フォウと共に真相の解明を急ぐ中、カルデアを歩きながら思い出に浸っていた。
召喚部屋を後にした藤丸立香は、フォウと共に違う部屋へ移動していた。
いつもなら通路を歩いているだけで
「皆、何処に行っちゃったんだろう……」
「フォーウ……」
フォウも事情を知らないようだった。
……まぁ、もし知っていれば今頃は
「うーん……大勢の
あらゆる時代、時空を超えた場所に人を移動できるレイシフトを利用すれば、今のような状況を作り出すことも可能なはずだ。
操作できる
「って、レイシフトが必要な案件なら、なおさら俺を呼んだ方がよかったんじゃ……」
嫌な予感が脳裏によぎる。
自分がいない間に事件が起きて、皆が出撃してそのまま……
「急ごう、フォウ君」
「フォウ!」
一人と一匹は一抹の不安を胸に、レイシフトルームへと向かった。
レイシフトルームに到着した藤丸が最初に行ったことは、出撃履歴の確認だった。
藤丸の不安が的中してしまった場合は、履歴として残っているはずだ。
しかし――――
「特に履歴に変わりはないな……」
「フォウ……」
不安は的中せず、一先ず胸をなでおろす。
(それにしても、レイシフトか……)
状況のせいか場所のせいか、藤丸は昔の事を思い出していた。
『クソ、だめだ、敵が多すぎる……』
今からずっと前、俺はクーフーリン、デオン、マシュの三騎を連れて特異点にレイシフトしていた時の事。
俺はあの時、無尽蔵に押し寄せる敵の集団を前に手も足も出せないでいた。
『何とか突破しないと……何かいい案は?』
『現実的に考えるなら、このまま身を潜めて諦めてくれるのを待つ、だけど――――』
『まぁ、そう都合よくはいかねぇわな』
敵の一群は執念深く俺たちを探している。見つかるのは時間の問題だろう。
『こっちの戦力は
『ッ!』
その時のマシュの表情は今でもよく覚えている。
自身が戦力と見られていないことの悔しさと、何よりそのことを自身が理解していることの虚しさが入り混じったような表情だった。
『……仕方ない、ここは私が――――』
『いいや、俺が出る』
『何か考えが?』
『なぁに、単純なことさね。全滅ってんなら不可能だろうが、足止めってんなら話は別だ』
『足止め……それなら、私にだって』
『
『なるほど……ならばやはり敵は貴方に任せよう。光の皇子』
『ちょ、ちょっと待ってくれ!』
俺は思わず声を上げてしまった。
『クーフーリンはどうなるんだよ、見捨てろってことなのかよ!』
『そういうことになる』
『「そういうことに」って……だめだ、俺は仲間を置いていけない!』
『まぁ心配すんなよ、頃合いを見て離脱する。その後合流すりゃ文句ねぇだろ』
その眼は背筋が凍り付くほどに冷静で、真剣なものだった。
『わかった。でも、絶対に帰って来いよ! 絶対だぞ!』
敵の群衆に突撃するクーフーリンに合わせ、俺たちは反対側から飛び出した。
「あの後、ホントに帰って来たクーフーリンにビビったっけ」
レイシフトで飛んだ先の特異点、そこでの作戦はいつもギリギリで大変だった。
だけど、それ以上に――――楽しかった。
「フォーウ?」
「あぁ、ごめんごめん」
思い出に耽っている間にすっかりフォウを待たせてしまったらしい。
「次はどこに――――」
目的地を考えようとしたその時だった。
グゥ~~~~~~~
「あっ……」
「フォ~~~~~~ウ!!?」
朝から何も食べていないためか、おなかが鳴ってしまった。フォウが引いている表情で見てきている。辛い。
どうやら藤丸立香は、こんな時でも腹は減るらしい。まだまだ余裕な証拠だろうか。
何はともあれ、次の行き先に困っていたところである。ここは腹の虫に従うことにしよう。
「つ、次は食堂に行こう」
「フォウ……」
呆れ顔のフォウを連れて、藤丸は食堂へと向かった。
久しぶりの投稿にしては短くなってしまってすまない……。
次回ものんびり更新します。