オーキド博士を救出し、ボクが大事な何かを失ってから暫し、オーキド研究所にて。
「いやー、助かった、助かった。危うく青鬼になる所だったわい」
「生々しい表現しないで下さい」
タス……ケテ……じゃないのよ。
つーか、何であんな所で「なみのり(死)」してたんですかね。
「ああ、ちょっと調べ事をしていての。メノクラゲたちに話を聞いていたんじゃが、お礼とばかりに纏わり付かれての。そのまま波間を旅する破目になったのじゃ」
「ば……いえ、無事で何よりです」
「今「馬鹿」って言おうとしたー?」
「外野は黙ってなさい!」
その通りではあるけども!
「はっはっはっ、よくある事じゃから、別に構わんよ。ナナミやグリーンにもよく言われるからの」
しかし、オーキド博士は笑って許してくれた。いや、自覚あるなら直そうよ。心配されてんじゃん。
「お前が言うなよ」
シャラップ、キバナ氏。
「それはそれとして、相談したい事があるんじゃったか?」
「はい、この前現れた、未知のモンスターに関してなんですけど……」
という事で、一先ずライゼクスとリオレウスをボールのまま渡してみる。オーキド博士は興味津々という感じで受け取ると、早速謎のマシーンに掛けて、助手さんと一緒に調べ始めた。
……それ、大丈夫な機械なんですよね?
マサキ氏の家でザ・フライしそうなマシーンを見た後だから、何か心配になるのよねー。
「お茶うまー」
「菓子うまーですわ」
クソッ、関係ないからって、お茶を啜りやがって!
「――――――ほい、一先ずの検査は終わったぞい」
とか何とか言っていたら、何時の間にか終わっていた。
「結論から言うと……さっぱり分からんのじゃ!」
「「おい、ポケモン学の権威」」
「むしろ、ポケモン学の権威だからよく分からんのじゃが」
そう言われると弱いな。
「じゃが、身体の大まかな構造や体質は分かったぞ」
「ほうほう」「どんな感じなんです?」
「先ずライゼクスに関してじゃが、背中や翼の一部、鶏冠などの甲殻が「圧電素子」で形成されており、振動させる事によって発電しているようじゃ。それらを爪や鋏、鶏冠から放電する事で攻撃するのじゃよ」
「「なるほどー」」
だから、あんなにゲーミングな色合いだったのね。途中から青くなったのは、電力が上がったからだろうね。
つまり、発電時に変色する部分は最大の武器であると同時に弱点にもなる、という事だ。ただでさえ電熱が発生しているのに、常に煽動してるんだから、脆くなるのも無理はない。
「リオレウスは逆に甲殻は微動だにせんようじゃな。代わりに骨髄で発火性の体液を形成し、それを「火炎袋」とでも言うべき器官で発生する爆発性の物質と混ぜ合わせ、揮発性の高い混合液にしてから口内へ送り込み、最終的に吐息に乗せて火炎を放射するみたいじゃの。点火自体は牙から発生する静電気によって行っとるようじゃ。その際、高温で口の一部が融けてしまうらしいが、強靭な再生力で補っとるのじゃよ」
「「ほへー」」
自分まで融かすような火炎放射ってだけでヤバいでしょ。そりゃあ、焼け野原にもなりますわ。
「ちなみに、両方とも雄のようじゃな」
「「それは何となく思ってましたよ」」
何せ「悪漢」と「王者」だもんね。何処からどう見ても男の子です、本当にありがとうございました。
まぁ、この外来種たちを繁殖させる訳にもいかないし、雄だけで良かったと見るべきだろうか。悪いが一生童貞でいてくれ。貴様らに春は来ない。恨むなら、勝手に呼び寄せた「Z」を憎め。
「まぁ、そのせいかは分からんが、どちらもやんちゃな性格をしているようじゃな。プライドも相応に高いじゃろうし、面倒を見るならトレーナーと明確な上下関係を作った方が賢明じゃろうな。あんまり下手に出とると、言う事を聞いてくれんじゃろ。気紛れに手を貸してくれるかもしれんが、期待はせん方がいい」
流石はオーキド博士。ポケモンじゃないガチモンでさえも、彼の手に掛かれば色々と見透かされてしまう。データだけにも主観だけにも捉われない、まさしく“
「ともかく、躾が必要って事ですね?」
「そうじゃな。何なら、研究所裏の広場で手合わせすると良い。少し森に入った所にあるから、そこでなら存分に暴れられるじゃろ」
「暴れられるて……」
いや、その通りなんだけども。
「どうします、キバナ氏?」
「ま、言う通りにしてみた方が良いんでない? 各々のポテンシャルをお互いに知っておいた方が、双方の為になるだろうし」
「ですよねー」
それじゃあ、早速研究所裏の広場に移動して、実力試しでもしますかー。
「あー、ちょいと待ってくれ」
おや、急にボクらを呼び止めるなんて、どうしたんですかー、博士?
「確かナンジャモくんは、相手の思考がある程度読めるのじゃろ?」
えっ、何故それを!?
「アポロくんから聞いておるよ」
「………………!」
キッとマツリカ氏を睨むと、顔を逸らされた。この
「おーい、ナンジャモ」
「どうしたんジャモ?」
「お前がやたらポーカーだのが強いのって、そういう事だったのかな?」
「ソンナコトナイヨー?」
「嘘吐くなぁ!」
「あーん、暴力反対ぃ~!」
クソ~っ、バレたかぁ~。
でも、払い戻しはしないよ。ギャンブルは騙された方が悪いんだから。
「何でもかんでも分かる訳じゃないし、何処ぞのエスパー少女程精度は良くないんだから、勘弁して下さいよ~」
「ああ。……でも、次は無いからなぁ?」
「さっすがキバナ氏、話が分かるぅ~♪」
「えーっと、話を続けても良いかの?」
「「あ、すいません……」」
そう言えば、博士に話題を振られてたんだった。無視してゴメ~ンネ☆。それで、何がどうしたんですか、オーキド博士?
「実はの、君らが来る少し前に、少年を1人保護したんじゃが、何を言っているのかさっぱりでの」
「……外国人、って事ですか?」
「いや……まぁ、見て貰った方が早いか。おーい!」
すると、博士が2階から“誰か”を呼び出した。
「「「「………………!」」」」
その誰か――――――少年を見たボクらの、言葉が詰まる。
「#($&’~=|%”‘*+(’}!」
訳の分からない言葉を話す彼は、リオレウスを素材にした鎧で身を固め、ライゼクス然とした剣と盾を持っていた。これは、もしかしなくても……、
「この少年から、リオレウスやライゼクスの纏っていた、不可思議なエネルギーと同じ物を帯びていた。おそらく、異世界から来たのじゃろう。だから、君らにコミュニケーションを取って貰いたいんじゃよ」
オーキド博士は満面の笑みを浮かべた。怖い……。
◆ハンター
ガチなモンスターの皆様を、己が身1つで狩ってしまう、本当の化け物。煮ようが焼こうがプレスしようがビームしようが、何故か2回は舞い戻って来るし、仮に3度目の正直でも撤退するだけ。彼らの身体は何で出来ているのだろう?