キバナモンジャTV!   作:ディヴァ子

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今回のナンジャモたちはガヤデス。


勇者(?)マサヒコの挑戦☆彡

 ヤマブキジム。エスパー使いたちの根城であり、その最奥にはジムリーダーのナツメが優雅に佇んでいる。

 ……って、紹介されてるけどさ、

 

「これ、どういう仕組みなんですかね?」

「さぁ……?」

 

 ゲートの向こうは、不思議の街でした。

 ――――――真面目に解説すると、ジムの中に高層ビルが幾つも建っており、取り囲むように客席まで用意されているのである。何を言っているのか分かry。

 いや、本当に意味が分からない。何で建物の中に摩天楼が広がってるのよ。どう考えても収まらないでしょうが、大きさ的にさ。

 

「ここはジムトレーナーたちが超能力で創った亜空間だよー」

「「そーなのかー」」

 

 それっぽい事を言ってるけど、そういうレベルの話なのか、これは?

 多人数とは言え、亜空間を創造するとか、それはもう神話の領域なのよ。誰もおかしいと思わないのかしら?

 

「慣れって怖いよねー」

 

 ああ、これがカントーでは当たり前なのね。やっぱりカントー地方、怖い……。

 まぁ、それはそれとして、今回のボクらは完全に観客だ。道場の看板も己の二つ名すら捨てた、挑戦者マサヒコの活躍を、安全圏から中継させて貰いましょう~♪

 

「それで、ここってどんなコンセプトのジムなんですか、マツリカ氏?」

「ビル毎に1つワープパネルがあるでしょー? あれをワープしながら、ゴールであるナツメさんの居るビルを目指すの。もちろん、途中にジムトレーナーが待ち構えてるから、彼らを倒しながらになるかなー。転送先は変わらないから道順も覚え易いし、攻略の難易度は“そこそこ”ぐらいだと思う」

「なるほろー」

 

 中々面白い仕掛けじゃないの。少なくとも、何処ぞのタフガイが務めるジムよりはずっと良い。

 

「ちなみに、キバナ氏ならどう攻略します?」

「そりゃあ、ビルからビルへピョンピョン飛び移って――――――」

「アンタ、何でもかんでもフィジカルで解決しようとするなよ……」

 

 たぶん、それ絶対にやっちゃいけない奴だよ。

 

「行くぞ!」

「来い! 二度と挑めないよう、叩き潰してやる!」

 

 おっ、早速ジムトレーナーに挑むか、マサヒコ氏。相手のサイキッカーの少年も因縁の相手だからか、闘気が漲っとりますなー。

 さぁさぁ、怪力と超力、どちらが勝るか、見せて頂こう!

 

「頼むぞ、エビワラー!」『ビワラーッ!』

「やれっ、フーディン!」『フシャアッ!』

 

 対面はマサヒコ氏が不利。というか勝ち目が先ずない。エスパータイプの顔役であるフーディンを相手に、バルキー三兄弟で一番不遇なエビワラーが、敵う筈がないよ!

 

「フーディン、「サイコキネシス」!」

「エビワラー、「みきり」で接近しろ!」

 

 おおっ、サイコキネシスを見切りながら、距離を詰めたぞ。普通は見切るだけで手一杯なのに。相当な訓練を積んでるみたいだね。長年の修行は伊達じゃなかったって事か。

 

「くっ、「サイコショ――――――」

「判断が遅い! 「バレットパンチ」からの「コークスクリュー」!」

 

 さらに、サイコショックで迎撃しようとしたフーディンを、エビワラーが知らない技でぶっ飛ばした。

 

「キバナ氏、知ってる?」

「……確か、どっかの地方で開発されたかくとう技で、“パンチ技でありスピン技でもある”という特性と“敵を怯ませる”追加効果を持っているらしいって、サイトウが言ってたぜ」

「わーお、便利な技」

「ま、威力はそこそこらしいけどな。精々「かみくだく」と同レベルらしい」

 

 なるほど、世の中チートは早々無いって事か。

 だが、やはり便利な技である事に変わりはない。これで「かみなりパンチ」とかで麻痺を引けば――――――、

 

「畳み掛けろ! 「かみなりパンチ」!」『ラッシャアッ!』

『フゥゥ……!』「くそっ……!」

 

 わーい、引いちゃったよ。

 

「止めだ! 「コークスクリュー」!」『ワラィアッ!』

『ディァ……!』「戻れ、フーディン。……僕の負けだ」

 

 そして、止めの一撃でフーディンを仕留め、マサヒコ氏はサイキッカーとのバトルに勝った。

 

「普通に凄い!」

 

 高速特殊アタッカーのフーディンを相手に何もさせないとは。サイコキネシスを見切りながら接近し、バレットパンチで出鼻を挫いてからのコークスクリューで怯ませて止めを刺す、その流れは美しいという他ない。

 かくとうタイプなんて汗臭いだけの脳筋連中だとばかり思っていたが、ここまで魅せられると見方が変わって来るわねぇ~!

 

「そうだな。エビワラーは特段素早いポケモンじゃない。特防こそ高いがHPが低いから、打たれ強いとも言えない。トレーナーの指示だけであそこまで動くのは、エビワラー自身の経験値が高い証拠だな。サイキッカーの坊主もサイコショックに切り替えた判断は流石だが、相手が悪かったな」

「確かに……」

 

 技を全て見せてしまったのは痛いが、かくとうタイプでエスパータイプに勝つ為には無茶も必要なのだろう。マジで凄いぞ、マサヒコ氏!

 その上、彼の手持ちは5匹。ジムバトルは相手の手持ちに数を合わせる必要があるけど、あと4パターンも勝ち筋があるとなれば、真面目にどう転ぶか分からない。どうなっちゃうんだ、このジムバトルは!?

 

「……あの時以来だな!」

「ならば、結果は見えていよう。来るがいい!」

 

 おっ、次は祈祷師さんか。……目がイッちゃってるんだよなぁ。

 

「行けっ、ゲンガー!」『ンガァハハハッ!』

 

 ――――――エスパータイプのジムなのに、ゴースト/どくタイプのポケモンが居る件について。

 

「カントーではよくある事だよー」

 

 そうでしょうとも、マツリカ氏。まさしく“お前が言うな”だわ。

 

「今こそ拳を振るう時! 行け、コノヨザル!」『………………』

 

 対するマサヒコ氏が繰り出すは、まさかのコノヨザル。こんな極東の地で、どうやって進化方法を編み出したの!?

 

「そ奴は何者!?」

 

 ほら、祈祷師さんも驚いてる。というか、知る由もないだろうからね、オコリザルが進化するだなんて。

 

「……あの日の敗北より、俺のオコリザルは拳を鍛え続けた。己の無力に怒りを覚え、憤怒のままに拳を振るった。その果てに、肉体的な限界を超えたパワーを得たのだ!」

 

 凄ーい、ちゃんと進化条件満たしてるし。

 ま、よく考えたら、そこまで己を追い詰める程に怒り続けられるオコリザルなんて、一握りしかいないか。それこそ、マサヒコ氏くらいに覚悟完了しているトレーナーの下でもない限り。

 

「――――――訳は分からぬが、かくとうタイプだと言うのなら、遠慮はせんぞ! 食らえ、「おにび」!」『ンガァッ!』

「避けろ、そして「うらみ」だ!」『……フゥン!』

「何ィッ!?」

 

 ひぇー、「うらみ」とか覚えてるのかよ。二発目の「おにび」もラムの実で回復した上で「うらみ」を重ねて、完全にPPを切らしたし。これでコノヨザルの攻撃力を下げる手段は失われた。後はガチンコバトルをするだけ。

 

「「サイコキネシス」!」『ンガォッ!』

『………………!』「耐えろ、それから「ふんどのこぶし」!」

『ンガハッ……!』「うぬぅ……私の負けだ」

 

 さらに、サイコキネシスを耐え切ったコノヨザルの「ふんどのこぶし」が決まり、ゲンガーは倒れた。ヤベェ、普通に強い。パルデア地方なら、ジムリーダーにも返り咲けるんじゃないの?

 

「さぁ……来たぞ、ナツメ」

「この日が来る事を、私はずっと前から予知していたわ」

 

 そして、上手い具合にワープパネルを駆使して、マサヒコ氏はナツメ氏の前に立った。

 こ、これはテラボルテージなバトりに期待出来るかも……!

 

「なら、勝敗も見通してみるがいい! 出来る物ならな!」

「フン……今度は本当の絶望という物を教えてあげるわ!」

 

 は、始まった~ッ!




◆マサヒコ

 昔は空手道場の空手大王を務めていた男。統一試合でナツメに敗北してジムの資格を失い、その後も何とか続けていた道場も主人公に破られ、全てを失ってしまった悲しい奴。その後はスリバチ山で修行をしていた。
 この世界ではスリバチ山だけに飽き足らず、世界各地の高山や洞窟で修行を続け、何か至ってはならない境地に達した。
 ちなみに、こんなストイックな男だが、実はリア充だったりする。
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