キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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今回からはタマムシシティ~♪


映えろ! コイキング☆彡

「おはこんハロチャオ~♪ あなたの目玉をエレキネット! 何者なんじゃ? ナンジャモです!」

「グッドパンチング! ドラゴンストーム、キバナだぜ!」

「さてはて、ナンジャモと!」「キバナの!」「「キバナモンジャTV!」の時っ間っだぞ(ぜ)~ッ!」

「さーて、やって来ましたねぇ、「タマムシシティ」!」

「まさしく華の街……虹色、夢の色ってな。カントー第2の都市というだけあって、かなり栄えてるな」

「でも、企業都市だったヤマブキと比べると、堆いビルとかはありませんね」

「そうだな。どちらかと言うと、カジノやデパート、旅館とかが多いな」

「商業と娯楽の街、って所ですかね」

「特にタマムシジム周りのガーデニングは、完全にジムリーダーの趣味だしな」

「エリカさんでしたっけ?」

「ああ。元はシルフのご令嬢だったが、今は自分で生け花教室やガーデニング屋を立ち上げて、成功を収めてるらしいぜ」

「なるほどー。逞しい方なんですねー」

 

 という事で、ボクらはヤマブキシティを離れ、タマムシシティへ来ていた。玉虫色の街というだけあって様々な娯楽に溢れており、映える施設が沢山ある。世の中、やっぱり“楽しみ”がないとね♪

 

「そう言えば、マツリカ氏は?」

「そこの池でコイキングに餌をやってる」

「平和な世界……」

 

 ふと見やれば、とある一軒家の前にある大きな池で、コイキングに餌やりをするマツリカ氏が居た。ルンルンもルンルンしている。和むなぁ……。

 

「――――――というか、この池のコイキング、全部色違いじゃないですか!?」

「金コイだけじゃなく、紅白や三色の奴とかもいるぜ。こりゃあ凄い」

 

 他にもグレーやパープル、ピンクまで泳いでる。ここまで多種多様な柄のコイキングが一堂に会している様は、実に圧巻だった。

 

「キバナ氏、これは先ず最初に、このお宅に突撃してみましょうよ」

「おっ、珍しい出だしだが、面白そうだな。行ってみようぜ」

「それじゃあ、ちょっとお邪魔してっと……」

 

 という訳で、池の真ん中に架けられた木橋を渡り、家主さんを訪ねてみる。御免下さーい。

 

「……誰じゃ? こんな朝早くからお客人とは、珍しいのう」

 

 出て来たのはお爺さん……ではなく、小さな子供。

 だが、雰囲気も言葉遣いも爺臭く、服の趣味も年寄りっぽい。何なんだ、この子は。

 

「えっと、お父さんかお母さん、居るかな?」

「儂がここの家主じゃよ。親族は誰もおらん。あと、生きた年数だけで言えば、お主らよりも遥かに上じゃ。子ども扱いするでない」

「「えぇ……」」

 

 いや、そんな事を言われましても、子供にしか見えませんし。

 

「まぁ、いきなり言われても信用出来んか。……ほれ、これが数年前の儂じゃ」

「どれどれ……嘘だッ!」

 

 そう言って、差し出された写真に映っていたのは、この家をバックにした、お爺さんの姿。想像通りというか、大分草臥れた感じの見た目だ。

 これが本物だとしたら、何がどうしてこうなった!?

 

「いやー、これでも一端の科学者での。街全体が今より汚れとった頃、家の池もベトベターが棲み付く程に汚染さておったんじゃが、水質を改善する為に色々と試している内に、ヘンテコな薬品が出来てな。効果を確かめる前に事故で自分がおっ被り、池にも零した結果、こうなったのじゃ」

「「いや、その理屈はおかしい」」

「そう言われてものう。理由は儂にも分からんし、徹夜テンションでやったから、作り方も覚えておらん。ともかく、その薬には儂を子供にまで若返らせ、コイキングを色物に変える効果があった、という事だけは確かじゃな」

「「は、はぁ……」」

 

 どうしよう、知ってはいけない事を知ってしまった気がする。これ配信して大丈夫なの?

 

「構わん構わん。世の中えしてそういう物じゃ。それより、せっかく来たのだから、コイキングたちを間近で見たいじゃろ? ついておいで」

 

 何て動じない人なんだ。

 まぁ、ここまで来たんだから、後は野となれ山となれ、だろう。

 ――――――って事で、今度こそお邪魔しまーす。

 

「ほーれ、ここが我が家の地下水槽じゃ」

「「おおー」」「綺麗だねー」

 

 そんなこんなで案内された御老人(名前は「サタケ」というらしい)のお宅には、素敵な水族館がありました。地下室の壁を丸ごと分厚い強化アクリルガラスに替えた、文字通り“水の中”である。流石に海中水族館とかに比べると地味だが、色とりどりのコイキングが群れを成して元気に泳ぐ姿を間近で見られるのは、本当に気分が良い。心が和んで、時間すら忘れてしまいそう。

 

「いやー、良い物を見せて貰いました! だけど、ここまでの設備を整えるのは、相当な苦労があったのでは?」

「いんや。隣のカジノを運営しとる奴が、話の分かる男での。何匹か景品に使って良いから、飼育設備をくれって言ったら、気前良く出資してくれたわい。おかげで、儂は毎日が楽しいよ。儂が手塩に掛けたコイキングたちに囲まれ、何時か誰かの下へ旅立っていくのを見守りながら過ごすんだからの」

「ほへー」「リッチな生活してるなぁ……」「美味しそう」

 

 そう聞くと、隣のカジノが気になってくるわね。

 

「そいじゃ、次はお隣さんに突撃しますか!」

「よっしゃ、回すぜぇ!」

「大人だねぇ……」

「ま、程々にするんじゃよー」

「「「はーい」」」

 

 こうして、ボクらは親切なお爺さんに別れを告げ、隣のカジノ……「ロケットゲームコーナー」へ向かうのであった。




◆コイキング

 世界一弱くて情けない魚ポケモン。ただし生命力と繁殖力は凄まじく、世界中の何処にでもいる。進化すると脳細胞が作り変えられ、凶悪なポケモン「ギャラドス」となる。
 ちなみに、とある地方ではコイキングを育て、その美しさと跳ねる力強さを競い合うと言われており、そこでは様々な模様のコイキングを見る事が出来るらしい。
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