ウチのカルデアがなんかおかしい   作:味噌そぼろ

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 スカサハと藤丸はデートへ、デオンとマシュはキャスターのフロアへ向かった。
 急にモテだした藤丸のなぞは解けるのか……。


モテモテ事変 その3

 レイシフトでスカサハと藤丸が移動し、クーフーリンが現場に向かうまでの間、ちょっとした動きがあった。

 

 「レイシフトなのだわ!」

 「なるほど、これを使って外に出たわけか」

 「解体するの?」

 「いや、追いかけよう。……あぁ、側にいないと胸が苦しく……」

 

 レイシフトの前でわちゃわちゃする子供二人とその引率のおねぇさん。

 しかし、1つ問題があった。

 

 「……レイシフト、操作はどうやるんだ?」

 「わ、わからないのだわ……」

 「解体出来ないの……?」

 

 ここにいる三人は機械の操作に疎い。レイシフトの操作は基本的にオペレーターや藤丸たちに任せていたためだろう。

 しかしここはカルデア。色んな人材がそろっているものだ。

 

 「お困りの様ね、私に任せて!」

 「あ、貴女は委員ちょ――――」

 「何?」

 「エレナさん……」

 

 声を掛けて来たのはエレナ・ブラヴァツキ―。当カルデアキャスタークラス長にして藤丸から『委員長』のあだ名をもらいそうになったり、アンデルセンからボスのあだ名をもらったり、あだ名にまつわる経歴が豊富な英霊(サーヴァント)である。

 

 「私になら操作がわかるわ! リツカ君のところへ行くのよね?」

 「あぁ、話が早くて助かる。悪いな」

 「よくってよ! せっかくだし、みんなで行きましょ!」

 「ありがとうなのだわ!」

 「ありがとう! エレナおねぇさん!」

 「そこは『解体』じゃないの!?」

 

 思わずツッコミを入れるエレナさん。しかしレイシフトの操作は滞りなく進んでいく。

 

 「手際が良いな。流石エレナだ」

 「ありがと。……って言っても、キャスターならほとんど出来ちゃうけどね」

 「キャスターが、魔術に詳しいからか?」

 「9割方そうだと思うけど、皆レイシフトの仕組みに興味津々だったのよ。私も含めてね」

 

 技術、知識、好奇心。やはりキャスターとなると、そういった特徴が顕著になるのだろうか。

 しかし、1つ疑問がある。

 

 「キャスターではないスカサハは、なぜレイシフトのシステムを突破出来たんだ……?」

 「それは……ホラ、彼女ルーン魔術使えるじゃない? しかも原初の」

 「そんなに万能なものなのか?」

 「まぁ、原初だし……出来たわよ。皆で行きましょ!」

 

 レイシフトの設定を済ませたエレナを筆頭とした女性英霊(サーヴァント)達は、藤丸とスカサハの元へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 マシュとデオンの二人は、原因を探るべくキャスターの工房にたどり着いた。

 

 「ご、ごめんくださ~い……」

 「やけに慎重だね」

 「あまりここ来たことなくって……」

 

 いつもならエレナが出迎えるところだが、彼女は不在のためか、代わりにパラケルススが出迎えてくれた。

 

 「これはどうも、マシュさん、デオンさん」

 「パラケルススさん、異変が起きたので薬品の解析を――――」

 「あぁ、アレですか……」

 

 パラケルススは困ったように顔に手を当てた。

 

 「アレですかって……心当たりがあるのですか!?」

 「うん……昨日の事なんだけどね」

 

 パラケルススは、事の経緯を話し始めた。

 

 

 

 『ちょっとパラ氏、パラ氏~~~~』

 『何か用ですか、ティーチさん』

 『モテ薬なるものを作って欲しいんだけど~~~』

 『……は?』

 『いや、拙者の妄そ……いやいや野望を叶えて欲しいのでござる』

 『はぁ……』

 『パラ氏ならちょちょいのちょいでしょ~~~頼むよ~~~』

 『しかし薬品となると色々試験も必要になります。子供化する薬だって、何匹のモルモットが必要だったか』

 『そ~んなのマスターに任せちゃえばいいでしょ~~耐毒スキルあるんだしぃ』

 『……これっきりですよ』

 『ばんざーい!!』

 

 「……とまぁ、こういうことが……部屋の鍵はスタッフから借りて夜中のうちに入り込んだんでしょう」

 「なんであんな奴の言うこと聞いちゃったんですか!? 恥を知ってください!」

 「まぁ、マシュ、落ち着いて……」

 

 怒り狂うマシュを抑えるデオン。

 マシュは藤丸を『先輩』と呼び慕って来たのだ。その先輩が訳の分からない、私利私欲のために製造された薬品の実験台にされたとあっては、怒り狂う猛獣(デンジャラス・ビースト)となることもあるだろう。

 

 「……で、解決策はあるのかい? パラケルスス」

 「えぇ。カウンターとなる薬品は既に作成済みです。後はこれを彼に塗ってあげればなんとかなるでしょう」

 「塗る? 飲ませるんじゃないのか?」

 「モテ薬、とは言いましたが、実際には香水のようなものです。その『匂い』を消すためのモノですから、塗る必要があったんですね」

 「……なる、ほど?」

 

 あまり詳しくないデオンにとってはあまり深く理解できなかったが、香水のにおいを消すために別の香水を塗る……という理屈だろう。

 

 「後は、これをもって『向こう』に――――」

 「行きましょう」

 「え?」

 「行きましょう。スグ行きましょう。今、行きましょう。今すぐ――――」

 「お、落ち着いてマシュ! 顔が怖い!」

 

 デオンがなだめて大人しくなったと思ったらこれである。藤丸の事になると誰よりも真っ直ぐなマシュ。それが 彼女の魅力でもあるが、今は少なくともニ騎の英霊(サーヴァント)を恐れさせている。

 

 「届けに行くなら、先にクーフーリンに連絡しよう。レイシフトの準備が完了しているかも知れない」

 「そうですね。早くしましょう」

 「う、うん……」

 

 デオンはクーフーリンへ連絡を取った。

 

 

 

 

 「出遅れたが、なんとか準備は整ったぜ……あ?」

 

 着信音が響く。レイシフトの操作を終えたクーフーリンの元に、通信が届いたのだ。

 

 「どうした?」

 『クーフーリンさん、先輩のモテモテ状態を治せる薬があります。私たちもそちらに向かうので、少し待っていてください』

 

 どうやらマシュ組にも進展があったらしい。ならばここは焦っていくよりも二人を待つ方が得策だろうか。

 焦る気持ちもあるが、レイシフトなどの事情に詳しいマシュと、強力な戦力であるデオンの二人と共に行く方が心強い。なにより。レイシフト先では何が起こるかわからない。

 

 「わかった。だが急いで――――」

 『こっちだって急いでるんですッ!』

 「あ、あぁ……」

 『ごめん、クーフーリン……とにかく、後で合流しよう。切るね』

 「あぁ、また後でな」

 

 あまりの圧力。英雄クーフーリンをドン引かせるほどである。

 二人は通信を終え、藤丸を追う準備を整える。

 

 

 

 

 

 「どうだ、藤丸。久しぶりの海は」

 「きれい……ですね」

 

 無人島の浜辺を歩く藤丸とスカサハ。緊張気味だった藤丸も、少しずつ打ち解けてきているようである。

 

 「そういえば師匠、なぜ急にデートを?」

 「フフ、おかしなことを聞くなぁ」

 

 スカサハは口元に手を当てて静かに笑った。

 

 「お前のことが、好きだからだ」

 「、え、――――」

 

 一瞬、何を言われたのか分からなかった。

 師匠が、自分の事を――――。

 

 「え、す、好き!? え、ほ、ホントですか!?」

 「本当だ。冗談でこんなことは言わない」

 

 スカサハはしっかり目を見て話している。冗談ではない、というのは口だけではないようだ。

 

 「なんだ、照れているのか?」

 「だって、急にそんなこと……」

 「照れているリツカも、可愛くて好きだぞ」

 「もー、師匠!」

 

 顔を赤くして叫ぶ藤丸。そんな彼を見て笑うスカサハは、この状況を楽しんでいるようだ。

 しかし、そんな幸せな時間も終わりの時が来たようだ。

 

 「まて、スカサハ!」

 「待つのだわ!」

 「解体するよ!」

 

 現れたのはアタランテ、ナーサリーライム、ジャックザリッパ―を筆頭とする女性英霊(サーヴァント)達。レイシフトで二人を追いかけて来たのだ。

 

 「なんだお前たちは!」

 「マスターは渡して貰うぞ!」

 

 驚くスカサハと藤丸を尻目に、女性英霊(サーヴァント)達が襲い掛かって来た。

 




 一章4話構成を続けて来ましたが、果たして4話で収まるのか
 番外編だし、オーバーすることになっても良いよね!?
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