」
高位の冒険者の登場によって、兵達の表情が明るくなる。例え冒険者の地位がそこまで高くない帝国でも、アダマンタイト級やオリハルコン級の冒険者は希望の星なのだ。しかし、それは状況の解決を意味していなかった。
「あ.....あぁ!ほんとに良かった。これで何とか助かりそうだ!」
「ありがとう!“白き栄光”!これで何とかなるんだよな!」
「.......いえ、残念ながら。例え今から私の仲間が全員到着しても、時間稼ぎが精々でしょう........」
兵士たちの表情がまるでゾンビのように再び絶望に染まる。すると今度は、シレルニアが眼前のアンデッドを見据えながら口を開く。
「伝承通りなら、あれは
たった3体で亜人の都市を壊滅させた化け物です!1体だけでも人間の街では太刀打ちできないでしょう。
・・・ですから!早く帝都.......いえ!皇帝へ連絡を!あれは、国家で当たるべき敵です!かのフールーダ翁の力があっても、倒せるかどうか.......!」
その言葉を聞き、兵士たちはもはや言葉を失ってしまった。唯一、脚だけは動かして撤退を試みるも、やはり足取りが覚束無い。このままでは、街を守る所ではなくなってしまう。
危機を察知し、いち早く現場に駆けつけたシレルニアは、他のチームメンバーが辿り着くまで一人で持ち堪えられるだろうかと不安に駆られていた。しかし、それでもやらねばならないと覚悟を決める。
とはいえ、撤退出来るならばしたいところだ.......と辺りを見回したところ、丁度良い物があった事を思い出す。
「.......っ!貴重だけど..........出し惜しみしている場合ではないわね.......」
自身が持つ最高級のマジックアイテム──────ユグドラシルの等級で言うと遺産(レガシー)級の価値を持つ、現地では破格の力を持つ道具。
超硬質化された魔力障壁を張る使い捨ての妨害アイテム。これでしばらくの時間を稼ぐしかないと思い至ったシレルニアは、アイテムの結界を展開すべく設置する。
設置には土台が必要だったが、丁度よく起きやすい岩があったのだ。正方形のキューブの形をした青い物体の摘みを引っ張り、起動の準備をさせる。
その隙を逃すまいと、膠着状態から一変して突っ込んで来る魂喰らい。それを見計らい起動するほんの少しの時間を稼ぐために、シレルニアは現在自分が放てる最大の技をお見舞する。
「グオオオオ!!!!」
「〈サンダーブレイク〉!」
バリバリバリバリ ドゴォォォォーーーーン!!!
お互いの攻撃が交錯する。瞬間、結界の起動を確認した時、シレルニアは背を向けることも構わず、全力で走って門まで撤退した。
魂喰らいもそれを追おうとするが、既に眼前には強力な魔力障壁が張り巡らされており、その追跡と街への侵入は叶わなかった。
遠く離れた街の住民たちの恐怖を煽るように、魂喰らいは、不協和音とも取れる恐怖の雄叫びをあげていた──────
何とか門の下までたどり着いたシレルニアは息を整えている。
全速力で走った後、門の上から飛び降りて、相手を牽制、少し街から離れたところでとんでもない格上と交戦、そのまま再び全速力で逃げてきたのだから、とにかく疲れている。肩で息をしているのだ。
「はぁ.......はぁ.......」
「だ、大丈夫ですか?」
「何とか....ですね・・・はっ、はぁっ.........早く.......帝都に連絡を....!」
「は、はい!」
とある街が、誰も知らぬ間に窮地に立たされていることに気づく者は、この世界でほとんどいなかった。
皇帝や超越者の耳にこの事件が入ってくるのは、もう少し後の話である─────────
◆◆◆◆◆◆
............................
「...................おや?」
気がつくと、見知らぬ場所に居た。見渡せばそれはそれは豪華な部屋であり、まるで貴族の一室と言っても差し支えない部屋だ。
「ふむ.............うん?」
煌びやかな調度品、天蓋付きの大きなベッド。何かの紋章らしきものがでかでかと描かれている布。明らかに一般庶民が使うような部屋ではないことから、一つの疑問が浮かび上がる。
ここはどこだ.......?と。
当たり前のことではあるのだが、しかしついつい思考としてあげられずにはいられない。
第一自分は先程まで、仲間達とゲームをプレイしていたはずだ。といってもサービス終了間際ではあったので、それが終わって自動的に電源が落ち、自分の部屋が視界に映っているというのならまだ分かる。
だがここは明らかに自分の部屋では無いし、しかもどう考えても庶民である自分がいてはいけなさそうな部屋である。
もし仮にこれが拉致とかだとしても、それならばそれでこんな豪華な部屋に置き去りにするとは思えない。となれば、これは一体どういうことなのか。
「あの世.....でしょうか?だとしたら随分俗物的な──────いや、というか.......」
そんなことよりも、可笑しいことがあるのだ。自分の格好が、ゲームのアバターそのままなのだ。自分の好みを詰め込みまくった、あのアバターと。
試しに体を触ってみれば、現実のような感触が返ってくる。
と、そうなるとより自分の姿が気になるので、部屋に置いてある大きな鏡を覗く。そこには、やはりアバターとして動かしていた自身の──────ユグドラシルにおいての【マスター・コマンダー】の姿があった。
それだけでは無い。感じる五感の感覚から、身の内にある強大さまで。
あらゆる感覚が以前と違うのを感じ取れるのだ。
「これは.......一体.......。もしや明晰夢なんかじゃないでしょうね.......」
あまりにも信じ難い状況過ぎて、まだ完全にRPが抜けきっていない。
いつもの知恵が回らずに若干思考放棄気味だが、ずっとそんな調子ではいる訳にもいかない。一先ず、辺りを歩き回って確認してみる。
そのついでに、置いてある物も触ったり、体に押し付けたりしてみる。やはり物理的な感触はあるようで、自分の体をすり抜けたりはしない。
「うーむこれは..........む?」
と、そんな調子でうんうん唸って居たら、何やら扉の向こうから人の気配がしてくる。だんだんと近づいてくるそれは、人の声と足音である。
何人かの人がこちらに向かってきているのだと分かったが.........しかし。
「あれ、なんかこの状況.......不味くないですか?」
そう。どういう理屈で自分が今ここにいるかは分からないが、ここまで起こっていることと、近づいている声の内容を分析して、答えを割り出すと.......とある懸念が浮かび上がってくる。
それはかつて友達と、過去の時代の創作物をサルベージして漁った時のこと。あるジャンルを発見し、とても興味を惹かれたので見てはみたものの、荒唐無稽な為、当時でもありえないフィクションとして扱われていたようだ。当然自分もそう思っていた。
そして、その懸念は次の会話と、それらの人物の行動によって事実に変わることになる─────────
「人の気配がする?」
「はい。このようにしっかり警備はつけていたのですが、いつの間にか陛下の部屋から何やら声や物音がするなどの報告がありまして....」
「ふむ。賊でも入ったか?ここまで入り込める賊などそうは居ないと思うが.......」
「ですので一応確認をとは思っていましたが.......陛下が直々に来られることはありませんでしたのに」
「私が許可しなければ部屋には入れないだろう。どのみち、仕事が一段落したから部屋に戻る予定だったのだ。これからまた忙しくなるがな。そういうわけだ。さっさと確認しよう」
「かしこまりました。おい!扉をあけろ!くれぐれも陛下に危害が及ばないように護衛したまえ!」
「「「はっ!!」」」
ガチャン..........
そう言って、容赦無く扉は開かれた。
そこに居たのは物々しい様子の兵士たちと、その後ろに守られる様に居る、驚いた様子の文官。
いかつい鎧を着た四人と、そして圧倒的な支配者の如きオーラを放つ、若き青年に見える──────推定王様的な人物だった。
これらの事象から推測すると──────答えは一つ出てくる。
これ異世界転移では?と──────。
◆◆◆◆◆◆
帝都アーウィンタール 皇城
バハルス帝国皇帝である、ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスは、いつもの政務をこなしつつも政敵には悟られない様に、流れるような粛清対象の厳選を行っていた。
といっても、最近ではこのようなことも大分落ち着いてきており、鮮血帝と呼ばれるようになってから久しい。
未だ問題が残っていないわけでは無いが、統治は大分安定している。自国に対してや他国に対して目を向ける余裕も出来、あと1年もすれば最早この国は磐石になるだろう。
そんな日々を過ごしていたジルクニフだったが、政務をこなしつつ昼に差し掛かったくらいの頃。丁度休憩するために自室にでも戻ろうかと言うところで、そこそこの付き合いのある、信頼のおける文官であるロウネに書類のまとめを任せて、王族が作業をするには少し簡素なお馴染みの執務室を出ようとする。
そこへ、別の文官である男が何やら緊張した面持ちで入って来た。
「陛下少々よろしいでしょうか・・・・
おや........どこかへ行かれる予定でしたか?」
「いや、大丈夫だ。何かあったか?フノス 」
目の前のフノスという男は、ロウネと同じくそこそこ付き合いの長い文官だ。ロウネよりも高齢だが、優秀な文官である。
しかし、自分は最近粛清対象としてこの男も加えなければならないのではとも思っている。
身内を手にかけるのは心苦しいが、皇帝である自分に何かを隠していることや、大きな問題にならない程度の横領、自身の権益を保持するための工作など色々と理由はある。
今のところは、この男が自分に着いている間は何もすまいと、心の内を隠しつつ問いかける。
「はい.......実は.......」
聞けば、私の部屋から物音がするという。声も聞こえたという報告があり、賊でも侵入しているのではということから、部屋への入室の許可を取りに来たと言うのだ。
忙しい時であれば、念の為帝国四騎士の誰かにでも行かせるかもしれないが、生憎と今は丁度自室に戻ろうとしようとしていたところだ。
面倒な事になったとは思いつつも、もし賊であれば放っておく訳には行かない。
結局、話を聞きつつ自分の部屋の前まで歩いて向かうことになるのだった。もちろん、近くには四騎士を連れているし、それ以外にも護衛はいる。ただの賊であれば過剰すぎる相手だが、私の部屋に侵入している以上只者である可能性は低い。
あわよくば、その手腕を買って取り込んでやろうかとも考えてしまう。良さそうな人材がいればなんでも雇い入れようとするのは、もはや悪い癖だなと思いながら、兵達や四騎士を挟んで扉の前に立つ。
「ですので一応確認をとは思っていましたが.......陛下が直々に来られることはありませんでしたのに」
「私が許可しなければ部屋には入れないだろう。どのみち、仕事が一段落したから部屋に戻る予定だったのだ。ま、これからまた忙しくなるがな。そういうわけだ。さっさと確認しよう」
「かしこまりました。おい!扉をあけろ!くれぐれも陛下に危害が及ばないように護衛したまえ!」
かくして、その扉は開かれた。
思えば、これが全ての始まりだったのかもしれない。あの男との出会いが、あそこまで運命を変えることになろうとは.......。
──────最初の印象は、似合っていたが不釣り合いだった。
明らかに賊っぽくはない豪華な衣装に身を包んだ男。年は自分と同じか少し上程度だろうか。部屋ととてもマッチしているが、それがこの男が侵入者だということで、不自然さを醸し出している。
軍師を彷彿とさせる格好をしているが、しかしそれはこの国の指揮官のどの人物よりも上等なものを着ていた。
そのある意味奇妙な格好をしている男に呆気に取られたのか、フノスや四騎士達は言葉を失っている。他の者達も同様だ。
私もつい驚いてしまったが、動揺は表に出さない。皇帝たるもの、このような場面で動揺を晒してはならない。
それよりも、機先を制する事の方が大事である。賊を牽制して、逃げられないようにするためだ。
「お前は誰だ?よもやこの部屋が、皇帝であるこの私の部屋だと知っての狼藉ではないだろうな?」
すると、意外にもその賊は動揺した様子は見せず、無表情のままこちらに語りかけて来る。
「・・・・・その、失礼ですが。やんごとなき身分の方とはお見受け致しますが、如何せん私は何も分からぬ身でして。つい先程この部屋に、気づけば居たのです。信じられないかもしれませんが..........」
そこまで男が言葉を発して、漸く状況を思い出した周りの人物達が動き出す。
「な、何を.......。陛下!奴はきっと他国のスパイです!捕まえましょう!」
「そ、そうだ。つい呆気に取られてしまったが、捕まえなければ....!」
「覚悟しろ!賊め!」
彼らが一斉に部屋になだれ込みその男を取り囲む。
しかし、未だにその男は動揺した様子も見せずに、こちらを伺っている。まるで、周りの兵士は相手にしていないとばかりに。
これは大物だな、と思う。だが、どんな理由であれ勝手に部屋に侵入していることに変わりは無い。少し様子を見ていれば、男は再び口を開く。
「あの・・・・陛下.......?という方。
ここはなんという国なのでしょうか。それに貴方は、なんという名前なのでしょうか。良ければお聞かせ願えませんか?」
あまりにも頓珍漢な質問をされたため、さしもの自分も心の中で吹き出してしまった。きっと顔にも苦笑が浮かんでいることだろう。
周りの人間に至っては、「何を言っているんだこいつは?頭がおかしいのか?」とでも言いたげな表情をしている。
事実、頓珍漢な質問をされている。どう答えたものかと考えつつ、この人物がどんな人間なのかをこの短い時間の間で推測していく。
(ぱっと見ただけではどこかの高い身分の物のようにも見えるが、それが盗品でない保証は無いか。しかし、あの顔立ち。色白な肌に、透き通るような蒼の瞳。よく手入れされていると思しきブロンドヘアー。その纏う雰囲気や胆力から察するに、ただの賊とはやはり思えない。)
「くくっ.........ああ、すまない。
この国はバハルス帝国だ。
そして私は、この国の皇帝であるジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスである。
貴公は、ただの賊ではないと判断した。名を聞かせて貰えるか?」
「へ、陛下!?」
「よい。....聞かせてくれるか?」
「..........名乗られたならば名乗るべきですね。
・・・・えぇ、私の名は................................
....私の名は、ヘクトール・マスコ。以後、お見知り置きを。ジルクニフ皇帝陛下」
ジルクニフは思った。面白そうな男を見つけた、と。
◆◆◆◆◆◆
「この国はバハルス帝国だ。
そして私は、この国の皇帝であるジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスである。
貴公は、ただの賊ではないと判断した。名を聞かせて貰えるか?」
なぜこんなことに..........?
いや?それはそうなるとは思う。でも槍やら剣やらをいきなり人に向けるのはどうかと思うんだが......。
こちとら現実では、戦略ゲーやら戦記ゲーやらが特に好きなただのゲームオタクなんだ。刃物なんて物騒な物、向けられただけで恐怖は必死である。
貴方たちも実際に自分も同じ目に遭ってみてほしい。死ぬほど怖いから。この気持ち絶対わかるから。
こんなのどうしろって言うんだ・・・・・
私は実際に戦ったことなんて無いんだぞ..........!
「..........名乗られたならば名乗るべきですね。
・・・・・えぇ、私の名は...................」
とまあ異世界転移物なら(おそらく)テンプレである流れをして.......。
さて、名前か。
どうしようか。
一応そのままでもいいが、
ちょっとアレというか、名乗るのも恥ずかしいし。あと、普通にゲームの名前として使う分にはいいが、本人の名前として名乗るのには無理があると思う。皇帝の名前からもわかる通り、多分これ、マスター・コマンダー普通にダサいだろう。
うーーーーーーーん。マスター・コマンダー.......マスー・コンダー.......スタンダー.......ダン・コマス.......。
・・・・どれも絶妙にダサい!くっ、もっとマシな名前つけておけば良かったなこれは..........。
しかし、本名名乗る訳には行かないし...........バリバリのジャパニーズネームだしな..........。
・・・・・・何かカッコイイ名前、かっこいい響き..........。かっこいい人名...........あ!
そうだよ!あの自分が憧れている英雄の名前があったじゃないか!
みんなにもしょっちゅう力説してウザイとまで言わしめたこの英雄の名前.......。
ここが地球かは分からないが、帝国なんて異世界お決まりの感じなんだから、多分大丈夫だろう..........というか、これで既にその人についての伝承が残ってたら驚きだ。
あとは──────あぁ。
ゲームでみんなに呼ばれてたあだ名でも付けておこうか。ようやくそれっぽくなるだろう。
「.....私の名は、ヘクトール・マスコ。以後、お見知り置きを。ジルクニフ皇帝陛下」
................よし、格好良くキマった。いや、依然周り兵士に囲まれているから、全然キマってはいないんだが!!
というか普通にピンチなんだが!
これ俺がめちゃくちゃ強いチートとか貰ってないと負ける気しかしないんだが??
もし自分がゲーム通りの強さだとするのならば、色々と不味い....。
支援職特化だから、下手したらこの辺の兵士にも負けてしまうのではという不安が凄い。
いや、正確には一応戦士職も魔法職もあるにはあるんだが。全部特定コンセプトに全振りしてるから、純戦士職とか純魔法職とかに比べると.......。
・・・・・もしかして俺、詰んだのか?
さすがに100Lvプレイヤー集団って訳では無いことは咄嗟に見抜けたので、まぁそこは安心だが.......。
それでも70Lvくらいの奴らに囲まれてボコられても余裕で負けるんだが!!?
「ええい!まどろっこしい!陛下お戯れはまた後で。ひとまずは危険ですので捕らえます!お前たち、やれ!」
って、待て待て待て!!!!いきなりやめてくれないか!?思いっきり反撃するために手が出ちゃったんだがっ!!!..........って、は?
「ぐっはぁぁぁぁぁ.......」
「ば、ばかなぁぁぉぁ!?す、素手でだとぉ!?」
「ほう.......うちの精鋭をこうも易々と葬るか」
え、えぇぇぇ??なんかちょっと殴っただけで吹っ飛んだんだけど....。え、待って弱すぎないか?お前たちLvいくつだ?ちょっと見せてくれ....
「な、何をわけの分からないことを.......」
あ、そうか..........うん、まぁLvの概念とか無いタイプの異世界か....。割とガチめに遭難したなあ?これは。
とりあえず命の危機は無さそうだからそこは良かった。
ひとまずこの状況は..........。
「...........どうした?」
この皇帝につくのが良さそうだな。話が分かりそうな人のようだし。
「皇帝陛下。もし良ければ、この世界について教えて頂けないでしょうか。相応のお礼は致します」
もちろんただで要求するのは良くない。こういう時は対価をきちんと提示しなければ。
「ほう.......やはり気に入ったぞ。
いいだろう、このジルクニフが直々にこの国を教えてやろう。バジウット、ナザミそれでいいな?」
「へいへい....。わかりましたよ」
「.......御意」
よし、「ふっ、おもしれー女」系のタイプの皇帝陛下に気に入られた。まぁ彼も俺も女ではないんだが。........「おもしれー男」....?か....?
それはともかく、何とか上手く潜り込めそうだ。
さて、いったいこの国はなんなのか。そしてこの世界とはなんなのか。なぜ自分はこんなところにゲームのアバターの姿としているのか..........
暴いてやるとしよう..........
大分大変な状況だな................これ..........
そういうわけでこの世界―オーバーロードにおける転移後世界―に、またひとりの超越者が降臨した。
それは世界を変える物語。その序章。哀れな絶望に満ちた世界を嘆くものにより、本来降り立つはずの魔王に対して喚び出された、揺り戻し以外でここにやって来た
果たしてこれがどんな結末を齎すのか。それは
とりあえず..........武器下ろしてもらってもいいですか...........?
久しぶりの投稿です。
書き溜めたやつを連投する予定なので、話数の間違いにお気をつけ下さい。
新しいsideの話ですが、(オリ主は)バトルはおそらくしないのでサクサク進みます。もしかしたら筆の悪魔が悪さして加筆するかもしれないけど()
投稿頻度
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一話ごとは短め、投稿間隔は早め。
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一話ごとは長め、投稿頻度は遅め。