今回は前作の相違点として、ある人物を先行投入させて頂きます。
それではどうぞ!
Noサイド
透織
「ハジメ君、もし自由行動できるなら、どこに行きたい?」
ハジメ
「《モグモグ……ゴクン》…やっぱり、『ハルツィナ樹海』の奥地にある“亜人”の国には行ってみたいな。…ケモミミを見ずして異世界トリップは語れないよ」
情報収集に一区切りついた透織とハジメは現在、王立図書館の入口付近に隣接するベンチにて、休憩がてら雑談に興じていた。…ちなみに、ハジメは昼食も兼ねている。
透織
「う~ん、それはちょっと難しいかなぁ?…彼らの境遇を考えると、僕達を歓迎してくれるとは思えないよ…」
ハジメ
「……デスよねぇ~~」
現在トータスにおいて“
一つは、透織達と特徴の差が対して無い“人間族”。
もう一つはその人間族と敵対し、魔力と魔法適正が高い“魔人族”。
…最後に、
そして、この“亜人族”は所謂、被差別種族とされ、他の二種族から蔑まれている。
理由としては、彼らが魔法を使えないからだ。
トータス、もとい聖教教会の教えでは、現在使用されている魔法は元々、エヒト神を含めた神々がこの世界を創造するのに使った、“神代魔法”と呼ばれるものの劣化版とされている。故に人間族にとって魔法とは、神からの
そういった事情により亜人族は、『神々から見放された悪しき種族』と扱われていた。(魔人族もだいたい似たような扱い)なので基本的には、大陸の東側、南北に渡って広がる『ハルツィナ樹海』の深部にある自分達の国から出ることはなく、外にいる亜人の大半は奴隷とされている。
ハジメ
「暁君はやっぱり、アンカジ公国かな?
透織
「それもだけど本人曰く、その更の西の海にある『エリセン』にも行ってみたいそうだよ?『そこで海の幸を腹いっぱい堪能したい』だって」
ハジメ
「あはははは!暁君らしいなぁ~。…でも、それなら僕も行ってみたいなぁ」
透織
「っ?…ハジメ君も海鮮料理目当てで?」
ハジメ
「それもあるけど、どちらかというと“海人族”が目的かな……ケモミミがダメなら、せめてマーメイドを見てみたいなぁ~…」
透織
「…ハジメく~ん?鼻の下、伸びてるよ?」
ハジメ
「っ!?……お見苦しいものを、お見せしました」
引きつった笑みを浮かべるハジメに、透織も思わず苦笑いになる。…同時に内心で、この場に
『エリセン』とは先述した通り、アンカジ公国の更に西側の海の沖合いにある“海人族”の町である。
この“海人族”も亜人族の一種であるが唯一の例外として、むしろ王国が公として保護している。
…もっともその理由は、種族的な特徴として、水中での行動が得意な彼らが獲る海産物が目的という、なんとも現金なものではあるが……。
透織
「……まぁ結局、グリューエン大砂漠を越えないと行けないから、それも難しいんだけどね。…あと亜人族を見たいなら、“帝国”に行くしかないんじゃないかな?」
ハジメ
「…そうなんだけど、流石に奴隷扱いされているケモミミを見て平静でいられる自信はないよ」
透織
「……だよね、ごめん」
“帝国”とは此処、ハイリヒ王国から東に位置する『ヘルシャー帝国』のことで、およそ300年前に起きた魔人族との大規模な戦争の中、とある傭兵団が興した新興国だ。経緯が経緯なだけあってかこの国は、弱肉強食且つ実力至上主義を掲げるガチガチの軍事国家であり、『亜人だろうがなんだろうが使えるものは使う』という思想の下、亜人族の奴隷とそれを扱う奴隷商人が多く存在する。
ハジメ
「…ところで、透織君は何処か行きたい所はあるかい?」
透織
「僕?…う~ん、行きたい所はともかく、”やりたい事“はあるかなぁ」
ハジメ
「やりたい事?聞いても良いかな?」
一瞬透織の頭に、
…なので、それっぽい事を代わりに思い浮かべた。
透織
「かなり昔に出た本で、男の子とドラゴンが冒険する話があるんだけど、ハジメ君知ってる?」
ハジメ
「あぁ~、それって、縞模様でミカンの皮が好物なドラゴンが出てくるのだよね?」
透織
「そうそう!僕、子供の頃あのシリーズが大好きで、よく読んでたんだよ」
幼少期の頃、今よりも更に身体が貧弱だった透織は、その大半を病院か自宅のベッドの上で、主に読書をして過ごしていた。
そんな中、特にお気に入りだったのは、先程も言った竜と少年の冒険を描いた物語だ。児童向けの作品だったので内容はありきたりだが、当時の透織にとっては驚きと感動に満ち溢れており、何度読んでも飽きる事は無かった。
透織
「…だからなのかな?僕、ドラゴンにちょっと憧れがあってさ。一度で良いから会ってみたいんだ。…そして出来るなら背中とかに乗って、一緒に空を飛んでみたいんだ。……ちょっと子供っぽいかな?」
ハジメ
「そんな事ないよ。『ドラゴンに乗って異世界の空を飛ぶ』なんて十分ロマンだ!僕だってやってみたいよ!……あ、でも確か……」
透織
「……うん、
正確には“竜人族”という、亜人や魔人とはまた別の種族で、普段は人と変わらない姿をしているが、一時的に
だがそんな彼らは、500年程前に突如として、自分達の国ごと滅んでしまったそうだ。詳しい理由はわかっていないが聖教教会曰く、『人とも魔物とも捉えられない半端者なうえ、エヒト神どころかどの神も信仰しなかった為、神々から神罰が下った』とされている。
ハジメ
「はぁ~、せっかく異世界トリップしたのに、やりたい事なんて、何にも出来ないなぁ…《ハグッ、ングング》」
透織
「…まぁ、それは仕方ないよ。異世界に居ようがどこに居ようが、人生なんて自分の思い通りに成る事なんてないんだからさ?」
ハジメ
「《ゴクンッ》……うん、ごもっともな意見です。…あ、透織君もコーヒー飲む?」
透織
「うん、いただきます」
そんな会話をしつつ、二人は
ハジメ
「……ぷはぁ!さて、ちょっと時間は早いけど、そろそろ戻ろうか?」
透織
「そうだね。…あ、ハジメ君。向こうでカオちゃんに会ったら、サンドイッチの感想とお礼、ちゃんと言ってあげてね?」
ハジメ
「……あ~、うん。わかったよ…」(……周りに誰も居ない時に、こっそり言おう)
そして二人は立ち上がり、 その場を後にしようとした時だった。
斎藤
「……オイ、アイツら別れる気配、全く無いぞ?」
中野
「どうすんだよ?いきなり計画崩れてんじゃねぇか!」
…王立図書館の門の付近から、何やら話し声が聞こえてくる。…本人達は隠れているなつもりの様だが、大分離れたこの場からも聞こえる程の音量だった。
近藤
「…なぁ大介?今回は一旦、出直しして…
檜山
「あぁ!?腑抜けたこと言ってんじゃねぇ!!このまま行くぞ!」
そんな怒鳴り声と共に、檜山を筆頭にして小悪党組が門の陰から出てくる。その様子に透織とハジメは揃って心底嫌そうな顔になる。
透織
「……何のようかな、檜山君?」
檜山
「っ!…あ~、白崎。ちょっっっと南雲に用事があるからさ?お前は先に行っててくれよ?」
透織の態度が癪に触るが檜山は、馴れ馴れしい笑みを浮かべつつ、透織を退場させるよう促した。
透織
「…ごめん。休憩前に七彩路君に、『次の訓練が始まる前に
…だが透織は(嫌そうな)表情を変えずに、真っ向から檜山のを拒否した。
檜山
「っ!!……いや、あの白崎?別に大した用じゃないからすぐ終わるし、何だったらその後、俺達が七彩路のとこに送っていくからさ?……だから、黙って
そんな透織に檜山は一瞬、怒りで顔が歪むものの、なんとか笑顔を維持し、最後は若干威圧を込めて再び透織に催促する。
透織
「……悪いけど、
檜山
「…っ!!!」
……が、透織は態度を崩すことは無く、それどころか小悪党組を無視して立ち去ろうとする。
透織
「…行こう、ハジメ君」
ハジメ
「と、透織君、その…
透織
「大丈夫だよ。こんな明るい時間且つ人目につく場所で
ハジメ
「…それもそうか」
この状況にハジメは一瞬戸惑うも、透織の意見を聞いて納得し、透織の後に続く。
…そう、透織の言う通り、
……そう、
檜山
「……あぁーーハイハイ、良ぉ~~く判りましたよ白崎。……お前が俺らを舐めてンのがなぁ!!」
ドガァア!!
透織
「っ?!!かはぁっ!!」
ハジメ
「透織君!!?」(…っ!!しまった!!)
突如、檜山が罵声を上げながら、透織を背後から思い切り蹴りつけた。それにハジメは驚くと同時に、檜山の悪癖と性質を忘れていた事に今さら気付いた。
ハジメ
「待って檜山君!僕の事は好きにして構わないから透織君は…《ドゴォ!!》…ウグゥッ!?」
檜山
「ウルセェんだよ、このキモオタがぁ!!お前ごときが俺に指図してんじゃねぇぞ!!」
慌てて身代わりになろうとするハジメを、腹蹴りして黙らせる。
近藤
「ちょっ、大介ぇ?!お前、『狙うのは南雲だけだ』って言ってだろ!?」
檜山
「予定変更だ!どうやらコイツにも、一度自分の立場ってやつを教える必要があるみたいだからなぁ?」
近藤
「バッ、ちょっ、落ち着け!流石に
檜山
「……大丈夫だ礼一。むしろ今、良い事思い付いた。…だから、もう余計な口出ししてくんじゃねぇぞ?」
近藤
「っ!?……」
…宥めようと近藤を檜山は、言葉と共に威圧を掛けて黙らせる。
中野
「礼一、大介の言う通りだ。…今のは俺もカチーンとキたわ~」
斎藤
「そうだぜ!つーか、南雲もさっきの態度からして、五十嵐が常に側に居るからって完全に調子乗ってんだろ!?」
近藤
「………」(あぁ、ダメだこりゃ)
更には中野と斎藤の二人も、檜山に同調しながら騒ぎ立てる。…その様子に近藤は、もうこの状況を止められないと悟った。
近藤
「…じゃあ、せめて人目につかない所に連れてこうぜ。此処だと誰かに見られるだろ」
檜山
「ンなことイチイチ言わなくてもわかってんだよ!…信治、良樹。ソイツら運んで来い!」
斎藤・中野
「へいへ~い」
…そんな会話をしつつ小悪党組は、中野が透織、斎藤がハジメを連れていく形で、その場を後にした。
~~~~~~~~~~~~~
そうして、透織とハジメが連れて来られたのは、王都の路地裏、その中でも特に入り組んだ場所であった。
檜山
「…よし、此処なら問題無いだろ。先ずは信治、その
中野
「…はぁ?何で…
檜山
「いいからさっさとしろ!後、騒がれたら面倒だから、ソイツの口をハンカチか何かで塞いでおけ」
中野
……わーったよ。…礼一、お前ハンカチ持ってる?」
近藤
「…あぁ、持ってるからそれ使え」
檜山の指示に不服そうにしながらも、中野は言う通り、透織を近藤に引き渡し、近藤のハンカチで、猿轡の様に透織の口を塞いだ。
檜山
「…さーて白崎、ようやっとお前とじっくり話せる時間ができたなぁ~?」
…そうして檜山は透織に、粘着質な笑みを浮かべながら語り始める。
檜山
「ぶっちゃけさぁ、このまま
透織
(……はぁ?)
檜山
「た・だ・し、条件がある。お前が天之河達に、『実は今まで、南雲と五十嵐の二人に、陰でイジメを受けていた。…で、今回南雲に裏路地に連れ込まれる所を、
透織
「………」
檜山の提案に透織は否定の意を込めて、嫌悪感を隠さずに檜山を睨み付ける。…それに対し檜山は、内心で苛立ちつつも、表情に出さずに語り続ける。
檜山
「…あ~れ~?何その顔、イヤなの?…だったら別に構わないぜ……もしそうなら、
斎藤
「あいよぉ、待ってましたぁ!!」
ハジメ
「ぐはっ?!」
檜山の指示を受けた斎藤は、抱えていたハジメを勢いよく突飛ばした。
斎藤
「そんじゃあ俺から行かせてもらうぜ?『ここに風撃を望む、“
ドゴォ!!
ハジメ
「かはぁっ?!」
斎藤が放った空気の弾丸が、立ち上がろうとするハジメに直撃し、大きく吹き飛ばした。
中野
「ほらほらぁ、とっとと動かないと焼け焦げるぜ~?『ここに焼撃を望む、“火球”』!」
ゴォオオッ!!
ハジメ
「っ!!おわぁあ!?」
再び倒れ込むハジメに向かって、今度は中野が嘲笑いながら炎の塊を撃ち込んだ。
ハジメが慌てながらも、間一髪でそれを避けると同時に…
檜山
「オラァ、クタバレェ!!」
ドカァアアア!!
ハジメ
「かはぁっ!!」
…突進してきた檜山が、思いっ切りハジメを蹴り飛ばす。
ズシャァアアアア…!!
ハジメ
「っ!…う、ぐぅっ!!」
檜山
「ひ、ひひっ!…ようやっとこの時が来たぜ!…おい、
そう言いながらハジメににじり寄った檜山は、そのまま
ドコッ! バキッ! グシャッ!! ドカァア!!
ハジメ
「うぐっ、ぐぅっ、かはっ!?」
檜山
「ひゃははははは!!オラオラァ、痛いかぁ!?散々
ハジメは辛うじて腕で防御するも、狂った様に笑う檜山の猛攻を受け、ボロボロにされていく。
中野
「うわぁ、大介の奴、
斎藤
「…そりゃそうだ。
中野
「確かになぁ……つーか南雲、あのままだと死ぬんじゃね」
斎藤
「…大丈夫じゃね?流石にそこまで理性飛んじゃいないだろ。…まぁ、万が一死んだとしても、『貧弱だったアイツが悪い』ってことで済むんじゃね?」
中野
「ぶはははは!確かにソレあり得そうだわ!!」
その様子を見ながら中野と斎藤の二人は、『自分達は関係無い』とばかりに、ヘラヘラと笑っていた。
近藤
「……なあ、白崎。悪いこと言わないから、大介の言う通りにしておけよ?」
…そんな状況下の中、突如近藤が語りかけてくる。
近藤
「…一応先に断っておくが、俺も
中野
「おいおい礼一~、余計なことすんなよ。…ぶっちゃけ俺さぁ、南雲よりもソイツの方が気に入らなくてさぁ?前々からブチのめしたいって思ったんだよなぁ~」
斎藤
「いやいや信治。お前、『白崎(弟)が』って言うか、『モテる男全般』が気に入らないんだろ?」
中野
「うっせぇ!
斎藤
「…何言ってんだ信治、ソレだけじゃねぇだろ?…コイツ確か、南雲ですら使える最下級の魔法も使えなかった落ちこぼれでもあンだろ?」
中野
「…あ、そういや確かにそうだ……って、結局お前も
斎藤
「おっと、バレちまったかw」
中野・斎藤
「ぎゃははははははははは~!!」
近藤
「…な?あの二人もあんな感じだからさぁ、此処は自分の身の安全と、これ以上南雲を傷付けない為だと思って、大人しく従っておけよ……な?」(…まぁ、その後はどうなろうと知ったこっちゃ無いがな…)
…内心、そんな事を思いつつ、近藤は透織に、口先だけで説得の言葉を掛ける。…
檜山
「はぁ~、いい汗かいたぜぇ~」
ハジメ
「うぐ…うぅ…」
そうこうしていると、檜山が非常にスッキリとした表情を浮かべながら、透織達に歩み寄って来る。
…その傍らでは、ハジメがボロボロの状態のまま俯せになっていた。
そして、透織の口の布を雑にひっぺ剥がしつつ、嗜虐的な笑みを浮かべながら再び問い掛ける。
檜山
「さて、白崎ぃ~?今の光景見てたよな?…なら、改めてお前の口から聞かせてくれよ?お前、俺達t…
透織
「断る…
檜山
……はぁ?」
…が、間髪入れない透織の返答に檜山の表情は、一気に険しい表情に変わる。
檜山
「……おい、白崎ぃ?お前、具合が悪いのって、『眼か頭』じゃないよな?…もう一度聞いてや…
透織
「だから、お断りするって言ってるんだ。そんな提案、こっちから願い下げだよ。…というか君こそ、自分の
檜山
……はぁ!?」
更に続く透織の言葉に、檜山の顔は怒りで真っ赤に染まる。
ハジメ
「と、透織君!僕の事はもう放っといて《ドカァ!!》ぐはぁ?!」
檜山
「ウルセェんだよキモヲタァ!!シャシャり出てくるんじゃねぇよ!!」
…透織を止めよう必死になるハジメを、檜山は怒りに身を任せて腹を蹴り付け黙らせる。そして、そのままの状態で透織に詰め寄り脅しを掛ける。
檜山
「…おい白崎テメェ、俺を舐め腐るのも大概にしろよ?…これが最後の警告だ!痛い目に合いたくなけりゃ、大人しく俺の下僕に着…《ドゴォオ!!》…ほごぉおおおおおお!!?」
…そんな檜山に対し、透織は無言で彼の股間を思いっきりけりぬいた。…突然の凶行に、ハジメと他三人は顔を強張らせながら硬直していた。
檜山
「は、がぁ…白崎テメェェ!?」
透織
「…あのさぁ、
悶絶しながら激昂する檜山を、
透織
「大っ嫌いなんだよ。
檜山
「…っ!!!」《…ブチッ!!!》
中野
「うわぁ……アイツ、マジかよ……バカじゃねぇの?」
斎藤
「…ああ、ガチで頭おかしいよ。…こりゃ、死んだわ」
…まるでこれまで溜まっていた鬱憤を晴らすように吐き捨てる透織の本音を聞き、檜山の怒りは頂点に達した。
近藤
「…だ、大介ぇ?そのぉ~、だいじょうb…
檜山
「ふ、ふひっ!…ふひゃはははははははははははははははは!!」
近藤
………」(あぁ、ダメだこりゃ。…俺、もうどうなっても知らねぇ…)
異様に静まり返った檜山に恐る恐る語り掛ける近藤だったが、直後に溢れだす檜山の狂気と怒りに満ちた
檜山
「…OK、オーケーェ。…お前の意見は今のでよぉおおおく分かった……ならこっちも、
近藤
「うわ、ちょっ!!?」
ドゴォオ!!!
透織
「ぐふぅっ?!」
怒号と共に放たれた檜山の蹴りが透織の腹部を捉え、そのまま後方へ吹き飛ばす。(透織を羽交い締めにしていた近藤は、危険を察すると共に透織を捨てて、自分だけ回避した)
そんな透織に檜山は怒りを隠さず、ズカズカと歩み寄る。
檜山
「ッザッケンじゃねぇぞ、このクソモヤシがぁ!!《ドスッ!》
透織
「うっ!ぐぅ!がはぁ!!」
…その後、透織に罵詈雑言を浴びせながら蹴り付けて…
檜山
「何より
ドカァアア!!
透織
「ぐはぁああ!!」
斎藤
「なっ、ちょっ?!」
中野
「うぉ、危なっ!?」
ハジメ
「なっ?!《ドゴォ!!》うぐっ!」
…最後に透織の襟を掴み上げ、ハジメに向かって蹴り飛ばす。咄嗟にハジメが透織を受け止めるも、二人は勢いのまま吹き飛んだ。(因みに側にいた中野と斎藤は先程の近藤と同様、自分達だけ回避した)
檜山
「上等だぁ。だったら二人まとめて地獄を見せてやるよぉ!たっぷり
近藤
「…なぁ、アレ止められると思う?」
斎藤・中野
「ムリムリ、絶対無理!」
近藤
「……だよなぁ~」
怒りの咆哮をあげる檜山。その光景を見ながら近藤達がひそひそと会話していると、檜山はグリンと顔を三人に向ける。
檜山
「…おい、何ボサッとしてんだよ。テメェらも手伝えや!」
中野
「いや、大介?…この展開、お前にとっては悲願だったろ?だから俺達は遠慮…
檜山
「ウルセェ何が遠慮だ!!大方、万が一の時は、全部俺に擦り付けるつもりだろ!?」
中野
「っ!!」(げぇ、バレてやがる!?)
斎藤
「お、おいおい大介、冗談キツいぜ。ンなことしねぇよ。…な、礼一!」
近藤
「…ああ」(…クソ!何でこういう時に限って読みが鋭いんだよコイツ!)
檜山
「だったらさっさとこっち来てコイツらを囲い込め……あぁ?」
図星を突かれて顔が引き吊らせる三人に苛立ちつつも、指示を飛ばした檜山は、ハジメ達に視線を戻した途端、再び激昂し始める。
ハジメ
「………っ!」
…何故ならハジメが自分に向かって、明らかに敵意を込めて睨み付けていたからだ。
檜山
「…オイ、
ハジメ
「”強化錬成“っ!!」
檜山の言葉を遮るようにそう叫ぶとハジメは、素早く手を地面に着ける。
ズォオオ!
小悪党組
「へっ?《ドカァアア!!》ほげぇえええええええええ?!!」
すると次の瞬間、地面から4本の石柱が生えて、小悪党組《よにん》の
中野
「あぎぃいい~~!!」
斎藤
「お、おぅおおお……!」
近藤
「な、何で俺までぇえええ?!」
突然の不意討ちを食らった近藤、中野、斎藤の三人はその場で股間を抑えながらのたうちまわる。
檜山
「はっ、がぁあ?!なっ、テメェ…
ハジメ
「お前はもう黙ってろ!!」
ズドォオオン!!
檜山
…ンぐえぇえ?!!」
一方檜山は痛みより怒りが勝ったのか、何とか耐えようとしたがそこをハジメが追撃。今度は真下から顔面を捕らえられ、思い切りカチ上げた。
檜山
「っ!?ぐぉおぁアアアアアアアアア!!!」
ハジメ
「透織君、立って!!今すぐ此処から逃げるよ!」
…ドクン
透織
「っ!?…ぐ、うぅ…!!」
顔面を両手で抑えながらもがき苦しむ檜山を一瞥してハジメは透織にそう呼び掛けるも、先程の檜山から受けてダメージのせいか、蹲ったままでいた。
仕方なくハジメは、透織の肩を担ごうとするが…
斎藤
「やりやがったな南雲ぉ!フザケたマネしやがって!」
中野
「もう容赦しねぇからなぁ!!…止めんじゃねぇぞ礼一!!」
近藤
「……言わねぇよ。いいから逃がすんじゃねぇぞ!」
それを檜山以外の三人が、内股になりながらも阻止しようと達憚る。
…万事休すとハジメが思ったその時だった。
スタァン!
ハジメ
「えっ?!」
突如、ハジメ達と三人の間に割って入る形で、上から何者かが降ってきた。
背後のハジメ達は、誰か解らずに困惑する。
近藤
「っ!?」
中野
「…は?ちょっ…」
斎藤
「おま…なん…」
対して正面の近藤達は、それが以外過ぎる人物だった為、完全に虚を衝かれた形で硬直する。
…そして、その僅かな隙が仇となった。
???
「『火花の如く、
カァッ!!
近藤・中野・斎藤
「ぎゃああああ?!目が、目がぁあああああ!!」
その人物は懐から素早く何かを取り出し、近藤達に向けるとともに詠唱。次の瞬間、それから強烈な閃光が放たれ、彼らを飲み込んだ。
三人は
…その様子を確認し、ようやくその人物はハジメ達の方を向く。
ハジメ
「え、遠藤君!?」
そこにいたのはクラスメイトの一人、
浩介
「南雲、話は後だ!俺は反対側の肩を担ぐから、今すぐ白崎(弟)を連れて此処から逃げるぞ!」
ハジメ
「っ!!…わかった!」
そんな会話をしつつ、二人は透織を担ぐと急いでその場を後にしようとする。
…その時だった。
…ドクン!
透織
「っ!?…ぐぅうう!!」(…ま、まずい!)
突如、透織が苦し気な唸り声を上げ出す。
ハジメ
「っ!透織君?」
浩介
「お…おい、白崎(弟)。どうし…」
…ドクン!!
透織
「っ!…ごぼぉぁあっ!!」
ビチャァアア!!
ハジメ・浩介
「っ!!?」
その様子に二人が思わず足を止めたと同時に透織は、口から大量の血を吐き出した。…そして顔を真っ青にしながら、グッタリと身体から力が抜ける。
ハジメ
「と、透織君!!しっかりしてぇ!?」
浩介
「クソッ!さっきの檜山のせいか!?…待ってろ白崎(弟)!今、応急措置を…」
その様子にハジメと浩介の二人は
…が、この状況においてはそれは、完全に悪手だった。
檜山
「『荒ぶり猛る厄災よ。冥府より
ハジメ・浩介
「っ!?」
不意に聞こえてくる魔法の詠唱。声の発生源に視線を向けるとそこには、最早怒りと狂気を通り越して殺意に満ちた檜山が、左手の中指に嵌められた翡翠に似た宝石が入った指輪をこちらに向けていた。
浩介
「ちょっ、アイツ
ハジメ
「無理だよ!さっきので魔力を全部使い切った!…もう僕の事は良いから透織君だけ…
浩介
…アホかっ?!そんな事すりゃ最悪俺、五十嵐と白崎姉に殺され…
檜山
…捻れて渦巻き牙と成れ、鋭く研がれて槍と成れぇ』…!!」
ハジメ・浩介
……あっ」
近藤
「バ、ちょっ?!待て大s…
檜山
「このド腐れどもがぁ、まとめて地獄に送ってやるよぉ!“
近藤の制止を無視して檜山は、詠唱が終わると同時に指輪から、ドリルの様に渦巻く巨大な風の弾丸をハジメ達に向け、一切の躊躇無く解き放つ。
???
「チッ!…起きろ、魔剣。
…正にその時だった。
突如、ハジメ達の前に何者かが素早く達憚る。
???
「オラァアアア!!」
ザパァアアアア!!
…そしてその者は、両手に構えた何かを振り下ろし、檜山が放った
檜山
「……へっ?」
中野・斎藤
「はぁ、ちょ!?」
近藤
「げぇえええ!」
遠藤
「っ!…ま、間に合ったぁ」
ハジメ
「あ、暁君!!」
暁
「…たく。オイ、ハジメ、遠藤。こりゃどういう状況だ?」
……そして、その場にいた人物から、様々な
以上になります。
ということで、みんな大好き
彼が何故あの場にいたのか?今後どう活躍するのかは、次回からのお楽しみということで、お願いします。
では、
ハジメのヒロインについて(ハーレムは確定)
-
原作通り(某吸血姫様がメイン)
-
香織がメイン(吸血姫様が挑戦者)
-
両方(香織と吸血姫)いってまえ!