転生したらオーバーロードだった件   作:仮面大佐

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第14話 ジュラの森大同盟

 魔王ゲルドを討伐したその翌日。

 それぞれの種族の代表が集まった。

 戦後処理の話し合いだ。

 ちなみに、蜥蜴人族(リザードマン)の中に、ガビルの姿は無かった。

 反逆の罪に問われているのだろう。

 だが、一つ言いたい事がある。

 

トレイニー「では、議長リムル=テンペスト、並びに、副議長ルーク=テンペスト。始めてください。」

 

 そう。

 リムルが議長で、俺が副議長なのだ。

 そこは、森の管理者であるトレイニーさんが議長でしょ!?

 

リムル『なんで俺たちが議長やら副議長なんだよ!?』

ルーク『仕方ない。俺もサポートするから、どうにかしよう。』

リムル『………だな。』

ルーク『一応、豚頭族(オーク)の処遇は、話し合った通りにな。』

リムル『だな。』

 

 俺たちは、そう思念伝達で話し合って、リムルが口を開く。

 

リムル「えー………。こういう会議は初めてで苦手なんだ。だから思ったことだけを言う。その後皆で検討してほしい。」

 

 俺が皆に確認の合図を送るとその場にいる全員がうなずいた。

 

リムル「まず最初に明言するが、俺たちは豚頭族の罪を問う考えはない。」

豚頭将軍「え…………?」

ルーク「被害が大きかった蜥蜴人族からしたら、不服だろうが、聞いて欲しい。豚頭族達が、何故侵攻をしたのかを。」

 

 俺とリムルは話した。

 豚頭族が住む地域に襲った飢饉による飢餓である事を。

 

リムル「…………同じ立場だったならば、他の種族の物であっても、同様の判断をしたかもしれない。」

ルーク「まあ、これに関しては、建前なんだけどな。」

首領「…………では、本音を伺ってもよろしいかな?」

 

 首領の言葉に、俺たちは頷き、リムルが答えた。

 

リムル「豚頭族の罪は全て俺達が引き受けた。文句があるなら俺達に言え。」

 

 すると、豚頭族の代表で、生存した2人の豚頭将軍が口を開く。

 

豚頭将軍「お…………お待ちいただきたい!いくらなんでも、それでは道理が………!」

ルーク「それが、魔王ゲルドと、俺たちが交わした約束だ。」

豚頭将軍「あっ………う………うう………。」

 

 俺の言葉に、豚頭将軍は言葉を失い、座る。

 豚頭族は、顔を俯かせた。

 すると、蜥蜴人族の首領が口を開いた。

 

首領「なるほど………。しかし、それは少々狡いお答えですな。」

リムル『まあ、簡単には受け入れられないだろうな。』

ルーク『まあ、それが普通だもんな。』

 

 俺たちがそう思念伝達で話していると、紅丸と志翠が前に出る。

 

紅丸「魔物に共通する、唯一不変のルールがある。」

志翠「弱肉強食。立ち向かった時点で、覚悟は出来ていたはずよ。」

リムル「………お前達も里を滅ぼされているけど、文句は無いのか?」

紅丸「ないと言えば、嘘になりますが………。次があれば、同じ無様は晒しませんよ。」

 

 紅丸の言葉に、鬼人達は頷く。

 

ルーク「そっか………。」

首領「なるほど、正論ですな。………ですが、一つ、どうしても確認させていただきたい。」

リムル「何だ?」

首領「豚頭族をどうなさるのですか?」

ルーク「……………。」

首領「豚頭族の罪を問わぬということは、生き残った彼ら全てを、受け入れるおつもりですか?」

 

 首領の言いたい事も分かる。

 俺とリムルは頷き合い、語り出す。

 

ルーク「確かに、数は減ったとはいえ、13万の豚頭族が居る。」

リムル「それで、だ。夢物語の様に聞こえるかもしれないが、皆で協力出来ればと考えている。」

首領「協力?」

親衛隊長「………と、言いますと?」

副隊長「どういう事ですか?」

 

 俺たちがそう言うと、全員の視線が俺たちに集まる。

 

リムル「蜥蜴人族からは、良質の水資源と魚を。ゴブリンからは住む場所を。俺たちの町からは、加工品を提供する。」

ルーク「………で、その見返りとして、豚頭族からは、労働力を提供して欲しい。」

豚頭族達「おおっ………!」

リムル「ジュラの大森林の各種族間で、大同盟を結び、相互に協力関係を築く。多種族共生国家とか出来たら、おもしろいと思うんだけどなぁ。」

 

 俺とリムルの言葉に驚いたのか、豚頭将軍達が尋ねてくる。

 

豚頭将軍「わ………我々が………!その………同盟に参加させて貰えると言う事ですか?」

リムル「帰る場所も行く当ても無いんだろう?」

ルーク「居場所を用意してあげるから、働けよ。サボるなよ。」

 

 俺たちがそう言うと、豚頭族達は、涙ぐみ、一斉に頭を下げる。

 

豚頭族達「ははっ!」

豚頭将軍「勿論!勿論ですとも!命懸けで働かせて貰います!」

リムル「うん。」

ルーク「蜥蜴人族は、どうだ?」

首領「うむ。是非、協力させていただきたい。」

リムル「トレイニーさんも、良いかな?」

トレイニー「宜しいでしょう。私の守護する樹人(トレント)族からも、森の実りを提供いたしましょう。当面、豚頭族達の飢えを癒す事は、出来るかと思います。」

豚頭族達「おおっ………!」

 

 どうやら、話は纏まったみたいだな。

 すると、トレイニーさんが立ち上がる。

 それを見て、俺は嫌な予感がした。

 

トレイニー「では………森の管理者として、私、トレイニーが宣誓します。リムル様とルーク様を、ジュラの大森林の新たなる盟主として認め。」

リムル「盟主!?」

ルーク「え?」

トレイニー「本来、盟主は1人なのですが、お二人とも才能をお持ちでいらっしゃるのでお二人を盟主とすることに異論はありませんね?」

 

 えぇぇぇぇ!?

 そこは、トレイニーさんじゃないの!?

 

リムル『辞退は………!』

ルーク『無理だな。まあ、俺たちで頑張ろう。』

リムル『分かったよ………。』

 

 俺とリムルは、そう思念伝達で話し合い、そう結論づける。

 

リムル「わ、分かったよ!やりますよ!」

ルーク「俺たちが盟主で、構わないか?」

一同「ははっ!」

 

 こうして、冷や汗が止まらない俺たちをよそに、ジュラの森大同盟は成立したのだった。

 ちなみに、その後、魔王ゲルドは生存しているが、豚頭族達を見守る存在として生存させた事にした事を伝えた。

 鬼人達の元に、あの豚頭将軍がやって来る。

 

紅丸「何か用か?」

豚頭将軍「…………弱肉強食とは言っても、憎しみはそう簡単に割り切れるものではない。我らは………大鬼族(オーガ)の里を………!」

 

 すると、その豚頭将軍は、頭を下げる。

 

豚頭将軍「詫びて………詫びきれはしない。虫の良い話であるのは、重々承知している。だが………どうか、この私の首で、ご容赦願えないだろうか………!」

 

 豚頭将軍は、死を覚悟をしていたのか、決して、顔を上げようとしなかった。

 すると、紅丸が口を開いた。

 

紅丸「…………戦いの後、今後もリムル様とルーク様の下にあり続けたいと伝えたら、俺たちに役職を下さった。」

紫苑「私と志翠は武士(もののふ)。リムル様とルーク様の護衛役で、秘書を兼ねてます!」

志翠「白老は指南役、蒼影は隠密。村に残ってる朱菜様と黒兵衛にも、ね。」

紅丸「………で、俺は侍大将の座を賜った。軍事を預かる役所だ。そんな所に就いちまった以上、有能な人材を勝手に始末するわけにはいかんだろう。」

 

 そう言って、紅丸達は出口へと向かい、豚頭将軍は、頭を上げる。

 すると、紅丸は歩みを止め、2人に尋ねる。

 

紅丸「………リムル様とルーク様に仇なす存在ならば、容赦はしないが、同盟に参加し、盟主と仰ぐのならば、敵では無い。」

豚頭将軍「あ………仇なすなど、滅相も………!あの方々は、我らを救って下さった。従いこそすれ、敵対など、あり得ん!」

紅丸「では、俺たちは同じ主をいただく仲間だ。せいぜい、リムル様とルーク様の役に立て。それを、詫びとして受け取っておこう。」

 

 紅丸はそう言い残して、外へと向かっていく。

 豚頭将軍は、立ち上がり、紅丸達の背中を見つめる。

 

豚頭将軍「父王、ゲルドの名に誓って。」

 

 そう言って、頭を下げる。

 それを、影から見ていた俺達は。

 

ルーク『紅丸って、器が大きいな。』

リムル『俺たちも見習わないとな。アイツらに名前をつけないとな。』

ルーク『だな。新たな豚頭族の指導者として。』

 

 俺たちは、思念伝達でそう話して、豚頭将軍と魔王ゲルドを呼び出す。

 魔王ゲルドは俺が担当し、もう片方はリムルが担当する。

 

リムル「お前は、豚頭魔王(オークディザスター)ゲルドの遺志を継いで貰うべく、名をゲルドとする。」

ルーク「お前は、そのゲルドを支えて貰うべく、名をゴルドとする。」

「「ははっ!」」

リムル「2人で、豚頭族達を、しっかり導くんだぞ。」

ルーク「頑張れよ。」

「「はっ!」」

 

 こうして、新しき王ゲルドは、猪人王(オークキング)へと進化し、ゴルドは 魔王猪(ディザスターオーク)へと進化した。

 その後、10日かけて、俺たちは生き残った13万の豚頭族に、名前をつけた。

 何とか、低位活動状態(スリープモード)になるのは免れた。

 ちなみに、蜥蜴人族の首領にも、アビルの名をつけた。

 で、ガビルは、判決されようとしていた。

 まあ、一族の事を思っての行動だが、そうなるのも無理はなかった。

 

ガビル(我輩は死罪であろう。それで良い。そうでなければ、示しがつかん。ただ………心残りがあるとすれば………聞いてみたかった。何故、あの2人は、我輩を助けてくれたのかと。こんな………何の価値もない間抜けを。)

 

 ガビルは、そう思っていた。

 すると、アビルが口を開く。

 

アビル「顔を上げい。」

ガビル「ん………。」

アビル「判決を申し渡す。」

ガビル(せめて、堂々と、死罪を受け入れようぞ。)

 

 ガビルは、死罪を受け入れようとしていた。

 だが、アビルの口から出たのは、意外な言葉だった。

 

アビル「ガビルを破門し、追放する。二度と蜥蜴人族を名乗る事は許さぬ。」

ガビル「はっ………?」

アビル「即刻、追い払うが良い!」

ガビル「なん………だと!?」

 

 ガビルは、他の蜥蜴人族に連れられ、外へと追い出される。

 

ガビル「ぐっ………!」

護衛「忘れ物だ。ほら。」

 

 そう言って、一本の槍と荷物を渡す。

 その槍は、先ほどまで、アビルが持っていた水渦槍(ボルテックススピア)だった。

 

ガビル「あ………ああっ………!」

 

 アビルは、餞別として、水渦槍を息子に譲渡したのだった。

 ガビルは、泣きながら、頭を下げる。

 ガビルが移動していると。

 

部下「ガビル様〜!」

ガビル「ん?」 

部下「わ〜い!」

部下「ガビル様〜!」

 

 そこに現れたのは、ガビルの部下達だった。

 

部下「待ってましたよ、ガビル様!」

部下「ったく、待ちくたびれたぜ。」

部下「時は金なり。」

ガビル「な………何をしておるのだ、お前達!我輩は破門になったのだぞ!?」

部下「ガビル様が破門なら、皆、破門ですよ!」

部下「然り!」

ガビル「お前ら………バカだな。」

 

 ガビルはそう言ったが、実際には嬉しかったのだ。

 破門になったのに、自分を慕って着いてきてくれる事に。

 ガビルは、顔を背け、涙を拭うと。

 

ガビル「………しょうがない奴らであるな。分かった!まとめて面倒みてやろう。我輩に着いてくるが良い!」

部下「ヒュウ!流石だぜ。」

部下「かっくい〜!」

部下「至極、当然!」

 

 ガビルと部下達は、どこかへと向かっていく。

 一方、ある城では、白いタキシードの男性と、ラプラスが話していた。

 

ラプラス「折角お膳立てしたのに、新しい魔王が生まれへんかったんは、痛いんちゃうか?」

???「そうだな。」

 

 ラプラスの言葉に、白いタキシードの男性はそう言って、ワインを飲む。

 そして、ラプラスの方を見る。

 

???「…………しかし、面白い物が見れたよ。あのスライムに、見た事のない魔物。どうしたものかな?」

ラプラス「せいぜい頑張ってや。もし、協力が必要なら、格安で請け負うたるわ。魔王、クレイマンはん。」

 

 そう言って、ラプラスは煙と共に消えた。

 クレイマンと呼ばれた白いタキシードを着た男は。

 

クレイマン「フッ、フフ。」

 

 そう、笑う。

 一方、クレイマンという魔王に目をつけられた事を知らない俺たちは、豚頭帝(オークロード)討伐から3ヶ月経った。

 その間、豚頭族から進化した猪人族達は、カイジン達の指導の下、あっという間に技術を覚え、頼れる労働力になっていた。

 ゴルドに関しては、相談役として、猪人族達を見守る事になっている。

 流石に、表舞台に出す訳にはいかないからな。

 そんな日々が続く中、俺が息抜きとして、森を歩く中、一人の女性が目に入る。

 

ルーク「あれは……………?」

知恵之実『解。種族、豹人族であると推測。』

 

 豹人族……………?

 そう首を傾げていると、その女性がこちらにやって来る。

 

???「風の噂で聞いた。貴様が豚頭帝(オークロード)を倒した者の一人だな。」

ルーク「そうだ……………と言ったら?」

ライム「私はライム。手合わせを願いたい。」

 

 ライムという豹人族は、刀を抜いて構える。

 

ルーク「………………分かった。」

 

 俺は同意して、戦極ドライバーを装着して、オレンジロックシードを解錠する。

 

オレンジ!

 

 すると、俺の上空にクラックが開いて、オレンジアームズが滞空する。

 俺はオレンジロックシードを、戦極ドライバーに装填する。

 

ロックオン!

 

 すると、法螺貝の音が鳴り、和風テイストの待機音が流れる。

 待機音が流れる中、俺は叫ぶ。

 

ルーク「変身!」

 

 俺は、カッティングブレードで、オレンジロックシードを切る。

 

ソイヤ!

 

 すると、オレンジアームズが俺に着いて、鎧武のアンダースーツが生成される。

 

オレンジアームズ!

花道オンステージ!

 

 その音声と共に、オレンジアームズが展開して、鎧になる。

 俺は仮面ライダー鎧武・オレンジアームズに変身する。

 俺は無双セイバーと大橙丸を構えて、ライムと向き合う。

 

ライム「それが貴様の本気か。」

ルーク「まあな。」

ライム「行くぞ!」

ルーク「っ!」

 

 ライムはそう叫んで俺に向かって来る。

 ライムの攻撃を、俺は無双セイバーと大橙丸を交差して受け止める。

 そこから、俺は無双セイバーと大橙丸で攻撃していく。

 手法としては、無双セイバーで攻撃を受け止め、大橙丸で攻撃する手法を取っている。

 ライムは、刀で俺を攻撃する。

 お互いに実力は拮抗状態にある。

 

ライム「強い……………!」

ルーク「伊達に………………ジュラの森の盟主をやってるからな!」

 

 ライムがそう言う中、俺は無双セイバーでライムの刀を飛ばして、大橙丸をライムの首元に置く。

 

ライム「なっ………………!?」

ルーク「俺の勝ちかな。」

 

 俺はそう言う。

 すると、ライムは降参を示す様に、両手を上げる。

 

ライム「降参だ。アンタは強い。」

ルーク「どうも。」

 

 俺はオレンジロックシードを畳んで、変身解除する。

 そして、ライムに手を差し伸べる。

 

ルーク「大丈夫か?」

ライム「ああ。」

 

 ライムは俺の手を取って、立ち上がる。

 その後、どうして俺たちの街にやって来たのかを聞いた。

 どうやら、武者修行をしていたそうで、その一環として、ここに寄ったらしい。

 刀を使っている理由は、ご先祖様が、ちょんまげという髪型をしていて、着物を着ていて、刀を使っていたからだそうだ。

 恐らく、戦国時代の人が、この世界に迷い込んだとかだろう。

 

ライム「……………ルークと言ったな。」

ルーク「うん。」

ライム「……………少し、街に滞在して良いか?」

ルーク「勿論。良いぞ。」

 

 こうして、豹人族のライムが街に滞在する事になった。

 ライムが滞在する様になってからしばらくして、徐々に発展していく村を、俺たちは丘の上から見ていた。

 家や服とかも出来て、上下水道や道路とかも出来てきた。

 これは、リムルの前世のゼネコン時代の知識を使ったそうだ。

 

リムル「それにしても、お前がフルーツパーラーを作る様に頼んだんだってな?」

ルーク「ああ。やっぱり、そういうのは必要だろう?」

 

 ちなみに、フルーツパーラーみたいなのを作り、名前はブリーズだ。

 ブリーズは英語でそよ風を意味する。

 とはいえ、まだ店としては機能できていないが。

 ちなみに、俺はバイトの一環で、フルーツパーラーでバイトをした事がある。

 こうして、安住の地、俺たちの町が出来た。

 ………のだが、そうは問屋が卸さないのだった。

 俺たちの所に、蒼影がやって来る。

 

蒼影「リムル様、ルーク様。緊急事態です。」

リムル「え?」

ルーク「どうした?」

 

 蒼影の報告に、俺たちは首を傾げた。

 それは、ペガサスに乗った騎士団が、この町にやって来たとの事だった。

 どうして、そうなったのか。

 それは、少し前、武装国家ドワルゴンでは、暗部からの報告を、ガゼル王が聞いていた。

 そして、その報告書を、蝋燭の炎で燃やす。

 

ドルフ「王よ、暗部は何と?」

ガゼル「…………豚頭帝は討伐され、戦争が終結したそうだ。」

 

 ガゼルのその言葉に、ドルフは驚く。

 

ドルフ「何ですと!?」

ガゼル「13万の豚頭族は、暴走する事も無く、各地に散ったらしい。しかも、猪人族に進化してな。」

ドルフ「そんな事が………!?」

 

 ガゼルの言葉に、ドルフは再び驚き、ガゼルは考えていた。

 

ガゼル(複数の上位魔人の参戦により、戦争は終結。魔人達は、例のスライムとオーバーロードの配下であると思われる………か。魔人を従え、魔物に進化を齎す者たち。此度の件、対応を誤れば、国が滅ぶやもしれぬ。)

 

 ガゼルは、複数の上位魔人………鬼人勢………を従えているのが、スライムとオーバーロード………リムルとルーク………である事を見抜き、口を開く。

 

ガゼル「あのスライムとオーバーロードとやらの正体、余自らが見極めてやろうではないか。」

 

 そうして、ガゼル王とペガサス・ナイツは、俺たちの町に向かって来ていたのだ。

 そんな事を知る由もない俺たちは、すぐに着陸するであろう場所へと向かう。

 その中には、カイジンも来ていた。

 俺たちは、上空を見上げると、そこには、かつて見た、ガゼル王の姿が。

 

カイジン「まさか………!」

リムル「ドワーフの英雄王………。」

ルーク「ガゼル・ドワルゴ………!」

 

 何であの人が。

 すると、紅丸が質問して来る。

 

紅丸「リムル様、ルーク様。いかが致しますか?」

リムル「出来れば、争うのは避けたいんだが………。」

ルーク「相手の出方によるか。」

紫苑「問題ありません!蹴散らせば良いのです!」

志翠「蹴散らしたら、面倒臭い事になりそうですけどね。」

ルーク「まあ、いざ戦闘になったら、住民たちを避難させる。」

リムル「その間、俺たちで時間を稼ぐぞ。」

紅丸「はっ!」

 

 俺たちがそう話している間、旋回していたペガサス達は、一斉に地面に降り立つ。

 カイジンは、ガゼル王の下に向かい、跪く。

 

カイジン「お久しぶりでございます。」

ガゼル「…………久しいな、カイジン。」

カイジン「はっ!」

 

 俺とリムルは、前に出る。

 ガゼル王は、俺たちを睥睨する。

 

ガゼル「スライムにオーバーロードか。」

リムル「最初に名乗っておく。俺の名はリムルで………。」

ルーク「俺の名はルークだ。オーバーロード呼ばわりはやめて欲しい。」

リムル「これでも一応、俺たちはジュラの森大同盟の盟主なんでね。」

 

 リムルはそう言って、人間としての姿になる。

 

リムル「こっちの方が、何かと話しやすいだろう?」

ルーク「………で、何の用だ?」

 

 俺の質問に対して、ガゼル王が答える。

 

ガゼル「…………単刀直入に言おう。リムル、ルーク。貴様らを見極めに来たのだ。」

リムル「………見極め?」

ガゼル「俺の剣で、貴様の本性を見抜いてくれるわ。」

ルーク「なるほど………。」

ガゼル「この森の盟主になったなどとホラを吹く貴様らには、分という物を教えてやらねばなるまい。その剣が飾りでないというのなら、俺の申し出を受けるが良い。」

 

 ガゼル王はそう言って、剣を抜刀しようとする。

 部下達も、驚いたのか、声をかける。

 

ドルフ「王よ、まさか………!?」

ガゼル「ふん。本気で戦ってみるのが、手っ取り早いであろう?」

リムル「よし、その申し出を受けよう。」

ルーク「ホラ吹き呼ばわりした事、後悔させてやるよ。」

 

 そうして、まずはリムルとガゼル王との一騎打ちとなった。

 ガゼル王が口を開く。

 

ガゼル「俺の一連の攻撃を防ぎ切ったら、貴様の勝ちで良い。それは、後にやるお前も同じだ、ルークよ。」

ルーク「ああ。リムル、負けんなよ。」

リムル「ん?ああ!」

ガゼル「ただし、この俺、剣聖ガゼル・ドワルゴの剣を甘く見ない事だ。」

リムル「分かった。」

 

 すると、風が吹いて来て、トレイニーさんが現れる。

 

ルーク「トレイニーさん。」

トレイニー「それでは、立ち会いは私が行いましょう。」

ガゼル「ん?」

ドルフ「まさか、樹妖精(ドライアド)?」

 

 トレイニーさんの姿を見たガゼルは、突然鼻で笑った。

 

ガゼル「貴様らをホラ吹き呼ばわりした事は、謝罪するぞ。それに、事情も朧げながら読めたわ。」

リムル「じゃあ………!」

ガゼル「だが、貴様らの人となりを知るのは、別の話だ。」

ルーク「ですよね………。」

ガゼル「立会人も決まったならば、あとは剣を交えるのみ。」

リムル「ああ、そうだな。軽く勝利して、今回の件をきっちりと説明してもらうとするわ!」

ガゼル「フフ………!俺に勝てたなら、答えてやるさ。」

 

 そうして、トレイニーさんの開始の合図と共に、リムルが駆け出す。

 最初の攻撃は防がれるが、すぐに走って、別の方向から仕掛ける。

 ガゼルは、リムルを突き飛ばすが、すぐに着地する。

 

ガゼル「貴様の力は、そんなものか、リムルよ!」

リムル「うるさい!まだ本気を出していないだけだし!慌てんな。」

 

 ガゼルの挑発に、そう答えるリムル。

 ガゼルの攻撃で、リムルは大きく下がる。

 すると、ガゼルはある構えをする。

 

ルーク(あの構えは………。)

ガゼル「行くぞ、リムル!朧・地天轟雷!」

 

 そう叫ぶと、ガゼルが消え、リムルは、下からくる攻撃を躱し、上から来る攻撃を、刀で受け止める。

 

ガゼル「ふん。フフフ………ハハハ!俺の剣を受け止めおったわ!」

リムル「え?」

トレイニー「それまで!勝者、リムル=テンペスト!」

 

 トレイニーの宣言と共に、ガゼル王は、剣をリムルから退かす。

 だが、納刀はしていない。

 

ガゼル「リムルは分かった。次は、お前だ、ルークよ。」

ルーク「ああ。」

 

 今度は、リムルの代わりに俺が出て、戦極ドライバーを構え、装着する。

 俺はオレンジロックシードを取り出して、起動する。

 

オレンジ!

 

 すると、俺の上空にクラックが開いて、オレンジアームズが滞空する。

 俺はオレンジロックシードを、戦極ドライバーに装填する。

 

ロックオン!

 

 すると、法螺貝の音が鳴り、和風テイストの待機音が流れる。

 待機音が流れる中、俺は叫ぶ。

 

ルーク「変身!」

 

 俺は、カッティングブレードで、オレンジロックシードを切る。

 

ソイヤ!

 

 すると、オレンジアームズが俺に着いて、鎧武のアンダースーツが生成される。

 

オレンジアームズ!

花道オンステージ!

 

 その音声と共に、オレンジアームズが展開して、鎧になる。

 俺は仮面ライダー鎧武・オレンジアームズに変身する。

 俺は大橙丸と無双セイバーを構えて、意識は、ガゼル王のみを捉えていた。

 

トレイニー「始め!」

 

 トレイニーさんのその声と共に、俺は駆け出して、大橙丸と無双セイバーで攻撃する。

 ガゼル王は、剣でこれを受け止める。

 少しの間、鍔迫り合いとなり、お互いに離れる。

 

ガゼル「ほう。やるではないか。だが、それが貴様の本気か?」

ルーク「うるせぇ。俺は徐々に上げていくタイプなんだよ。」

 

 ガゼル王の挑発に、俺はそう返す。

 今度はガゼル王が仕掛けて来て、俺は大橙丸と無双セイバーで剣を受け止める。

 そして、俺は少し離れる。

 ガゼル王は、再びあの構えをする。

 

ルーク(来たか。)

ガゼル「行くぞ、ルーク!朧・地天轟雷!」

 

 ガゼルは、一瞬で消え、俺は、下からくる攻撃を躱す。

 俺はカッティングブレードを一回倒す。

 

ソイヤ!

オレンジスカッシュ!

 

ルーク「ハアッ!」

ガゼル「なっ!?」

 

 俺は大橙一刀を発動して、大橙丸でガゼル王の剣を斬って、ガゼル王の首元に剣先を突きつける。

 

ルーク「こんなもんかな。」

ガゼル「…………まさか!俺の剣が斬られるとはな!」

トレイニー「それまで!勝者、ルーク=テンペスト!」

 

 トレイニーの声と共に、ガゼル王は、部下に剣を持たせた。

 そして、俺とリムルを見ながら言う。

 

ガゼル「剣を交えて、よく分かった。お前達は邪悪な存在ではない。」

志翠達「うんうん。」

 

 ガゼル王の言葉に、志翠達は後ろで頷く。

 

リムル「何でだよ………。」

ガゼル「それにしても、よくぞ俺の朧・地天轟雷を見切ったものよ。見事だったぞ、リムル、ルーク。」

ルーク「偶然だ。何せ、その技をよく使う師匠が居てな。俺もリムルも、訓練でよく打ちのめされたんだよ。」

ガゼル「なんだと?まさか、その師匠というのは………。」

 

 ガゼル王がそんな風に驚いていると、白老が前にやって来る。

 

ガゼル「ああっ………!」

リムル「お?」

ルーク「白老。」

白老「ほっほっほ。お見事でしたな、リムル様、ルーク様。」

ガゼル「おおっ………!剣鬼殿!」

 

 えっ?

 2人って知り合いなの!?

 俺がそう驚いていると。

 

白老「森で迷っていたあの時の小僧が、見違えましたぞ。………いや、失礼、ドワーフ王。わし以上の剣士へと成長したようで、重畳ですじゃ。」

ガゼル「剣鬼殿にそう言っていただけるとは………。」

 

 どうやら、白老が師匠って事か。

 世界って、意外と小さいもんだな。

 すると、ガゼル王が俺たちに話しかけてくる。

 

ガゼル「さあ早く案内してくれリムル、ルーク。上空から見たかぎりじゃ美しい町並みだったぞ?美味い酒くらいあるのだろう?」

リムル「…………まああるけど。」

ルーク「裁判の時と比べて軽すぎない?」

ガゼル「なぁに。こっちが素よ。」

 

 そんな風に話しながら、町へと戻る。

 その夜、宴をしながら、俺たちは、ガゼル王の話を聞いていた。

 

リムル「なるほど。」

ルーク「豚頭帝を倒した、謎の魔物集団の調査だったと。」

ガゼル「それが敵となるか、味方となるか、見極めにな。」

 

 まあ、そうするのが、正しい判断だろう。

 すると、ガゼル王が真面目な顔で、俺たちに聞いてくる。

 

ガゼル「リムル、ルークよ。聞きたい事がある。」

リムル「おう。」

ルーク「何だ?」

ガゼル「俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

リムル「あっ。」

ガゼル「お前達がもしも、この広大な森を全て掌中に出来たならば、我が国をも上回る富と力を手に入れる事が出来よう。その時に、後ろ盾となる国があれば、便利だぞ?」

 

 確かに。

 後ろ盾があった方が、何かと良いしな。

 

リムル「願ってもない事だが………。」

 

 リムルはそう言うと、紅丸達の方をチラリと見て、聞く。

 

リムル「良いのか?それは、俺たち魔物の集団を、国として認めると。そう言っているのと同じだぞ?」

ガゼル「無論だ。それとこの話、我らにとっても、都合が良い。」

ルーク「………と、言いますと?」

ガゼル「お互いに利益があるからな。」

 

 俺とリムルは、お互いをチラリと見て、答える。

 

ルーク「断る理由はないね。」

リムル「喜んで、受けたいと思う。」

ガゼル「よし。…………で、お前達の国の名前は何と言うのだ?」

ルーク「………お。」

 

 ヤッベェ。

 国の名前とか、一切考えてなかった。

 豚頭帝討伐後、色々と忙しかったからな。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「ジュラ・テンペスト連邦国だ。」

ガゼル「ジュラ・テンペスト連邦国。」

紅丸「おおっ!」

紫苑「さすが、リムル様です!」

志翠「さすがです!」

リグルド「では、国の名はジュラ・テンペスト連邦国!この町の名前は、リムルと致しましょう!」

ルーク「お?良いね!」

リグルド「中央都市、リムルです!」

リムル「おいおい!それはちょっと恥ずかし………。」

 

 こうして、国の名前はジュラ・テンペスト連邦国、首都は中央都市リムルに決まった。

 その後、ライムが話しかけてくる。

 

ルーク「どうした、ライム?」

ライム「……………ルーク殿。あなたの配下になろうと思います。」

ルーク「その理由は?」

ライム「しばらく、あなたの街で生活して分かりました。貴方が慕われているという事が。それに、武装国家ドワルゴンの王を下したのを見て、決意が固まりました。」

 

 ライムはそう言うと、跪く。

 

ライム「……………私は、貴方の配下になります。」

ルーク「分かった。良いぞ。」

ライム「良いのですか?」

ルーク「ああ。よろしく頼むぜ。」

ライム「はい!」

 

 こうして、豹人族のライムが仲間になった。




今回はここまでです。
斬月に変身するキャラ、ライムが登場しました。
ドワルゴンが後ろ盾となり、ジュラ・テンペスト連邦国が誕生しました。
次回から、リ・イマジネーションの鎧武の世界の面々が現れます。
その為、ミリムが登場するのは、もう少し先です。
少なくとも、武神鎧武との戦いが終わって、リ・イマジネーションの鎧武の世界の面々が元の世界に帰還した後ですね。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、カリュブディス戦でカチドキアームズを投入しようと思います。
魔王ゲルドは、ゴルドの名に変わり、更に進化しました。
理由は、オーバーロードであるルークが名付けたからです。
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