「お、おはこんハロチャオ~♪ あ、あなたの目玉にエブリワン……」
「おい、大丈夫かよ」
「これが大丈夫に見えるのかぁーっ!?」
さてはて、セキチクシティの一騒動から数日後、ボクたちは「シオンタウン」に来ていた。
そう、あのシオンタウンにだ。シオンは尊い色らしいけど、そんなの知らん。
「ボク、ちょっと用事を思い出したので、ヤマブキシティに行ってきます」
「おっと、そうはイカンなぁ!」
「いや~ッ、放してぇ~!」
ボクは幽霊とか、そういうのが大嫌いなんだぁーっ!
だって、電磁波を視覚化出来るって事は、ふとした拍子に
今だって、キバナ氏の右肩に何か白い手みたいなのが乗ってるし、もう帰りたいぃ~(泣)!
「まぁまぁ、落ち着けって。別に見えた所で、気にしなければ何もしてこないだろ? ……あっ、あそこ!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「えっ、いや、おい、お前には何が見えてるんだ!?」
言えるか、そんな事ぉ!
駄目駄目駄目駄目駄目、無理無理無理無理無理ィッ!
「静かで良い街ですね~」「そうだね~」
くそっ、のほほんとしやがって!
「ねぇ、キバナ氏ぃ~、別の街に行こうよぉ~」
「そうは言ってもな。シオンタウンも立派なカントーの一部だし、取材しない訳にも……」
「いやんいやんいや~ん!」
「良い大人がお尻をプリプリすんじゃありません! ……仕方ねぇな、フジ老人に取材でもしたら、「ハナダシティ」に行こう、な?」
「ふぁ、ふぁい……ぐずっ……」
「マジ泣きじゃん……」
「「わー、可愛いー。皆の者、スクショタイムだぞー。夜道の背後に気を付けろー」」
このっ、
「――――――って言うか、その前にお腹空いたんだけどー?」
「ああ、そう言えば、まだ昼飯まだだったなぁ……」
「なら、交渉ついでに、食事処へ向かいましょうか?」
「………………」
……食欲なんて湧かねぇよ。嗚呼、もうお家に帰りたい。
「とりあえず、オレ様が交渉して来てやるから、お前はそこで休んでろ」「行ってくるねー」「しっかりとお休みくださいませ」
「うん……」
キバナ氏らが交渉に行ってくれるとの事なので、遠慮なく甘えさせて貰おう。そこのベンチ、失礼しまーす。
……これで背後が「ソウルツリー」じゃなければなぁ。
「「ソウルツリー」かぁ……」
「ソウルツリー」。元は「ポケモンタワー」と呼ばれた、ポケモンの慰霊塔。
一時はラジオ塔に改築しようという罰当たりな計画もあったらしいが、トキワコンツェルンが土地ごと買い取る事で阻止し、その後「ソウルツリー」として増改築した、という経緯を持つ。
見た目は黒真珠が連なり珊瑚の枝が広がる樹木のような形で、その頂点には「ハートフラワー」というソーラーシステムが花開いている。遠目からだと、巨大な花が咲いているように見えるのが特徴である。内部は墓地であると同時にゴーストタイプの楽園でもあり、多数の幽霊が今日もユラユラと蔓延っているという。
うんうん、絶対に入りたくない。
「おねーさん」
「うん?」
おや、何時の間にか、小さな女の子が。和服なんて着ちゃって、可愛い~ぃ♪
「どうしたのかな? えーっと……」
「わたし、「オミヨ」。よろしくね、おねーさん」
「オミヨちゃんかぁ。ボクはナンジャモ。よろしくね~?」
古風で味がある名前だねぇ~?
どうしよう、アメあげたくなる。ふしぎなアメとか渡したら怒られるかな?
「それで、どうかしたのかな?」
「あのねあのね、ナンジャモおねーさんにおねがいがあるの!」
「お願い?」
「うん! えっとね、じつはおとしものしちゃったから、いっしょにさがしてほしいの!」
「そ~なんだ~♪ ……何処に?」
「ソウルツリー♪」
「ふ~ん、そうなん……え゛っ!?」
「ソウルツリー!」
「………………」
わ~い、誰か助けて~♪
◆シオンタウン
ご存じ、みんなのトラウマ。BGMから「ゆうれい」の正体まで、ありとあらゆる方法でプレイヤーをビビらせてくる。ロケット団の悪行が如実に表現された場所でもある。死んだポケモンを祀る慰霊塔「ポケモンタワー」で有名だったが、何と数年後には「ラジオとう」に変わっている。罰当たりにも程がある。電波に乗ってポルターガイストとか起きるんじゃなかろうか……。
この世界線ではロケット団ではなく別の組織が虐殺を行っている上、アポロの意向で「ソウルツリー」という形で「ポケモンタワー」が存続しているので、罰当たりな事にはなっていない。というかそれが当たり前だと思う。本編は何故ラジオ塔にしたし。