おはこんハロチャオ〜!
お待たせだぞ、皆の者!
「ドンナモンジャTV」改め、リーグ公認の特別企画「キバナモンジャTV」の時っ間っだぞぉ~!
いや~、もう公式だよ公式! まさかまさかの、ガラルリーグとパルデアリーグの共同コラボの代表として、このボクが選ばれちゃったんだよね~♪
……あ、メリープ氏、スパチャドモドモ~♪
ま、ボク1人じゃなくて、コラボ相手が居るんだけどねぇ~。ボクがパルデア代表なら、“彼”はガラル代表。前チャンピオンのダンデ氏が公認するライバル、ドラゴンストリームことキバナ氏が、この長い長~い旅路の、パートナーだぁ!
――――――ってな感じで空港まで来たんだけど、キバナ氏は何処?
「ハイ、チ~ズ!」
「「“ガオー”!」」
あ、居た。旅行客と写真撮ってる。流石は自撮り馬鹿。ガードが緩いねぇ。
「……おっ、そのコイル頭は、アンタがナンジャモか。オレ様はキバナ。ドラゴンストームのキバナ様だ。よろしく頼むぜ」
と、こちらに気付いたキバナ氏が、気さくに声を掛けてくる。
褐色肌に翡翠の瞳、ガッシリとした長身の、八重歯の生えた青年。オレンジ色のバンダナとドラゴンっぽいフードのダボ付いたパーカーが、良い外連味を出している。女性ファン、多いんだろうなぁ~。
ボクはボクが大好きだけドネ☆♪
「ハッハ~イ、こちらこそ、よろしくデ~ス♪」
「うんうん、噂通り、元気が宜しい事で。……さてと、ここで道草食ってても仕方ないし、早速カントーへ向かうとするか」
「了解で~す!」
うんうん、ダンデ氏と違い話が通じて宜しい事で。
さぁさぁ、早速カントー地方へレッツゴー!
◆◆◆◆◆◆
……と言っても、直ぐに着く訳じゃないから、今日は雑談になっちゃうかもね~。
しかし、キバナ氏と話す機会なんて早々無い事。例え実りの無い会話だとしても、絵面だけで映える筈。イケメンくんだからねぇ~、キバナ氏。
もちろん、ボクの方がエレキダイナモに可愛いけどネ~♪
という事で雑談配信、始めるよ~ん♪
「キバナ氏は今回、どの子を連れて来たんですか~?」
今回の企画はバトりよりもガイドロケがメインであり、手持ちポケモンはパートナーとなる1匹だけという制限を設けている。相棒と楽しく和気藹々、だけど偶にはバトルをして盛り上げる、という事だろう。事実、チャンピオンからテラスタルオーブを持って行くよう言われてるし。キバナ氏の方もダイマックスバンドと簡易パワースポットを託されてるみたいだしねー。
「そりゃあ、もちろんジュラルドンさ。そういうアンタは何にしたんだい?」
「それはモッチロン、ハラバリーちゃんだよ~♪」
「……どんなポケモンなんだ?」
「こんな子です」『ハラダモ~ン♪』
皆の者~、これがボクの最愛のパートナー、ハラバリーの「プニちゃん」だよ~ん♪
弾力性抜群のプニプニした丸っこい緑色のボディに、プルンプルンのへそダイナモ、キュートな瞳とニコニコスマイル、フェイクな目玉型のコブ!
まさにボクの相棒に相応しい、可愛いポケモンだよね~♪
さぁさぁ、スクショタイムだぞッ! 脳内フォルダに焼き付けろ~♪
「結構幅取るな」
「ジュラルドン程では無いと思うけど? ちなみに、この子は17匹姉弟の長女ちゃんで~す☆彡」
「数がエグい……」
えー、そうかな~?
カエルなんだから、それぐらいは居ると思うけど……。
「ちなみに、オレ様のジュラルドンは最初の1匹だぜ!」
「おお、思入れのあるパートナーって事だねぇ!?」
「そうとも! 何度ダンデのリザードンにぶっ飛ばされたか分からねぇぜ! ナハハハハハッ!」
「おい」
それはジュラルドンが可哀想だろうが!
「ニックネームは「バベル」だ! どうだ、カッコいいだろ!?」
「うん! 何で未だに心が折れないのか不思議なくらいです!」
戦う前から負けてるんよ、その名前は。もっと他にあったでしょうに……。
――――――ピンポンパンポーン。
およよ、機内放送? まだ1時間も経ってないけど、もうカントーに着いちゃうワケ?
《えー、ご搭乗の皆様にお知らせ致します。当機は只今テログループにハイジャックされましたが、特に問題なさそうなので、引き続き優雅な空の旅をお楽しみ下さい。……あ、高度はそのままでね。もう少しでポイント見えて来るから、それまで宜しく。ZZZzzz》
「「楽しめるかーっ!」」『バイン?』
機長さん、日頃の疲れが噴出して、頭の中が「はなふぶき」したの!?
つーか、寝るなよ。ハイジャック犯に客の命運を任せるんじゃない!
「皆の者、大変だ~! まさかまさかの、ハイジャックテロの時っ間っだぞ~!?」
「おーい、番組を続けるなー」
何を言う。こんな映える展開、インフルエンサーとして見逃せるかぁー!
「……ま、何はともあれ、どうにかしないとですね」
「急にスンってなるなよ。……まぁ、そうだな。オレ様たち、ジムリーダーだし」
「そうそう、ジムリジムリ!」
「――――――そこ傍となくアニメ会社みたいに聞こえるのは気のせい?」
「気にしたら負けだよ~ん♪」
だが、ジムリーダーとして事態を治めないといけないのも事実。リーグ関係者は様々な特権を得られる代わりに、ある程度の実績と不測の事態への対応が求められるのである。言ってしまえば、特殊部隊みたいな物だね。
だから、ハイジャックなんてやらかすお馬鹿さんは、しっかりバッサリ成敗しなければならない。例えプニちゃん1匹でも、テログループ如きに遅れは取らないよ!
「そんじゃま、行きますか、キバナ氏!」
「おう! 盛り上がって来たぜぇ! カチコミじゃあ!」
おう、ヤクザか。
「ドワォッ!」「蹴りもヤクザかーい」
「な、何だぁ!?」「客がカチ込んで来たぞ!?」「客席の仲間はどうしたぁ!?」
という事で、操縦席へGO!
……あ、客に紛れていた仲間は全員プニちゃんが電気椅子しました。ボクの目玉はエレキネット、どんな獲物も見逃さない。観察眼は何処の誰よりも優れているのさ。何せ意識すれば、電磁波を視覚化出来るからね。動き出してからの殺気が駄々洩れなのよん♪
「くそっ、行けヤミカ――――――」
「ドララララララララッ!」
「「「ヤッダーバァアアアッ!」」」
うぉーい、拳で解決しちゃったよ、この人。ポケモン要らないじゃん。流石は毎日肉体を鍛えているだけの事はある。凄いマッチョだもんねぇ、キバナ氏。
「あ、しまった。機長たちも殴り飛ばしちまった。テヘペロ♪」
「おい、キバミィーッ!」
「ちょっと汚すなよ、人の名前を!」
※この後、ボクが頑張って操縦しました。お前ら全員タヒね。
◆キバナ
“ドラゴンストーム”の異名を持つ、ナックルシティのジムリーダー。ドラゴンポケモンの使い手。ガタイの良い長身と兄貴分な性格から、男女共に人気が高い。ダンデが認めるライバルであり、「他の地方でならチャンピオンになっているのではないか」と噂される実力の持ち主である。相棒のジュラルドンは最初にして唯一の1匹。
趣味は鍛錬とファッションで、それを自撮りした上でSNSに投稿している。元々は「負けた自分を戒める為」に始めた行為であるが、興が乗って行く内に自撮り自体を楽しむようになった。本人もそれを自覚している。
今回はガラルとパルデアの両リーグの意向で、ナンジャモとワールドツアーへ出掛ける事となった。
……ちなみに、何故か乗り物に乗ると事故が起き易いらしい。