「おはこんハロチャオ~♪ あなたの目玉をエレキネット! 何者なんじゃ? ナンジャモです!」
「グッドパンチング! ドラゴンストーム、キバナだぜ!」
「さてはて、ナンジャモと!」「キバナの!」「「キバナモンジャTV!」の時っ間っだぞ(ぜ)~ッ!」
「いやはや、酷い目に遭いました」
「でも、こうして配信再開出来たんだから良かったじゃねぇか」
そりゃあそうなんですけどね。痛い物は痛いのよ。あの後、盲腸の切除までする破目になったし。おかげでお腹が恐ろしく軽くなったよ。
「……で、今回はセキチクジムにお邪魔する訳ですが!」
「おう?」
「何と断られました!」
「堂々と言うね!?」
「いやー、アンズ氏が怪我しちゃったらしくてねー」
「ああ、なるほど……」
避難中の住民に襲い掛かろうとしたチヲハウハネを食い止める為に、結構な無理をしたのだとか。あんな若い身空でジムリーダーなんてやってるから……。
「そのお詫びって訳じゃないけど、何と今回は特別に、元ジムリーダーの方をお招きしているのですよ!」
「それってつまり――――――」
「はい、現役の四天王、どく使いのキョウさんです!」
「おお、やるじゃねぇか」
「ファファファファッ! お呼びかな!?」
「「うぉあっ!?」」
い、何時の間に背後に!?
だが、この如何にも忍者ですと言わんばかりの恰好――――――間違いない、キョウ氏だ。
「いやー、すいませんね、お忙しい中」
「いいや、拙者は娘の危機に間に合わず、怪我をさせてしまった愚か者よ」
そう卑屈にならんでも。正直な所、セキエイ高原からここまで駆け付けられただけでも、充分だと思うけどね。空を飛んだとしても、結構な時間が掛かるし。
「さぁ、早速始めるでござるか」
「あら、ジムの紹介とかは良いんですか?」
「何処かの誰かに殴り砕かれそうなのでな」
「………………」
「「目を逸らすな」」
お前だよ、お前。
しかし、そういう事なら話は早い。さっさと始めよう。
「父上ーっ!」
と、そこへアンズがニンニンと見参。怪我人とは思えない、アクロバティックな動きで着地する。
「ぬっ、何故来たのだ、アンズ! お前はまだ療養中だろう!」
「父上が戦うというのに、指を咥えて見学など出来ませんッ!」
「「本音は?」」
「久々に戻って来たんだから、もっと家族サービスしてして~! ……あっ」
可愛いなー、この子。それに分かり易い。
「まぁ、本人がやる気なら良いんじゃないですか?」
「そうそう。こいつだってホルモンがちょっと足りてないけど元気だし、折角だからサービスしてやれって、パパ」
「うぬぅ……」
うーん、この人もちょっと可愛いかも。娘に懐かれて困ってるって感じが滲み出てますよ、パパ。
「――――――では、手持ちが1匹ずつのダブルバトルとしよう。それなら、お互いにそこまで負担はあるまい」
「「OK!」」
「わーい、やったー! ……じゃなくて! 光栄です、父上!」
「「うんうん……」」
ほっこり♪
「頑張って~」「お茶を飲みながら応援してますわ~!」
こっちはまったり。一応は復活したみたいだけど、心の傷ってのは膿み易いのに目に見えないから、気を付けてあげないと。
という事で、2回目となるキバナ氏とのチーム戦だぁ!
「「行けッ、ゲッコウガ!」」『『ゲコカゲェッ!』』
「「卑怯者っ!」」
だから、どく使いの概念よ。確かに忍者っぽくはあるけどさ。汚い流石忍者汚い。あと、キョウ氏のゲッコウガが色違いでカッコいいです、はい。
しかし、そっちがそう来るなら、
「行って来い、ミナレット!」『ギラァアアアッ!』
「頼むよ~、イルルちゃん!」『ジパパパングッ!』
こっちも違う面子を使わせて貰うぜ!
ちなみに、キバナ氏のミナレットは、1週間見ない内に見慣れないバンギラスに進化していた。前回、初陣で即退場となったのが堪えたのだろう。キバナ氏が考えうる最恐のトレーニングにより進化まで漕ぎ着けたそうな。一体何をやったんだよ……。
「ぬぅ、「すなあらし」が……」「おお、特性「すなおこし」ですか!」
だが、特性により「すなあらし」が自動的に巻き起こるのは結構大きい。イルルちゃんははがねタイプだからダメージを受けないし、ミナレットの特防もアップする。見た所、ちゃっかり持ち物を入れ替えて「とつげきチョッキ」を装備してるしね。これなら例え弱点を突かれようと、ミナレットは耐えうるだろう。「きあいだま」が吹っ飛んで来たら知らん。
問題はゲッコウガたちの特性である。「へんげんじざい」だった場合タイプを変更された上でタイプ一致の攻撃を貰ってしまう事になるが、「げきりゅう」だったらそれはそれで火力がおかしな事になる為、どちらにしても厄介な事に変わりはない。もしも希少な「きずなへんげ」持ちだった場合、相方を落とされればメガシンカ級のパワーで襲い掛かられる事となる。忍者怖い……。
とりあえず、「すなあらし」でタスキは潰しているので、ここは「へんげんじざい」か「きずなへんげ」であると想定してバトルを進めよう。
「ゲッコウガ、「かげうち」!」「ゲッコウガ、「たたみがえし」!」『『ケロットッ!』』
うーむ、やはり素早さは向こうの方が圧倒的に上か。
しかし、体色の一部が変化したって事は、特性はどっちも「へんげんじざい」か。ま、そうそう「きずなへんげ」持ちは手に入らないわな。これで黒ゲッコウガは「ゴースト」に、♀ゲッコウガは「かくとう」になった訳だ。「みずしゅりけん」は当然あるとして、他の技は変化したタイプに合わせた物を覚えさせているに違いない。
「ミナレット、「10まんばりき」!」「イルルちゃん、「じゅうでん」!」
とりあえず、「たたみがえし」が解除されるまでは攻撃しても意味がないので、適当に技を撃っておく。
さて、♀ゲッコウガがかくとうに変化したという事は、ミナレットが危なくなるわね。4倍弱点は痛いし、追撃を食らったら倒されてしまう。
「ゲッコウガ、「みずしゅりけん」!」「ゲッコウガ、「けたぐり」!」『『シュシュット!』』
黒ゲッコウガが「みずしゅりけん」で牽制しつつ、♀ゲッコウガがミナレットに「けたぐり」を繰り出す。流石は親子、抜群のコンビネーションだな。
「耐えて「ストーンエッジ」だ!」『ギャヴォオッ!』
「イルルちゃん、ガードよ!」『ジパパパパ~ンッ!』
だが、コンビプレイなら、こっちだって負けてないぜ!
イルルちゃんがミナレットの盾となり、「けたぐり」を受け切ってやったわ。例え無防備だろうと「がんじょう」持ちのイルルちゃんなら確実に耐えられる。「みずしゅりけん」は早過ぎて間に合わなかったけど、そこはキバナ氏も承知済み。本命が直撃して叩き落されるよりはいい。
『ゲコッ……!』「ゲッコウガ!」
♀ゲッコウガに「ストーンエッジ」が入ったからな!
幾ら素早くとも、攻撃態勢に入ってからは避けられないでしょうよ。1発KOとはいかなかったが、次で落とせる。
「くっ、「かげうち」!」『シュッシュラッ!』
「守れ、ミナレット!」『ギバンッ!』
「イルルちゃん、「ほうでん」!」『ジパリマース!』
『『ゲッコォーッ!?』』
今度は「かげうち」をミナレットが身を挺して受け切り、その隙にイルルちゃんが「ほうでん」をばら撒く。「でんじほう」と入れ替えで覚えさせておいた技である。これで♀ゲッコウガは倒れた。やったね!
あとは、黒ゲッコウガを狩るのみ。袋叩きじゃあ!
「「くさむずび」!」『エイ♪』
『グガァッ!?』「なぁああん!?」
しまった、♀ゲッコウガを囮にされた!
「「ラスターカ――――――」
「「かげうち」!」『スンッ!』
『イルン♪』「おや、やられた」
あーん、イルルちゃんが倒れた~♪
キョウ氏の持ち味である「どくどく」は見られなかったけど、忍びらしいトリッキーな戦いを見られたから、これはこれで満足かなー。
《汚い流石忍者汚い》《忍者に汚いは誉め言葉》《ちゃっかり「くさむすび」覚えてんのな》《惜しかったよ~、ナンジャモちゃん!》《キバナ氏も頑張った!》《今日も良い肉盾だったぞ!》
うーん、視聴者のコメントも素晴らしい。やっぱり
◆キョウ
元セキチクジムのジムリーダーにして、カントーポケモンリーグの四天王。どくタイプの使い手であり、忍者の末裔でもある。娘のアンズは現ジムリーダーでファザコンちゃん。
「じばく」だの「どくどく」だの「ちいさくなる」だの「かげぶんしん」だのと、嫌らしい技のオンパレードを使ってくる、大変ムカつくトレーナー。特に「どくどく」は伝家の宝刀であり、キョウと言えば「どくどく」というイメージがあるのではないだろうか。初代こそどくタイプは不遇だったが、現在の環境で対戦すると厄介極まりない。
余談だが、黄色バージョンでは何故かモルフォンとコンパンしか使わないむしタイプ使いな上、ジムトレーナーがやたらとスリープ系統を使いたがるなど、コンセプトが迷子なジムでもある。しかも、この世界線ではゲッコウガやアギルダーまで使う。
ちなみに、忍者の末裔との事だが、ヒスイ地方のムベさんと関係あるのかは不明。里の配置からして対極っぽいので、どちらかと言うと敵対関係なのかもしれない。