【巨乳】もんくえに転生したと思っていたらもんぱらだった件【天使】 作:ちゅーに菌
感想や評価などいつもありがとうございます。作者の養分なのでとても喜びます(エゴの塊) 頂いた感想は頑張って全部返したいです(いつもの)
書いておいてなんですが、この小説絶対にもんぱら初見向きじゃないので考えものですね……(反省)
1:七祖の堝楠
全然見つからんから暇潰しに何でも答えてやるぞ、下等生物ども
ねぇねぇ、下等生物……? 初めてスレ立てしたのだが、これであってる?
2:七祖の堝楠
んー……誰か来ないかなー? 淋しいなー?
3:七祖の堝楠
チラチラッ……チラチラッ……
4:名無しのにんおす
なんだコイツ(前振り)
5:名無しのにんおす
カナンネキ……誰だお前は!?
6:名無しのにんおす
これ本人?
7:名無しのにんおす
>6
IPアドレスカナンネキと一緒やからたぶん本人
8:名無しのにんおす
なんだ、今日のスレはそういう趣旨か……
9:名無しのにんおす
実質コスプレ
10:名無しのにんおす
今日のクソスレ定期
11:名無しのにんおす
堝楠
↑
みんな理解早いなって思ったらこれカナンって読むのか。じゃあ、本人じゃねーか騙された!
12:七祖の堝楠
なんだ、ぽまえら? 急にぽこじゃか沸いたと思ったらやたら異様に理解が早いな? 私以外にもんぱらで転生した先達でもいたのか? かわいそう
13:名無しのにんおす
お前じゃい!
14:名無しのにんおす
カナンネキだけッスよ……居たとしてもあんな世界で生き残ってるのは
15:名無しのにんおす
マジでブロリーとかでも力不足濃厚な世界だもんな……
16:名無しのにんおす
しかし、自他ともに認める六祖アンチのカナンネキが六祖(六祖とは言ってない)を語るとは、いったい何があったんだ?
17:名無しのにんおす
まあ、元々なんでもネタにする天使様だし……
18:名無しのにんおす
天使のクズだからね、しかたないね
19:七祖の堝楠
えっ、なに君たち? 私の半身が一応は天使なことまで知ってるのは流石にちょっと怖いんだけど……?
20:名無しのにんおす
今更何いってんだコイツ
21:名無しのにんおす
こやつめ、ハハハ
22:名無しのにんおす
お前が始めた物語だろ(スレ民歴約10年経過)
23:七祖の堝楠
んんんー? んー……?
ほほう……なるほどそういうことか
生き残った世界線の私がいるのだな? それならば合点がいく
24:名無しのにんおす
ん? どいうこと?
25:名無しのにんおす
どうしよう、混沌関連のロールプレイまでされると流石に付き合いきれないぞ。俺らもよく知らんし
26:名無しのにんおす
ホントに本人だよな? IPアドレス同じだし
27:名無しのにんおす
そういや、ふと思ったんだが、このスレって仮に並行世界の同一人物が個別に利用してたらIPアドレスどうなるんだ?
28:名無しのにんおす
>27
そんなことになる人間がいるわけないから前例がないんじゃね?
29:名無しのにんおす
えっ……じゃあ、この人って……
30:アズリエル
じー……
31:名無しのにんおす
アズちゃんだ!
32:名無しのにんおす
保護者が来たぞ
33:名無しのにんおす
これで勝つる!
34:名無しのにんおす
アズちゃん、この人お母さんですか!?
35:七祖の堝楠
おお? なんだ、なんだ?
36:アズリエル
お母さんならイリアスさまとぐっすり寝てるよ
私はトイレに起きただけ
【画像】
37:名無しのにんおす
カナンネキすやすやで草
38:名無しのにんおす
イリアス様も抱き着いて寝てる……(てぇてぇ)
39:名無しのにんおす
寝るが文字通りの意味の場合がこのスレであるとは……(驚愕)
40:名無しのにんおす
トイレに起きてとりあえずスレチェックとは、アズちゃんも染まってきましたね……
41:名無しのにんおす
>40
悲し過ぎる順応やめろ
42:七祖の堝楠
懐かしいなぁ……。いや、ひとりぐらい生存した私が並行世界にいたことは素直に喜ばしいことか
それはそれとしてコイツ、F00001に到達してない? ずるいぞ
43:名無しのにんおす
じゃあ、やっぱこの人は並行世界のカナンネキ……ってコト!?
44:名無しのにんおす
上位存在っぽいが、端々から香るポンコツさは明らかにカナンネキだな
45:七祖の堝楠
軽く過去スレにも目を通しているが、その認識で概ね間違いないであろうな
46:アズリエル
本当にお母さんなの……?
47:七祖の堝楠
証明はできんぞ。する意味もあまりないと言えるが
48:アズリエル
ならしつもん
49:七祖の堝楠
ホイきた
50:名無しのにんおす
なんか始まった
51:名無しのにんおす
そういや、質問スレだったなコレ
52:アズリエル
好きなものは……?
53:七祖の堝楠
人物なら玉藻。場所ならばカジノ。食べ物は基本何でも食べるが、特に甘いものが好きでジャイアンシチューも好き。逆に辛いもの全般はダメだな。カレーも甘口で作るレベルだ
54:名無しのにんおす
カナンネキ、渡されたら雑草とか石コロでも食べるものな
55:名無しのにんおす
マジで何でも食べるのはルールで禁止っスよね……
56:名無しのにんおす
近所の子供が誘って来たままごと遊びで、子供が出して来た泥団子を笑顔で食べてたときは逆に感心した
57:名無しのにんおす
むしろ、なんで辛いのムリなんだよ?
58:名無しのにんおす
>57
味覚がエデンさんだからだろ
59:アズリエル
特技は……?
60:七祖の堝楠
搾乳とパンツ盗み、後は料理の腕はちょっとしたものだよ
61:名無しのにんおす
最低
62:名無しのにんおす
そこ据え置きなの止めろ
63:名無しのにんおす
存在レベルの趣味なのかよ……
64:アズリエル
カードで遊んでるときよくいわれることは……?
65:七祖の堝楠
シャカパチ止めろ
66:アズリエル
………………お母さんかも知れない
67:名無しのにんおす
草
68:名無しのにんおす
それは流石に草
69:名無しのにんおす
カード傷むぞ定期
70:名無しのにんおす
クズさが証明になりそうなのバグだろ
71:名無しのにんおす
地味に嫌な要素も兼ね備えてるところが実にキマリ姉貴
72:名無しのにんおす
カナンネキのシャカパチ、綺麗過ぎてマジでうるさいからな
73:名無しのにんおす
カード遊び万年単位でしてるだけはある
74:カナァァァンッ!
スタァァァップ!
75:名無しのにんおす
うわでた
76:名無しのにんおす
寝てたハズでは!?
77:名無しのにんおす
こないで
78:アズリエル
わかんないからおこした
79:名無しのにんおす
行動力の化身か?
80:名無しのにんおす
アズちゃん割りとクソガキの素質あるよね……
81:名無しのにんおす
いいぞ、もっとやれ(話拗れる)
82:名無しのにんおす
面白くなってまいりました
83:名無しのにんおす
あー、並行世界の同一人物だとIPアドレスごと完全に同じなんですね……
84:名無しのにんおす
弱った、ここに来てカナンネキが2人になるとは……
85:名無しのにんおす
この不良天使、引き出しがあり過ぎるだろ……
86:名無しのにんおす
10年覇権コンテンツだゾ。というか、コテで遊んでるからカナンネキも余裕だなオイ
87:カナァァァンッ!
なんですか、穢らわしい! 私は認めませんよ! 質問に答えなさい!
88:七祖の堝楠
ほほう、お前が私の……無論、答えようぞ
89:カナァァァンッ!
DSで一番面白いと思っているゲームソフトは!?
90:七祖の堝楠
くりきん
91:名無しのにんおす
そ……ッッ そうきたかァ~~~~ッッッ
92:名無しのにんおす
カナンネキしか解答できない質問か
93:名無しのにんおす
くっそ懐かしいマイナーゲーで草
94:名無しのにんおす
くりきんって何?
95:名無しのにんおす
まあ、確かに次回作が無いことが残念なレベルで神ゲーだったが、あまりにピンポイント過ぎるだろ
96:カナァァァンッ!
一番好きなFFの敵キャラ!
97:七祖の堝楠
JENOVA
98:カナァァァンッ!
くえ時代で一番好きなもんむすは!? それからぱらで同じぐらい好きになったもんむすは!?
99:七祖の堝楠
ラミアンロイド(くえ)
ヌルコちゃん(ぱら)
100:名無しのにんおす
カナンネキ、ヌルコ推しだったのかよ! いい酒が飲めそうだ……
101:名無しのにんおす
ヌルコちゃんは可愛いナマモノで、カッコよくもなって、コラボでは面白い生き物だったからね、しかたないね
102:名無しのにんおす
なぜジェノバ……いや、ジェノバに性癖を破壊されてもんくえし始めたのでは?(名推理)
103:カナァァァンッ!
見ていて一番興奮する女性はどんな女性ですか!?
104:七祖の堝楠
妊婦
105:名無しのにんおす
おい馬鹿やめろ
106:名無しのにんおす
雲行きが怪しくなり始めましたね……
107:カナァァァンッ!
108:七祖の堝楠
筆跡、いい匂いもする
109:カナァァァンッ!
魅凪さんの一番食べてみたいところは!?
110:七祖の堝楠
左手の薬指。次点で髪
111:カナァァァンッ!
小さいイリアス様を見ていると思うことは!?
112:七祖の堝楠
柚子ポン酢と合いそう
113:カナァァァンッ!
(あっ、コイツ私だ……)
114:名無しのにんおす
終わってるよコイツ……いや、コイツら
115:名無しのにんおす
証 明 完 了
116:名無しのにんおす
なんでカナンネキ側にまだまだ闇があるのかよ……
117:名無しのにんおす
性癖の開示やめろ
118:名無しのにんおす
なんでコイツのより深い性癖を俺らが知らなきゃならんのだ……
119:名無しのにんおす
大火傷してんのカナンネキ側じゃねーかよ
120:名無しのにんおす
一般通過ライナーネキ
121:名無しのにんおす
カナンネキ、ロリアス様のこと柚子ポン酢と合いそうとか思ってたのかよ……
122:名無しのにんおす
>121
まあ、カナンネキたぶん余裕で食人経験ぐらいあるだろうし……いや、自分の主に対してそれはおかしいわコイツ
123:名無しのにんおす
最初の方の妊婦発言で引いたが、直ぐに突き抜けるんじゃない
124:カナァァァンッ!
それでも私はアナタが私だなんて認めませんからね!
125:七祖の堝楠
よかったな、私がペルソナのシャドウだったら今頃お前大変なことになってるぞ? 実際、天使のお前から見れば似たようなものだと思うがな
126:名無しのにんおす
弱った。あまりにカナンネキのツッコミ役に適している
127:名無しのにんおす
そりゃ、本人だからな
128:名無しのにんおす
我は汝、汝は我……
129:七祖の堝楠
我は影、真なる我……
130:名無しのにんおす
しかもカナンネキだからネタにもノリノリだ
131:名無しのにんおす
俺、こっちの方が好きかも知れん
132:カナァァァンッ!
今更何の用ですか? もう、ほんへは始まってますし。明日イリアスヴィルの南にあるタルタロスに行くのですから妙な真似だけはしないでくださいね?
133:七祖の堝楠
用も何もスレタイ通りというか……建てたら勝手に釣れたのだが……。そうか、もう始まってしまっているのだな
ふむ……それならとりあえず、私の自己紹介でもするとするか。前提知識は十分なようなので、そちらの方がぽまえらの理解も早いだろう
134:名無しのにんおす
オッスお願いしまーす!
135:名無しのにんおす
流石の順応力の高さですね……
136:七祖の堝楠
数え切れないほど並行世界を食べ歩き、混沌の知識をそれなりに深めた堝楠もといカナンという存在が私だ
そして、女神や邪神が完全に勝利した正史と乖離する世界があるように、私の居た世界で正史と最も乖離していたのは、カナンを引き取った先が、女神イリアス側ではなく、邪神アリスフィーズ側だったことだよ
なので――
【画像】
普段はこのような姿をしている
137:名無しのにんおす
六祖の蛭蟲やん
138:名無しのにんおす
いや、蛭蟲より色々デカいぞ
139:名無しのにんおす
おっぱい縦セタグラサン蛭蟲とか盛り過ぎだろ
140:名無しのにんおす
縦セタはデフォなのかよ、黒だけど
141:名無しのにんおす
そんな気はして――いや、待ってカナンネキって引き取られ先違うだけで六祖の仲間入りするん?
142:七祖の堝楠
>141
おや? その辺りは話していないと? 私よ、そちらも話してしまって構わないか?
143:カナァァァンッ!
私って言わないでください。別に隠し通そうとしてた訳でもないですし、あなたみたいなのが湧いたら隠す意味もなくなりました
144:七祖の堝楠
お許しもでたので話そう
だが、その前に――アズリエルだったか? 少し頼みがある
145:アズリエル
…………ん?
146:七祖の堝楠
ふふふ……並行世界の私の娘か。会って話をしたいものだな。このように文字越しというのはやはり味気ない
147:アズリエル
そうだね……
148:名無しのにんおす
今見た画像の姿を君はどう思った? おっと、余計な話だったな
頼みというのは私の名前の文字をスレに書いて欲しいということだ。後ろにお母さん付きで
149:アズリエル
…………堝楠お母さ――
150:カナン
……迂闊でした。様子見をしていましたが、私ともあろうものが、そこまで堕ちているとは流石に思いませんでしたよ。まさか
151:名無しのにんおす
カナンネキ!? どうしてアズちゃんを叩いて!?
152:名無しのにんおす
あっ……ヤバいときのコテだ
153:七祖の堝楠
それだけということはない。想いとは認識のこと。取り分け小さき子の想いは純粋でわかりやすく、また親を無償に愛するものだ。故に愛とは開かれたものであり、無意識に"招く"ものに他ならない
154:七祖の堝楠
そして、契約や術式は古来から文字を介して行われて来た。故に名を書くとは"名を呼ぶ"以上に重要な事柄と言えるだろう
155:七祖の堝楠
つまりこういうことだ――
156:次元侵蝕者
――特定したわ……私を、呼んだわね……
◇◆◇◆◇◆
「お招きありがとう。私と私のアズちゃん」
カナンのデコピンによって目を回していたアズリエルは、気が付けば静止した世界の中におり、自身は母の背に隠され、それと対峙していることに気づく。
それは一見すると紫の肌と桃色の髪をし、額から二本の触角の生えた陸棲種の魔物のようであったが、その歪みきった笑みと感情を感じさせず山羊のように裂けた瞳孔があまりに異様であろう。
また、黒の縦セーターのようなものを着ているが、それが何処から触手へと変わっているように見え、彼女のいる空間だけがポツンと浮き出ているようにさえ見えた。
更にアズリエルでは推し量ることさえ出来ないあまりにも莫大な魔力を持っていることだけはわかり、それは星そのものを内包するようなもので、桁違いという事さえ烏滸がましい何かであり、母と比べてもあまりに圧倒的であろう。
目の前にいるそれが何者かすらわからないアズリエルであるが、目の前にいる母親が、神の矢の光を手に番えながら一切の表情を消している様を見て、事の重大さに気付く。
「下手なことはしないほうがいいわ。私が少しでも拡がろうとすれば……わかるでしょ?」
彼女の下半身から生える触手が少し蠢き、それが床に触れると煙でも払うかのようにそれが消滅する。更に彼女の表面から滴り落ちた粘液が地に落ち、そこから花のように小さな触手が幾つも芽吹いている。
「大丈夫、暫くは大人しくしているわよ……。私、たぶん元の奴よりも自制心はあると思うもの」
彼女は自身に生える触手を動かすと、視線も向けずに足元に芽吹かせた触手を引き抜く。そして、咀嚼するように包み込むとそれらは跡形もなく消えていた。
「ぅ……」
その一部始終を目にし、異様な光景にアズリエルはカナンの背にそっと抱き着き、カナンは大きな溜め息を吐く。
「自分が愚かでクズなことは日頃から自覚していますが……よもや次元侵蝕者になるほどだったとは……」
「あまり軽率にその名を呼ばない方がいいわ……。今度は本物が来ちゃうわよ?」
「本物でしょう?」
「失礼ね……。例え99.9%が別のものに変質しようとも残りが私ならそれは私なのよ。あなたが、その身体の形を治さずに大事そうにしているのを見ると尚更思うわ……」
すると彼女は恭しく礼をし、特にアズリエルへ向けてか、少し身体を伸ばしながら屈んで見せる。
「怖がらなくて大丈夫……私は"
そう自己紹介し、笑う彼女の姿が解けるように歪み、触手の塊が蠢くと直ぐに蛭蟲に似た姿に変わった。
「さて……アズちゃん。簡単に説明をすると――お前の母親は半分、蛭蟲の実妹だということだ」
「えっ……」
彼女は"詳しく話すと……"と言葉を区切り、更に詳細を語る。
「傍迷惑な女神が、試作段階の妖術と、マガツオオミカミに搭載予定だった幾つもの機能をエデンの素体にインストールし、動力に神の矢を搭載した聖魔融合炉を積み込み……血迷った邪神が蛭蟲を作った細胞の残りを入れて生み出された
「ええっ……?」
"聖魔融合炉に関しては共同開発らしいがな"と続け、彼女は肩を竦めて見せた。
「そんな100%暴走するとしか言いようのないわけのわからん失敗作が、女神の下で行儀良く天使の真似事を続け、天使のまま聖魔大戦で死んだ。正史のカナンというのはそれだけの存在だ」
歯の浮くような話にアズリエルが母の顔を見上げると、それより先に神の矢の光を収めた母の手が頭に置かれ、やや雑に撫でられる。
「よかったですね、アズさん。あなたの伸び代は保証しますよ」
「えぇ……」
そして、あまりにいつも通り過ぎる言葉が飛んで来たことにアズリエルが困惑していると、そのままカナンはぽつぽつと言葉を溢す。
「……なにせ、イリアス様……小さくなって重要な記憶が全て抜けている状態でも再会してから1度も私のことを天使と呼んで来ませんからね。というか、まあ……普通に考えて、私の心臓を爆弾にして、天界に近寄らせない様にしたのは妥当な判断でしょう」
「…………わからんな。どうしてそこまでされてイリアスの下にいる? 正直、私生前からイリアスのことそんなに好きではないと思っていたんだが……?」
「子は母を無償で愛すと言ったのはアナタでしょう? であれば、被造物は創造主を愛するものです。例え、逆はないとしても。私はイリアス様を敬愛し、信愛し、愛玩しているのです」
「くひひ……天使でもないクセに天使のような盲目さだ」
「盲目? 下らない……推し以外が基本ゴミクズに見えるだけですが? 知性体が何百体、何億体が死のうが、幾つ世界が滅ぼうが、私はあの方が最終的に幸せになる姿を見届けたいだけですよ」
「………………まさか、お前……。半身の蛭蟲の力を身体の修復にすら使っていないのは……?」
「そんなの――イリアス様が古代の頃に"その不快極まりなく、穢らわしい力を2度と私の
「……いやいや、それで食欲とかなんとかならな――」
「なりますが?」
「嘘つけ、ならないだ――」
「なりますが?」
「こっわ……ヤバいなコイツ……」
カナンが暫く彼女の疑問を答えていたところで、再び彼女の身体が触手に変わると次元侵蝕者の姿へと戻る。怖さだけならこちらの方が数段上なのだが、さっきまでのやり取りから今のため、アズリエルは何とも言えない気持ちになっていた。
「まあ、一先ずは戦うのはナシにしましょう……? 私だって結末は気になるから見守っていたいわ」
「魔物のクズになっておいてよくも抜け抜けとそのようなことを言えますね」
「………………」
アズリエルは自分の母親を無言で見上げた。ちなみに自身を棚に上げているコレは天使のクズである。
「まあ、構いませんよ。その代わり何かあれば直ぐに殺しますので、そのおつもりで」
「へぇ……? 本気で私に勝てると思っているの……?」
「ひっ……」
しかし、やや和やかになっていた空気は、カナンが彼女を煽ったことで、彼女から空間を侵すような魔力の濁流が溢れ、こちらを押し流さんとばかりに向けて来たことで再び張り詰めたものになる。
カナンらしく負けず嫌いと言えば聞こえはいいが、彼女はこれまで無数の並行世界を平らげながらここまでやって来た生粋の化け物であることは火を見るよりも明らかだろう。
「虚勢はギャンブルで勝ち筋が見えない時の私の悪い癖ですよ、アナタ」
「………………」
しかし、どこ吹く風の様子のカナンがそう呟いたことで、歪んだ笑みを浮かべていた彼女の口元が少しだけ閉じ――いつの間にかカナンの隣りに浮いていた鏡のような何かに気付き、彼女は目を見開く。
「"
「イリアス様って、ボツ案の図面とかの管理が割りとザルなんですよね。それに私、イリアス様が好かないので、身体を異形にするような改造はしませんが、機能のアップデートは常にしていますので」
アズリエルには何のことか分からなかったが、それを見た瞬間から彼女が動きを止めてやや身を固くする程度の何かであることが見て取れた。
「それより、正史の私は天使の真似事を続け、天使のまま死んだ……でしたか? つまりそれは――今の"メイド"かつ"熾天使"ではない私と戦いたいと?」
「………………」
その様子をアズリエルが眺めていると、カナンの方から口を開き、再び挑発をする。しかし、今度は口をへの字に曲げ、彼女はあからさまに不機嫌な様子になる。
「見たところ、心臓部に聖魔融合炉を持っていませんね? つまり、それに紐付いた能力である神の矢は使えない。まあ、あのイリアス様が私を邪神の方に押し付けるならば、そんな気前のいいオプションを付けたままにしておく筈ないですし」
そう言うと、カナンは八咫鏡を展開したまま再び手に神の矢の光を灯す。しかし、その光はアズリエルが見たことがないほど煌々と輝き、さながら死そのものを見ているような感覚を覚え、自然に身体が震える。
また、明らかにこれまでのカナンとは比べ物にならないほど魔力が上昇しており、アズリエルにとっては彼女と比べることが出来ない程にまで達した。
「はぁ……嫌ね、自分と話すって……。隠し事はできないのに、奥の手があることは手に取るように分かるなんて……」
深い溜め息と共に彼女は空間を侵蝕し、その場から徐々に消えて行く。
「お姉さん怖くて震えちゃうわ……。そんなに警戒しなくても私は私でやりたいことがあるだけよ。でもそうね……肝に銘じておくわ――またすぐに後で、ね……」
そして、それだけ言うと彼女は溶けるようにその場から跡形もなく消滅し、その頃にはカナンの魔力は元に戻り、八咫鏡の姿も何処にもなかった。
全てが終わり、カナンが停止させていた時間が再び流れ始め、その前にアズリエルは声を掛ける。
「あの……お母さん……」
「なんですかアズさん? 八咫鏡ならあげませんよ? あのクソ強理不尽反射神器、一点物で替えが利かないんですよ」
「いや、それは別に……」
「ああ、脅しはしましたが、恐らくは大丈夫でしょう。何せ、ほら……どんなに歪もうと――結局のところ私は私ですから」
なんだかんだ母親が大好きなアズリエルは、秘密を明かしたところで、いつもと何一つ変わらない様子のカナンに呆れと安心感を覚えるのであった。
◇◆◇◆◇◆
イリアスベルクでカナンが拘留されてから数日後――。
その間にイリアスベルクの西にあるイリナ山の洞窟で盗賊モドキの魔物の子供たちを改心させたり、カブトムシでルカがはしゃいだりした後に一行は、イリアスヴィルの南にあるタルタロスに来ている。
タルタロス内には異様に技術が進んだ痕跡があると共にアポトーシスと呼ばれる正体不明の魔物を相手にしつつ進み、イリアス曰く次元そのものを隔絶している扉を何故かルカとアズリエルが開け、その先に進むと空間そのものが異常侵蝕を受けた街があった。
そこはさながらプログラムのバグのような有様であり、現実感のあまりにない光景にルカ一行の多くが恐怖を示し――。
「きゅっ……! ききゅっ!? きゅー!」
「ふふっ……ふふふっ……うふふふっ……! 愉しいわ……愉しいわ……ヌルコちゃんきゃわわ……!」
道のど真ん中で、タコっぽい幼気な魔物が、ナメクジっぽい大人の魔物に絡まれている様子に真顔になった。
タコっぽい方はジタバタと藻掻いているが、それをナメクジっぽい方がガッチリと胸に抱いたまま地面に寝そべっており、絵面は魔物でさえなければ、完全に児童誘拐のそれである。
更に何か巨大な生き物のイビキのような大きな音が定期的に響いており、異様な光景の筈の景観を完全に破壊しに来ていた。
「見てください、アズさん。無数の並行世界を喰らい尽くし、世界にとっての害獣に成り果て、スレと私たちを悪用してまで辿り着いた先で一番したかったことがコレですよ」
「うわぁ……」
何故か、このような空間にやたら慣れている様子のカナンとアズリエルは、目の前のそれをゴミを見るような目で眺めていたが、小声と異様さのせいで、他の者に会話内容は伝わらなかった。
「なんですかこの邪魔でふてぶてしいナメクジは……見たことがな――」
そこまで言ってイリアスは止まる。
「……あれ、見たことはない筈なのに……何故か知っているような……それに身体の震えが……」
「イリアス様……」
次の瞬間、カナンはイリアスに向かって強めのデコピンを放った。
「いったぁ!? なにをするのですかカナン!?」
「全部アナタのせいですよ……反省してください」
「な、なんでー!?」
イリアスが涙目になりながら叫んだところで、ナメクジっぽい魔物がぐりんと頭だけ動かしてこちらを見て来る。
「あら、少し遅かったわね……」
「きゅ……」
また、タコっぽい魔物は縋るような目でこちらを見ていた。
「知り合いなのか……?」
「……まあ、親以上友達未満ぐらいの知り合いですかね」
「なんだそれは……?」
アリスの質問に答えたカナンであったが、その答えは間違っているとしか思えないものであり、それ以上聞く前にカナンはナメクジっぽい魔物の隣りでしゃがみ、顔を覗き込む。
「何してるんですか、アナタ?」
「やっと推しを見つけられたのはいいのだけれど……お行儀よくしてたら空腹でもう一歩も動けなくなったの……床おいしいわ……」
よく見ると死体のように身体を投げ出している彼女の周りの地面が少しずつに沈んでいるように思える。
そして、断続的に響いている巨大な生き物のイビキのような音は彼女の腹から出ているものだということに全員が気づく。
「お腹が空いてるのか……?」
「あら、知らないのかしら……?
「きゅっきゅっ……きゅ……」
「その子も"バカなのかお前……"って呆れてますよ……」
見たままのことを聞いてみたルカだったが、想像以上に情けない返答が来たことにどうするべきかと悩んでいると、カナンがアリスをナメクジっぽい魔物の前まで連れて来る。
「アリス様、魔王なんですからソレの面倒見てください。よかったですね」
「いや、いらないんだが……?」
「魔王様……ふふふっ……。仕えるなんていつ以来かしら……? 私は――…………………………」
「あっ……空腹に耐え切れず失神しましたよ、このクソザコナメクジ。石油タンカーよりカスな燃費ですね、イリアス様」
「ならこのまま、放って置けば餓死しますね!」
「は……? ふざけないでください、イリアス様。2度も捨てるだなんて……しかも私の目の前で……ぶち殺しますよ……?」
「ひっ……なぜ!? カナン、コレに会ってから可笑しいですよ!?」
「きゅー! きゅー!」
「この娘も一緒に来たいみたい。連れて行ってあげようか?」
「ソニアが言うならそうしようか」
「名前はヌルコね。なんだかヌルヌルしてるから」
「きゅっきゅっきゅー!」
こうして、ヌルヌルしたナマモノとナメナメしたナマモノが一行に加わったのだった。
〜 その後 〜
「ソニアさん、このナメクジにも惨めな名前を付けてあげてください」
「うーん、ヌルコちゃんと居たから……ナメコさん? ……あれ!? 今、私のネーミングセンスのことディスられ――」
ナメコ(堝楠)
初期Lv:420
職業:破滅事象 Lv20
種族:次元侵蝕者 Lv20
固有アビリティ:なめなめ終異体