『来いよ、竜崎少年!
俺個人に語りかけてくるオールマイトに感動を抑えきれない。なんてこった!そ、それもあるが話の内容!大事!
合格。なんと俺は合格したらしい。しかも普通科ではなく、あのヒーロー科に。
筆記は余裕で合格ラインを超えていた。肝心の実技は、
当然ながらそんなこと言えないのでわははと笑っておいたが、原作知識を抜きにしても実技の自己評価は高くない。常闇に助けてもらわなかったらあの不意打ちでダウンしてただろうし、テンションが上がったのと疲労で後半の動きが雑だったし、そもそも龍気すらまだ使えてないし。レギュ違反のスタートダッシュで得点を稼げてなかったら…どうなってたことやら。
「ヒント、ヒーロー科編入…っと」
心操はヒーロー科は受からなかったらしい。色々と助言はしたんだが、やっぱりあの試験内容じゃ無理があったか。心操自身も多分無理だろうけど受かればいいな程度の思い入れみたいだったし。まるで「一緒に走ろうね」と約束したのに自分だけさっさと先に行ってしまったマラソンの時のような気まずさを若干感じながら、意訳:さっさとヒーロー科来いやという連絡だけ入れておく。心操がヒーロー科に来るのはいつぐらいだっけ?
「ドアでっか」
親から盛大に祝福され、同時に心配もされ。愛されていることを再認識し、より一層気合を入れてやってきた雄英高校。俺は今、あの1ーA教室の前にいる。
やばい、緊張がやばい。ここまでくるともはや運命を感じずにはいられない。緑谷たちと同年代で!ヒーロー科に受かって!さらにA組!神よ、感謝します…
「ムッ!俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ!君の名前を聞かせてくれないだろうか?」
「おぉ…あ、俺は竜崎共也だ、よろしくな」
感謝の気持ちでドアを開くと、ズンズンとこちらに近寄ってくる者が一人。我らが委員長!
これがカクカク動きの生飯田!すごい!アニメで見るより、ずっとロボ!
「おっす!俺は切島鋭児郎!よろしくな竜崎!」
「私は蛙吹梅雨、気軽に梅雨ちゃんと呼んでほしいわ。よろしくね竜崎ちゃん」
「俺、砂藤!」
「障子目蔵だ、よろしく頼む」
「葉隠透だよー!」
あーっ困ります!困りますお客様!お客様!幸せの押し売りは誠に困りますお客様!!幸せすぎて心臓が…おきゃくさ、
「同じクラスとは、縁があるようだ。改めて名乗ろう、俺は常闇踏影。こっちは相棒の
『マタ会ッタナ!』
オキャー!!!!
※
「あぁ、疲れた…」
あの後、押し寄せる幸せの波動をなんとか捌き切った後、寝袋モンスターから進化したイレイザーヘッドこと相澤先生がご登場。俺の心は狂喜乱舞の雨嵐。俺以外のクラスの雰囲気が困惑に包まれる中、入学式やガイダンスなどを全スルーして個性把握テストが実施された。
俺は50m走と立ち幅跳びだけ個性を使い、他は全て普通にこなした。バルファルクになることより、間近で見る皆の体操服姿に吐血を堪える方が苦労したもんだ。ちなみに順位は7位。二回だけとはいえ個性に体力を持ってかれたから持久走が伸びなかったのが痛かったな。
最下位は緑谷だったが、無事に除籍処分を回避。良かった良かった、さすがにそこ原作から変わってたらどうしようかと。
今は諸々を終えて帰宅し、明日の授業の準備も整え終わってもう寝るだけとゆったりしている。下校する際に誰かと一緒に帰ろうかと画策したが、入学初日からそんなにガツガツ行くのもどうかなぁと日和って一人で帰った。そもそも一緒に帰るって言ってもみんな家とか遠いだろうし、今日は疲れてるだろうし。あぁ、全寮制が待ち遠しい…いやそれ以上に早くみんなと仲良くなりたい…
「…ハッ!?」
ベッドにぽいっと放ったスマホが通知来たぞさっさと確認しろオラァと訴えている…雑に投げて悪かったよ、ってメッセージを送ってきたのはリューキュウ!!!入学初日はどうだった、って!俺と雑談してくれるんですか!?ヤサシイ!ヤサシイリューキュウ!
思えば今まで俺は早く個性を扱えるようにしなければという一心で訓練ばかりしていたせいで、リューキュウとこういった雑談はしてこなかった。そもそもリューキュウの事務所に行ける日が少なかったし、行けたとしてもリューキュウはヒーロービルボードチャートJP上半期にて9位を飾る超人気ヒーローだから当然多忙。そういう事情も相まって、リューキュウと会える時は気軽な世間話に時間を割いていられなかったのだ。
交換してくれた連絡先だって、俺が事務所を訪れるためのアポ手続きの簡略化と、なるべく俺に直接会って指導できるようにとリューキュウが配慮してくれた結果だ。雄英に合格できたよユーのお陰ですマジ感謝という旨の報告だけはしたが、恐れ多すぎて俺から雑談を仕掛けるのは不可能だった。それが今…!
「へっへっへ」
相澤先生の話を肴にしちゃおーっと。
あと、明日からが本番みたいです、と。あっリューキュウがリューキュウのスタンプ使ってる!何それ俺も欲しい!即買いだ!!
※
「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!!自覚するのだ!!!!今日から自分は…ヒーローなんだと!!」
午前は普通に普通の授業を受けて昼食を食べ終えれば、待っているのはお楽しみのヒーロー基礎学!戦闘訓練!ちなみに常闇が一緒に食べようと誘ってくれたおかげでぼっち飯を回避することに成功した俺は今とてもやる気に満ちている。なんなら普通の授業を受けるみんなを後ろから観察できただけでもう満足気味だったのだが、まだまだこれからだぜ本番は!
そして俺の
なんと驚いたことに、俺はバルファルクに変身しても服が弾け飛んだりすることがなかったのだ。リューキュウに指摘されてようやく気付いた。今まで学生服や私服で幾度も変身してきたが、バルファルクになっても無惨に散り散りになった服が見つかることはなかったし、変身を解除すると俺は服を着た元の姿に戻っている。結構不思議なんだが、個性に常識なんて通用しないと思っているのでそういう個性なんだなぁと割り切っている。暇のある時に考察はしてるけど。
で、その特性はもちろん
だから俺は変身前と後で明確に役割を分けることにした。
変身前の人間時は救助、バルファルクの姿では戦闘。といった具合だ。この考えによって、俺の
「ま、これはこれで」
「ぼくのかんがえたどんな時でも対応できるぜ医療セット」は最低限を残してほぼ撤去され、オシャレと実用性を兼ね備えた良い感じの装備に生まれ変わっていた。ヒーローなら格好に気を使うのを忘れないでくださいお願いしますという懇願が透けて見える。俺はオシャレには全く興味ないんだが、バルファルクをイメージしたのだろう黒と銀がメインな洒落た感じは気に入った。龍気要素である赤がどこにもないのが唯一不満だが、それは俺が龍気を扱えるようになった時に変更してもらおう。
というか!そんなことよりコス姿のみんなが!すぐそこに!!手の届くところに!!わァ、ァ!!!
「さあ!!始めようか、有精卵共!!」
お、オッスお願いしまーす(瀕死)