神滅《かみごろし》の三王の異世界進行録   作:不浄皇

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お待たせいたしました!そして遅れながら新年明けましておめでとうございます!
それではどうぞ。


平穏の終わり

 

 オリ主Bサイド

 

 

 月曜日。それは、一週間の始まりの日であり、一部の恵まれた奴(リア充)か、重度の仕事人間(ワーカーホリック)以外は前日(日曜日)を名残惜しんで朝からため息を吐くだろう、そんな1日だ。

 

 

 「ったく、面倒くせぇな」

 

 もっとも、今俺はまったく別の理由でテンション駄々下がりな状態だ。

 

 「うぅ、ぐっ、オエェ…」

 

 「いっでぇええ……いてぇえよぉ…」

 

 その原因が、現在地べたに転がっている五人のガラの悪い男達(アホ共)だ。

 何故こんなことになっているかというと……

 

 

 「おーいハジメ、終わったぞ!」

 

???

 「う、うん」

 

 そう言って物陰から出てきたのは、中肉中背の俺と同じ制服を着た気弱そうな男子生徒だ。

 

 

ハジメ

 「助かったよ暁君……でも、彼らは大丈夫なの?」

 

 「一応加減はしといたし、しばらくしたら起きんだろ?」

 

 端から見れば死屍累々だが、一人は腹パン(ボディーブロー)一発で沈め、もう一人は右腕の関節を外し、残りは顎を打ち抜いて終わらせた。そこまで酷いケガも無いし、放置でも問題無いだろ。

 

 

 「…たく、朝っぱらからチンピラに絡まれるって、お前何したんだよ?」

 

ハジメ

 「知らないよ!学校へ向かってたらいきなり現れたんだよ!名前聞かれて、『違います』って言ったのにそのまま路地裏に連れ込まれたんだ!」

 

 「…そりゃまたお約束(ドテンプレ)な流れだなぁ。よかったじゃねぇか、貴重な体験ができて」

ハジメ

 「こんなテンプレは御免被るよ!!」

 

 

 そんな感じで何時もの様なノリで会話をしていると、関節を外したリーダーらしき男が話掛けてきた。

 

 

 「あ…暁?……ひょっとしてお前、"暴風"の『五十嵐 暁(いがらし あきら)』か!?」

 

 「…その異名、まだ使われてんのかよ?」

 

 敢えて否定せずにうんざりしながら答えると、男はポカンとした表情から怒りで顔を歪ませる。

 

 

 「…クソ、ふざけんなあのガキ!!標的(ターゲット)に"暴風"が付いてるなんて聞いてないぞ!?」

 

 「…ほぉ?」

 

 それを聞いた俺は、そいつの首根っこを掴んで宙吊りにする。

 

 

 「ぐえぇっ?!」

 

 「…つまり、テメェらはそいつに依頼されてハジメ(コイツ)を襲ったって訳か。そのバカのこと、詳しく聞かせてくれねぇか?」

 

 「ヒ、ヒギィイイ!?」

 

 まぁ、大体は想像がつくが、確信を得る為に敢えて聞い(脅し)てみようとした時だった。

 

ハジメ

 「ちょっ、暁君マズイよ!?」

 

 「心配すんなハジメ、やり過ぎないように

善処すr…

ハジメ

 「そっちじゃない時間だよ!HR(ホームルーム)までもうあと30分切ってるぅ!」

 

 「…ってうぉい、そっちかよ!?」

 

 マズイ!ここから教室へ向かうとなると、全速力で走らないと遅刻(アウト)じゃねぇか!?

 

 

 「フギャアア?!!」

 

 「あぁ、言っておくが、警察(サツ)にチクるのは止めといた方がいいぜ?お前らがコイツ(ハジメ)を路地裏に連れ込むまでの一部始終をスマホで録画しておいたからな」

 

 リーダー格の男をそのまま投げ捨てながら忠告した俺は、ダッシュでその場を立ち去った。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 さて、こんなタイミングではあるが自己紹介をさせて貰おう。

 

 俺の名前は『五十嵐 暁(いがらし あきら)』。

 某所のとある高校に通う、何処にでもいるごく普通……とは少し言い難い16歳の高校生だ。

 性格は……さっきのやり取りを見て大体察しが付く様に、他人と比べると行儀の良い(大人しい)人間ではない…とだけ言っておこう。

 

 

 「ダァアアアアチクショウ!!只でさえ月曜の朝(休み明け)でタルいってのにツいてないぜ!」

 

ハジメ

 「悪かったね!僕だって今朝は徹夜明けで辛いんだ!!」

 

 「どうせまた徹ゲーとかだろ?懲りないなぁ~お前はよぉ」

 

ハジメ

 「違うよ!昨日は今日の夜明けまで母さんのアシスタントだよ!!締め切りが今日までだったんだ!」

 

 

 …っで、さっきから駄弁っているコイツは『南雲(なぐも) ハジメ』。俺とは幼少の頃から付き合いのある、幼なじみ兼腐れ縁といった関係だ。

 性格は、良く言えば荒事を嫌う平和主義者。悪く言えば気が弱いヘタレ。そして自他共に認める生粋のオタクだ。

 

 

 「あぁ~、悪かったよ。んで御愁傷様……って、そんな事言ってないで走れ!マジで遅刻するぞ!!」

 

ハジメ

 「ちょっ、待ってよぉ!」

 

 そんな感じで俺達は学校まで全速力で走って行った。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 「オッシャア、ギリギリセーフ!」

ハジメ

 「ま、間に合ったぁ……」

 

 

 全速力で走ったおかげか、俺達はHR開始の5分前位に教室へとたどり着いた。

 

 

 「………………」

 

 

 ……が、扉を開けた途端、俺達二人を出迎えたのは、既にいた殆どのクラスメイトから一斉に注がれる、嫌悪や侮蔑、そして敵意等を多種多様に含んだ強烈な視線だった。

 

 ただ、俺に関してはこれは仕方ないとある程度割り切っている。…というのも、俺は中学生の時に地元で騒がれる程の大事をヤラかして、警察に厄介になった過去があるのだ。その為現在俺は、"地元最凶の不良"というレッテルを貼られ、学校では()()を除いた教師と生徒から蛇蠍の如く避けられている。

 

 一方ハジメはというと、これがなかなか複雑な事情を抱え込んでいるのだ。

 はっきり言って、ハジメの授業態度はあまりにも良くない。毎度遅刻ギリギリで登校するし、授業中に居眠りなんてザラだ。

 だが、それだけでこれほど敵愾心を持たれるのかというと、答えはNoだ。

 

 

 

香織

 「()()()君おはよう!今日も時間ギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

 そう言いながら近づいて来たのは、並大抵なアイドルなんかよりも遥かに整った容姿をした黒髪ロングの清楚系な美少女だ。

 コイツは白崎香織。

 その美貌に加え、穏やか且つ優しい性格も相まって、学年や性別を問わずに絶大な人気を誇るマドンナ的存在だ。

 

ハジメ

 「…お、おはよう、()()さん」

 

香織

 「…むぅ、名前で(『香織』って)呼んでって言ってるのに…」

 

 名字で呼ばれたことが不満なのか、白崎は拗ねたようにプクッと頬を膨らませる。

 

 

 

 ……ざわざわ(オイ、コラ)

 

 

ハジメ

 「あ、あはははは…」

 

 そんな二人のやり取りに対し、クラスの大半の男子生徒(やろうども)はハジメに向けて、これでもかと言わんばかりの殺気を飛ばし、一部の女子からは侮蔑を孕んだ眼差しが向けられる。

 

 そう、この白崎香織こそ、ハジメが敵視されているもっぱらの原因だ。

 

 基本的にコイツは誰にでもフレンドリーに接してくるのだが、ハジメに関しては特に積極的に世話を焼いてくる。それはもう端から見れば新妻のように甲斐甲斐しくだ。しかもさっきみたいに名前で呼び合おうとする等、距離もガンガン詰めようとしてくる。

 対してハジメは、一応身なりはキチンと整えてはいるが、容姿は至って普通だ。授業態度にしても、『趣味の合間に人生』を座右の銘としているコイツは、オタク趣味を中心にした生活を頑なにしている為、改善する気は一切無い。…まぁ、それには将来設計も含まれており、その熱意と日頃の努力のおかげか、それぞれの両親の職場(父親がゲームクリエイター、母親が少女漫画家)では、学生でありながら即戦力して扱われる程の技術レベルだそうだ。

 要するに、そんなオタク(ハジメ)に、人気者の白崎が親しくしていることが、他の男子(やつら)からすれば面白くなく、女子は一向に改善しようとしないハジメに不快感を感じて、この現状が出来上っているって訳だ。

 

 

 

 

香織

 「あ!五十嵐君、おはよう!」

 

 「……おはようさん、白崎。()()()気づいてくれたようで良かったよ」

 

ハジメ

 「ちょっ?!」

 

 ざわわわっ(はぁ、てんめぇ)!?

 

 

 ……ギロッ(あぁ?)

 

 ……っ?!!

 

 

 …おまけにコイツ、普段は視野が広くて空気を読めるタイプなんだが、ハジメに関わるとそれらの機能が一気に低下する。そのせいで現在ハジメが置かれている状況にまったく気づいていないのだ。

 …ちなみに、今回は気づいてくれたが、さっきと同じ状況だと、だいたい3分の2の確率で俺には気づかずに去っていく。

 

香織

 「あ、あはは…ごめんね?」

 

 「別にいいよ。もう馴れた」

 

 …まぁそれでも、一向に白崎が悪いとも言い切れない。大半はハジメの自業自得だということもあるが、何よりも白崎の内心をある程度察していれば仕方ないと思えてしまうからだ。

 

 そもそも何故白崎はハジメのことをここまで気に掛けるのか?それはズバリ、ハジメに惚れているからだ。

 もっとも白崎自身、自分の気持ちに気づいていないし、ハジメもまさか、学園のマドンナがオタクの自分にゾッコンなんて思ってもないだろう。

 

 

 

光輝

 「…香織、また彼の世話を焼いているのか?」

 

 

 そこへ、二人の男子が近寄ってきた。一人は茶髪のイケメン、もう一人は二メートル近くある筋肉ゴリラだ。

 

 

ハジメ

 「…あ、おはよう天之河君、坂上君」

 

 ハジメが挨拶するとイケメンこと、天之河は挨拶は返さずにハジメに非難の眼差しを向けながら説教し始めた。

 

 

光輝

 「南雲、いい加減に日頃の態度を改めてろ!香織だって君に構ってばかりはいられないんだ。何時までも彼女に迷惑を掛けるんじゃない!」

 

 

 

香織

 「っ?光輝君、何言ってるの?私は、私がハジメ君と話したいから話してるだけで、迷惑なんて思ってないよ?」

 

 

ハジメ

 「……oh」

 

  ざぁぁわぁぁわぁぁ~(キィィサァァマァアアア)!!

 

 

 ……うぉぉい、白崎さ~ん?今日も絶好調で爆弾ブッ込んでくんなぁ、オイ?

 ちょっと周り見てみ?野郎共(だんしたち)の嫉妬の炎で教室が大火事だよ?ハジメ、もう頭押さえちゃってるよ?

 

 

光輝

 「え?……あぁ、本当に香織は優しいよな」

 

 

 …そしてこっちも平常運転(何時も通り)かよ…。

 こいつは天之河光輝。

 パッと見た感じだと爽やか系王子様キャラで、正義感の強い善人であるのは間違い無いんだが、思い込みが激しくて自分の行いが絶対に正しいと信じ込んでいる上、さっきのように都合が悪くなると、自分が良いように解釈する等、はっきり言ってアホだ。白崎とは幼馴染みの関係だが、他の奴らと同様……いや、()()()が原因で若干それ以上に俺とハジメを敵視している為、ことある毎にこうして噛みついてくる。

 

 

光輝

 「それと、五十嵐!」

 

 「…って、今度は俺かよ……何だ、天之河?」

 

光輝

 「お前、さっきの香織に対する態度はなんだ!?彼女に対して失礼だろ!」

 

 「あぁ~そうだな、確かに少し言い過ぎたわ。ワリィな、白崎」

 

光輝

 「お前!…

香織

 「あっ、大丈夫だよ。全然気にしてないから」

光輝

 …いや、香織!?」

 

 言っておくが、俺と白崎はとある理由でそこそこ友好的な関係を築いており、だいたいいつもこんな感じのやり取りをしている。

 

 

龍太郎

 「……光輝、もうその辺にしとけ?ソイツらに何言っても無駄だって」

 

 

 …で、割って入ってきたこの筋肉ゴリラは坂上龍太郎。天之河の親友で、外見どおりの脳筋だ。

 

 

光輝

 「止めないでくれ龍太郎!今日という今日はもう我慢の限界だ!」

 

龍太郎

 「いつもの事だろ?そのセリフ、前にも言ってたじゃねぇか……香織もあんまソイツらに構うな。だから光輝が機嫌悪くすんだよ」

 

香織

 「っ?別に光輝君には関係無いでしょ?」

光輝

 「ちょっ、香織?!」

 

 

 …で、坂上(コイツ)も俺達の事を良く思ってない…が、基本的には無視とかでまだマシな方だ。現に、俺達には話掛けずに、二人の相手をしているしな。

 

 

???

 「ハイハイハイ三人共、そこまでにしとこ?」

 

 「…南雲君、五十嵐君おはよう。朝からごめんなさいね?」

 

 

 …そこへ更に二人の人物が現れた……が、その内の一人に、俺とハジメは思わず驚愕と歓喜で声をあげた。

 

 

暁・ハジメ

 「透織」君!?」

 

透織

 「やぁ、暁君、ハジメ君、久しぶり」

 

 

 コイツは白崎透織。白崎(かおり)の二卵性の双子の弟だ。

 白崎(あね)より少し高めの身長で、一般的な男子よりも細身の、華奢とも言える体型。肩甲骨の辺りまで伸ばした姉と同じ艶のある黒髪と彼女より少し色白な肌。そして白崎(かおり)を凛々しくしたような中性的な顔立ちが印象的な、THE・美少年だ。

 コイツもいわば“天之河組”の一員なのだが、色々と縁があって俺達ともけっこう仲が良い。

 

 

ハジメ

 「久しぶり!何時戻って来たの?」

 

透織

 「一昨日(土曜日)の夕方ぐらいかな?……あっハジメ君。ハイこれ」

 

 そう言って透織は手に持っていた紙袋をハジメに手渡した。中身は3ヶ月前に貸した、ハジメが厳選した大量のラノベだ。

 

 

ハジメ

 「わざわざありがとう。どうだった?」

 

透織

 「どれも面白かったよ。またオススメとかがあったら教えて?今度は自分で買って読むから」

 

ハジメ

 「お安い御用だよ」

 

 

 ハジメとの会話が終わったのを見計らい、俺も透織に話しかけた。

 

 

 「身体の方は大丈夫か?今回は随分長かったな?」

 

透織

 「あぁ、お陰様でね……いやぁ~、療養もなんだけど、一度精密検査しようって話になってさ?その後の経過観察とかで色々と時間がかかってねぇ。流石に出席日数がヤバいから、一旦退院してきたんだよ」

 

 

 聞いた話だと透織は幼少の頃から身体が弱く、入退院を繰り返している為、学校を休みがちだ。何でも生まれ付き心臓に少し障害があるらしい。

 

 

 「あんま無理すんなよ?ま、暇な時でいいから、(ウチ)に来いよ。一杯奢るぜ?」

 

透織

 「そうだね。女将さんにも挨拶しておきたいし、是非ともそうさせてもらうよ」

 

 あ、そうそう。言い忘れてだが、俺の実家は自営業で店を出してんだ。

 名前は“黄昏(トワイライト)”。昼はコーヒー専門のカフェ、夜はバーを経営している。

 

 

 

香織

 「むぅ~、ルーくんは名前で呼んでるのに…」

 

 「香織、アンタは少し遠慮しなさい……それと二人共、気持ちは分かるけど、私の事を忘れないでもらえるかしら?」

 

ハジメ

 「ご、ごめん八重樫さん」

 「ワリィワリィ」

 

 

 最後に苦笑しながら話掛けてきたのは八重樫雫。真面目で世話焼きな性格からか、天之河組のオカン……もといまとめ役(ストッパー)みたいなポジションについている。ちなみに白崎とは幼馴染み兼親友で、彼女とは違ったタイプだが、負けず劣らずなクールビューティー系美人だ。特に後輩女子からの人気は凄まじく、一部の熱狂的なファン(きょうしんしゃ)からは『お姉さま』と呼ばれ、崇められている。

 

 

光輝

 「おい五十嵐、南雲!まだ話は

???

 「そこまでにしておけ、お前ら」

 

 

 その時、天之河の言葉を遮るように声がかけられた。声のした方向に目をやると、そこにいたのは二人の男子生徒。一人は肩に掛かるぐらいの黒髪、精悍な顔立ちに眼鏡をかけた、スラッとした長身のイケメン。もう一人は浅黒い肌で頭髪をオールバックにした、俺や坂上と負けない程の身長のデ…ゴホン…肥満(ふくよかな)体型をした巨漢だ。

 

 

光輝

 「…何のつもりだ七彩路?邪魔しないでくれ」

 

???

 「天之河、言いたい事は分かるが、時間を見てみろ。もうすぐ朝のHRだ。いい加減席に着け」

 

 

 そう言ってため息を吐きながら、眼鏡を直しているのは俺達のクラスのクラス委員長こと、『七彩路 晴彦(しちさいじ はるひこ)』。

 成績は学年トップでスポーツも非常に(そっちは天之河には若干及ばないが)優秀、おまけに実家が“七彩路グループ”という大手企業グループを経営しているという。ここまで聞けば天之河と同等、もしくは上位交換にも聞こえるが、性格は生真面目でありながら冷徹、且つ高圧的な態度が目立ち気味で基本的に無愛想と、四角四面を絵に描いたような超堅物だ。その為、周りの奴らには好かれてはいないものの、能力の高さから一目置かれている。

 

 

光輝

 「いや、そういう訳にはいかないだろ!?…というかこの場合、クラス委員長の君が注意するべきじゃないのか!?」

 

晴彦

 「…生憎、俺も坂上と同意見でな?ソイツらに関しては、もう何を言っても改善の見込み無しと諦めているんだよ。お前も程々にしておけ?()()()()()()()に時間と体力を無駄に浪費するだけだ」

 

 …相変わらずこれでもかと言う程辛辣な物言いだが、改善する気が無いのを含め、ほぼ事実なので文句は言えない。実際一年の頃は天之河よりもコイツの方が口酸っぱく言ってきてたからな。

 

 ちなみに余談、というか蛇足だが、七彩路(コイツ)と天之河、そして透織のイケメン三人は、白崎と八重樫の美人コンビの異名、“学園の二大女神”にちなんで、“学園の三大王子”なんて呼ばれている。

 

 

???

 「………」(((-д-´。)(。`-д-)))《ポンポン》

 

光輝

 「…か、華山、君もか…?」

 

 …で、天之河の肩を叩きながら首を横に振るこの巨漢は『華山 信良(かやま のぶよし)』。

 …ぶっちゃけ、コイツについて語れることはあまり多くない。何故かというと、コイツは異様な程に無口で、恐らく入学してから誰も喋っている場面に遭遇したことがないと言われている程だ。今のところ解っているのは、七彩路の取り巻き、というかボディーガードみたいな立ち位置で、常に奴と共に行動している。意外と腕っぷしが立つらしいが、基本的に温厚な性格をしている為、こちらから手を出さなければ基本的に害は無い。

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

龍太郎

 「ほら光輝、チャイムも鳴ったし、席にもどるぞ?」

 

光輝

 「ちょっ、ま、わ、わかったから引っ張るな!」

 

 「…七彩路君、毎度騒がしくしてごめんなさいね?」

 

晴彦

 「…八重樫、謝罪は要らん。代わりに少しでもこちらの負担を減らす努力をしてくれ……あ、そうだ、()()

 

香織・透織

 「え、何?」

 

晴彦

 「……すまん、透織(おとうと)の方だ。退院したのは良いが、体調管理には気を張っておけ。次に長期入院したら、恐らく留年だぞ?」

 

透織

 「…あはは、それは困るな……わかった、気をつけるよ」

 

晴彦

 「…ならいい」

 

 七彩路がそう言ってさっさと自分の席に戻るのを皮切りに、挨拶もそこそこにして俺達も自分の席に向かう。そして席に着くと同時に担任の教師が到着、朝のHRが始まった。因みにハジメは俺の後ろの席で既に爆睡している。

 

 

 (…しっかし、退屈だなぁ、おい)

 

 学校へ向かい仲間と駄弁って、つまらない授業を聞き流し、終わったら家に帰って店を手伝ったりして1日を終える。悪くはないが、どこか物足りない日々の繰り返し。

 まさに“平穏”そのもの。この時の俺は、一生そんな感じで過ごして行くものだと思い、その事に軽く辟易していた。それは確かだ。

 

 

 

 だが、もしも過去に戻ることが出来るなら…

 

 

 (なんかとんでもない事件でも起きて面白いことにならないかねぇ…)

 

 

 

 

 そんな事を考えてる当時の俺(大バカ野郎)の横っ面を思い切りブン殴ってやりたかった。




以上になります。
流石に前作の丸写しはまずいと思ったので、視点を透織(透)から暁に変えてお送りしました。
因みに作中での透織・香織の呼称ですが、香織は前作と同じく“ルーくん”、透織は“カオちゃん”と互いに呼び合い、他の勇者パーティー(天之河組)メンバーはそれぞれ名前で呼び捨てにしています。
その他のクラスメイトは“白崎さん(君)”や“白崎姉(弟)”と、性別とかで呼ばれ方が変わります。


それではまた。
今年もよろしくお願いいたします。





ハジメのヒロインについて(ハーレムは確定)

  • 原作通り(某吸血姫様がメイン)
  • 香織がメイン(吸血姫様が挑戦者)
  • 両方(香織と吸血姫)いってまえ!
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