何も知らない主人公VS外堀をそれぞれ埋めてくるヒロインズVSダークライ 作:タキオンのモルモット
ナンジャモはメインヒロインでありながら不憫であることを。
ナンジャモが恋心暴走させるのも好きだけど「どうしてなんだよおおおおおおおお!!」って叫ぶ姿も見たいから書いた。後悔はしてない。反省はしてる。
俺の名前は『ネクロ』。現在は自身の頭脳を活かしてメカニックをしている。メカニックと言ってもほぼ何でも屋みたいなもので、色んな所に行っては色んなものを修理している。機械類は勿論、屋根だったりウイルス入ったパソコンだったりエレベーターだったりモンスターボールだったり。そんな事をしながら時折自身の発明品を動画に撮って上げたりしている、割と自由な生活をしている。
さて、そんな俺だが、今まで色んな事を経験してきた。色々あってジムは全制覇したし、大穴の中にも入った事あるし、なんなら一時期あの博士の助手してたし。博士かは知らんが。
だが···············
「···············一体なんなんだ??」
流石の俺も、街の人間全員から凝視されるなんて経験は今の今まで無かった。
現在俺はハッコウシティの大人気インフルエンサー、ナンジャモのスタジオにあるカメラの修理を承ってここに来ていた。
どうやら企画でロシアンルーレットたこ焼きの撮影をしていたところ相棒ポケモンのハラバリーが辛さに耐えかねて『ほうでん』をぶちかましたらしい。
何してるんだか、というツッコミはさておき。その依頼を受けてこうしてハッコウシティまで足を運んだのだが。
何故か、視られている。
いや、一応弁明させてほしいのだが、見られるのは慣れている。一応こんなんでもチャンピオンランクまで行ったし、その際に結構注目されたりもした。何よりナンジャモ程では無いが、動画投稿サイトに動画を上げている身。しかもそれなりにチャンネル登録者もいるのだ。だから視られるのは何だかんだ慣れては居るのだ。
ただただ、無言で凝視されるのが初めてなだけで。
一応の確認として上着に鳥ポケモンの糞でも着いてるのかと確認したが特に見当たらず。結局何故視られているのかもわからないままハッコウシティジムに向かった。
「こんにちはー、何でも屋『ネクロ』でーs」
「ネクロ氏いいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「うわびっくりした··········」
入ってそうそう、大粒の涙を浮かべながら突撃してきたコイルの髪飾りをした、青とピンク二色の髪をしている派手な女の子。無様にスライディング土下座をかましてきた女の子。この子こそがパルデアの誇るインフルエンサー、ナンジャモである。
「頼むよネクロ氏ぃ!!カメラはこの際買い替えたいんだけど昨日のハラバリーの『ほうでん』で他の電子機器の調子まで悪くなっちゃって!!」
「わかった、わかったから。とりあえず今後ロシアンルーレットやるなら一人でやるか人間相手とやれ!!」
「はぁーい!皆の者おはこんハロチャオ〜!あなたの目玉をエレキネット!何者なんじゃ?ナンジャモですっ!今日は先程の企画で壊れちゃったスタジオを『何でも屋ネクロ』氏が直してくれているところを見ながら質問返答していくぞー!」
「もう撮影してるのはこの際ツッコまないけどちっとは反省しろよお前」
「あっ、はい。申し訳ありませんでした··········」
『おはこんハロチャオ〜!』
『草』
『流石に素が出てて笑う』
ナンジャモとは本当に昔からの付き合いであるが、配信を始めてからは最初疎遠になると思っていた。と言うか疎遠にならなくてはならないと思っていた。
当然だ。ストリーマーである彼女に初手彼氏疑惑とかかかったらナンジャモにも周りにも迷惑がかかる。何よりそんな事でナンジャモの経歴に傷をつけたくなかった。
が、しかし。今となってはこんな形でリスナーである『皆の者』に受け入れられる事となっている。
その理由が、これだ。
「にしても相変わらず凄いなぁネクロ氏は!!コイルの髪飾り作ってくれた時から只者じゃあないとは思ってたけど!!」
「昔からこれくらいしか取り柄が無かったからね。これくらいは出来ないと」
そう。配信者であるナンジャモが、未だ俺と縁が切れてない理由。それがナンジャモのアクセサリーの開発者が俺だからだ。
配信を始めてすぐ『なんかこうインパクトがあってでんき使いっぽいものが欲しい!!』と相談してきたナンジャモにプレゼントしたコイル型の髪飾り。
インパクトが欲しいとの事だったので遠隔着脱機能と浮遊機能と髪飾りとして普通に使える機能と目玉の表情変化機能、ついでに不審者撃退用の軽めのスタンガン機能を兼ね揃え渡したところものすごくバズったのだ。
それで初回の質問コーナーがコイルの髪飾りで埋まってしまい、キャパオーバーとなったナンジャモに泣きつかれ、仕方なくチャンネルに出ることになってしまった。
最初は批判ばかりだった。
『は?男かよ』
『チャンピオンランクだからって調子乗ってんじゃねえぞ』
『ネクロタヒね』
でコメントが埋まったのも懐かしい。それを無視してとりあえずコイルの髪飾りについて安全性やどのような技術が使われているかを素人にも分かりやすく懇切丁寧に説明したら。
『よくわかんないけど凄い』
『次元レベチで草』
『もうこれからもナンジャモの面白ギミックを作ってくれ』
どうやら認められたらしい。しかもその後名だたる企業から次々とスカウトが来る始末だ。
今じゃフリーランスの開発屋として様々な仕事を請け負っている。まあ、その代わりパルデアから居なくなることも増えたが。
「··········よし、とりあえずこれで十全に動くはずだ。これからはロシアンルーレットやるなら人とやるか一人でやること。いいね?」
「ありがとうネクロ氏ィ!!すごく助かるぅ!! 」
『ウッソだろお前』
『まだ始まって10分なんですけどそれは』
『質問コーナー始める前に仕事終わらせるな』
『もう人を名乗るのやめた方がいいよお前·········』
「皆も慣れればこれくらいできるようになるって。そう。この『思考制御式千手アーム』があればね」
『こいつ姑息な宣伝を·········』
『企業用で一つ150万する物を勧めるな』
『これ150万しかしないのもどうかと思うけどな??』
「偶にボクのチャンネル乗っ取られたんじゃないか、そう思う時があるんだ。そう、今みたいに」
『ナンジャモ語が抜けるほどショック受けてて草』
『大体こいつが悪いんだ!!俺たちの思考を置き去りにする程のものを作るこいつが!!』
『と言うかネクロの個人チャンネルがアホみたいな事しかしてないのが悪い。ナンジャモちゃんしかネクロから聞きたいことを聞き出せないのも悪い』
『うーんこの無能』
こんな事も、コラボした時にはいつものやり取りになってしまった。
「ねぇ、ネクロ氏。皆もこう言ってる事だし自分のチャンネルで『質問コーナーに答えてみた!』でも上げてあげたら?ポケマロ開設してるんでしょ?」
「いや、ちゃんと答えてはいるんだよ?·········質問の大半が専門知識関係ばかりで1つの質問で3.4時間の動画レベルになるんだけで」
「軽い質問に限定して返せばいいじゃん!?」
「いやでも質問してくれた人に悪いし·········」
「律儀か!?」
『こいつアンチコメにも丁寧に返してくるからな』
『ナチュラル気狂いネクロさん』
『まあ唯一イイのはこうしてナンジャモちゃんのナンジャモ語を使わない珍しい言動が見れるってイイからそのままでいてくれ』
「あーもうつっこむのも疲れてきた!!ほら修理してる間に質問来たから読むぞ〜!!えーと『ネクロさんの好きな食べ物を教えてください』だって」
「唐揚げ」
「もうちょい会話広げる努力しようよ!?」
『意識してバラエティに富む会話が出来ない男』
『ナンジャモにキャリーしてもらわないと配信できない男』
『どちらかと言うと俺ら側の人間だからな。すぐ会話を打ち切るような返しは間違いなくコミュ障のそれ』
失礼な。コミュ障じゃない。これ以上思いつかないだけだ。
「えーと次の質問!!『ネクロさんはゴースト使いとの事ですがなんでスピリチュアル方面に振り切れずに技術者の道を進んだんですか?』だってさ。確かに気になるっちゃ気になるかもねぇ」
「いや別に大したことじゃない。最初に捕まえたポケモンがロトムだっただけで」
ロトム。ゴースト複合のでんきタイプで、その特徴として様々な電子機器に入る事が可能である。更には特定の家電に取り付くことでタイプが変わったりする特殊なポケモンなのだ。
「こんな初歩的な質問でコメント欄埋まるくらい専門的な話がマシュマロで飛び交ってんの·········?マジで??」
「アカデミーの物理学特別講師副業にしながらフリーランスで動きつつよくやってる方だと思うんだけどなぁ」
『人間のやる仕事量じゃなくなってるのよそれ』
『アオキさんに続いてパルデアの社畜だゾ』
『しかもアオキさんはパルデアで大体完結してて年に2.3度の出張で済んでるけどネクロ出張がデフォでしょ?』
「最近はリモートで済むようにしてるよ。どっちにしろ何回か出張は行かなきゃならんけどね·········てかなんで君らアオキさんの仕事事情知ってんだ」
「ネクロ氏ひょっとして今月の『月刊トレーナーズ』読んでないな?今月の特集アオキさんだぞ?」
「1回も買ったことねえや」
『ウッソだろお前!?』
『皆さん、こいつはパルデアのチャンピオンランクの1人です』
『後で代表に怒られるんじゃねえの』
「まぁそりゃそうか、ネクロ氏昔から雑誌系は漫画雑誌しか買わないからな〜」
「いいじゃん別に」
タウリナーΩとか昔だったらブロムヘキサー∑とか面白いんだぞ。コミック版も!!
『あ、コイツ完全にこっち側じゃん』
『コイツ流石だわ』
『好きな漫画とか聞きたい』
「ほらほら、質問来てるよ!!好きな漫画だって!!」
「ポケモンの出てこない人間対人間のバトル漫画とかそういうの大好き」
『マイナージャンルで草』
『ポケモン蔓延るこの世界でそっち行くジャンル嫌いじゃないよ』
『流石だぜ本当に』
「まあざっとこんなもんかね?」
「んえ?もう行くの!?」
「俺明日からカントーに移動含めて4日間出張なんだ·········」
「ならせめてラスイチ!!ラスイチだけでも!!」
「んえ?まあ時間あるからいいけどさぁ」
撮れ高が足りなかったのか必死に留めてくるナンジャモの熱意に押し負け、仕方なくあと1問だけ答えることにした。
「ええ、ーっと『ネクロさんは好きな人とか居ますか!?』だって!!ど、どうなの?」
やけにテンションの高いナンジャモに少したじろぎながらも、俺はこう答えた。
「············特に居ないなぁ·········恋愛とか今考えてる時間ないし」
「どうして·········どうして·········」
『落ち着いてナンジャモちゃん元気だして』
『寧ろ「恋愛に興味ねぇ!!」とか「ケツとタッパがデカい女が好み」と言われなかっただけまだチャンスあるって!!』
『そうだよまだ希望を捨てるには早いって!!』
「うぅ·········皆の者ありがとう·········優しさが目に染みるよぉ·········」
いつもナンジャモが配信しているPokeTubeではなくPokeキャスという配信サイトにて。
【第25回】初恋成就会議【進展無し(´;ω;`)】
というタイトルでナンジャモが配信していた。
さて。もうお気づきの方もいると思うが、ナンジャモのチャンネルは今、当初のチャンネル路線とは違い『ナンジャモの初恋を成就させる』という方向にシフトしていた。
きっかけは先の『オーパーツレベルのコイル髪飾り事件』の後のポケマロ雑談配信だ。
ポケマロで来た質問にランダムに返答しながら雑談していくという配信にて、とある質問が来ていた。
『ナンジャモちゃんって実はネクロ君のこと好きなの?』
という質問。その時のナンジャモの様子がこちらである。
「え?いやいや皆の者何言ってるの?確かにネクロ氏は幼馴染みだし昔から一緒にいたケド······ボクはストリーマーだぞー?いくら一緒にいると楽しいし近いと胸がドキドキする事もある·········ケド············」
「ぼ、ボクは·········皆の者の·········ナンジャモだ、から·········」
この時の辛そうな表情と、涙声で全て察したナンジャモリスナーの『皆の者』。その心が1つになった。
『ストリーマーの前に一人の女の子だろうが!!』
『そんな辛い顔するなら諦めるなぁ!!』
『推しの幸せ願わないような奴は人間じゃねぇぞ!!』
¥50000『お前のチャンネルをカップルチャンネルにしてやる、なんとしてもだ』
結果として今現在。ナンジャモはネクロを堕とす為に300万人のリスナーからアドバイスを受けるというミラクル状態が続いていた。因みに厄介ガチ恋勢が暴れ、アンチにもなったりしたがそういうのは自然消滅していった。詳細は不明である。
尚余談だが、ハッコウシティの住民にも知れ渡っており、だからこそネクロは今『ナンジャモの気持ちに気づかない唐変木』という認識になっている。だから凝視されていたのだ。(別に村八分では無い)
「あぁ·········まさかこんな事になるなんて·········また4日もネクロに会えない············グスッ」
『泣かないで』
¥3000『逆に考えるんだ。4日間でネクロを堕とす方法を』
『ネクロは早く気づいてナンジャモと結婚しろ』
「『完全無欠のハリバリー』氏スパチャありがとう·········うん、そうだよね。4日間あるんだ·········どうにかしてネクロを堕とす方法を考える期間がそれだけあるんだ······!!よーし元気出てきた!!」
こうして、ナンジャモは未だ『健全な恋愛』をしていた。
この運命が狂うのは、そう遠くない話である。
「え、俺明日から出張って言ったよね?なんでリーグ行かなきゃいけないのチリ」
『頼む!!リーグのパソコンの調子がおかしいんや!! 』
ネクロ
幼馴染みに遊びで作った髪飾りをプレゼントしたら世界規模で有名になってしまった男。こう見えてアカデミーを首席で入学卒業しながらチャンピオンランクになった超人。
ナンジャモとは家が近所で本当に幼い頃からの付き合い。
手持ちはゴーストタイプで固められている。本来はジムリーダーになるはずだったがそれより前に髪飾りのくだりで有名になりバトルに力を入れなくなった為辞退。尚チャンピオンランクとの事で某バトルジャンキーレベルの腕があり、ネモは勝手にライバル視していたがまさかのリタイアにより原作より原作主人公に対する感情が激重になる。頑張れアオイちゃん。
アニメや漫画やドラマ特撮等の娯楽は好きだが俗世に対する知識等に興味が無く、ストリーマーでは無く動画投稿者という立ち位置の為ナンジャモの配信を見てない(見る時間が無い)為ナンジャモが自分の事好きとか何も知らない。
手持ちポケモン
・ソウブレイズ・ミミッキュ・ゲンガー・コノヨザル・ロトム(水)・イダイナキバ
ナンジャモ
本作メインヒロイン。幼い頃から一緒に居たネクロに好意を持っていたが、同時にストリーマーとして活動していくためにその気持ちを封印していた。しかし奇跡的な結果により300万人のリスナーが自分の恋路を応援してくれるという訳の分からないことになった。現在はライバルもいなく、リスナーの皆の者に応援されネクロを堕とすべく日々精進している。