キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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賭け事は大人になってカラ、余裕のある時にやりましョウ。


ロケットゲームコーナー☆彡

「ショーダウンして下さい」

 

 ディーラーが手札の開示を求め、プライヤーたちが各々のカードを見せる。

 

「……「フルハウス」だ」

「「ストレート」……」

「「フラッシュ」だぜ、クソッ!」

 

 今の所、手札が一番強いのはキバナ氏。これを超えるには、「フォーカード」以上を出さなければならない。

 

「――――――「ストレートフラッシュ」よ☆彡♪」

 

 しかし、ボクの手札は「ストレートフラッシュ」。「フォーカード」よりも上だ。つまり、ボクの1人勝ち、という事である。

 

「だぁーっ、クソッタレがぁ! まーた負けたぜ! どうなってんだよ、チクショウ!」

「にししし、ボクにポーカーで勝とうなんぞ、1万光年早いんだよぉ~ん!」

「距離だ、それは!」

「知らんな~♪ ボクが是と言えば非も是なのさ~♪」

 

 ……ってな感じで、ボクらは「ロケットゲームコーナー」でギャンブルを楽しんでいた。

 ゲームコーナーと名は付くが、子供も遊べるのは表側の一区画のみで、他の場所は全て大人のゲーム(ギャンブル)を愉しむ為のスペースだ。即ち、実態は「賭場」以外の何物でもない。

 まぁ、そんな些事は、ここへ足を踏み入れた者なら誰もが承知だろうが。子供には教えられないのよん♪

 

「いやー、楽しいですねー」

「そりゃあ、勝ってりゃな。オレ様は負け越しで素寒貧だぜ。……ちょっとスロットで稼いでくる」

「頑張ってね~」

 

 ボクにチップを巻き上げられたキバナ氏が、不貞腐れ気味にスロットコーナーへズカズカと歩いていく。

 ロケットゲームコーナーは、入って直ぐがアーケードゲームのコーナーで、秘密の扉を潜った先に賭場、という前後に分かれた構造になっている。

 さらに、賭場は酒場を兼ねた「テーブルゲームコーナー」、スロットやルーレットなどが軒を連ねる「ゲームマシンコーナー」、レースを楽しむ「レーシングコーナー」の三区画に分別されており、客は各々が遊びたい場所で金や人生を賭けるのである。

 

「さーて、今の内に景品と交換して来ようかな~♪」

 

 ロケットゲームコーナーのコインは秘密の裏口で換金も出来るが、基本的には景品との交換になる。珍しいアイテムや貴重なポケモンを貰えるので、下手に換金するよりも価値があると言える。

 

「おー、確かにコイキングがいる……」

 

 サタケくんさんご自慢のコイキングたちもラインナップされていた。パソコン通信で転送する事により、高い鮮度を保ったまま、客の手に渡るようになっているのだとか。まるで道具扱いだが、変に店の裏手とかで飼うよりはいいと思う。言うなれば、ブリーダーとペットショップみたいな関係だ。世の中、綺麗事だけじゃ回らない。

 

「さてさて、珍しい子はいるかな~?」

 

 何々……ケーシィ、ミニリュウ、ピッピ、ピカチュウ、イーブイetc……か。

 なるほど、カントー地方では捕まえ難いポケモンがラインナップされている訳ね。

 その上、どの子も色違いという豪華な仕様。確かにこれなら金と時間を惜しまないのも納得である。特にピカチュウとかイーブイの色違いは、かなり需要が高そうだね。その分、中々当たり難くなってるんだろうけど。育てるのも大変だろうし。

 だが、ボクは遠慮容赦なく貰っていくよー。色違いは普通に欲しいからね~。

 

「よしっ、キミに決めたっ!」

 

 そんなボクが選ぶ、色違いのポケモンは、

 

『ジィ~』

 

 大人気キャラクター、コイルちゃんです!

 実は色違いの個体、持ってないのよね。というか、コイル系統を持っていない。髪飾りにするくらいには好きなのに、どういう訳かコイルと出会う機会が無いのよ。ピクニックに出掛けても、メリープやズピカとかに集られるだけだし。

 だから、この機会に本物のコイルをゲットして、育ててみたいと思った訳よ!

 たぶん、こうでもしないと、ボクはコイルと巡り合わない星の下に生まれてるだろうから……。

 

「よろしくね、「イルル」ちゃん!」

『ジィ~ジィ~♪』

 

 う~ん、やっぱり本物のコイルは可愛い。髪飾りのコイルたちは、あくまで図鑑説明を基に作ったAIロボットだから、生きたポケモンのようにはいかないのよ。

 

「おや、もう景品と交換したのか」

 

 すると、コインを稼ぎ直したらしいキバナ氏が声を掛けてきた。

 

「よくもまぁ、こんな短時間で稼げましたね」

「オレ様の動体視力を舐めるなよ」

「本当にフィジカル任せですね、キバナ氏は……」

 

 物の数分で稼いだって事は、おそらくは「200連スロット」をやったんでしょ?

 あんなの、目で追えても身体の反応が追い付かないと思うんだけど。キバナ氏は、超ガラル人だった?

 

「キバナ氏は……やっぱりミニリュウですか?」

「いや、ヨーギラスにした。オレ様は天候操作も戦術の1つなんでね」

「ほへー」

 

 そう言えば、ドラゴン使いの癖にコータスとか持ってるもんね、おたく。かの有名なワタル氏もプテラとかギャラドスを使ってるくらいだし、ドラゴンっぽければ何でも良いのかもしれない。キバナ氏の場合、怪獣っぽいと言うべきかもしれないが。

 

「あ、そう言えば、マツリカ氏はどうしてます?」

「誰かと電話してたな」

「へぇ、珍しい……」

 

 意外と友達とはよく話すのか、もしくはアポロさんと連絡でも取ってるのかな?

 

「あー、2人ともー」

 

 と、噂をすれば影、マツリカ氏がルンルンを連れだってやってきた。

 

「おや、電話はもういいんですか?」

「うん。ちょっと用事があっただけだから~。それより、向こうで「サイホーンレース」をやるみたいだけど、一緒に行く~?」

「お、カロスで有名なアレですか!」

 

 カロス地方ではサイホーンでレース競技を行う事で有名だが、カントーでも取り入れたのか。こりゃ面白そう。ついでに賭けもし~ちゃお♪

 

「そんじゃ、ちょっくら行ってみるか!」

「アイアイサー☆!」「おー」『パン!』

 

 そんなこんなで、レーシングコーナーに向かったボクらの目に飛び込んで来たのは、

 

「行けっ、そこですわ! よしよし……良いですわよーっ!」

 

 レースに熱狂する、エリカお嬢様の姿であった……。




◆ロケットゲームコーナー

 ロケットマークが特徴的な看板を掲げるゲームコーナー。一応アーケードゲームもあるが、その実態はカジノである。運営元はトキワコンツェルン。ポケモンのブリーダーたちと提携し、彼らの生み出した希少な個体を目玉商品としている。ブリーダーも世話を全面的にサポートして貰っているので、悪い取引ではない模様。
 その地下には、秘密の基地があるとか無いとか……。
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