キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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今回も旅行回……と見せ掛ケテ?


ダイグレンビオトープ☆彡

「ワァ~オ☆彡 こりゃあ、壮観ですねぇ!」

「まったくだな。ワイルドエリアといい勝負してるぜ」

「相変わらず広いねー」

「これが「庭」だと言うのだから驚きを隠せませんわ」

「わー」

 

 という事で、ボクらは「ダイグレンビオトープ」に訪れていた。

 いやー、実際凄いの何の。島だけでは面積が足りず、人工島として増設してまで敷地を拡げた「庭」は壮大で、生命力に満ち溢れていた。初めは草原だが、奥には森林もあるし、小川や沼地、荒野まである。様々な自然環境を無理矢理1つに纏めたって感じだ。維持には相当な技術と費用が掛かっているに違いない。それでも経営に問題が生じてないのは、偏にトキワコンツェルンの資本力による物だろう。金持ち過ぎだよ、アポロさん。

 そんな「ダイグレンビオトープ」の中を、ボクらはジープで走っている。かなり分厚い装甲を持っており、例えダイオウドウが体当たりしても砕けまい。引っ繰り返るかもしれんけど。

 まぁ、流石にそうならないように対策は取ってるだろうし、あまり深く考えず、純粋に楽しんでいこう。折角、古代のポケモンたちが跋扈する様を間近で見られるんだし。

 

『フォォォン……』『フルルル……』

 

 おお、アマルルガとアマルスの親子だ。綺麗な背鰭だなー。寒冷地に棲息していたらしいけど、暑くなければ草原でも暮らせるんだね。近くにでんきタイプっぽい竜脚類が居るけど、あれも化石ポケモンかな?

 

『グルルル……』『ガウガウ!』『クピー!』

 

 こっちはガチゴラスとチゴラスの親子か。夫婦揃って、子育ての最中かな。あっちの細身の奴は単独行動中か。でも見た目が違うから、別種なのかも。

 

『アケェエエン!』『トゥガ~』

 

 水辺ではアーケンが水分補給して、近くをプロトーガが楽しそうに泳いでいる。進化後のアーケオスとアバゴーラも付近で呑気に過ごしていた。こいつら餌が被ってないからって、のほほんとし過ぎだろ。

 

『ヒィィイイイン!』

 

 空ではプテラが餌を探している。トドロクツキは生きていた時代が違うのか、それともカントーでは発見されていない扱いのか、残念ながら姿は見受けられない。施設的には居ても困るだろうけど。維持がね……。

 

『マンフー』『モンジャ~ンボ』

 

 ま、明らかに時間軸がズレているマンムーやモジャンボも居るし、単に化石が見付かっていないのだろう。あくまで“化石研究の産物”だからね。その辺は割と適当っぽい。

 ただ、それでも充分に楽しめるボリュームですよ、こいつはぁ!

 太古の時代には、こんな風景がそこかしこに広がってたんだろうなぁ。倫理的には良くないのかもしれないけど、強く興味を惹かれる気持ちは分かるよ、オーリム博士。

 

「わ~♪」

 

 何より、アグルが喜んでくれてるしね。彼が少しでも未開の地に訪れた恐怖を忘れ、一時とは言え笑顔になれたのなら、ボクはとても嬉しいよ。子供には、やっぱり笑っていて欲しいしね。

 

 

 ――――――ゴゴゴゴゴゴッ!

 

 

「おわわ!?」

「地震か!?」

「ゆーれーるー」

「きゃあ!」

「うわっ!」

 

 突然、大きな地震が発生した。とても運転など出来ず、非常停止して治まるのを待つ。

 

「ん……?」

 

 その最中で、ボクはある事に気付いた。

 

「この地震……段々上に移動してる?」

 

 そう、感覚的にだが、震源が少しずつ上昇している気がするのである。まるで、巨大な何かが(・・・・・・)地上目掛けて(・・・・・・)掘り進んでいる(・・・・・・・)かのように(・・・・・)

 

『ギャア、ギャア!』『クキィーッ!』『クァアアアアッ!』

 

 さらに、周囲のポケモンたちが、ある一点を(・・・・・)中心として(・・・・・)四方八方に(・・・・・)逃げ始めた(・・・・・)。おそらく、危険を察知して少しでも離れようとしているのだろう。

 では、草食種処かガチゴラスのような肉食竜たちですら恐れを為す物とは、如何なる存在なのか?

 果たしてそれは、本当に物なのか(・・・・・・・)

 今までの経験上、こういう場合、ロクな事に為らない。

 そもそも、アグルが最初に言っていたじゃないか。「ディアブロス」とかいうモンスターの番を殺して逃げてきた、って。ならば、この振動の正体は考えるまでも無いだろう。

 

 

 ――――――ドギャアアアアアヴォッ!

 

 

 そして、爆発を引き起こす勢いで、大地を割って現れたそれは、

 

『グヴェアアアアアアアヴォオオオオッ!』

 

 見るも悍ましい、正真正銘の悪魔だった。

 

 

◆『分類及び個体名称:啼鏖魔焔(だいおうまえん)=ジェノブロス』

◆『弱点:番となる雌個体』




◆ヴェノブロス

 最近になって出現した、ブロス科の新種。双角竜「ディアブロス」から派生した種族であり、シルエットはほぼ同じだが、紫地に黄緑色のラインが入っているという、エヴァンゲリオン初号機みたいな色合いをしている。餌はサボテンの他、何故かキノコも食べる。
 ブロス科に属する竜種は凶暴な者が多いが、ヴェノブロスは真逆と言っていい程に大人しく、人懐こい上に餌付けまで出来たりする。中でも若い個体は警戒心が薄い為、向こうから擦り寄ってくる事さえあるという。
 しかし、あくまで平時が大人しいだけであって、怒らせた時の恐ろしさは他のブロス科の比ではなく、特に仲間や番を殺された場合、何があっても止まらない暴走状態である「ジェノブロス」に変貌して、襲い掛かってくる。
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