大輔「それじゃあ話してもらうぞ。本当の事を」
シャンクス「ああ…」
そしてシャンクスは本当の事を話しだした。エレジアを壊滅させたのは自分達ではなく、エレジアに封印されてたトットムジカという魔王で、それを歌ったウタが原因だと。だが、幼すぎるウタに事実を伝えるのは酷だと思い、エレジアの王であるゴードンにウタを世界一の歌姫にしてくれと頼んで、エレジアを滅ぼしたのは自分達のせいだとウタに伝えてくれと言い残し、寝ているウタをエレジアに置いてきたのだそうだ。
大輔「……」
シャンクス「これが…エレジアで起きた事実だ」
大輔「……」
シャンクスの話を聞いて、俺は黙ったままだった。
大輔「確かに、エレジアを滅ぼしたのが自分のせいだと知れば、ウタにとって辛いだろう」
シャンクス「そうだ。だから「けどな」…」
大輔「それ以上にお前ら…実の父親や家族のように思ってたお前らに、黙って置いて行かれたあいつの気持ちはどうなんだ」
シャンクス「それ…は…」
大輔「慕ってたお前やベック達が、自分の前から消えた。しかもエレジアを襲ったと嘘をついた。そのせいでウタが辛くなると…少しも考えなかったのか!小さいから本当の事を言うのが酷だと?甘ったれるな!そんなのを受け止められないウタじゃねぇだろ!お前らといることが、どれほど大切だったか…」
俺は、以前ウタが言ってた事を思い出す。
ウタ『ねぇ大輔。私、シャンクス達に何かお礼がしたいの』
大輔『お礼?』
ウタ『うん。私を実の娘のように育ててくれて、赤髪海賊団の皆は家族のように迎えてくれた。だから、何かお礼をしたいの!』
そう言ってた事を思い出し、俺は歯を食いしばる。
大輔「ウタはな…お前ら全員にお礼がしたくて…この航海が終わった後に俺に料理をレクチャーしてくれって言ってたんだぞ!」
シャンクス「!!」
大輔「『今自分に出来ることは少ないけど、その気持ちを皆に伝えたい!』って!」
シャンクス「…ウタが…そんな事を…」
大輔「ああそうだ!しかもそれぞれの好みに合った料理を教えてって言ってたんだぞ!そんな優しい娘を…お前らは…」
『……』
俺の言葉に、全員が顔を伏せ何も言えなくなったのだった。
大輔「…行け」
シャンクス「何?」
大輔「今すぐ迎えに行けって言ったんだよ!」
シャンクス「……」
俺の怒鳴り声でそう言うが、シャンクスは何も言わなかった。
大輔「……」
シャンクス「…今は…無理だ」
大輔「この!」
俺は再びシャンクスを殴ろうとしたが、涙を流すシャンクスの顔を見て拳を止めた。
シャンクス「今は…出来ねぇ…」
大輔「……」
俺は掴んでた胸ぐらを離して、シャンクスから離れた。
シャンクス「……」
大輔「……」
シャンクス「大輔…頼みがある」
大輔「……」
シャンクス「お前が…ウタを迎えに行ってやってくれないか」
大輔「なんだと?」
まだ巫山戯たことを言うかコイツ。
シャンクス「だが、ウタが20になったら、必ず会いに行く!そして、本当の事をウタに伝える!それまで…ウタを守ってやってくれ!」
そう言いシャンクスは俺に土下座をする。ベック達他の赤髪海賊団の連中も同じ様に土下座をした。
大輔「……」
その光景を俺は黙って見た。
大輔「…いいだろう」
俺の言葉に、シャンクス達は顔を上げた。
大輔「だがウタが20になった誕生日の翌日だ。その日に会いに来なければ、俺がお前らを殺すからな!」
俺は覇気を出しながらシャンクスにそう言う。
シャンクス「分かった。ウタが20の誕生日を迎えた翌日に、必ず会いに行く。そして、真実を伝える!」
大輔「ならいい。約束は守れよ…赤髪のシャンクス」
そして俺は船を降りて、マキノの酒場に戻ったのだった。