キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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今回は三人称視点


永遠の復讐★彡

「……以上で報告終わります」

《ご苦労様です。引き続き、監視の方を宜しくお願いします》

「了解で~す」

 

 ナンジャモとキバナがアグルやポケモンたちと共に、ライゼクスらガチモン連中と特訓という名の調教をしている最中、草葉の陰でコソコソと、マツリカは上司であるアポロに連絡を入れていた。当然、内容はこれまでの旅路と怒った出来事についてである。彼女はトキワコンツェルンの特別社員であり、まだ見ぬアオイ女史と共に世界を股に掛ける諜報員でもある。だからこそ、情報収集に余念がないのだ。

 しかし、ナンジャモたちを気に入っているのも事実で、単なるビジネスパートナーという訳でもない。むしろ、心配しているからこそ、逐一相談しているのである。時空の割れ目に未知なるモンスター、それから異世界人。心配するなというのが無理であろう。

 

「終わりましたか?」

 

 と、急に背後から声が掛かる。

 

「エリカさん……」

 

 エリカだった。旅の間ずっとマツリカの傍に居たが、それは仲睦まじいから……という単純な理由ではなく、彼女もまた情報収集の為だ。

 

「……わたしが、そんなに憎い?」

「ええ。貴女は下手人(・・・)ですからね」

わたし自身(・・・・・)の意思が介在(・・・・・・)してなくても(・・・・・・)?」

「遺された方には関係ないのですよ」

「でしょうね……」

 

 そう、全ては“復讐”を果たさんが為に……。

 

「貴女は父を殺した。その事実に変わりはありません」

 

 マツリカは過去に「Z」に取り憑かれ、様々な凶行に走ってしまった事がある。シルフ社長を殺害してしまったのも、その1つ。もちろん、そこに彼女の自由意思など無かったのだが、そんな事エリカには関係ない。マツリカが手を下した事に変わりはないのだから。

 

「なら、どうして殺さないのかな?」

「意味がないからですよ。あなたを殺した所で、父は還って来ない。わたくしの半生もね。だから、わたくしは貴女が一番苦しむ方法を探しているの。例えば、貴女の大切なアオイさんを目の前で処刑する、とかね」

「悪趣味だね」

「それ程でも」

 

 2人共笑顔だった。笑顔を張り付けているだけだった。

 

「まぁ、その時は全力で抵抗するし、阻止してみせるよ。そんな八つ当たりに巻き込まれてあげる程、わたしも呑気じゃないしね。アオイお姉ちゃんにも怒られるし」

「精々気張りなさいな。例えわたくしが死んでも、怨念となって必ず復讐するわ」

「勝手にすれば? ――――――ただ、やるならナンジャモちゃんたちが帰ってからにしてね。彼女たちには関係のない事だし」

「それに関しては賛成しますわ。……彼女らのおかげで、わたくしも立ち直れましたしね」

「うんうん、それで良いよ」

「ええ、そうですとも」

「「あははははははは!」」

 

 昼間だというのに、この一角にだけ薄気味悪い影が差す。憎しみが渦巻いているのだろう。

 

「あ、マツリカ氏にエリカ氏、こんな所でデートですかな?」

「お前ら、本当にべったりだよなぁ……」

「「それ程でも~♪」」

「「いや、褒めてないから」」

 

 だが、ナンジャモとキバナが戻ってくれば、ほらこの通り。何時もの取り繕った仲良しこよしの始まりである。

 

「さ、行きましょうか、マツリカさん?」

「うん、行こうかー、エリカさん」

 

 そして、2人は今日も笑顔を振り撒く。互いの思惑を周囲に悟られぬよう、微笑みの爆弾を抱えて。




◆マツリカの凶行

 彼女は「Z」に取り憑かれ、様々な凶行に走ってしまった。先ずはシルフ社長の殺害。その後、アオイに毒を打ち込んだ上でシン(アオイのライバル)をハナダの洞窟へ転移で拉致し、世界の命運を賭けた究極の二択を迫った(マツリカを殺して事態を治めるか、世界とアオイを見殺しにするか)。
 結局、色々な奇跡の果てにマツリカとアオイ、シンは生還するのだが、エリカにとって、そんな事は関係ないし、割り切れるような性格でも無かった。
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