オーバーロード-七極星- 作:シンメトリー飛行船
ありがとうございます。
この小説ではなるべく表現は抑え目にしてありますが、それでも残酷な描写がある場合があります。
タグ付けもしていますが、苦手な方はご注意下さい。
澄んだ空がある。
青空があり、時々雲があり、そして程々に照りつけてくる眩しい太陽。
普段と何も変わりはしない。ただの平和な日常。
ここカルネ村では、何も特別なことなど無いからこそ、いつも通りの明日が訪れる。
本来開拓村としてあるその村は、しかし村人達が懸命に生きている以外にはあまり進展のない、ともすれば普通の閉じた―正確には偶に客人が来るので完全に閉じてはいないが―村だった。
そんな村で、しかし空気を読まない無粋な者達。
一般的には獣達は人間ほど賢しい知性を持たない生き物だ。
しかし稀に、これらのような邪悪な性質を持つ、悪趣味な獣も存在する。
「や、....やめてくれぇ....!もう、嫌なんだ....殺してくれぇ....。....アァ....ぐふぅっ....。」
「おとうさん!おとうさぁぁん!....ぅぅう、誰か....、誰か助けてよぉぉ!!」
涙目の少女の目の前にいるのは、ボロボロになって尚、まだ痛めつけられている父親。そんな惨状を引き起こしているのは、数匹の鎖を纏った邪悪な獣達。
その群れの中心にいるのは、長のような立場の獣。周りの
それらは、獣なのにも関わず、一目見て邪悪な笑みを浮かべているであろう事が伺える。
少し前、その父と娘の親子は、森にある木材を取りに行っていた。村で作業をする上で必要なものであり、本来なら村の男達で運ぶものだが、この村の状況だと、子供も手伝うのが当たり前であった。
そうして親子が木材を持って移動している最中、事件は起きた。
本来ならこの辺は、森の賢王の縄張りである。故に滅多な事ではモンスターや魔獣どころか、野生動物さえもあまり出てこない。
その為この辺ならば、親子二人だけでも大丈夫だと考えてしまったのだが、こうして魔獣と遭遇してしまった。
実際その考えは間違っていない。
しかしとあるバタフライエフェクトにより、今親子は危機に瀕している。
悪霊犬達は最初、どちらも関係なく襲おうとしていたが、子供の方が泣いて怯えているところを見て、嫌らしい笑みを浮かべた後、父親の方だけを死なないよう痛めつけ始めた。
現地世界ではそれなりにレベルが高く、難度30~40程度と目される存在。長ならば60近くはあるだろうそれらは、一般人である村人などにどうにか出来るはずもなく。それが群れを成して長に率いられているのだから、その辺の開拓村などは攻められれば壊滅してしまうだろう。金級冒険者パーティーならば....長に至ってはミスリル級冒険者パーティーでもなければ対処出来ないだろう。
そんな魔獣達に親を蹂躙されていても何も出来ないのは、戦う力を持たない幼い少女であれば仕方ない事だ。
涙を流して助けを求めるも、ここから村まではそこそこ距離がある。そもそも森に遮られて聞こえずらいし、例え助けに来たとしても村の大人程度ではどうしようもない。
少女は、子供ながらに気づいてしまった。自分と父親はもう助からないのだと。残酷にもこの獣達に殺されてしまうのだと。
そう考えれば、また頬を涙が伝っている。もはやどうにも出来ないこの状況で、少女はただ助けを求めて叫びながら、泣いて死を受け入れるしかないのだ。
もし、本当に詰んでいたならば、そうだろう。
誰もこの近くには居らず、その助けを求める聲を聞けなかったならば、気づきようもないからである。
だが────────────
ああ、
また、助からない────────────
「本当に?─────────」
だって、そうだろう....
あの少女はもうダメだ。心が折れてしまった。
あの父親ももうダメだ。子供の事を気遣う余裕すら無くなってしまった。じきに死ぬ。
「そうなのか?───────────────」
「でも、お前がここに居るだろう?」
無理だ───────────────
己には、心が折れた少女を慰める力は無い───
己には、傷つけられた父親を治す術は無い───
己には───、あの魔獣共を倒す力は無い────
「嘘をつくな────────」
「そんな事を....貴様に言う価値は無い─────」
「それよりも....分かって居るだろう?───」
何を....?───────────────
「己の力をだ!!!!────」
____________ッっっ!!???
「もう貴様は充分な準備を終えた───────」
「ここからどうすればいいかは───、貴様が一番分かって居るだろう?──────」
自分は───────────────
「───────────────は.......」
あの子を助けたい──────────
あの親子を───、助けたい──────
彼らの傷を───癒したい────
「..................................」
さぁ──────────────────
覚醒せよ────────────
革命の刻だ!!!───────
「────────────」
ふっ....と───、何かが少女の前を通り過ぎた。
涙目の少女では、その姿は止まっていてもよくは見えていないだろうが──────
確かにそれは、親子を助けたのだ。
獣の四肢がちぎれ飛ぶ───、ちぎれ飛んだ箇所からすり潰されたように塵になる───。
その体に纏っていた鎖は、気づけば粉々に砕かれていた───。
取り巻きも長も関係なく、ただ安寧を願う拳の暴力によって粉砕される──────。
それは───、齎される
◆◆◆◆◆
「...................大丈夫?」
意識がなんとなくはっきりしてきたところで、目の前に心配そうに手を差し伸べている、綺麗な人が居た。
男の人のようにも見えるし、女の人のようにも見える。俗に言う中性的な顔立ちと体格をした、とにかく物凄く綺麗な人が居た。
「ふぇ....?えっと..........あっ!」
しばらく惚けてしまっていたが、ようやく先程までの自分の危機的状況を思い出す。
「あ、あのっ....えっとっ....!おとうさんが魔獣に襲われて....!庇ってくれたのに動けなくて....!でも助けを呼びに行かなくちゃ行けなくて....!それでも村の大人でもどうしようもないかもしれなくてぇ..........」
「...................そう。庇ったという風に感じているんだな、君は。それならその方がいい」
「..........?」
未だに落ち着かず、しどろもどろになりながら状況を伝える。早く逃げなければ、自分どころか父親、それに目の前のこの人も危ない。
うまく働かない頭を必死に回転させて、次の言葉を探すも.......ふと、違和感に気づく。
そもそも自身が今こうして無事なのはなぜだろう?
魔獣の気まぐれで見逃された?いや、違う。
確かに自分は目の前で、魔獣が一匹残らず倒されたのを見た。それも、目の前のこの人によって。
父は解放されて、何かこの人がしていたはずだ。
「あっ....あの!おとうさんは....?おとうさんが!!」
すると、目の前の綺麗な人に抱きしめられる。咄嗟なことで身動きが出来ないまま、しかしその人は優しく背中を撫でてくれる。
「.......落ち着いて。....大丈夫、君の父は自分が治した。もう命に別状は無い。だから安心して.......」
こちらを宥めるような優しい声。思わず知らない人なのにも関わらず心を許してしまい、体を預けてしまう。気づけば自身の身体の震えは止まっていた。
少し顔を動かして自らの目線の先を見れば、服はまだボロボロだが、傷は完全に塞がっていて、横になって寝かされている父の姿がある。
我慢していた涙が、さっきよりは勢いはなく、目から少しだけ零れ落ちる。
「うぅ....ありがとう....ございます....!おとうさんとわたしを助けてくれて....!」
「構わない....無事で良かった。なにより.......こちらこそありがとう」
「....ぇ?」
「.......何でもない。それより、身体の具合いはどう?どこか怪我はしてない?」
「あ....えっと、大丈夫です!もう平気です!
お兄.......お姉さ.......?えっと、あなたが助けてくれたので!」
そう伝えるとその人は、少しだけにっこりと微笑んで私の右腕に触れる。その手はとても暖かい。
「なら良かった。....けど、右腕のここ、怪我してる。多分、擦りむいた....。今治すから動かないでいて」
「えっ??わ、わかりました」
治すとはどうするのだろう。そもそも父もどうやって傷を治したのだろう?
「....『清浄の願い』《
「わっ....!?」
まさか魔法を使われるとは思っていなかった。初めて見る、清らかな力を感じるそれは、自身の僅かな傷でも悉く治していく。
「うわぁ....!すごいすごい!もしかして魔法使いさんなの!?だからあいつらも倒しちゃったんだね!!ほんとにすごい!」
自分でも驚くぐらいに目の前のその人に感謝を込めた賞賛の言葉を投げかける。でも、その人は何処か驚いたような表情をしていた。
「.......ふふっ。そうか....なるほど....。うん、そうだよ。自分は魔法使いなんだ。だからあいつらも倒しちゃったのさ。悪い奴らから君たちを守る為にね?」
魔法使いさんがどこか恥ずかしさと自慢げな雰囲気を出しながら自身に語りかけてくる。魔法と言えば、姉の友達のンフィー君のことを思い出す。
「あのねあのね!私の村にも偶にンフィー君って言う魔法を使える人が来るんだよ!えっーとたしかー....ダイイチイカイ魔法って言ってた!」
「.......?へぇ....そうなんだ。
教えてくれてありがとう」
「うん!えへへ....。....あっそういえば!」
「....?」
そういえばここに来た時の目的の木材は何処だろうか。確かこの辺に落としてしまったから、拾って村に戻らなければ。急がないとまたあいつらが来るかもしれない。
この人は強いかもしれないが、かと言って安全な保証はどこにも無いし、父も村へ運ばないと行けない。
「あ、あの....えっとぉ....」
「ん....ああ、問題ない。この人は背負って行くから。ついでにその木材も自分が持っていくよ。
....っしょ。これでいい?」
凄い。何も言わなくても分かってしまった。目線を辿っただけで把握したのだろうか?とにかくこれなら村にすぐ戻れる。早く行こう。
「村までの道のりはさすがに分からないから....。教えてくれる?」
「うん!任せて!こっちこっち!」
................
こうして、一人の少女とその父親は無事助けられて、哀れな悪霊犬も浄化された。
片方が父親を担ぎながら、二人は村への帰路に着く。
そういうわけでこの世界―オーバーロードにおける転移後世界―に、またひとりの超越者が降臨した。
それは世界を変える物語。その序章。哀れな絶望に満ちた世界を嘆くものにより、本来降り立つはずの魔王に対して喚び出された、揺り戻し以外でここにやって来た
果たしてこれがどんな結末を齎すのか。
それは
◆◆◆◆◆
しばらく歩くと、森を抜けてとある村に辿り着いた。
そこはなんともTHE・開拓村、といった感じの村である。
まぁそんなことはどうでもよい。一先ず少女―ネム・エモット―を無事に送り届けられたので一安心だと、
特に誰に言うわけでもなくその者は思う。
「....ネム、誰か知っている大人を呼んできて。それで簡潔..........かんたんでいいから事情を説明してきて」
「うん!分かったよ!魔法使いさん!」
ネムは素直に、近くの家に居ると思われる大人を呼びに言った。簡潔に頼んだつもりではあるが、ちゃんと出来るだろうかと、らしくない心配をする。
とりあえず、今背負っているネムの父親を丁寧に下ろして、抱えている木材も置く。
これで大丈夫だと思いつつも、一応警戒は怠らない。
明らかにこの森には似つかわしく無い雰囲気を醸し出していたあの魔獣達に、些か疑惑の念を覚えながらも、しかしこの森の生態系について詳しく把握している訳でもないので、気にするのは後回しにする。
それよりも、目下の問題はあの前からやってきているネムが連れてきた大人達である。見たところ3、4人程いるが───面倒な事にならなければいいが。
「あ、あの....あなたがネムが言っていた方ですか?主人と娘のネムを助けてくれたと....」
「.......ああ、そうだ。魔獣に襲われていたので、助けただけだ。それ以外には何も無い。....怪我は治療したが」
「ほ、本当に──────ありがとうございました!ああ、あなたが居なければどうなっていたことか....。危うく二人とも命を落として二度と会えなくなるところでした....!重ねて感謝させて下さい!ありがとうございます!」
「..........ああ」
村人に感謝されている。
まぁ面倒な事にならないのなら、それでいい。と、そんなことを考えているが、その後さらに彼らの後ろから、この村の村長がやって来る。
「おお、これはこれは。どうやらその家族を助けていただいたようで....。村の者を代表して、お礼を申し上げます。ありがとうございました」
「.......早く運んでやるといい。処置はしたし、確実に傷は塞がっているだろうが....、地べたで寝かせたまま野ざらしで雨風にでも当てられれば、風邪をひく」
「おお、それはその通りですな。では皆の者、彼を家まで運ぼう。ふむ....。魔法使い殿も、我々と一緒に村に来られなされ。迷惑でなければ、是非ともこのお礼はさせていただいたきますとも。」
正直面倒なので断りたいと思っているが、先程から抱きついてきて下から見上げているネムが、物凄く期待した眼差しでこちらを見てくる故に、断りずらい....。と、魔法使いさんは思っている。
「......................(こく)」
「おお、それでは是非、村でおもてなしをさせていただきます。こんな村なので些細な礼しか出来ませんが、出来る限りのことはしてみせますとも。」
「やったぁ!魔法使いさん!こっちこっち!来て!」
ネムの父親を安静にベットで寝かせた後、村長達が先に行き、自身もネムに引っ張られて村の中心部へと向かって行く。
選択肢を間違えたかもしれないと考えながら、魔法使いさんは手を引かれて行った。
◆◆◆◆◆
「え!?ネムとお父さんが!?」
「そうなんだよ....って落ち着けって!待て待て!
ちゃんと助けられたんだと!だから急に走り出すなよ!」
「あ....、ご、ごめんなさい....つい。」
「まぁ....気持ちは分かるけどな....」
カルネ村の村娘―エンリ・エモット―は今日、農作業を村でしていたら、唐突に自身の家族が危険な魔獣に森で襲われたという話を聞かされていた。
焦燥に駆られて、すぐ様駆け出そうとするも....他の村人に止められて、事情を再度説明される。その後で、ようやく自分が急に走りだそうとしたせいで、泥で隣の村人ごと汚れてしまったことに気づく。
「うぅ....本当にごめんなさい....。」
「いや、もういいって気にするな!それよりほら、エンリちゃんもその服汚れちゃっただろ?家族が心配だろうし、着替えるついでにあっちに行っておいでよ。後はこっちでやっとくからさ。」
「はい....!ありがとうございます!」
お言葉に甘えて、着替える為にその場を離れる。あの人には悪いが確かに家族が心配だし、今回は押し付けさせてもらおう。代わりに今度何かあった時は私が変わらなきゃ。
他の人に聞く限り、どうやら命に別状は無く、大した怪我もしていないようなので、ひとまず落ち着いて服を着替える。
もちろんちゃんと着ていた服をある程度洗ってから、急いで家族が居る家に向かう。
走って向かったので、息は切らしつつもすぐに我が家に辿り着いた。どうやら普通に家のベットで寝かされているらしい。
すぐに扉を開け、寝ているらしき二人は起こさない位の声量で声をかける。
「あの!すいません!ネムとお父さんは....あれ?」
すると視界には、元気そのものなネムと、寝ている父の姿があった。そしてそのベットの横には、この村では見かけない、とても綺麗な人が椅子に座っていた。
一目見てわかるその美しさは、自分の知らないどんな宝石より勝るだろうという感情を抱かせる。髪色は少し明るい緑色で、肩にギリギリつかないくらいまで伸びている。瞳はまるで翡翠のようにも見える。
少し大人しめの、ところどころお洒落なのか何なのかよく分からない服―現代で言う神職の者が着る白装束が、ところどころ若干丸く切り取られたような穴が空いていて、下に着ている緑色の布地の服が見えるもの。さらに同じく緑色の袴を履いているような格好―を纏っていて、なんだかどこか神秘さも感じさせる。
何より本人の落ち着いているミステリアスな雰囲気に、まるでこの場が飲み込まれるような気がして、自身の息を飲む。
しばらく見とれていた後、はっとして目の前の人物に言葉を発する。
「あっ....えっとすみません。あの!もしかして貴方が私の家族を助けてくれた方ですか?」
すると今度は向こうがなんだか納得したような表情をしながら、こちらを見てくる。
「.......やっぱり姉妹....。ふふっ....なるほど....」
「あ!おねーちゃん!おかえりなさーい!」
「....お帰りなさい。エンリ・エモットさん?」
「あっ....?えっと....はい!エンリ・エモットです!」
「ごめん....からかったわけではないよ....。
改めて、君達の父親とネムを助けたのは確かに自分だよ。もう怪我の手当は魔法でしたから大丈夫。すぐにでも目を覚ます」
「魔法で....!そうなんですね。ありがとうございました!」
改めて感謝を伝えておく。それにしてもこの人は凄い綺麗な人だな、と思う。一体どんな人なんだろうか。
「あの!不躾かもしれないんですが....貴方は冒険者さんなんでしょうか?魔法を使える見たいですし」
「....その前に少し聞きたい。このせか.......この辺では、魔法は一般的?皆が使えるもの?」
「へ....?えっと....いえ。この村では魔法を使える人は居ません。偶に村に薬草取りに来る私の友人の薬師の男の子が、魔法を使えた気がします!それ以外には少なくとも私やネムは見たことは無いですね。他の人達も同じだと思います」
すると魔法使いさんは顎に手を当てて、しばらく考え込んでから答えた。
「....わかった、ありがとう。もしその子がこの村に来たら教えて。魔法が使える人間が居ると分かれば多少は気になるだろうし。それで....自分はその、冒険者とやらじゃない」
「そうなんですね!それなら....どうしてこの村に?もしかして、ンフィーの知り合いですか?薬師の方だったり?」
「..........いや、実を言うと....あまりこの辺りには詳しくないから、事情を説明しずらい。もし良かったらこの辺のことを教えて欲しい。
自分のことは....「魔法使いさん!」まぁ....それでも良いし、旅人とでも思ってくれればいい」
慌てて割り込んだ妹を止めて、魔法使いさん....もとい旅人さんに謝る。
「す、すみません。こらネム!」
「ああ....気にしないでいい。こういう方が楽だから。君もそこまで畏まる必要は無い。命の恩人相手に恐縮するのが分からないわけではないけれど....」
「は、はい!じゃあそうしますね!」
「ねぇねぇ、魔法使いさん!もっと色々話を聞かせて!私の話も教えるから!」
妹が、満面の笑みで旅人さんに話しかけている。どうやら相当懐いたらしい。確かにこの人は何か落ち着く包容力を持っている。
「.......いいよ....。それならエンリも入れて三人で話そうか....。ネムのお姉さんだったら色んな事を知ってるかもだしね?」
「うん!ふふふ....お姉ちゃん良かったね!」
「うん。そうだねネム!」
なんとなくこの人はネムに対する物腰が私と違って柔らかいような気がする。少しだけ悔しいけれど、子供への接し方は中々なもののようだ。
とはいえ、私も邪険にされている訳ではなく、きちんと誘ってくれているから、どちらかと言えば好かれている方なのかもしれない。というのは思い上がりかもしれないが。
「よいしょっと....あ」
「....ん?」
椅子に座って、丁度旅人さんと対面になる様な形で向き合う。ベットは挟んでいるが、先程よりもより近くで見れているおかげで、その美しさが余計に際立って見える。思わず、口から感想が零れてしまう。
「綺麗....」
「」
「あっ!そうだよねー!私も言おうとしてた!魔法使いさんってすっごい綺麗だよねー!」
「」
しかし少ししても旅人さんは口を開かないし、なんだか固まって身動きを全くしていない。
「あ、あれ!?旅人さん?旅人さーん!?」
「あはは!面白ーい!」
「」
そんな彼女達の笑い声が響く中、段々と夜が近づいていった。
しばらくして、村を上げてのほんのささやかなお礼としての祭りのようなものが開かれた。と言っても豪勢な食事は程々に、少しだけ質素な歓迎に、村長は申し訳無さそうだったが、お礼されている当の本人は、とても嬉しそうな雰囲気を醸し出していたという。
今回から別sideになります。
少し短めの話になってしまいました。キリが良かったので....。
そういえば時間帯ってどの辺に上げたら良いんでしょうね....。
一応0時台が良いんでしょうか....。
投稿頻度
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一話ごとは短め、投稿間隔は早め。
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一話ごとは長め、投稿頻度は遅め。