「おはこんハロチャオ~♪ あなたの目玉をエレキネット! 何者なんじゃ? ナンジャモです!」
「グッドパンチング! ドラゴンストーム、キバナだぜ!」
「さてはて、ナンジャモと!」「キバナの!」「「キバナモンジャTV!」の時っ間っだぞ(ぜ)~ッ!」
「……はい、という事で、今朝はヤマブキジムの前からお送りしてま~す♪」
「ジムリーダーはエスパー使いの「ナツメ」だな。同時にポケウッドスターでもある」
「「魔法の国の不思議な扉」の魔女「ジュジュベ」役が有名ですよねー」
そんなこんなで次の日の朝、ボクらはヤマブキジムを訪れていた。
あの後、結構な間ぶすくれていたキバナ氏だったが、宿泊先の「ホテルヤマブキ」で豪遊させてあげた結果、どうでも良くなったらしく、今朝にはすっかり機嫌を直していた。
まぁ、ジムリーダー1人が騒いだ所で、どうにもならないのは事実だからね。人間は生まれながらに不平等であり、世界は一部の人間たちの思惑で回っている。渡る世間はオニゴーリばかりなのよ。ボクら平民が出来る事は、彼らの起こす波風に上手く乗っかるくらいだ。
というか、別に悪い取引した訳じゃないんだから、気にしなくていいのに。真面目だなぁ。ボクを見習って、少しは気楽に行こうよ。殆ど慰安旅行みたいな物なんだしさ。
「さーて、今からヤマブキジムを見学させて頂く訳ですが……誰、あの人?」
しかし、ヤマブキジムの前には見知らぬ先客が。外見は職業「空手王」だが、何だか他の同業者よりも逞しく見える。
どうしようかな、これ。予約は入っている筈だけど、先約があるのなら譲らなきゃいけないし……。
とりあえず、尋ねてみるか。
「あのー、すいません。ボクたち、今からジムの見学をする所なんですけど、挑戦者ですか?」
「……ん? ああ、すまない考え事をしていたのでな」
お、空手王の割には物腰が柔らかい。皆、脳味噌まで筋肉みたいな、ガサツで厳つい人が多いからね。こうして顔立ちを見ても、精悍で凛々しい好青年って感じだし。
「俺は「マサヒコ」。君たちの言う通り、挑戦者だ」
綺麗な「押忍!」で挨拶をするマサヒコなる彼。礼儀正しくて宜しい。嘸かしモテる事だろう。
「「マサヒコ」? ……アンタ、“空手大王”かよ」
「およよ、知ってるんですか、キバナ氏?」
「ああ。今は無いが、昔ヤマブキにはジムが2つあってな。で、統一試合に負けてジムの権利を失い、その後は道場をやってたんだが、結構前に看板を畳んでるんだ。そこの師範代だったのが、目の前のマサヒコって男だよ。人呼んで「空手大王」だ」
「いや、それは昔の話だ。今は唯のマサヒコ。己の限界を見極める為に里帰りした、挑戦者に過ぎない」
わー、何この憂いを帯びたイケメン。ストイックな感じがまた人気ありそうだなぁ。
「……だが、見た所、君たちは予約を入れていたのだろう? ならば、俺は後回しで構わないぞ」
「うーん、どうしますかね、キバナ氏?」
「先に行かせても良いんじゃねぇの? 俺たちはあくまで見学だし、バトル込みのフルギミックを観戦出来るなら、それはそれで映えるんじゃないか?」
「確かに……」
ジムトレーナーの皆さんも配置には着いてるだろうし、1本電話を入れておけばいいか。ロトロトロト~♪
「あ、もしもし、ナツメさんでしょうか」
《……“彼”が来たのね。良いわ、「受けて
「あっ、はい……」
怖いよ、何なのこの人……。
「――――――では、お先にどうぞ」
「恩に着る。では、いざ行かんッ!」
こうして、ボクたちは予定を変更し、完全なる観客として、マサヒコ氏のジム挑戦を見守る事と相成った。フレ~、フレ~、マ☆サ★ヒ★コ☆彡
◆ヤマブキジム
ヤマブキシティのポケモンジム。ジムリーダーはエスパー使いのナツメ。内容としてはワープパネルを飛び歩きながら、ナツメのいる場所を目指す感じなのだが、そのワープパネルがどう見てもロケット団の使っていた物と同じであり、媒体によってはナツメが本当にロケット団の一員にされている場合も……。
ちなみに、お隣の格闘道場は、ナツメとの統一試合に敗北した、元「かくとうタイプのジム」だったりする。