キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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サイクリングロード……懐かしい響きダ。


新たな門出☆彡

「行くよ、イルルちゃん!」『レジィ~♪』

 

 「かみなりのいし」をイルルちゃんに使ってあげる。おや、イルルちゃんの様子が……!?

 

『ジパパ~ン♪』

 

 おめでとう、イルルちゃんはジバコイルに進化した☆彡

 

「イェ~イ♪」『ジパパ~♪』

 

 わ~い、超嬉しい~♪

 

「じゃあ、早速お願いね、イルルちゃん♪」『ジパパパ~』

 

 という事で、イルルちゃんに跨ってみる。アンテナを持ち手にすれば、あら不思議。フワフワとした快適な乗り心地が。

 

「えへへ、ウヒヒヒ……♪」

「おい、気持ち悪いぞ……」

「んなっ! 失礼な! だって仕方ないでしょう! 自分のジバコイルに跨って散歩するのが、子供の頃からの夢だったんですよ!? これが喜ばずにいられますかってんだい!」

「ああ、そう言えばお前、でんきタイプ使いの癖にコイルと縁が無かったんだっけかw」

 

 その通りだけど、言い方がムカつくんだよ、キバナ氏。嘲笑うな!

 

「……まぁ、それはそれとして、やって参りましたよ、「ポケモンロード」!」

 

 さ、気を取り直して、撮影再開と行きますか。

 

「「ポケモンロード」……別名「サイクリングロード」とも呼ばれる、ポケモンライドの聖地だな。ここでは自転車かライドポケモンに乗らなければならない決まりになっている。早速乗るとするか!」

 

 と、キバナ氏は自前のロトム自転車に跨った。

 そう、ここは「ポケモンロード」。タマムシシティとセキチクシティを繋ぐ急勾配の坂道。その爽快な走り心地から、何時しか徒歩での移動を制限され、やがてライダーたちの聖地となった場所である。

 むろん、ボクはイルルちゃんに乗って行くよ~♪

 

「おいおい、偶にはプニ公を歩かせたらどうだ?」

「その心配はナッシング。何故なら、プニちゃんはモトトカゲのリザリーちゃんを乗り回してるから!」

『プニニ!』『モトァッ!』

「……いや、そうだけど、そうじゃねぇだろ」

 

 リザリーちゃんに跨るプニちゃんを見て、キバナ氏が何とも言えない表情を浮かべた。そう言われましても。

 

「ああ、ここを通るのも久しぶりですわ~♪」

「そうなのー?」

「ええ、生活の為に色々と時間を削っていましたからね」

 

 そんなボクらの後ろで、おっとりのほほんとした2人が、ゆったりとライドしている。1人は言うまでも無くマツリカ氏だ。

 では、残る1人は誰なのか?

 

「はぁ……こうして自由な旅を出来る日が来るなんて……夢のようですわ!」

 

 はい、エリカ氏です。何とこの度、彼女が「キバナモンジャTV」の旅路に付いてくる事となったのである。一体何がどうしてこうなったのかと言うと、ジム戦後まで話が遡る……。

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

「お恥ずかしい姿を見せましたわ……」

 

 死に物狂いでヘヴンズ・ドアーを開こうとするエリカ氏を、どうにかこうにか力尽くで宥めすかし、ようやく落ち着かせたボクたちだったが――――――さて、どうしたものか。何とか彼女の秘密をバラすつもりがない事を納得して貰えたのは良いが、このまま放置してカントー巡りを再開出来るかと言われれば、流石に無理があるだろう。また何かの拍子で死にそうだし。

 

「恥ずかしくて死んでしまいたいです。ああ、そうか、死ねば良いんですね! 死にます!」

 

 ほら、もうこうなるぅ~!

 

「はい、落ち着こうねー」

 

 すると、今まで観戦(というか煽り)に徹していたマツリカ氏がお手を上げた。

 

「エリカさん」

「はい、何でしょうか?」

「アポロさんに相談して、あなたのジムリーダーの資格を一時的に剥奪する事となりました」

「「何で止めを刺しに行くの!?」」

 

 というか、アポロさんってカントーリーグの役員でもあるんだね。顔広過ぎでしょ、あの人。

 ……じゃなくて、どうしてわざわざエリカ氏を追い詰めるような事を言うんだ。死んだらどうするぅ!

 

「嗚呼、やはりわたくしは必要ないのですね……」

「いいえ、必要だからこそ、休暇を取って貰おうとの事です。ジムは代理人をアポロさんが派遣するそうなので、あなたは暫くの間、自由にして下さい。生活費も保証するそうですよ」

「――――――つまり、療養休暇を取れ、という事ですか?」

「そうなりますね。……って事で、一緒に旅でもしない~? 色んな所を歩いて、色んな景色を見て、色んな人と会えば、きっと楽しいよ~?」

「……………」

 

 なるほど、放浪癖のあるマツリカ氏らしい誘い方だね。

 そう言えば、マツリカ氏って昔はチームを組んでカントーを旅した事があるんだっけか。彼女が一緒なら、荒んだエリカ氏の心もほんわか温まるかも。

 

「……分かりました。お言葉に甘えさせて頂きましょう!」

 

 何だ、そういう顔も出来るんじゃないですか、エリカ氏。 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 ――――――ってな感じで、エリカ氏が旅の仲間に加わったのでありましたとさ。その内7人くらいに増えるんじゃないかな?

 ちなみに、エリカ氏のライドポケモンは、何とあのダリアちゃん(色違いのサイホーン)である。

 実はダリアちゃんの騎手さんが怪我をしてしまい、あの時のレースが引退試合だったらしい。なので、何時も応援してくれるエリカ氏に託してくれたのだ。とてもドラマチックで絵になるし、何よりエリカ氏の自殺を抑制する理由が出来て丁度良い。

 という訳で、エリカ氏はダリアちゃんと共に、心を癒すカントーの旅に出る事と相成ったのでした。

 

「おっ、目と目が合ったな! なら勝負だぜ!」

 

 とか何とか言っていたら、早速通りすがりのバッドガイに喧嘩を売られた。この視線が合っただけで勝負に発展するの止めて欲しいんだけど……。

 

「――――――では、わたくしがお相手しましょう。これがわたくしの、新たな門出となるのです!」

 

 よし行け、ボクらのエリカ氏!




◆ダリア

 色違いのサイホーン(♀)。カントー地方のサイホーンレースの花形。単細胞で有名なサイホーンとは思えない程に理知的な個体で、レース運びを完璧に熟して見せる。趣味はガーデニング。
 しかし、騎手が怪我で引退する事となってしまい、彼女のファンであるエリカに託される事となった。
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