シャンクス達と話し合いをしてから、俺達は少しだが気まずい関係になった。ま、あんな事があれば誰だってそうなる。そしてそこから1年が経った今日、シャンクス達はフーシャ村を後にした。俺は暫くの間フーシャ村に残り、東の海を色々と航海する事にした。流石に今すぐウタを迎えに行く訳にはいかない。ウタもそうだが、俺も気持ちの整理をつけたかったからな。そして東の海で魚人に襲われそうな家族を助けたり、自分の家の階段から落ちた少女を助けたりと、色々した。もちろん、フーシャ村に来た海軍の英雄ガープとも顔を合わせた。お互い手合わせをしたが、もちろん俺の勝ちだ。それを見たルフィや、義兄弟であるサボとエースも驚き、ガープに勝った俺によく勝負を挑まれるようになったのだった。そして9年が過ぎた。そろそろウタを迎えに行こうと決めた。俺も気持ちの生理がついたし、ウタも18歳になった年だ。少しは落ち着いて話ができる筈だ。それに、最近じゃウタが電伝虫を使ってライブ配信を始めているのも確認している。
大輔「それじゃあ村長。今までお世話になりました」
村長「ああ。マキノの事を頼んだぞ」
そう。俺が旅に出ると決めた日、マキノもついて行くと言ったのだ。最初は断ったが俺と一緒に過ごしたいと告白され、それを蔑ろには出来ず一緒に出ることになった。
大輔「じゃあなルフィ。お前達が立派な海賊なるのを楽しみにしてるぞ!」
ルフィ「シシシ!当たり前だ!俺は海賊王になるんだ!」
大輔「そうだったな。じゃあな行くか、マキノ」
マキノ「ええ」
そして船に乗り、俺達は村人達に見送られ出向したのだった。さて、最初の目的地はエレジアだ!因みにマキノには、エレジアに行く事は伝えている。そして、シャンクスの頼みでウタを迎えに行く事も知っている。ただ、エレジアの事件に関しては何も言っていない。
大輔「さて、エレジアまで暫くかかるし、のんびり船の旅を楽しむか」
マキノ「そうね。穏やかな海だし、航海日和ね」
そう言いながら、マキノは俺の腕に抱きついて来たのだった。…まあ、暫くは2人っきりだし、色々楽しませてもらったのは言うまでもない…そして数日後、目的地のエレジアに到着した。
大輔「……」
一応シャンクスから話は聞いてたが、やはり誰もいないし街はボロボロだ。
マキノ「ここに、本当にウタちゃんがいるの?」
大輔「シャンクスの話では、エレジアにいるのはウタと元国王のゴードンって人物だけだそうだ」
マキノ「そう…」
流石にこの街の惨状を見たら、この6年間どんな生活をしてたか想像できる。
大輔「取り敢えず、向こうに見える城まで行ってみるか」
マキノ「ええ」
そして奥に見える城を目指して歩き出した。その道中も、ボロボロの建物とかが嫌でも目に入る。マキノは少し怖かったのか俺の腕をギュッと抱き締めていた。すると、誰かが来る気配を感じた。
大輔「…誰だ」
俺は気配がした方に声を掛ける。すると、出てきたのは懐かしい紅白の髪の女性だった。
「ウソ…」
マキノ「もしかして…」
大輔「やっぱりお前だったか…ウタ」
大きくなったが、やはり変わらないな。
ウタ「大輔…それに…マキノ…さん?」
大輔「ああ」
マキノ「ウタちゃん…」
ウタ「大輔!」
ウタは俺だと分かると、涙を流しながら俺の胸に飛び込んできた。
大輔「大きくなったな…ウタ」
ウタ「大輔…大輔ぇ!」
俺の胸で泣くウタ頭と背中を撫でるのだった。マキノも涙を浮かべて喜んでいた。そして暫くしてようやく泣き止んだウタは俺から離れる。
ウタ「本当に…会えて嬉しいよ!」
大輔「俺もだ」
ウタ「けど、どうして大輔がここに?マキノさんも連れて」
大輔「その話は、ゴードンって人と一緒に話そう。案内してくれるか?」
ウタ「もちろん!ゴードンの事も紹介するね!」
ウタは、嬉しそうに俺の右腕に抱きつき、城まで案内してくれた。城に到着すると、俺達は食堂らしき場所に案内された。
ウタ「今ゴードンはお昼作ってると思うから、呼んでくるからここで待ってて」
そう言い残し、ウタは厨房に入っていった。少しするとコックの格好をした男がウタと一緒に出てきた。
ゴードン「君達は」
大輔「初めまして。自分は大補といいます。隣りにいるのは…」
マキノ「マキノです。ウタちゃんとは知り合いで」
ゴードン「そうか。よく訪ねてくれた。知っているとは思うが、私は嘗てここエレジアを収めていた王のゴードンだ」
大輔「よろしくお願いします」
ゴードン「もうすぐ昼食が出来上がる。良かったら食べていってほしい。ウタも喜ぶだろう」
大輔「ええ。ご相伴に預かります」
そして俺達はゴードンが作った昼食を食べた。中々の腕前だな。ウタも美味しそうに食べており、ゴードンは涙を流して喜んでいた。
大輔「ウタ、悪いけどゴードンさんと大切な話があるんだ」
ウタ「分かった。マキノさん!お城の中を案内するね」
マキノ「ええ。よろしくねウタちゃん」
そしてウタとマキノは食堂を出て行った。
「「……」」
残った俺とゴードンは、互いを見つめる。
大輔「さて…取り敢えず今までのウタの状況を聞かせてくれ」
ゴードン「…分かった」
そしてゴードンは話し始めた。最近拾った新種の電伝虫で、ライブ配信を行っている事。それまでのウタに、生気が全くなかった事など。
ゴードン「配信を始めてから、少しずつではあるが、元気を取り戻していた。だが、君達が訪ねてくれて、あれ程嬉しそうなウタを見たのは久し振りだ。本当に感謝する」
大輔「いや、シャンクスとの約束もある」
ゴードン「シャンクスとの…」
大輔「そうだ。そして、エレジアをこんな状態にした正体も聞いた」
ゴードン「…そうか」
そう聞いて、ゴードンは暗い表情をする。
大輔「俺が今回ここに来たのは、ウタを引き取る為だ。そして、ウタに本当の事を伝える」
ゴードン「!!」
大輔「だが勘違いするな。それを伝えるのは俺じゃない。ウタが20の誕生日を迎えた翌日に、シャンクス本人から話をすると約束させた。拳でな」
俺は拳を見せてそう言った。
ゴードン「そうか…ならば私もその時に電伝虫で同席させて貰えないか?」
大輔「そのつもりだ。きちんと…正直に全部話してやれ」
ゴードン「もちろんだ」
大輔「なら俺からはそれ以上何も言う事はない。後は、ウタ自身が一緒に来るかどうかだな」
ゴードン「それに関しては、私からもウタに伝えよう。彼女をこれ以上エレジアに留めておく必要はない」
大輔「…そうか」
ゴードンとの話が終わったタイミングで、丁度ウタとマキノが帰って来た。
ウタ「ただいま!」
大輔「おうお帰り。どうだった?城の探索は」
マキノ「ええ、とても楽しかったわ」
大輔「それは良かった」
ウタ「大輔はゴードンと話は終わったの?」
大輔「ああ。それでウタ」
ウタ「なに?」
大輔「お前俺達と一緒に来ないか?」
ウタ「えっ!?」