キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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ナツメって何で昔は鞭を持ってたんでしょウネ?


剛力VS超力(前編♪)☆彡

「頼むぞ、カイリキー」

「行きなさい、バリヤード!」

 

 初手はカイリキーVSバリヤード。

 カイリキーはそこそこ耐久力があり、攻撃力が馬鹿みたいに高いので、良くも悪くもないと言った所。ひこう対策の「ストーンエッジ」辺りで攻撃すれば、物理耐久の低いバリヤードくらいなら直ぐに落とせるだろう。

 しかし、バリヤードは正面を切って戦うタイプではなく、搦め手や場作りを得意とするポケモンである。防御が低いと言えど一撃で落とすのは難しいから、如何に行動を取らせないかが鍵となる。

 

「バリヤード、「ねこだまし」!」『バリッ!』

『……リキッ!?』

 

 先ずはバリヤードの先制攻撃。「ねこだまし」で確実に怯みを取り、次の技へ繋げる。ジムリーダーらしい、堅実な戦い方だ。

 

「次は「リフレクター」よ!」『バリアーッ!』

 

 さらに、「リフレクター」も展開して、物理攻撃を牽制し始めた。このままでは好き放題に場作りをされてしまうが、マサヒコ氏はどうする?

 

「カイリキー、「ばくれつパンチ」!」『ウォオオオッ!』

 

 答えはパンチだった。目にも止まらぬ速さで拳が唸り、バリヤードの顎を捉える。

 

『バリリ~!?』「くっ、「ノーガード」か!」

 

 ガードを捨てて放たれた「ばくれつパンチ」は見事に脳天を揺るがし、バリヤードを混乱させた。こうなっては、物理耐久が上がっていようが何だろうが関係ない。正気に戻るまでは無防備に頭をふらつかせるのみであり、“どうぞ殴って下さい”と言っているような物である。

 

「「かわらわり」!」『リキイシーッ!』

『アババ~ン……』「チッ……戻りなさい、バリヤード」

 

 しかも、折角張った「リフレクター」が張本人ごと「かわらわり」で粉砕されてしまった。これは中々に痛い。ナツメ氏としても最初から場作り役として起用していたのだろうが、逆に場を乱されちゃったからね。

 さて、次なるナツメの一手は如何に?

 

「……行きなさい、スリーパー!」『ロリダロリダウヒャヒャヒャッ!』

 

 変態だぁーっ!

 ……いや、色違いのスリーパーだ。珍しい筈なのに、こうも有難みを感じないのは何故だろう。正直キモい。

 

「「さいみんじゅつ」!」『ロ~リ~ガ~スキ~♪』

『トオル……ZZZzzz』

 

 おっと、早速眠り状態に陥らせたか。分類が「さいみんポケモン」だからね。カラマネロの次点だけど。そもそもノーガード相手に外す訳がないとか言ってはいけない。

 

「「わるだくみ」よ!」『ウフヒヒヒヒ!』

 

 その上、「わるだくみ」で特攻上げか。てっきり「ゆめくい」でもするかと思ったが、全抜きスタイルで行く気かな?

 

「――――――今だ! 「ストーンエッジ」!」『ウッシャアアアッ!』

 

 だが、スリーパーが積みの態勢に入った瞬間、目覚めていたカイリキーが「ストーンエッジ」を決めた。

 

『ブヒィィイイイイッ!』「ロリーパー!」

 

 実はあんまりスリーパー(そいつ)の事、好きじゃないだろ、ナツメ氏。

 

「……ラムの実か」

「その通り。防御を捨てているからこそ、足元は疎かに出来んよ」

 

 おー、状態異常読みか。確かにエスパータイプってテクニカルな奴が多いからね。特にカントー地方はかの有名なルージュラが棲息しているから、眠り対策は必須だろう。

 

「出番よ、フーディン!」『ディシャアアッ!』

 

 出たな、カントー地方のエスパー代表。高い特攻と素早さで上から「サイコキネシス」を叩き込んでくる、絵に描いたような高速アタッカーである。

 

「「サイコショック」!」『フゥゥゥディン!』

『グッ……!』「戻れ、カイリキー」

 

 しかも、相手の防御力を参照する「サイコショック」が炸裂。案外と防御が低めなカイリキーは堪らず倒れた。

 

「行けッ、カポエラー! 「ねこだまし」!」『スッピン!』

『フシッ……!』

 

 マサヒコ氏の次なるポケモンはカポエラー。出だし早々にタスキ潰しの「ねこだまし」を決める。

 

「「サイコフィールド」!」『ディ~ン!』

「やはり張って来たか! 「とびひざげり」!」『カッポリャッ!』

『ヒデブッ!』「戻りなさい、フーディン」

 

 対するナツメ氏は「サイコフィールド」で「ふいうち」を牽制しようとしたが、生憎マサヒコ氏には読まれていたようで、フィールド張りで動けないフーディンにカポエラーの「とびひざげり」が決まった。当然、防御がペラペラなフーディーンが耐えられる筈も無く、自分の張ったサイコフィールドの中で倒れ伏す。

 ここまでの攻防でナツメ氏が失った手持ちは3匹で、マサヒコ氏は1匹のみ。戦局は限りなくナツメ氏が不利だ。

 

「フフフフフ……」

 

 しかし、形成が傾いている筈のナツメ氏が不敵な笑みを浮かべる。一体何がおかしいのだろうか。

 

「何がおかしい?」

 

 それはマサヒコ氏も同じようであり、怪訝な表情で聞き返す。

 

「――――――ここまでは(・・・・・)予定調和(・・・・)って事よ! 行きなさい、ヤドラン!」『ドラァン?』

 

 すると、ナツメ氏は答え合わせをするかのように、かなり悪い顔でヤドランを繰り出し、

 

「「メガシンカ」よ!」『メガドラァアアアン!』

 

 そして、マサヒコ氏の懸念は絶望として顕現した。




◆ナツメ

 ヤマブキジムのジムリーダーを務めるエスパー少女(初代)。子供の頃にスプーンをぶん投げて曲がって以来、超能力に目覚めたという謎の経歴を持つ。能力自体は本物で、予知や念動力など、様々な超能力を使い熟している。後にその魔法染みた力や容姿の端麗さを見込まれたのか、ポケウッドでスターにもなった。現在は俳優活動をしつつ、偶に帰省してジムリーダーを行う、という優雅なライフスタイルを送っている。
 過去に統一試合でマサヒコをコテンパンにした張本人であり、何時の日か彼が再び挑んで来る事を密かに楽しみにしていた。決してヒソカみたいに待っていた訳では無い。
 ちなみに、邪険にしがちに見える色違いのスリーパーは、実は彼女の私生活を支える重要なマネージャーポジションだったりする。これ程サングラスが似合う怪しい奴は居まい。
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