モンハン好き主人公inヒロアカ世界   作:極楽ゆたんぽ

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俺の個性

「おい、おい!大丈夫か竜崎?」

「…お、お?」

 

 …今、何が起きた?心操の洗脳にかかって、なんか意識というか、ふわっとして…

 てか、何だこの疲労感は。体がめちゃくちゃ疲れてる。体力は結構つけたはずだぞ、何でこんなに疲れてる?

 

「なに、が、起きた?」

「お前、なんかすごかったぞ」

「語彙力」

 

 なんかすごかったってなんだよ。お前も幼稚園児か?

 あまりの疲労感に立っていられず、その場に座り込んで大きく息を吐く。これは、いいのか?喜んでもいいんだよな?悪あがきが成功したってことで、いいんだよな?

 

「心操の乏しい語彙は、ともかくだ。俺は、個性が使えてたんだよな?」

「あ、ああ。それは確かだよ」

「っ…やったぜ…」

「喜びに力がなくないか?」

 

 疲れてんだよ、察しろ。なんなら今すぐ布団に入って寝たいくらいだぞ。

 

「で、俺はどうなってたんだよ?」

「…なんか、黒っぽくてデカい動物、みたいになってた」

「ほお」

 

 なるほど、さっきよりは情報量が増した。変身系か?黒っぽくてデカい動物…蛙吹やハウンドドッグみたいな動物系統の個性か?でもあいつらはわざわざ変身しないしなぁ、それにこんなに体力を使うとなると扱いが難しそうだ。

 でも、俺は今とても嬉しいしワクワクしてる。個性だ、個性が俺にも使えるんだ!それもちゃんと「使ってる」って実感が湧く感じの!前世の記憶持ちとか、個性っていう実感が全然湧かなかったんだよな。いやぁ、悪あがきしてみるもんだなぁ!

 

「ふ、ふふふ。よし!心操もっかいだ!さっきはぶっちゃけ何も起きんだろって気抜いてたんだ、もう一回洗脳頼む!あ、今度は録画しとくか」

「…はは。嬉々として洗脳してくれって言う奴、お前が初めてだよ」

「世界は広いってことだな!」

 

 わはは!世界が輝いて見えるぜ!

 

 

 

 

 

「うおお…世界が、世界が俺を祝福している…ありがとうワールド…」

「大丈夫か?」

「最高だぜ世界、俺もお前をワールドオブセンクス…」

「だめみたいだな」

 

 モンスターハンターという作品をご存知だろうか。ご存知ない方は早急にご存知しろ。

 雄大な自然に生きる超かっこいいモンスターたちに、血湧き肉躍るBGM!そしてモンスターの生態設定!そのどれもこれもが俺をどうしようもなく魅了する!

 俺はヒロアカが大好きだ。俺ランキングで一位二位を争うほどに好きだ。そして何を隠そう、ヒロアカと常に一位の座を争っているのがモンハンなのだ。どちらも甲乙つけ難し!

 そして!なぜヒロアカの世界でわざわざモンハンのことを考えているか!?

 

「俺自身が…モンスターになるんだよ…!!!」

「モンスター…まあ確かにモンスターっぽかったけど」

 

 もう、最高だ。生まれてからずっと数多く感じていた不安の大部分が消し飛んだ。この個性さえあれば、俺は最強にすらなれる!

 最強は言い過ぎか?いいや!なってみせる!目標は高くいこう。目指すは最強!

 

「俺はやるぞ…目標はァ!オールマイトをも超えるNo.1ヒーローだ!」

 

「…大きく出たな」

「退路を断つ為の宣言だよ。正直ビビってる」

「ビビってるのか」

 

 そりゃそうよ。No.1になるってことは、あのワン・フォー・オールを超えなきゃいけないんだぞ?作品の後半に行けば行くほどいとやばしなことになるあの主人公の力を!いやぁきついッス。

 きついけど、やる。ただまぁ、No.1になるのはあくまで手段だ。俺の守りたいものを守るために、強くなる。そのためにNo.1を目指す。こうなりゃ原作知識だって使うぞ。細心の注意を払って使っちゃうぞ。原作崩壊させちゃうぞ。覚悟しろよ?主に俺。

 

「ありがとう心操、お前のおかげだよ」

「…別に。でもこれで、お前とはライバルってことになるな」

「え、敵対する感じ?チーム組もうぜチーム」

「いや、入学試験の話なんだけど。雄英ヒーロー科、受けるんだろ?」

 

 あ、そっちね。まあ倍率300倍とかいう狭き門を狙うならライバルになるのか。うわぁ、やばいな。勉強は大丈夫なんだが、この一年でどれだけ個性の扱いに習熟できるかが問題だな。試験内容が原作と変わってなければいいんだが…ま、大丈夫か。

 

「ふはは、いいじゃんライバル。そういう展開は大好物だ。負けねえぞ?一年でこの個性をものにして、さっさと追いつくからな」

「…追いつく、ね」

 

 忙しくなるぜ。

 

 

 

 

「それは嫌です!反対します!」

 

 帰宅後、俺の個性に関して両親に話し、ヒーローを目指すことを告げた。母は大袈裟なほどに喜び応援してくれて、父は寡黙ながらも体を大切にするよう言ってくれた。あったけぇありがてぇと思いつつ、寮を借りて一人暮らしを検討している旨を伝えたらこれである。嬉しいが困る。そのうち雄英は全寮制になるから、さっさと一人暮らしに慣れておこうかと思ったんだが…

 

「どうしてもだめ?」

「嫌です寂しいです」

「じゃあやめます」

「共也!」

 

 ひしっ、と抱擁を交わす。ぶっちゃけ俺もこんなに優しくて温かい家を離れたくはない。しかしいずれはこの家を出なければならない、その時に俺はちゃんと離れられるのか…不安だ。楽な方に流されがちというか、冬の温かい炬燵から抜けられなくなってるというか。本当に大丈夫か俺?

 

「…母さん、俺がいずれ一人暮らしするかもってこと、ちゃんと考えておいてね?」

「嫌です寂しいです」

「うーん、助けて父さん」

「無理だ」

 

 そんな殺生な。

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

 自室のベッドに腰掛けて一息つく。

 疲れた。個性発動で体力がだいぶ持ってかれたのもあるが、母さんの甘えてほしいオーラを無視できなかった。体もちょうど疲れてたから存分に甘え倒しておいたが、代わりに精神的な疲労が溜まった気がする。いや甘えるのが嫌いではないしむしろ甘えさせてくれてありがとうなんだが、やっぱり恥ずかしい。幸せと羞恥が同時に来る感覚だ。風呂も入ったしさっさと寝たいところだが、まだだぜ?

 動きたくないもう寝たいと主張する体を無理やり動かし、机に向かう。これだけは今日のうちに書いておきたいんだ。

 

「待たせたなぁ、個性届」

 

 ふふ、俺も個性が使えるようになったからなぁ!ちゃんと書かないといけないよなぁ!?個性診断した時にもらってから机の片隅にずーーーっと置いといたけど、ようやくテメェに胸を張って書き込めるってもんだぜ!!

 個性名なんて考えるまでもない…!

 

 

 

「バルファルク…っしゃあ!!」

 

 個性、バルファルク。なんて素晴らしい響きなんだ…

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